JPS6157236B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、上下に延びる舵チユーブの下部にス
クウエア・ドライブ（Square drive）機構及び
船用プロペラを伴つて取付けられた水中ハウジン
グを備え、前記舵チユーブの上端には前記水中ハ
ウジングの旋回駆動手段を設け、前記舵チユーブ
内には前記プロペラの上下に延びる駆動軸を収容
し、更に、前記水中ハウジング、前記プロペラ、
前記舵チユーブ、前記旋回駆動手段及び前記駆動
軸を納めるスリーブと、前記水中ハウジングと共
に前記プロペラを前記スリーブ中に引込め或は該
スリーブ下へ降ろす手段と、前記スリーブ内下部
の水に対し該スリーブ内上部を封止する手段と、
前記プロペラの駆動軸に軸部が連結されたモータ
を有すると共に前記スリーブの上部近くに配置さ
れた回転駆動装置とを備えた水上乗物用回転推進
機に関する。 この種の回転推進機は種々の態様で知られてお
り、それらを操舵できるように、又は決められた
位置に固定して（いわゆるダイナミツク・ポジシ
ヨニング（dynamic positioning））、船舶その他
の水上乗物に取り付けられている。或る種の事
情、例えば浅瀬における帆走或は入港の際には、
傷付き易い部分を底から突出させないようにプロ
ペラを付けた水中ハウジングはスリーブ内に引上
げられる。 水中ハウジングの引上げと、それに続く下降操
作は厳しい仕事であり、非常な重量物が動かされ
ねばならぬばかりか、回転推進機の各部、特にプ
ロペラ駆動軸及びそれに結合されたモータ（駆動
装置）が船のデツキ上に突出することとなる。 本発明の目的は、推進機の重い部分を何等水上
乗物のデツキ上方へ持ち上げることなくプロペラ
を備えたハウジングを引上げ又は降ろすことがで
き、また推進機作動中に発生した場合のプロペラ
駆動軸の歪を容易に吸収できる水上乗物回転推進
機を提供することにある。 本発明の前記目的は、上下に延びる舵チユーブ
の下部にスクウエア・ドライブ機構及び船用プロ
ペラを伴つて取付けられた水中ハウジングを備
え、前記舵チユーブの上端には前記水中ハウジン
グの旋回駆動手段を備え、前記舵チユーブ内には
前記プロペラの上下に延びる駆動軸を収容し、更
に、前記水中ハウジング、前記プロペラ、前記舵
チユーブ、前記旋回駆動手段及び前記駆動軸を納
めるスリーブと、前記水中ハウジングと共に前記
プロペラを前記スリーブ中に引込め或は該スリー
ブ下へ降ろす手段と、前記スリーブ内下部の水に
対し該スリーブ内上部を封止する手段と、前記プ
ロペラの駆動軸に軸部が連結されたモータを有す
ると共に前記スリーブの上部近くに配置された回
転駆動装置とを備えた水上乗物用回転推進機にお
いて、前記駆動軸が上側の軸と該上側軸に上下動
可能に外嵌する下側の中空軸とを含み、前記上側
軸の上端部は、球面うす軸受を介して前記モータ
の下方に向けられた出力軸から吊り下げられてい
るとともに第１の自動調整式回転継手を介して前
記モータ軸に接続されており、前記上側軸の下端
部は第２の自動調整式回転継手を介して前記中空
軸に接続され得るようになつており、前記球面う
す軸受は、前記モータ軸に支持された部分と該部
分上面に球面接触下に載置されて前記上側軸上端
部に連結された部分とを備えており、前記各自動
調整式回転継手は、内歯を有する外リングと該内
歯に噛合する円弧状外歯を有する内リングとを備
え、前記第１の自動調整式継手における外リング
は前記モータ軸に固定され、内リングは前記上側
軸上端部に固定されており、前記第２の自動調整
式回転継手における外リングは前記中空軸に固定
され、内リングは、前記上側軸に外嵌して該内リ
ングに設けた内歯が前記上側軸下端部に設けた外
歯と前記中空軸の下降上昇に伴つて係合脱離する
ようになつており、該内リングには該係合脱離を
可能にするように前記中空軸の上下動を案内する
ための前記上側軸に設けた溝に上下摺動するせん
体を支持していることを特徴とする水上乗物用回
転推進機により達成される。 前記自動調整式回転継手の自動調整能力は、プ
ロペラ駆動軸に極度の歪は生じないので、数度の
角傾斜を吸収できる程度でよい。また、本発明推
進機は固定羽根式プロペラ及び可調節形プロペラ
のいずれにも用いられる。 以下に本発明の一実施例を図面に基いて説明す
る。 回転推進機は、船用プロペラ２を有する水中ハ
ウジング１を備えている。該プロペラは通常の流
路胴３に囲まれている。ハウジング１は舵用チユ
ーブ４の下端に取付けられている。該チユーブの
上端は水中ハウジング１の旋回駆動手段を有して
いる。チユーブ４内には、プロペラ２の駆動軸６
が収容されている。回転推進機は更に水中ハウジ
ング１、プロペラ２、舵チユーブ４、旋回駆動手
段５及び駆動軸６を納めるスリーブ７を備えてい
る。該スリーブ７内には、プロペラ２を水中ハウ
ジング１と共にスリーブ下へ降ろし又は引上げる
ための手段（例えばネジスピンドル機構）８があ
る。モータ９を備えた回転駆動装置はスリーブ７
の上端近くにあり、該モータ９の軸１０はプロペ
ラ２の駆動軸６に連結されている。前記モータ９
は補助装置（図示せず）と共にプロペラ２の駆動
装置を形成する。 駆動軸６は旋回駆動手段５から上方に向いた該
軸の第１部分（上側軸）１１と、該部分１１に連
結されて下方を向いた該軸の中空第２部分（中空
軸）１２とからなる。 図２から理解できるように、第１部分１１は中
実軸１３であり、該軸は球面うす軸受によつてモ
ータ軸１０から吊り下げられている。中実軸１３
は中空部分１２に嵌入されて上下動可能となつて
いる。 中実軸１３の両端は、自動調整式回転継手１７
の部品であるリング１５，１６のそれぞれに連結
されている。上側の継手１５，１７はモータ軸と
の結合部を形成し、下側の回転継手１６，１７は
中空第２部分１２との結合部を形成する。 軸１３下端と自動調整式回転継手７の内リング
１６との結合は歯装置１８，１９（図３参照）に
より行われる。歯装置１８，１９は互いにぴつた
りと噛み合つている。更にこの軸１３は２本の基
準線に沿つて溝２０を備えており、この溝にはせ
ん体２１が係合しており、該せん体は内リング１
６に接続固定されている。せん体２１及びリング
１６からなる装置部分は中空第２部分１２の上端
に支持される。図２はプロペラ２の作動位置を示
しており、水中ハウジング１はスリーブ７下に降
ろされていて軸１３は歯装置１８，１９を介して
軸６の第２部分１２に連結されている。各継手１
７は外リング２２を備え、該外リングは数本のボ
ルト２３によつてソケツト２４，２５にそれぞれ
固定されている。上側ソケツト２４はモータ軸１
０に嵌着されており、下側ソケツト２５は軸６の
中空部分１２に嵌着されている。 水中ハウジング１をプロペラ２と共にスリーブ
７内へ引上げるとき、以下のエレメント（図２に
示されている）が上方へ動く。 軸６の第２部分１２ 第２部分に嵌着したソケツト２５ 内リング１６及び外リング２２を有する下側回
転継手１７ せん体２１ 上述の上方向移動の間、歯装置１８は歯装置１
９から離れ、第２部分１２は軸１３に沿つて徐々
にスライドする。溝２０を動くせん体２１は、次
に水中ハウジング１がプロペラ２と共にスリーブ
７のずつと外まで下降するときに、歯装置１８が
歯装置１９へ再び容易確実に摺動噛合できるよう
に該歯装置の位置を揃える。 球面うす軸受１４は、凸円弧状上面を有する下
側リング２６を備えている。該リング２６は、弾
性中間層２７を介して合成中間エレメント２８に
支持されている。エレメント２８はボルト２３及
びソケツト２４を介してモータ軸１０に吊られて
いる。下側リング２６はリング２６の上面凸形状
に合う凹状下面を有する上側リング２９と相互作
用する。リング２９にはキヤツプ３０が被せら
れ、軸１３はボルト３１を介して該キヤツプに吊
られている。作動中生ずるであろうこの軸１３は
歪は極めて小さく、継手１７及び球面うす軸受１
４によつて容易に吸収されうる。 本発明回転推進機の最も重要な利点は、軸６の
二つの部分１１及び１２がはめ込み式で伸縮可能
となつており、それによつて水中ハウジング１が
船用プロペラと共に引込むることができ、以て駆
動装置（モータ９）の上下移動を避け得ることに
ある。かくの如く本発明によると、伸縮可能とし
た駆動軸の採用により推進機の重い部分は何等水
上乗物のデツキ上方へ持ち上げられる必要はな
く、重いモータ等はデツキ上又は推進機スリーブ
のカバー等に固定されることができ、それでいて
プロペラを備えたハウジングを引上げ又は降ろす
ことができ、また自動調整正式回転継手の採用と
駆動軸中の上側軸をモータ出力軸に球面うす軸受
けを介して吊り下げたことにより推進機作動中に
発生した場合の駆動軸の歪を容易に吸収できる水
上乗物用回転推進機を提供することができる利点
がある。 また本発明によるとプロペラ駆動軸における上
側軸は上下動しないので、移動性に難点のある水
平軸を備えたデイーゼルエンジンを適当な直角伝
動装置を介して該プロペラ駆動軸に連結できると
いう利点もある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は作動中の回転推進機の一部切欠の全体側面図で
あつて下側部が引込められた状態が細線で示され
ているもの、第２図はプロペラ駆動軸の第１部分
の両端の拡大縦断面図、第３図は第２図の―
線に沿う詳細断面図である。 １……水中ハウジング、２……プロペラ、４…
…舵チユーブ、５……旋回駆動手段、６……プロ
ペラの駆動軸、７……スリーブ、８……ネジスピ
ンドル機構（水中ハウジング及びプロペラをスリ
ーブ内に引込め又は下降させる手段）、９……モ
ータ、１０……モータの軸、１１……軸６の第１
部分、１２……軸６の第２部分、１３……軸とし
て形成された軸６の第１部分、１４……球面うす
軸受、２６……下側リング、２９……上側リン
グ、１５……内リング、１６……内リング、１７
……自動調整式回転継手、１８，１９……歯装
置、２０……溝、２１……せん体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上下に延びる舵チユーブの下部にスクウエ
   ア・ドライブ機構及び船用プロペラを伴つて取付
   けられた水中ハウジングを備え、前記舵チユーブ
   の上端には前記水中ハウジングの旋回駆動手段を
   備え、前記舵チユーブ内には前記プロペラの上下
   に延びる駆動軸を収容し、更に、前記水中ハウジ
   ング、前記プロペラ、前記舵チユーブ、前記旋回
   駆動手段及び前記駆動軸を納めるスリーブと、前
   記水中ハウジングと共に前記プロペラを前記スリ
   ーブ中に引込め或は該スリーブ下へ降ろす手段
   と、前記スリーブ内下部の水に対し該スリーブ内
   上部を封止する手段と、前記プロペラの駆動軸に
   軸部が連結されたモータを有すると共に前記スリ
   ーブの上部近くに配置された回転駆動装置とを備
   えた水上乗物用回転推進機において、前記駆動軸
   が上側の軸と該上側軸に上下動可能に外嵌する下
   側の中空軸とを含み、前記上側軸の上端部は、球
   面うす軸受を介して前記モータの下方に向けられ
   た出力軸から吊り下げられているとともに第１の
   自動調整式回転継手を介して前記モータ軸に接続
   されており、前記上側軸の下端部は第２の自動調
   整式回転継手を介して前記中空軸に接続され得る
   ようになつており、前記球面うす軸受は、前記モ
   ータ軸に支持された部分と該部分上面に球面接触
   下に載置されるとともに前記上側軸上端部に連結
   された部分とを備えており、前記各自動調整式回
   転継手は、内歯を有する外リングと該内歯に噛合
   する円弧状外歯を有する内リングとを備え、前記
   第１の自動調整式回転継手における外リングは前
   記モータ軸に固定され、内リングは前記上側軸上
   端部に固定されており、前記第２の自動調整式回
   転継手における外リングは前記中空軸に固定さ
   れ、内リングは、前記上側軸に外嵌して該内リン
   グに設けた内歯が前記上側軸下端部に設けた外歯
   と前記中空軸の下降上昇に伴つて係合脱離するよ
   うになつており、該内リングには該係合脱離を可
   能にするように前記中空軸の上下動を案内するた
   めの前記上側軸に設けた溝に上下摺動するせん体
   を支持していることを特徴とする水上乗物用回転
   推進機。