JPS6210204Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スポーク車輪の上側を覆う車輪カバ
ーを設け、その車輪カバーの左右両側に足載せス
テツプを設け、前記スポーク車輪に対する泥掻落
具を設ける乗用田植機における泥掻落し装置に関
する。

車輪に対する泥掻落し技術としては、例えば、
実開昭53−61938号公報に開示の技術がある。

この構造のものは、車輪の上部を覆う車輪カバ
ーとしてのフエンダーの内面に、車輪に対する泥
掻落具としての弾性条体を設けてある。

ところが、このような構造のものでは、車輪と
泥掻落し具との間に石が咬み込んだ場合、石によ
つて車輪軸芯方向に押圧される泥掻落具を車輪カ
バーが押されまいとして押し返すため、つまり、
車輪カバーが反力として作用するため、泥掻落具
が早期に損傷する欠点があつた。

また、車輪に付着の泥土を、車輪の上部と言つ
た高い位置で掻落すものであるから、落下した泥
土による飛翔土が多いと言う問題もあり、従つ
て、このような技術を水田を走行する田植機の泥
掻落し技術に用いるには、未だ、改善の余地があ
る。

本考案は、泥掻落具の配設位置を工夫すること
によつて、上記欠点を解消することを目的とす
る。

上記目的を達成する為の本考案の特徴構成は、
前記スポーク車輪の両側に、弾性変形可能な板状
泥掻落具を設けるとともに、その板状泥掻落具
を、足載せステツプから延出の支持アームの先端
に取付けて、前記車輪に対して、車輪半径方向で
車輪の内周面に近接する状態で、且つ、軸芯方向
でスポークに近接する状態で、さらに、車輪の前
進回転方向で車輪カバーの下縁よりも上手側の泥
面近くに位置する状態で配設した点にあり、斯か
る構成から、次の作用効果を奏する。

すなわち、泥掻落具を、板状体から構成したこ
とと、ステツプから延出の支持アームを介して車
輪カバーの外部で支持するようにしたこととによ
つて、車輪と泥掻落具との間に、石を咬み込んだ
場合、石によつて板状泥掻落具が軸芯方向に撓み
変形して逃げることと、その板状泥掻落具の撓み
変形を阻止する車輪カバー等の阻止部材が存在し
ないので石の咬み込みが防止される。また、泥掻
落具は、前記支持アームを介して車輪カバーの下
縁よりも下方の泥面近くに設けてあるから、掻落
された泥土の落下エネルギーが小さく、落下土に
よる飛翔土が少ない。

従つて、石の咬み込みに伴う泥掻落具の損傷を
抑制することができるとともに、飛翔土による既
植苗への悪影響を防止することができる。

さらに、スポークに付着の泥土との接当によつ
て、車輪に対して間欠的に振動を与えることがで
きるから、掻落し作用と振動による作用とによ
り、良好な泥掻落し作用が発揮される。

以下、本考案の実施例を図面に基いて詳述す
る。

第１図及び第２図に示すように、機体前端部の
エンジン１、エンジン出力が入力される走行用ミ
ツシヨンケース２、走行用ミツシヨンケース２の
左横側部から下方に延出されるとともに伝動用チ
エーン３を内装する車輪駆動ケース４、走行用ミ
ツシヨンケース２の右横側部から下方に延出され
る車輪支持枠５、車輪駆動ケース４と前記車輪支
持枠５との間に支承される推進車輪６、車輪６の
上部を覆う車輪カバー７、及び、左右一対の足載
せステツプ８，８等を備えた前部機体部分を、前
記車輪６の上方に位置する運転席９、前記車輪６
よりも後方位置において硬盤に接地摺動する左右
一対の前後方向に沿う杆状体１０，１０、一定ス
トロークで横往復移動される傾斜苗のせ台１１、
この苗のせ台１１に載置されたマツト状苗より順
次一株分づつの苗を取出して圃場に植付ける植付
爪１２、及び、整地フロート１３等を備えた後部
機体部分に対して、ステアリングハンドル１４に
て上下軸心Ｘ周りに揺動操作可能に連結し、もつ
て、車輪６と圃場を乱すことなく移動し得る杆状
体１０とにより機体を支持しながら進行するに伴
い、順次苗を植付けるよう構成し、又、後部機体
部分に対して前部機体部分を揺動操作して車輪６
を向き変更させて操向するように構成してある。

前記車輪６は、周方向適当間隔置きに設けられ
たスポーク６Ａと、環状リング６Ｂと、その環状
リング６Ｂの外周部に周方向適当間隔置きに設け
られた推進ラグ６Ｃとからなるラグ付きスポーク
車輪から構成されている。

前記両杆状体１０，１０の前端部を、機体に軸
心周りに回転可能に支承され、且つ、油圧シリン
ダ１５にて正逆に回転操作可能な横軸１６の両端
部に固着し、もつて、両杆状体１０，１０を、植
付深さ一定化のために上下揺動調節できるように
構成してある。

尚、第１図における１７，１７は、路上走行時
等において前記杆状体１０，１０に代えて接地さ
せる遊転輪であり、対機体上下位置変更調節可能
に設けてある。

第１図及び第３図に示すように、前記車輪６に
対する樹脂製の板状泥掻落具１８を、前記ステツ
プ８の後端部にボルト連結された支持アーム１９
の延出端部に取付けて、車輪６に対して、車輪半
径方向で車輪６の内周面に近接する状態で、且
つ、軸芯方向でスポークに近接する状態で、さら
に、泥面ａ近くに位置する状態で配設し、もつ
て、車輪６の接地外周部近くに付着する泥土を掻
落すことができるように構成し、しかも、大きな
異物が掻落具１８と車輪６との間に入り込んでく
ると、泥掻落具１８をそれ自体の弾性変形作用に
より逃げるように構成してある。

又、前記アーム１９をステツプ８に取付ける
に、上下長孔２０，２０を介して上下位置変更調
節可能な状態でボルト連結し、もつて、泥掻落具
１８を摩耗等に拘らず車輪６に対する適正位置と
なるように上下位置調節できるように構成してあ
る。

又、前記泥掻落具１８をアーム１９に取付ける
にアーム１９の延出端に固着した板体２１ａと別
の板体２１ｂとの間で挟み込んだ状態でボルト連
結し、連結ボルト２２に、両板体２１ａ，２１ｂ
の間隔規制用のカラー２３を外嵌し、更に、両板
体２１ａ，２１ｂの端縁部Sa，Sbを泥掻落具１
８から遠ざかるがわに向けて円弧状に屈曲し、も
つて、泥掻落具１８を、両板体２１ａ，２１ｂに
て挟み込んだ丈夫な状態で支持できるように構成
し、又、前記カラー２３にて両板体２１ａ，２１
ｂによる挟持圧を適正圧に設定できるように構成
し、更に、泥掻落具１８が板体端縁部Sa，Saと
の接当により損傷しないように構成してある。

更に、前記泥掻落し具１８を、機体内方がわほ
ど下方に位置する傾斜姿勢で且つ機体横方向中央
部が上方に突出する円弧状に形成し、もつて掻落
した泥土を機体横外側方へ排出し易いように構成
してある。

尚、本案を実施するに、泥掻落具１８を板バネ
等各種弾性材で構成可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る乗用田植機における泥掻落
し装置の実施例を示し、第１図は乗用田植機の側
面図、第２図は泥掻落具装着部の平面図、第３図
は同部の一部切欠き背面図である。 ６……車輪、６Ａ……スポーク、７……車輪カ
バー、８……ステツプ、１８……泥掻落具、１９
……支持アーム、ａ……泥面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 スポーク車輪６の上側を覆う車輪カバー７を
   設け、その車輪カバー７の左右両側に足載せス
   テツプ８，８を設け、前記スポーク車輪６に対
   する泥掻落具を設ける乗用田植機における泥掻
   落し装置であつて、前記スポーク車輪６の両側
   に、弾性変形可能な板状泥掻落具１８，１８を
   設けるとともに、その板状泥掻落具１８を、足
   載せステツプ８から延出の支持アーム１９の先
   端に取付けて、前記車輪６に対して、車輪半径
   方向で車輪６の内周面に近接する状態で、且
   つ、軸芯方向でスポーク６Ａに近接する状態
   で、さらに、車輪６の前進回転方向で車輪カバ
   ー７の下縁よりも上手側の泥面ａ近くに位置す
   る状態で配設してあることを特徴とする乗用田
   植機における泥掻落し装置。 前記泥掻落具１８を、樹脂にて構成してある
   実用新案登録請求の範囲第項に記載の乗用田
   植機における泥掻落し装置。 前記泥掻落具１８を、板バネにて構成してあ
   る実用新案登録請求の範囲第項に記載の乗用
   田植機における泥掻落し装置。