JPS6210335Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は住宅の屋根裏換気装置の改良に関する
もので、小屋組み架構の構造を簡単にして屋根裏
の断熱性能の向上を図ることを目的とするもので
ある。

従来、和小屋組の小屋裏換気にさいし、屋根葺
材に当る日射熱が小屋裏に伝播するを防止するた
め、屋根葺材と垂木との間に通気層を形成し、軒
下から空気をその通気層に通して棟部で排気する
屋根裏換気方式があるが、これでは垂木構造を二
重にしなければならずして小屋組み架構が複雑と
なり、洋小屋組トラスに適用困難であり、又棟部
での雨仕舞い対策に難がある等の欠点があつた。

本考案は従来の上記欠点を改善するためになさ
れたものであり、従つてその特徴とするところ
は、小屋組トラスの合掌材の上にこれと直角方向
に母屋を架け渡し、該母屋の上に野地板を張つた
屋根小屋組を備える住宅において、前記野地板の
裏面に断熱材をはり合わせるとともに、前記母屋
間の合掌材上にも断熱材を張つて、これら野地板
裏の断熱材と合掌材上の断熱材との間に通気道を
母屋長手方向に形成し、該通気道の母屋長手方向
両端の外壁面には同通気道と連通する屋根裏換気
口を設けた点にある。

以下、この考案の実施例を図面に基づき説明す
る。

図面において、１は小屋組トラスで、陸梁材
２、合掌材３、および真束材４より成る。５は母
屋で、小屋組トラス１の合掌材３の上にこれと直
角方向に架け渡してある。６は瓦、金属板等の屋
根葺材、７は屋根葺材６の下地材である野地板
で、前記母屋５の上に張られて釘打ちされてい
る。８は軒桁、９は軒桁８の下に建込まれた外壁
パネル、１０は妻側の小屋組トラス１の外面側に
張つた外壁パネル、１１は天井板で、この裏面側
には断熱材１２をはり合わせてある。１３は小屋
裏換気口で、外壁パネル１０に開口してある。

本考案は上記小屋組トラス１、母屋５、および
軒桁８等により架構される住宅の屋根小屋組にお
いて、野地板７の裏面に発泡スチロール樹脂等の
断熱材１４をはり合わせるとともに、母屋５，５
間の合掌材３の上に湿度吸収発散型の断熱材１５
を張り、これら断熱材１４と１５間に通気道１６
を母屋長手方向に形成し、かつ通気道１６の母屋
長手方向両端の外壁パネル１０に、第４図に例示
する様なガラリ等による屋根裏換気口１７を開設
したものである。なお、上記断熱材１４は、野地
板７を母屋５の上に張りつける前に、予めその野
地板７の裏面にはり合わせられる。

上記構成において、夏季に屋根葺材６に当る日
射熱が野地板７裏の断熱材１４、および合掌材３
上の断熱材１５の二重断熱層により有効に絶縁さ
れて小屋裏および天井板１１付近へ伝播するのを
遮断することができ、特に夏季（外気温度、約31
℃）には金属板葺き屋根裏温度は40℃前後の高温
となるが、この高熱は通気道１６の一端部の屋根
裏換気口１７より入つてくる空気により奪われて
他端部の屋根裏換気口１７より排気されるのであ
る。また、通気道１６での換気により、又合掌材
３上の断熱材１５として湿度吸収発散型のものを
使用することにより、小屋裏の結露防止をはかる
ことができる。

また合掌材３上の断熱材１４と、天井板１１裏
の断熱材１２間の小屋裏の熱気は、在来通り小屋
裏換気口１３より排気される。天井板１１裏の断
熱材１２は冬季において室内の保温効果を得るこ
とができる。

このように上記構成の屋根裏換気装置によれ
ば、断熱材１４，１５による二重断熱構造および
通気道１６により夏季の屋根裏断熱性能を著しく
向上することができて室内の天井付近の室温が高
温となるのを防止でき、住心地を良好にするので
あり、しかも、野地板７の裏面および合掌材３の
上にそれぞれ断熱材１４，１５を張るだけの簡単
な二重断熱構造で足り、この断熱構造によればこ
の種在来の屋根裏換気装置の如き垂木を二重にす
るような特別な小屋組み架構法をとらなくてす
み、一般の洋小屋組架構をそのまま利用して実施
することができるのであり、またこの装置の通気
道１６に設けた屋根裏換気口１７は妻側の小屋組
トラス１の外壁パネル１０に開口してあり、この
換気口１７は屋根葺材６の妻側に突出するその葺
材端部６ａにより覆われる位置にあるため、その
換気口１７としてはガラリ構造をとる程度で雨仕
舞いを十分にすることができ、棟部に排気口を設
ける在来の屋根裏換気装置の雨仕舞い構造よりも
簡易な雨仕舞い構造で足りる有利さがある。

なお、上記実施例において合掌材３上の断熱材
１５の母屋５との接触端部１５ａに、気密材を取
付けるなどして気密性を高めることが望ましい。
また、この断熱材１５が合掌材３，３間で撓み変
形する場合には、第３図に示すように該断熱材１
５に撓み防止補強材１８を入れたり、あるいはリ
ブをつければよい。

上記実施例で明らかなように本考案の屋根裏換
気装置によれば、夏季の屋根裏断熱効果を著しく
高めることができ、しかも一般の洋小屋組に簡易
に実施することができ、又換気口の雨仕舞いも容
易になし得る等の利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を適用した住宅の屋根部の
一例を示す妻側立面図、第２図は同屋根の小屋組
の断面図、第３図は第２図における一部拡大図、
第４図は屋根裏換気口の一例を示す斜断面図であ
る。 １……小屋組トラス、３……合掌材、５……母
屋、７……野地板、１４……野地板裏の断熱材、
１５……合掌材上の断熱材、１６……通気道、１
７……屋根裏換気口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 小屋組トラスの合掌材の上にこれと直角方向に
   母屋を架け渡し、該母屋の上に野地板を張つた屋
   根小屋組を備える住宅において、前記野地板の裏
   面に断熱材をはり合わせるとともに、前記母屋間
   の合掌材上にも断熱材を張つて、これら野地板裏
   の断熱材と合掌材上の断熱材との間に通気道を母
   屋長手方向に形成し、該通気道の母屋長手方向両
   端の外壁面には同通気道と連通する屋根裏換気口
   を設けたことを特徴とする住宅の屋根裏換気装
   置。