JPS6159036B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、高品位テレビジヨンの撮像装置に関
するものであり、現在入手し得る範囲の撮像素子
を用いて高品位テレビジヨン信号を得ようとする
ものである。

現在、精細度のよい撮像管には２インチのリタ
ンビームサチコン等があり、静止した画像に対し
ては高品位テレビジヨンの１つの目標である走査
線1000本程度の撮像管としてほぼ満足な特性のも
のが得られるようになつている。しかし、動きの
ある画像に対してはその残像特性のために高品位
テレビジヨン用としては使えない。

すなわち、動きのある画像に対して通常見苦し
くない画像を得るためのテレビジヨン撮像管とし
ての所要残像特性は、動きの速い画像を撮像する
のであるから、３フイールド期間経過後の残存成
分が数％以下のものが必要であるが、高精細度の
画像を得るために大口径の撮像管を使用した場合
には、３フイールド期間経過後の残像が25〜30％
と大きく、このような残像特性の撮像管によつて
動画像を撮像しても良好な画質の画像は得られな
い。

本発明は、現在入手し得る撮像管を用いて動画
像についても高精細度、高品位のテレビジヨン信
号を得るための撮像装置に関するものであり、画
像の動きが少なくて画質に関し静止画と同等に取
扱い得る準静止画に対して高品位テレビジヨンに
所定の解像度特性が得られる撮像管と、画像の動
きに対して充分良好な残像特性を呈する撮像管、
もしくは、CCD素子あるいはMOS素子などの固
体撮像素子とを組合わせ、動画像に対しても残像
の少ない高品位テレビジヨン信号を得ようとする
ものである。

以下、本発明テレビジヨン撮像装置について実
施例とともに構成および動作を詳細に説明する。

第１図は本発明による高品位テレビジヨン撮像
装置の基本構成を示したものである。

図示の構成において、１は動きの少ない準静止
画像に対して良好な解像度特性を呈する大形の高
品位テレビジヨン用撮像管であり、所定期間経過
後の残像が大きいものであつてもよい。一方、２
は現在標準方式のテレビジヨンカメラに用いら
れ、走査線数が500本程度のテレビジヨン系に対
する解像力、動画像特性が所要の特性を呈する撮
像管群もしくは固体撮像素子群である。上述した
高品位テレビジヨン用の撮像管１上と従来カラー
テレビジヨンカメラに用いられている３本１組の
標準テレビジヨン用撮像管もしくは固体撮像素子
２上とに被写体像をそれぞれ結像させ、これらの
撮像素子を高品位テレビジヨンの走査規格に応じ
たアスペクト比、インターレース方式、走査線数
等によつて走査し、高品位テレビジヨン用撮像管
１により画像の輝度成分をとり出すとともに、標
準テレビジヨン用撮像管群もしくは固体撮像素子
群２の出力を色Ｃ信号変換回路３および輝度Ｙ信
号変換回路４に導き、輝度信号Ｙおよび色信号Ｃ
を得る。さらに、高品位テレビジヨン用撮像管１
の出力信号をフレームメモリ５に一旦蓄積し、正
確に１フレーム期間後に読出してフレームメモリ
５の出力とする。ついで、動き部判定回路６によ
りフレームメモリ５の入出力レベルを比較する。
すなわち、連続した２フレーム間で画面上同一位
置にある輝度信号の信号レベルを比較して、レベ
ル差があつた画素の輝度信号をスイツチングパル
スとして出力する。２フレーム間で同一画素の輝
度信号に信号レベル差があることは、その画像が
動きのある画像部であることを示しており、この
信号レベル差がいかなる値を超えた場合にその画
素の輝度信号をスイツチングパルスとして取出す
かは出力信号のSN比を考慮して閾値を決定すれ
ばよい。

第２図は動き判定回路６によりスイツチングパ
ルスを取出すプロセスをアナログ信号の形で説明
したものである。

図における“フレームメモリ５の入力信号”は
フレーム周期であらわしたテレビジヨン信号であ
り、図示の場合には、白い図形が画面向かつて左
から右の方向に移動しているものとする。

“フレームメモリ５の出力信号”は入力信号に
比較して１フレーム前の信号波形である。Ｃの信
号波形は動き判定回路６でａ−ｂの減算を行なつ
たときの差出力信号波形であり、この場合動き部
のみ出力が（＋）または（−）の信号振幅となつ
てあらわれる。

この差出力信号ＣのSN比が小さいときにノイ
ズ成分をまちがつて動き判別出力としないように
適切な閾値＋ａ，−ａを超えたパルス波形を検出
し、その検出出力パルスを、反転回路を介すると
ともに直接にOR回路に導いて＋側および−側双
方のパルスを＋パルスにして取出すとｄの動きパ
ルスが得られ、この動きパルスに応じて画像の動
き部分が取出せる。

すなわち、上述のようにして得られるスイツチ
ングパルスを用い、パルスがないとき、すなわち
動きのない画像部分についてはフレームメモリ５
の出力信号を選択抽出し、また、動きのある画像
部分については輝度信号変換回路４の出力信号を
選択抽出するよう輝度信号切替回路７を切替え
る。このとき、輝度信号切替回路７の出力信号と
しては、動きのない画像部分に対しては解像度の
よい画像が得られ、動きのある画像部分に対して
は解像度は低いが残像の少ない画像が得られる。
また、輝度信号変換回路４の出力信号と色信号変
換回路３の出力信号とから高品位テレビジヨン複
合信号エンコーダ８により複合カラーテレビジヨ
ン信号を形成する。

テレビジヨンカメラには、元来、撮像管の蓄積
効果によつて動画像がボケる性質があるが、上述
のようにして得られた複合カラーテレビジヨン信
号によつて再生したカメラ出力画像は、３本の残
像の少ない高品位テレビジヨン用高精細度撮像管
を用いて構成した画像と同じように見える。

つぎに、デジタルフレームメモリを使用した場
合の本発明による信号処理系のより詳細な構成例
を第３図に示す。図示の構成例においては、高品
位テレビジヨン用撮像管１の撮像出力信号をＡ／
Ｄコンバータ１１によりデジタル信号に変換した
うえで必要な信号処理を行なうが、この場合にお
いても前述と同様に、画像の動きの有無を判定す
るために連続した２フレーム間において同一位置
にある画素の画像信号レベルを比較する必要があ
る。この信号処理をデジタル的に簡単に行なえる
ようにするためには連続した２フレームにおいて
Ａ／Ｄ変換のためのサンプル点が重なるようにす
ればよい。しかして、連続した２フレーム間にお
いてサンプル点が重なるようにするには、標本化
周波数を、例えば、ｍ、ｎを正の整数として、
nf_h（ｆ_hは水平走査周波数）または（ｍ＋１／
２）ｆ_h±１／2f_p（ｆ_pはフレーム周波数）に選
ぶ。ついで、動き判定回路６のうち、上述の信号
レベル比較を行なうレベル比較回路６１において
は、フレームメモリ５の入出力画像信号レベルを
各サンプル画素毎に比較し、前述のように、フレ
ーム間画像信号レベル差があらかじめ定めた閾値
を超えた画素についてはそのレベル差信号を引続
くゲートパルス発生回路６２により一定振幅のゲ
ートパルスにして取出す。一方、輝度信号切替回
路７においては、輝度信号変換回路４の出力信号
をＡ／Ｄ変換したデジタル輝度信号Ｙとフレーム
メモリ５の出力デジタル輝度信号とを切替え、動
き判定出力のスイツチングパルスが存在するとき
にのみ、フレームメモリ５の出力デジタル輝度信
号に輝度信号変換回路４の出力デジタル輝度信号
Ｙがはめ込まれるようにする。その切替出力デジ
タル輝度信号をＤ／Ａコンバータ１３によりアナ
ログ信号に変換し、高品位テレビジヨン複合信号
用エンコーダ８によりエンコードする。一方、色
信号変換回路３からの色信号Ｃは本来高品位テレ
ビジヨン用撮像管１からの輝度信号Ｙに比して２
次元的に狭い周波数帯域の輝度信号であるから、
高品位テレビジヨン複合信号エンコーダ８の出力
としては静止画、動き画像、色画像のいずれにつ
いても高品位テレビジヨン規格を満たす画質の画
像信号が得られる。

つぎに、本発明撮像装置の他の構成例を第４図
に示す。図示の構成例においては、高品位テレビ
ジヨン用撮像管１は高品位テレビジヨン規格によ
つて走査するが、撮像管群もしくは固体撮像素子
群２は、毎秒像数、アスペクト比、インターレー
ス方式などを除いた規格、すなわち、走査線数に
ついては標準テレビジヨンに準じた低い数値の規
格により走査する。その場合に好ましい走査線数
は高品位テレビジヨン用撮像管１の走査線数の整
数（ｎ）分の１、例えば、ｎ＝２、３、４等であ
り、色信号変換回路３および輝度信号変換回路４
の出力からは、それぞれライン内挿部１０１およ
び１０２によつてｎ倍の走査線数に相当する信号
を作り、輝度信号切替回路７およびエンコーダ８
に導いて前述と同様に処理する。

第４図示の構成において整数ｎ＝２とした場合
を例にして、ラインストアメモリを用い、標準テ
レビジヨン用撮像系２の撮像出力信号から走査線
数が高品位テレビジヨン規格に等しい輝度信号お
よび色信号を得る信号処理過程の信号波形を第５
図ａ〜ｄに順次に示す。

すなわち、まず、ライン内挿部１０１および１
０２において、輝度Ｙ信号成分および色Ｃ信号成
分を、第５図ｂに示すように、標準テレビジヨン
用撮像系２のライン走査レートでそれぞれライン
ストアメモリに書込む。ついで、それらの各信号
成分を同図ａに示す高品位テレビジヨン撮像系１
と同じ走査レートで読出し、同図ｃに示すような
間欠信号を得、その間欠信号に、同図ｄに示すよ
うな単純繰返しを施すことにより、高品位テレビ
ジヨン用撮像系１の走査規格に適合した連続画像
信号に変換する。

第６図に構成例を示すライン内挿部１０１，１
０２においては、例えば第５図ｄに示した出力信
号波形におけるＡとＢとの間の信号間欠部を出力
信号波形Ａ，Ｂの平均（Ａ＋Ｂ）／２を表わす信
号波形によつて内挿補間する。すなわち、輝度信
号変換回路４もしくは色信号変換回路３からの各
信号成分をＡ／Ｄコンバータ１２を介し、ライン
ストアメモリ２２に信号波形Ａ，Ｂとして記憶
し、信号波形ＡとＢとを同時に読出して（Ａ＋
Ｂ）／２の演算処理を施した後に、相対的に信号
波形ＡとＢとの間の位置に挿入する。

つぎに、本発明撮像装置のさらに他の構成例を
第７図に示す。すなわち、第１図および第４図に
示した構成例においては、高品位テレビジヨン用
撮像系１の輝度信号と標準テレビジヨン用撮像系
２の輝度信号とを輝度信号切替回路７によつて切
替えたが、実用的には、静止画に対して高品位テ
レビジヨン用撮像系１の輝度信号を主体とした画
像信号を形成すれば本発明の目的は達成される。
したがつて、第７図に示す構成例においては、動
き判定回路６の判定出力スイツチングパルスを重
み付け加算回路７１の制御信号としてフレームメ
モリ５の出力輝度信号と輝度信号変換回路４の出
力輝度信号との信号レベルをそれぞれ制御したう
えで相互に加算する。

第７図示の構成例における重み付け加算回路７
１の詳細構成の例を第８図に示す。図示の構成例
における利得制御増幅器７０１，７０２は、とも
に、映像信号の利得制御用増幅器であり、利得制
御信号発生回路９からの制御信号Ｅによりその増
幅利得Ａがつぎの式のように制御されて変化す
る。

すなわち、制御信号Ｅの増加分ΔＥに比例して
増幅利得ＡがΔＡだけ減少するように構成する
と、増幅利得Ａ対制御信号Ｅの特性曲線の負の傾
斜ｄＡ／ｄＥすなわち比例定数−Ｇに対して増幅利得Ａ と制御信号Ｅとの間にはつぎの式の関係が成立
つ。

ΔＡ＝ｄＡ／ｄＥΔＥ＝−ＧΔＥ ここに、 Ａ＝A₁（静止画像：ΔＥ＝０のとき）
（A₁＞A₂） Ａ＝A₂（動画像：ΔＥ＝Ｅのとき） 上述のような利得制御増幅器７０１，７０２を
用い、一方の利得制御増幅器７０１の入力には高
品位テレビジヨン用撮像系１からの輝度信号ｆ_w
（ｔ）を加え、他方の利得制御増幅器７０２の入
力には標準テレビジヨン用撮像系２から得た輝度
信号ｆ_o（ｔ）を加える。

このとき、利得制御増幅器７０１の出力からは
静止画像部に対してはA₁f_w（ｔ）で示される大
きい利得の信号を得、動画像部に対してはA₂f_w
（ｔ）で示される信号が得られる。一方、輝度信
号ｆ_oについては、利得制御増幅器７０２の出力
を導いた加算回路８１の出力信号からは（１−
Ａ）の利得をもつ輝度信号が取出されるので、静
止画像部に対しては（１−A₁）ｆ_o（ｔ）で示さ
れる利得の小さい輝度信号が取出され、動画像部
に対しては（１−A₂）ｆ_o（ｔ）で示される利得
の大きい輝度信号が取出される。したがつて、加
算回路８２の出力からは、 Af_w（ｔ）＋（１−Ａ）ｆ_o（ｔ） ここに、Ａ＝A₁（静止画像部） （A₁＞A₂） Ａ＝A₂（動画像部） なる式で表わされる輝度信号が得られ、静止画像
部に対してはｆ_w（ｔ）成分が支配的な輝度信
号、動画像部に対してはｆ_o（ｔ）成分が支配的
な輝度信号、すなわち、それぞれ所期の目的とす
る輝度信号を得ることができる。

以上の説明から明らかなように、本発明による
高品位テレビジヨン撮像装置は、残像特性はよく
ないが静止画解像度のよい撮像管と、残像特性の
よい標準テレビジヨン用の撮像管もしくは固体撮
像素子とを組合わせているために、静止画像部に
対しては解像度のよい画像、動画像部に対しては
残像のない画像がそれぞれ得られ、従来充分に良
好な画質が得られなかつた動画像に対しても高品
位、高精細度テレビジヨン信号を得ることができ
る。また、標準テレビジヨン用撮像系を撮像管も
しくは固体撮像素子によつて構成しても、その得
られる効果には変わりはないこと勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明テレビジヨン撮像装置の基本的
構成を示すブロツク線図、第２図ａ〜ｄは同じく
その各部信号波形をそれぞれ示す波形図、第３図
は同じくその構成例を示すブロツク線図、第４図
は同じくその他の構成例を示すブロツク線図、第
５図ａ〜ｄは同じくその信号処理の態様をそれぞ
れ示す信号波形図、第６図は同じくその構成例に
おけるライン内挿部の構成例を示すブロツク線
図、第７図は本発明撮像装置のさらに他の構成例
を示すブロツク線図、第８図は同じくその構成例
における利得制御系の構成例を示すブロツク線図
である。 １…高品位テレビジヨン用撮像管、２…標準テ
レビジヨン用撮像管もしくは固体撮像素子、３…
色信号変換回路、４…輝度信号変換回路、５…フ
レームメモリ、６…動き部判定回路、７…輝度信
号切替回路、８…エンコーダ、９…利得制御信号
発生回路、１０…レンズ、１１，１２…Ａ／Ｄコ
ンバータ、１３…Ｄ／Ａコンバータ、１４…ハー
フミラー、２２…ラインストアメモリ、３２…ラ
イン内挿回路、６１…レベル比較回路、６２…ゲ
ートパルス発生回路、７１…重み付け加算回路、
８１，８２…加算回路、１０１，１０２…ライン
内挿部、７０１，７０２…利得制御増幅器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 同一被写体を同時に撮像する少なくとも第１
   の撮像系と第２の撮像系とからなる撮像手段と、
   該第１の撮像系から画像の動き量を検出し、該動
   き量に応じ画像動き信号を得る手段と、前記画像
   動き信号に応じて前記第１と第２の撮像系出力信
   号を切り替えもしくは混合抽出する手段とを具え
   たことを特徴とするテレビジヨン撮像装置。 ２ 前記第１の撮像系は準静止画解像度のよい撮
   像管を含む撮像系とし、前記第２の撮像系は残像
   特性のよい撮像管もしくは固体撮像素子を含む撮
   像系とすることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載のテレビジヨン撮像装置。 ３ 前記画像動き信号を得る手段は前記第１の撮
   像系によつて得られる連続した２つのフレーム間
   の同一画面位置における信号レベルを比較して得
   るようにしたことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載のテレビジヨン撮像装置。 ４ 前記連続した２つのフレーム間の同一画面位
   置における信号レベルを比較するにあたり、第１
   の撮像系によつて得られる信号をフレームメモリ
   に書き込み、１フレーム時間後に読み出された信
   号と前記フレームメモリの入力信号とのレベル比
   較をするようにしたことを特徴とする特許請求の
   範囲第３項記載のテレビジヨン撮像装置。 ５ 前記第１と第２の撮像系出力信号を切り替え
   もしくは混合抽出するにあたり、第１の撮像系で
   得られる輝度信号と第２の撮像系で得られる輝度
   信号とを切り替えもしくは混合抽出するようにし
   たことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   テレビジヨン撮像装置。