JPS6152521B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はトーンアームのリードイン、リターン
等を自動的になし得るようにしたレコードプレー
ヤシステムに関するものである。

周知の如くフルオートのレコードプレーヤシス
テムでは、トーンアームのリードイン、リター
ン、ダウン及びアツプを操作スイツチによりコン
トロール出来るように構成されている。

ところでこの種のレコードプレーヤシステムを
使用する際に、例えばターンテーブル上にレコー
ド盤を載せ忘れたままスタート操作を行つてしま
うことがある。そしてトーンアームがリードイン
動作を開始した直後に上記レコード盤の載せ忘れ
に気付き、あわててリジエクト操作を行うような
ことを往々にして経験する。

しかしながら従来のこの種のレコードプレーヤ
システムでは、通常、リードイン及びダウンの一
連の動作が完了しないと、トーンアーム駆動装置
のリセツトを行えないようなものが多い。そして
このような構造のものでは、上述の如くスタート
操作を行つてリードイン動作が開始された直後に
リジエクト操作を行つても、トーンアームはリー
ドイン及びダウンを完了してしまい、その完了後
に漸くアツプ及びリターンされることになる。従
つてこの場合には、カートリツジの針先がターン
テーブルに接触してしまい、その針先等が著しく
損傷してしまうという欠陥があつた。

本発明は上述の如き欠陥を是正すべく発明され
たものであつて、トーンアームのスタート操作を
行つた後にリジエクト操作を行つた場合、トーン
アームをリードイン途中でアツプ状態のまま停止
させ、且つトーンアーム駆動機構を直ぐにストツ
プ状態にリセツト出来るようにしたレコードプレ
ーヤシステムを提供しようとするものである。

以下、本発明を適用したフルオートレコードプ
レーヤシステムの一実施例を図面を参照して説明
する。

先ず第１図〜第４図を参照してトーンアーム駆
動装置を説明する。

トーンアーム１がアームレスト位置にある時、
このトーンアーム１はアームリフター２によつて
アツプされている。

この状態で図外のスタートスイツチがオンされ
ると、駆動用モータ３が正回転駆動され、ギヤー
４，５を介してコントロールカム６が第２図で時
計方向に正回転駆動される。尚コントロールカム
６は、第１図に示すトーンアーム１のアーム回転
軸７の軸心を中心としてこのアーム回転軸７の回
りに回転自在に構成されている。

そしてコントロールカム６が正回転されると、
第１図及び第４図に示すように、このコントロー
ルカム６にリードイン用リミツター８を介して係
合されているリードイン用レバー９が、アーム回
転軸７の軸心を中心としてコントロールカム６と
同じ方向に回動される。この時リードイン用レバ
ー９は、第４図に示すように、アーム回転軸７に
固着されてこれと一体に回転するブレーキドラム
１０上のピン１１を押し、これによりアーム回転
軸７を第２図で時計方向に回動させる。そしてト
ーンアーム１が、そのアームレスト位置からター
ンテーブル上のレコード盤（何れも図示せず）の
上方位置にリードイン駆動される。

トーンアーム１がターンテーブル上のレコード
盤上に達した時、リードイン用レバー９に設けら
れたピン１４が、第４図に仮想線で示すように、
レコードサイズセレクターカム１５に当接する。
するとその瞬間にリードイン用リミツター８がコ
ントロールカム６から外れ、従つてリードイン用
レバー９が停止して、トーンアーム１もその位置
即ち予めレコード盤のサイズに合わせて設定され
たダウン位置で停止される。

一方、コントロールカム６は引き続き正回転さ
れ、この後の正回転により、第１図に示すよう
に、コントロールカム６上に設けられたアームリ
フター用カム１６の傾斜面１６ａによつてアーム
リフター２がダウン駆動されて、トーンアーム１
がレコード盤上にダウンされる。

以上により一連のリードイン動作が完了し、レ
コード演奏が開始される。

次にレコード演奏が終了してレコードエンドに
なつた時、或いはレコード演奏の途中でリジエク
トスイツチがオンされた時には、モータ３が逆回
転駆動される。そしてギヤー４，５を介して、コ
ントロールカム６が第２図で反時計方向に逆回転
駆動される。

このコントロールカム６の逆回転初期において
は、アームリフター用カム１６の傾斜面１６ａに
よつてアームリフター２がアツプ駆動され、トー
ンアーム１がレコード盤上からアツプされる。

そしてコントロールカム６の引き続きの逆回転
により、コントロールカム６に設けられた第３図
に示すリターン用リミツター１７が、この第３図
の状態から第４図の状態に切換えられてピン１１
を押し、ブレーキドラム１０を介してアーム回転
軸７が第２図で反時計方向に回動される。これに
よりトーンアーム１がレコード盤上の位置からア
ームレスト位置にリターン駆動される。尚この時
リードイン用レバー９は、コントロールカム６に
追従して当初の位置へ押し戻される。

このトーンアーム駆動装置では、第２図に示す
ように、コントロールカム６を略130゜の回転角
度で正回転及び逆回転させるように構成されてい
る。そしてコントロールカム６の略90゜の回転角
度内がリードインとリターンとの動作区間に構成
され、残りの略40゜の回転角度内がダウンとアツ
プとの動作区間に構成されている。

第２図に示すように、コントロールカム６の外
周位置には、これに沿つて三個の位置検出スイツ
チSW₁、SW₂、SW₃がそれぞれ配置されている。
そしてコントロールカム６に設けられたスイツチ
駆動用突起１８により、コントロールカム６の回
転に応じてこれらのスイツチSW₁〜SW₃が順次切
換えられるようになつている。

次に第５図〜第６Ｇ図を参照してこのフルオー
トレコードプレーヤのシステムコントロール回路
を説明する。

第５図に示すフリツプフロツプ回路（以下にお
いて「FF」と記載する。）２１は、モータ３を正
回転又は逆回転に選択的に回転駆動させる為のも
のである。そしてFF２１の一方の出力端子Ｑの
信号レベルが“１”の時、正回転駆動回路２２を
介してモータ３が正回転駆動され、他方の出力端
子の信号レベルが“１”の時、逆回転駆動回路
２３を介してモータ３が逆回転駆動されるように
なつている。トランジスタ（以下において
「TR」と記載する。）２４は、既述したトーンア
ーム駆動装置がストツプ状態の時に、位置検出ス
イツチSW₁の作用によつてモータ３の逆回転を停
止させる為のものである。

トーンアーム駆動装置がストツプ状態の時、位
置検出スイツチSW₁の可動接点２５は固定接点２
５ｂ側に切換えられている。そして第６Ａ図〜第
６Ｇ図に示すt₁時点でこの回路に＋Ｂ電源が供給
されると、抵抗R₁、R₂及びR₃の低抗値によつて
決定されるベース電圧がTR２４のベースに供給
される。これと同時にコンデンサC₁と抵抗R₄と
によつてトリガー信号が発生し、このトリガー信
号がFF２１のCP端子に供給される。従つてFF
２１の出力端子Ｑの信号は、第６Ｄ図に示す如く
レベル“０”になる。この為正回転駆動回路２２
は動作しない。

又この時FF２１の出力端子の信号は、第６
Ｅ図に示す如くレベル“１”になる。しかしなが
らTR２４にはベース電圧が供給されているの
で、このTR２４はオン状態ある。故に上述した
レベル“１”の信号は逆回転駆動回路２３には供
給されず、従つてこの逆回転駆動回路２３は動作
しない。即ち、トーンアーム駆動装置がストツプ
状態の場合には、正回転駆動回路２２及び逆回転
駆動回路２３の何れも動作せず、モータ３は停止
状態である。

そして例えばt₂時点で、第６Ｂ図に示す如くス
タートスイツチ２６（第５図参照）をオンする
と、FF２１がセツト状態に切換えられる。従つ
てFF２１の出力端子Ｑのレベルは、第６Ｄ図に
示す如く“１”になり、この信号は抵抗R₆を介
して正回転駆動回路２２に供給される。故にモー
タ３は正回転駆動され、これにともないコントロ
ールカム６が前述の如く正回転される。

そしてコントロールカム６が正回転を開始した
直後、例えばt₃時点で突起１８（第２図参照）が
位置検出スイツチSW₁から外れる。この結果、第
５図に示すように位置検出スイツチSW₁の可動接
点２５が固定接点２５ａ側に切換えられる。従つ
てTR２４は、第６Ｇ図に示す如くオフ状態にな
る。尚FF２１がセツト状態に切換えられると同
時に、出力端子のレベルは“０”になる。故に
TR２４は勿論、逆回転駆動回路２３も動作しな
いので、モータ３は正回転し続けることになる。

そしてコントロールカム６が正回転されること
によつて、前述の如くトーンアーム１のリードイ
ンが行われる。

ところでスタートスイツチ２６をオンした後、
引き続いて直ぐにリジエクトスイツチ２７（第５
図参照）をオンした場合、即ち例えば第６Ｃ図に
示す如く、t₄時点でリジエクトスイツチ２７がオ
ンされると、FF２１がリセツト状態に切換えら
れる。そしてFF２１の出力端子Ｑのレベルは
“１”から“０”に変化し、一方、出力端子の
レベルは“０”から“１”に変化する。この結果
正回転駆動回路２２は動作しなくなる。一方、正
回転駆動回路２３へ出力信号が供給されて、これ
が動作され、モータ３は、第６Ｆ図に示す如く、
正回転状態から逆回転状態に切換えられる。

このように、リードイン途中でリジエクトスイ
ツチ２７がオンされると、直ちにモータ３が正回
転状態から逆回転状態に切換えられ、従つて、こ
のモータ３によつて駆動されているコントロール
カム６も正回転状態から逆回転状態に切換えられ
る。

一方、途中迄リードインされたトーンアーム１
は、このコントロールカム６の逆回転時にはリタ
ーン用リミツタ１７が第３図に示す状態にあつて
ピン１１を押さないので、リジエクトスイツチ２
７がオンされた時の位置、例えば前記t₄時点の位
置でアームリフター２にてアツプ状態に保持され
たままで停止される。

即ち、コントロールカム６に設けられたリター
ン用リミツタ１７は、コントロールカム６が所定
位置迄正回転した時に、例えば適当なストツパー
に当接する等によつて、第３図の状態から第４図
の状態に切換えられるように構成されている。従
つて、コントロールカム６が正回転途中で切換え
られると、リターン用リミツタ１７は第３図の状
態のままでコントロールカム６が逆回転する。そ
してこの場合には、リターン用リミツタ１７がブ
レーキドラム１０のピン１１を押さないので、ト
ーンアーム１はリードイン途中の位置で停止され
る。

上記のようにして逆回転されたコントロールカ
ム６が、初期状態であるストツプ状態に復帰（リ
セツト完了）すると、第２図に示すように、位置
検出スイツチSW₁が突起１８によつて再び押され
る。従つて、第５図において、位置検出スイツチ
SW₁の可動接点２５が固定接点２５ｂ側に切換え
られ、TR２４が再びオン状態になる。この為FF
２１の出力端子の出力信号は、再び逆回転駆動
回路２３に供給されなくなり、モータ３が停止す
る。

このように、リードイン途中でリジエクトスイ
ツチ２７をオンされると、トーンアーム１をアツ
プ状態で途中に残したままトーンアーム駆動装置
は直ちにストツプ状態にリセツトされる。そして
この状態では、トーンアーム１はフリーの状態に
あるので、手動によりトーンアーム１をアームレ
ストに戻しても良いし、又そのまま再度スタート
ボタンを押してリードイン動作を再開しても良
い。

本発明は上述の如く、スタート操作によりコン
トロールカムを正回転させてトーンアームをリー
ドイン及びダウンさせ、上記正回転完了後の逆回
転によりトーンアームをアツプ及びリターンさせ
るようにしたレコードプレーヤシステムにおい
て、スタート操作によりコントロールカムを正回
転駆動状態に切換え、且つそのコントロールカム
の正回転動作途中で、リジエクト操作がなされた
時には、直ちにコントロールカムを逆回転駆動状
態に切換えるように構成したものであるから、ス
タート操作を行つた直後にリジエクト操作を行う
と、直ちにトーンアームをリードイン途中でアツ
プ状態のまま停止（残したまま）させ、正回転動
作途中にあつたコントロールカムを直ぐ逆回転駆
動させて、トーンアーム駆動機構をストツプ状態
にリセツトさせ、次のリードイン動作に備えさせ
ることが出来る。従つて例えばターンテーブル上
にレコード盤を載せ忘れたままスタート操作を行
い、これに気付いてその直後にあわててリジエク
ト操作を行つたような場合において、トーンアー
ムをターンテーブル上にダウンさせることなく、
トーンアーム駆動機構を必ずストツプ状態にリセ
ツトさせることが出来て、誤動作を起こし難く、
安全性の非常に高いものが得られる。

又本発明においては１個のフリツプフロツプ回
路によつてトーンアームのリジエクト制御を行つ
ているので、その構成が簡単である。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すものであつて、
第１図はトーンアーム駆動装置の要部の分解斜視
図、第２図はトーンアームのコントロール動作を
説明する為のコントロールカムと位置検出スイツ
チとの位置関係を示す平面図、第３図はコントロ
ールカムの一部切欠平面図、第４図はトーンアー
ムのコントロール動作を説明するためのコントロ
ールカム部分の断面図、第５図はシステムコント
ロール回路の回路図、第６Ａ図〜第６Ｇ図は回路
動作を説明する為の波形図である。 なお図面に用いた符号において、１……トーン
アーム、３……モータ、６……コントロールカ
ム、２１……フリツプフロツプ回路、２６……ス
タートスイツチ、２７……リジエクトスイツチ、
である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ モータ３にて正回転駆動または逆回転駆動さ
   れるようになされたコントロールカム６を設け、
   このコントロールカム６の正回転によりトーンア
   ーム１をリードイン及びダウンさせ、上記正回転
   完了後の逆回転によりトーンアーム１をアツプ及
   びリターンさせるように構成したレコードプレー
   ヤシステムにおいて、 プレーヤのスタートスイツチ２６がセツト端子
   Ｓに接続され且つリジエクトスイツチ２７がリセ
   ツト端子Ｒに接続されたフリツプフロツプ回路２
   １と、 このフリツプフロツプ回路２１の第１の出力端
   子Ｑに接続された上記モータ３の正回転駆動回路
   ２２と、 上記フリツプフロツプ回路２１の第２の出力端
   子に接続された上記モータ３の逆回転駆動回路
   ２３と、 これら両駆動回路２２，２３に接続されたトー
   ンアーム駆動用の上記モータ３と、 上記フリツプフロツプ回路２１の上記第２の出
   力端子と上記逆回転駆動回路２３との間に接続
   された制御素子２４と、 上記コントロールカム６に接離し、且つ上記ト
   ーンアーム１が停止位置にあるときにのみ上記制
   御素子２４を駆動して上記フリツプフロツプ回路
   ２１の上記第２の出力端子Ｑの出力を遮断させる
   検出スイツチSW１とをそれぞれ具備し、 上記トーンアーム１が上記停止位置にあるとき
   に上記スタートスイツチ２６の操作により上記フ
   リツプフロツプ回路２１の上記第１の出力端子Ｑ
   の出力によつて上記正回転駆動回路２２を動作さ
   せ、これにより、上記モータ３を正回転駆動し、
   上記コントロールカム６を正回転させて、上記ト
   ーンアーム１をリードインさせ、 且つこの正回転駆動の動作途中で上記リジエク
   トスイツチ２７が操作されたときには、上記トー
   ンアーム１をアツプした状態でリードインが停止
   され、上記フリツプフロツプ回路２１の上記第２
   の出力端子の出力によつて上記逆回転駆動回路
   ２３を動作させ、これにより、上記モータ３を正
   回転駆動から逆回転駆動に切換えて上記コントロ
   ールカム６を逆回転させ、 上記コントロールカム６が上記検出スイツチ
   SW１を操作することにより、上記制御素子２４
   が上記フリツプフロツプ回路２１の上記第２の出
   力端子の出力を遮断して上記モータ３を停止さ
   せ、これにより、上記コントロールカム６を上記
   停止位置にある時と同じ状態に戻すようにしたこ
   とを特徴とするレコードプレーヤシステム。