JPS6167470A - 煙草フイルタ− - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は，煙草煙分中の有害成分のタール，ニコチン，
一酸化炭素等，を除去するためのフィルターに関する。

本発明のフィルターは，パイプに内蔵するか，煙草に直
接内蔵せしめて使用する。

〔従来の技術〕

従来，煙分の有害成分のタール，ニコチン，一酸化炭素
等を除去するために，活性炭，ゼオライト，各種繊維，
連続気泡体（発泡体）等の煙分を通過し得る物質をパイ
プまたは。煙草に内蔵せしめ，有害成分を吸着，或いは
，分解せしめることが行われている。しかし，これらは
，有害成分を吸着，分解するのに比較的にフィルターの
材料が多く必要であり，有害成分を十分吸着，分解する
ようにすると，吸気（吸煙）の抵抗が大きくなつたりす
る欠点がある。そして，煙草の喫煙感が良く，かつ有害
成分を十分除去できるフィルターは得られていない。こ
のため，小量で，吸気抵抗が小さく，有害煙成分を除去
できるフィルターが切望されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明は，上述の従来の煙草フィルターのもつ問題点を
すべて解決し，比較的に小量で，有害成分を除去でき，
かつ吸気抵抗が十分小さく，喫煙感の良い煙草フィルタ
ーを提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は，サルノコシカケ類の担子菌の粉砕体が驚く程
，煙草煙分中のタール，ニコチン，一酸化炭素等の人体
に有害な成分を除去することを発見し，これを基礎とす
るものである。本発明においては，サルノコシカケ類担
子菌の粉砕体を煙草煙分の通過フィルターとなすもので
ある。

〔作用〕

本発明において，サルノコシカケ類の担子菌の粉砕体が
煙草煙分中の有害成分を除去する原理については，担子
菌類の微視な構造，細胞学的構造，構成成分等，尚探求
すべき点が多い。現在までの研究によれば，サルノコシ
カケ類の担子菌の微視的な構造が重要な１つの要素と考
えられる。また，サルノコシカケ類の担子菌の特有な構
成成分，多糖類蛋白，蛋白多糖体，蛋白質，アミノ酸，
炭水化物，酵素等が，有害成分の除去に大きな作用をな
しているものと考えられる。

サルノコシカケ類の担子菌は，その属又は，種により，
その構造や成分に違いはあるが，それぞれ，特有な多糖
類蛋白を含み，エルゴステロール，脂肪酸，アミノ酸，
炭水化物，種々の有機ミネラル，種々の糖その他分解酵
素，補酵素等を含んでいる。

また，その子実体の性状はそれぞれ特徴的であり，一般
に木質多孔などの特殊構造である。

この木質多孔な特殊性状と，酵素を含む活性な構成成分
とが，有害成分の除去に相乗的に作用し，これまで考え
られないような画期的な活性なフィルターを提供するも
のと考えられる。

（Ａ）以下に主なサルノコシカケ類担子菌及び近縁の子
実体の性状及び主な成分を示す。

（１）　マンネンタケ（霊芝） （Ｇａｎｏｄｅｒｎａ　ｌｕｃｉｄｕｍ（Ｆｒ．）Ｋａ
ｒｓｔ又はその近縁種）（Ｆｏｍｅｓ　Ｊａｐｏｎｉｃ
ｕｓ　Ｆｖｉｅｓ）子実体は良く発達した茎を持ち，傘
は腎蔵形〜円形，傘の表面と茎の表面はかたい殻をこう
むり，ニス状分泌物で漆様の光沢を現す。傘の裏面は白
，肉は上層は白質，下層は肉桂色，乾いた肉はコルク質
になる。成分として，各種酵素の他，エルゴステロール
，多糖類蛋白，有機酸，樹脂，コウマリン（ｃｏｖｍａ
ｒｉｎ），マニトール（ｍａｎｎｉｔｏｌ）等を含む。

（２）　コフキダケ（コフキサルノコシカケ）（Ｅｉｆ
ｖｉｎｇｉａ　ａｐｐｌａｎａｔａ（Ｐｅｒｓ．）Ｋａ
ｒｓｔ）子実体の傘の上面に厚い硬い殻をかぶり，その
下の肉はフエルト質でチヨユレート色，成分として，多
糖類蛋白，エルゴステロール，ｕｂｉｇｕｉｎｏｎｅ，
コエンサイム（ｃｏｅｎｚｙｍｅ）Ｑ等を含む。その他
，種々の分解酵素を含む。

（３）　カワラタケ（Ｃｏｒｉｏｌｕｓ　ｖｅｒｓｉｃ
ｏｌｏｒ（Ｆｒ．）Ｑｕｅｌ）傘は半円形，表面は短い
毛をおびる。肉は，ややかたい革質で白色。特有な多糖
類蛋白を含有する。

（４）　ツガサルノコシカケ （Ｆｏｍｉｔｏｐｓｉｓ　ｐｉｎｉｃｏｌａ（ＦＲ．）
Ｋａｒｓｔ，又はＦｏｍｅｓＰｉｎｉｃｏｌａ（Ｓｗａ
ｒｔｚ）Ｆｒｉｅｓ）傘の表面は樹脂様の光沢をおび，
肉は木質で白つぼい材木色。

（５）　ツリガネタケ（Ｆｅｍｅｓ　ｆｏｍｅｎｔａｒ
ｉｕｓ（Ｆｒ．）Ｋｉｃｋｘ）傘の表面は固い殻をかぶ
つて堅硬，裏面は灰白色，肉はフエルト質で黄褐色。

（６）　キユブダケ （Ｐｈｅｌｌｉｎｕｓ　ｉｑｎｉａｒｉｕｓ（Ｌ．ｅｘ
Ｆｒ．）Ｑｖｅｌ）又はその近縁種 （Ｐｈｅｌｌｉｎｕｓ　Ｌｉｎｔｅｖｓ（ＢＥＲＫ　ｅ
ｔ　Ｃｕｒｔ　ＡＯＳＨＩＭＡ）木質多孔（Ｂ）次に，
上記の担子菌類の植生した枯死木又は朽材，又はおがく
ず等の菌系が多数存在する部分を乾燥粉砕して用いるこ
てができる。

（Ｃ）担子菌類子実体又は菌子体の加工について示す。

（１）　綿状またはウール状加工 上述のマンネンタケ，ツリガネタケ，コフキダケその他
の担子菌類子実体のコルク質，フエルト質，革質，木質
の肉質部（必要に応じて堅い表面部を取り去る）を適度
の大きさに細断し，これをハンマークラツシヤ（ハンマ
ー粉砕機）に投入し，強打，せん断を繰返し，適当な目
のスクリーンを通して，子実体の綿状，またはウール状
，加工体を取り出す。粉砕機は例えば宝和機械工業株式
会社製のＬＡＩＮＤ　ＭＩＺＥＲ（立型粉砕機）を使用
する。

子実体のうち，コルク質，フエルト質，革質は最も良好
な綿状またはウール状になり，本発明に特に適しており
，優れた煙分除去の効果がある。

良く乾燥した比較的軟かな木質の子実部はこれに次いで
綿状に近い加工が出来る。

（２）　オガチツパー，電動ミル 通常おがくず製造に使われるオガチツパーでおがくず状
にし，さらに電動ミルで粉状化処理をした，オガチツパ
ーのスクリーン３．５ｍｍを通して取り出した後，電動
ミル処理後０．１〜２ｍｍφの粒度となした。この手法
でカワラダケは綿状にできる。

（３）　ツリガネタケ，コフキダケ，マンネンダケ，等
のサルノコシカケ類の肉質を必要に応じて薄く切り，こ
れを叩いて軟くなし，後２．５％硝石の溶液に浸し，こ
れを陰干にした後，再び叩いて軟かくする事を繰返すこ
とにより綿状にする。その後必要により，ハンマークラ
ツシヤまたはオガチツバーにかける。

以上３種の加工のうち（１）の綿状またはウール状加工
が最も優れている。カワラダケは（２）でも良い。

〔実験例〕

〔本発明例〕 煙草フィルターとしての効果を確認するため第１図に示
す煙草１１を装着するプラスチツク製のパイプ１０の内
部に，アセテート繊維フィルター１及び２の間に担子菌
類の子実体または菌子体の粉砕加工体を挟持せしめた〔
第１図Ａ〕。

（比較例） 上記と同じ構成で担子菌類の子実体または，粉砕加工体
がない構成とし，アセテート繊維フィルター４のみ設け
た（第１図Ｂ）。

（実験） 上記本発明実施例及び比較例のパイプを通した煙分を吸
引濾過器のサブミクロン濾紙フィルターで捕集し，その
捕集量を計測した。以下に代表的な実験結果例を示す。

実験用の煙草はピースを用い，比較例の濾紙フィルター
捕集量を１００とした本発明例の相対値を示す。各担子
菌子実体粉砕体のパイプ内蔵長はいすれも約４ｍｍ，総
フィルター長８ｍｍとした。

実験の結果から，一般にサルノコシカケ類担子菌類に顕
著な煙分のフィルター効果があることが明らかになり，
特に，綿またはウール状加工をするとき，今までみられ
なかったような非常に大きな煙分除去効果が得られてい
る。特にフエルト質のコフキダケ，ツリガネタケや，コ
ルク質のマンネンダケや，革質のカワラダケの粉砕がき
わめて効果が大きい。有害成分のニコチン，タール，一
酸化炭素や発ガン成分が除去される。以下に代表的実験
例（Ｉ）〜（ＩＩＩ）を示す。

次に上記の実験例の担子菌子実体粉砕体を熱水で抽出し
，出しがらを（Ｉ）と同様のテストを行なつた結果，い
ずれも比例とほぼ同じ捕集量となりフィルターとして効
果がなくなつた（実験ＩＩＩ）以上のごとき実験を繰返
した結果，綿又は，ウール状に加工した担子菌類子実体
が非常に良く煙分を除去することが明らかになり，わず
か４ｍｍ長程度で従来のアセテート繊維フィルターより
６３％〜７２％（重量比）もの煙分を余分に除去でき，
タール，ニコチン，一酸化炭素などの有害成分が大幅に
除去される。また，オガチツパー粉砕（粉状）でも１５
〜４８％の煙分が除去できた。そして，その効果は（Ｉ
ＩＩ）の実験から明らかなように，成分を熱水で抽出し
た後では認められなくなることから，粉砕体の構造と共
に担子菌類の成分が相乗的に作用する結果であると考え
られる。しかし，アセテート繊維フィルターより比較的
に粗く，通気性があるサルノコシカケ類粉砕体がこのよ
うに優れた煙分除去をなす原理についてはなお探求中で
ある。

綿又はウール状加工，及びチツパー，電動ミル加工のい
すれにおいても，粉砕粒度は細かい程，煙分の除去の効
果が大きくなる。以上は子実体についての実験結果であ
るが，菌系体についても，担子菌類が着生した枯死木ま
たは朽材の菌系が多数存在する部分を粉砕したものにつ
いて同様に煙分除去効果を得ている。

本発明のフィルターは綿またはウール状で通気性がほと
んど損なわれないので喫煙感がきわめて良い。また，綿
，ウール状となすことで，きわめて軽量化でき，１０ｍ
ｇ〜２０ｍｇの粉砕体でも十分な煙分の有害成分除去の
効果が得られ，実用上は数ｍｇ程度でも効果がある。ま
た，粉砕体はきわめて通気性が良く煙草煙分の通過フィ
ルターとした時喫煙感が良い。

（実施例） 第２図のようにパイプ１０の内部に本発明のフィルター
２０を内蔵せしめるものにおいて，第３図〜第６図にフ
ィルター部が示されており，第３図は担子菌類の粉砕体
３を補助筒３１に入れて使用するもので，例えば紙等で
フィルター材を円筒状に包んだり，孔付容器（筒状）に
収容するものである。

第４図は，担子菌類の粉砕体３を他のフィルター，例え
ばアセテート繊維フィルター４１，４２の間にはさみ込
んだものである。

第５図は担子菌類の粉砕体３を各種繊維，活性炭，ゼオ
ライト，連続気泡体等，煙分を通過し得る担子体に保留
させたものである。

第６図はプラスチツクパイプの成形時に担子菌類粉砕体
を充填したものである，なお，ブラスチツクの補助筒を
用い，その成形時に担子菌類粉砕体を充填してこれを使
用してもよい。

第７図の例は，煙草１１本体に本発明のフィルター７１
を直径内蔵せしめたものである。

（発明の効果） 本発明によれば，担子菌類の子実体または，菌子体部の
粉砕体を煙草煙分の通過フィルターとすることにより，
非常に効率的に有害煙分を除去できる。そして，１個の
フィルターに必要とする担子菌類の粉砕体の量はごく小
量（軽量）であり，粉砕体を綿状または　ウール状もし
くはこれらに近い形状に加工することにより，通気性が
きわめて良くできるので，喫煙感にも優れる利点がある
。

本発明により全く新規で，従来の煙草煙分フィルターで
は全く期待できなかつた有害煙分の大幅な除去と良好な
喫煙感がある煙草フィルターが提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂは，それぞれ本発明の実験例及び従来の比
較例の断面構造を示す図， 第２図は，本発明をパイプに適用した実施例の断面構造
を示す図， 第３図〜第６図は，本発明の煙草フィルターの実施例の
フィルター部分の拡大図， 第７図は，本発明を直接煙草に適用した実施例である。 １，２，４１，４２……アセテート繊維フィルター３…
…（サルノコシカケ類の担 子菌類の）粉砕体 １０……パイプ ２０……本発明のフィルター ３１……補助筒

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）サルノコシカケ類の担子菌の子実体又は菌子体の
   粉砕体を煙草煙分の通過フィルターとすることを特徴と
   する煙草フィルター。
2. （２）前記粉砕体が、綿又はウール状になされているこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の煙草フィル
   ター。
3. （３）前記粉砕体を活性炭、ゼオライト、各種繊維、連
   続気泡体等、担体に係留させて、煙草煙分の通過フィル
   ターとすることを特徴とする特許請求の範囲第１項また
   は第２項記載の煙草フィルター。