JPS621032Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動二輪車等のバツクシート装置の改
良に関するものである。

自動二輪車のシート後方上に乗員、或は同乗者
の背中を受けるバツクシートが設けられるが、従
来のバツクシートは固定式であつて、乗員、或は
同乗者の体格や運転、乗車姿勢に合せることはで
きない。

本考案はかかるバツクシートを改善すべくなさ
れたもので、その目的とする処は、バツクシート
を上下、或は前後、上下にバツクシート取付部材
に対して調節して固定し得る如くし、乗員、同乗
者の体格や運転、乗車姿勢に応じた最適のポジシ
ヨンを選択、設定し得る如くした自動二輪車等の
バツクシート装置を提供するにある。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は自動二輪車のシート後部の側面図で、
シートは既知の如くフレーム上の燃料タンク後方
に中間部から後方に延設される。シート１の後端
１ａ後方に例えば物入れ２が設けられ、物入れ２
は所定の高さを有し、上面及び後面に蓋３を備
え、蓋３を開閉して物を取り出し収納する。

かかる物入れ２を例えば支持部材としてこれの
前面板４の前面にバツクシート５を設け、バツク
シート５はシート１の後輪上方に臨む。バツクシ
ート５は後面をなすフレーム６と、これの前面の
クツシヨン材７及びクツシヨン材７の表面を覆う
外被材８からなり、乗員、或は同乗者の背中を受
ける如く配設されている。

以上のバツクシート５のフレーム６後面には縦
にガイド部材９を設け、ガイド部材９は第２図及
び第３図の如く断面チヤンネル型でガイド溝９ａ
を有し、相寄る方向に対称的に折曲された規制片
９ｂ，９ｂを備え、規制片９ｂ，９ｂ間に縦に直
線状のボルト又はピン挿通用のスリツト９ｃが設
けられており、ガイド部材９の後面９ｅは物入れ
２の前面板４に当接されている。ガイド部材は第
４図に示される如く断面Ｚ型の部材９−１，９−
２を向い合わせてフレーム６の後面に接合し、部
材９−１，９−２間にスリツトを有するガイド溝
を形成しても良い。ガイド部材９は閉じた前片９
ｄをフレーム６に溶接等で接合し、一方物入れ２
の前面板４にはボルト又はピン取付孔１０を設
け、ガイド部材９が縦設された箇所のバツクシー
ト後方周囲縁５ａは、物入れ２の前面板４と近接
するような形状とする。他方ガイド部材９の溝９
ａ内にナツト１２を遊合し、前面板４の裏側の物
入れ２内からボルト１１を取付孔１０に通し、更
にスリツト９ｃから溝９ａ内にナツト１２に螺合
せしめ、ボルト１１を螺締してこれの頭１１ａと
ナツト１２との間に規制片９ｂ，９ｂを挾み込
む。尚ガイド部材９及びボルト、ナツト、取付孔
は好ましくは左右二個所に設け、一個所でも良
い。又、ガイド部材９はボルト、ナツトの代りに
弾性ピンで取付けても良い。

以上において、物入れ２の蓋３を開放してボル
ト１１をゆるめることによりナツト１２とボルト
頭１１ａとの間の規制片９ｂ，９ｂの挾着力をゆ
るめ、これによりバツクシート５はフレーム後面
のガイド部材９が上下方向に自由となり、バツク
シートを上下させてこれの高さ位置を調節し、所
定の位置でボルト１１を螺締し、ナツト１２とボ
ルト頭１１ａとの間で規制片９ｂ，９ｂを挾着、
し、バツクシート５を所望の位置で固定する。

第７図は上下及び前後にバツクシート２０５を
調節し得る如くした実施例で、中間部材２１３を
前面板２０４に対して上下のガイド部材２０９と
ボルト２１１、ナツト２１２で上下調節可能と
し、中間部材２１３に対してバツクシート２０５
のフレーム２０６の両側片２０６ａ，２０６ａを
これ２１３の両側片２１３ａ，２１３ａに長孔２
１４、ボルト２１１−１、ナツト２１２−１で前
後に可調節に螺着する。かくしてバツクシート２
０５は前後、上下に調節可能となる。

以上実施例を詳述したが、バツクシートの止着
手段は上記ボルト、ナツトに限られず、弾圧され
たピンと複数の凹部等の手段を採用しても良い。

以上で明らかな如く本考案によれば、バツクシ
ートを上下或は前後上下に調節可能としたため、
乗員、同乗者の体格や運転、乗車姿勢に応じた最
適のポジシヨンにバツクシートをセツトすること
ができるとともに、以上を簡単な構造、容易な操
作で実現できる等多大の利点を有する。又バツク
シートの上下調整機構をなすガイド部材は、バツ
クシートに縦設され、しかもガイド部材が縦設さ
れた箇所のバツクシート後方周囲縁は物入れの前
面板に近接する形状としたので、上下調整機構は
外からは目立たず、外観性が向上する。更にバツ
クシートの高低を調整するには、物入れの蓋を開
けて、物入れ内に収容されている調整機構のボル
トを調節するだけで良いので、メンテナンス性、
作業性に優れている。更に又バツクシートの後方
周囲縁と物入れの前面板とが近接するような形状
となつているので、調整機構の部分に外部から手
が届くことがなく、いたずらや盗難を防止するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
はシートの側面図、第２図は第１図２−２線断面
図、第３図はガイド手段の斜視図、第４図は同変
更実施例図、第５図は更なる変更実施例の横断平
面図である。 尚図面中５，２０５はバツクシート、６，２０
６はフレーム、４，２０４は取付支持部材、９，
９−１，２１３はガイド手段、１１，１２，２１
１，２１２，２１１−１，２１２−１は止着手段
である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 バツクシートの後方に配設される物入れの前面
   板にボルト又はピンの取付孔を形成し、 前記バツクシートの後面にガイド部材を縦設
   し、 前記ガイド部材に後方に開放状で断面チヤンネ
   ル型のガイド溝を上下に延出形成し、 前記物入れの前面板と前記ガイド部材の後面と
   を当接させ、 前記ガイド部材が縦設された箇所の前記バツク
   シート後方周囲縁を前面板に近接する形状とし、 前記物入れ内から前記取付孔及びガイド溝にボ
   ルト又はピンを挿通してガイド溝内で止着し、 物入れの蓋を開放した状態で前記ボルト又はピ
   ンの緊緩によりバツクシートを上下方向に調節自
   在に構成したことを特徴とする自動二輪車等のバ
   ツクシート装置。