JPS6155185B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は磁気記録再生装置に関し、両面に磁気
的表面を有するフレキシブル磁気デイスク等のフ
レキシブル媒体に対して両面記録を可能ならし
め、記録容量の増大及び記録速度のアツプを行な
えるようにし、又フレキシブル媒体の両面に対し
て近接しうる一対の磁気的変換器を設けて該媒体
の２つの面に対して同時にデータ転送をなし得る
ようにした装置である。

更に具体的に説明を行なうならば、非動作時に
おいて一方の磁気的変換器をより離隔するように
剛性の支持体により完全固定、或いは高弾性係数
を有する弾性支持体で支持させ、又もう一方の変
換器はフレキシブル媒体より離隔するように前記
弾性支持体よりも小さい弾性係数を有する弾性支
持体で支持させ、動作時は前記もう一方の変換器
にフレキシブル媒体の軸方向の荷重が加わり、該
媒体の一方の面と接触し、この変換器に加えられ
た荷重により該媒体を変形させ、撓ませて前記一
方の変換器と前記媒体の他方の面とを接触させて
フレキシブル媒体の２つの面に対して同様にデー
タ転送を行なえるようにしたものである。

従来のこの種電気記録再生装置は、一対の変換
器の両方を共にやわらかい弾性体の支持体で支持
していたため、変換器自体は動作時に極めて複雑
な相対運動を行ない、変換器搭載のヘツドスライ
ダーのコーナー等でフレキシブル媒体の表面に傷
を発生させ、磁気記録再生特性の劣化をきたすと
いう問題を有していた。又、従来一方の変換器は
フレキシブル媒体と常に接触しており、且つ荷重
も加わつているため、該変換器をフレキシブル媒
体に接触させるとき該媒体を傷つけるという問題
があつた。

第１図及び第２図に一般的な磁気記録再生装置
の一例を示し、図において１はフレキシブルデイ
スクであり、駆動フランジ２にクランプされてお
り、駆動モータ３によりベルトドライブされ回転
駆動される。４及び５はフレキシブルデイスク１
の回転時に該デイスク１両面にトラツクを描くた
めに磁気的変換器が搭載されている上下のヘツド
スライダーであり、支持体６及び７を介してキヤ
リツジ８に取付けられている。ヘツドスライダー
４は支持体６に付加されているフインガー９及び
ソレノイド１０より伸びたアーム１０ａを介して
ソレノイド１０により持ち上げられることによつ
てフレキシブルデイスク１から離隔されるように
なつている。キヤリツジ８はパルスモータ１１に
より第２図矢印イ方向即ち前記フレキシブルデイ
スク１に描かれたトラツクを横切る方向に駆動さ
れる。１２はキヤリツジガイドであり、前記キヤ
リツジ８に固定された軸受１３，１４はこのキヤ
リツジガイド１２に沿つて摺動する。

このような磁気記録再生装置において、従来の
磁気的変換器の支持体をモデル化し、動作状態を
第３図Ａ，Ｂに示す。すなわち、第３図Ａに示す
状態は非動作時の状態であり、磁気的変換器が搭
載されている上側のヘツドスライダー４を支持す
る支持体６はアーム１０ａにより持ち上げられて
おり、下側のヘツドスライダー５を支持する支持
体７はフレキシブルデイスク１面に対しヘツドス
ライダー５を略垂直方向に所定の荷重で押し付け
るように構成され、ヘツドスライダー５がデイス
ク１面に当り、このデイスク１を押し上げてい
る。第３図Ｂに示す状態は動作時の状態であり、
アーム１０ａは矢印ロ方向に移動し、支持体６が
フレキシブルデイスク１面に対して垂直方向に近
づき、これに搭載されているヘツドスライダー４
がデイスク１面に接触し所定の荷重で押し付けら
れ、前記ヘツドスライダー５に加えられている荷
重に対してバランスがとれ、所定の位置に停止
し、両ヘツドスライダー４，５がフレキシブルデ
イスク１の両面に対して所定の押し付け荷重で接
触状態に置かれる。従来のこのような動作機構に
おいては前述したように、ヘツドスライダー５は
非動作時においてもデイスク１と接触してこのヘ
ツドスライダー５よりデイスク１に対して荷重も
加わつているためデイスク１に傷が発生し、又動
作時においては両ヘツドスライダー４，５が極め
て複雑な相対運動を行なうため、ヘツドスライダ
ー４，５のコーナー等でフレキシブルデイスク１
の表面に傷を発生させ、磁気記録再生特性の劣化
を招くのである。

本発明は斬かる従来の問題に対処すべく為され
たものであり、以下本発明を実施の一例を示す図
面（第４図〜第７図）に基づいて説明する。尚要
部のみを説明し、他の部分は第１図及び第２図に
示す構成と同じであるため説明を省略する。即ち
磁気的変換器を搭載するヘツドスライダー４，５
の内、上側のヘツドスライダー４はジンバル１５
に固定され、板ばねから成る支持体６に支持され
ている。１６は荷重用板ばねで、荷重調整ねじ１
７で所定の荷重がヘツドスライダー４に加わるよ
う調整できるようになつている。フインガー９は
前記板ばね１６に取り付けられており、非動作時
においてソレノイドのアーム１０ａによつて持ち
上げられる。フレキシブルデイスク１の挿入時に
はソレノイドによつてフインガー９を更に持ち上
げることによつてベース１８に突設した折曲片１
９にフインガー９が当つてベース１８は上方に開
けられる。２０はベース１９をキヤリツジ８に支
持する板ばねである。又下側のヘツドスライダー
５はジンバル２１を介して支持体７としての基板
に支持されている。ジンバル２１の弾性係数は前
記ジンバル１５の弾性係数に較べてはるかに高い
ものである。尚このヘツドスライダー５は例えば
ジンバル２１を用いずに直接剛体基板から成る支
持体７に取り付けるようにしても良い。

次に本発明の動作について第７図に基づき説明
する。すなわち第７図Ａは非動作時の状態を示す
ものであり、上側のヘツドスライダー４が支持さ
れている支持体６は、支持体駆動部のアーム１０
ａによつて持ち上げられ、ヘツドスライダー４は
フレキシブルデイスク１面から離隔されている。
又下側のヘツドスライダー５は支持体６の弾性係
数に較べ大きな弾性係数を有する弾性体〔ジンバ
ル２１〕、或いは剛体で支持され、フレキシブル
デイスク１面に対し離隔されている。第７図Ｂ
は、動作時の状態を示すものであり、アーム１０
ａが矢印ハの方向に下降移動し、これにより前記
支持体６はフレキシブルデイスク１面に近づき、
ヘツドスライダー４はフレキシブルデイスク１の
面に押し付けられ、さらにデイスク１は撓み、下
側のヘツドスライダー５に押し付けられる。本発
明のこのような動作機構においては、磁気的変換
器を持つ２つのヘツドスライダー４，５は非動作
時にフレキシブルデイスク１とは接触しておら
ず、フレキシブルデイスク１に傷の発生すること
がない。さらに、動作時においてもヘツドスライ
ダー５がヘツドスライダー４の支持体６の弾性係
数に比して高い弾性係数を有する弾性体或いは剛
体で支持されているところから、上側のヘツドス
ライダー４はこれにならつて接触し、複雑な動き
をしないため、フレキシブルデイスク１の傷の発
生を防止することができる。又本発明において
は、特に下側の磁気的変換器を持つヘツドスライ
ダー５の支持体構造が簡単になり、従来複雑なジ
ンバル構造により製造、組立、調整が困難であつ
た点が改善される。

本発明は以上述べたように実施し得るものであ
り、動作時、非動作時共に磁気変換器によるフレ
キシブルデイスクの傷の発生がなく、磁気記録再
生時性の劣化を抑えることが可能となつた。又従
来と較べ、磁気記録再生特性、特に出力変動率が
改善される。さらに、磁気変換器の支持体構造が
簡略化されるため、製造組立並びに調整が容易と
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はフレキシブルデイスクによ
る磁気記録再生装置の平面図及び要部切欠側面
図、第３図Ａ，Ｂは従来例を示す概略図でＡは非
動作時の状態、Ｂは動作時の状態を示し、第４図
〜第７図は本発明の実施の一例を示すもので、第
４図は要部平面図、第５図は同縦断面図、第６図
は同底面図、７図Ａ及びＢは夫々非動作時の状態
及び動作時の状態を示す概略図である。 １……フレキシブルデイスク、４，５……ヘツ
ドスライダー、６，７……支持体、１５，２１…
…ジンバル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 両面に磁気的表面を有するフレキシブル媒体
   の両面に対し夫々磁気的な作用をなす一対の変換
   器と、該変換器を夫々支持する第１及び第２の支
   持体と、前記フレキシブル媒体表面上に前記変換
   器によつてトラツクが描かれるように前記フレキ
   シブル媒体を駆動する手段と、前記支持体のキヤ
   リツジと、前記変換器がフレキシブル媒体上の前
   記トラツクを横切る方向に前記キヤリツジを移動
   させる手段とを有し、さらに一方の変換器は前記
   媒体表面より離れた位置に第１支持体により支持
   し、且つ第１支持体を剛体或いは高い弾性係数を
   有する弾性体で構成し、もう一方の変換器は第１
   支持体の弾性係数より小さい弾性係数を有する第
   ２支持体で支持し、且つ第２支持体に支持されて
   いる変換器を前記媒体表面より離れた位置と、媒
   体に当接してこの媒体を前記一方の変換器に当接
   させる位置とに動作させる支持体駆動部を備えた
   ことを特徴とする磁気記録再生装置。