JPS6152246B2

JPS6152246B2 -

Info

Publication number: JPS6152246B2
Application number: JP9529683A
Authority: JP
Inventors: Mutsuo Nakagawa; Isao Ichinukizaka; Yasuyuki Uchida
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1983-05-30
Filing date: 1983-05-30
Publication date: 1986-11-12
Also published as: BE899775A; JPS59223320A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は紡毛又は特紡などのカーデイングマシ
ーンや起毛機に使用される針布用基布の構成に関
するものである。従来、針布用基布は第１図に示す如く、綿布、
麻布又は合成繊維よりなる織布１等を複数枚使用
し、天然ゴム接着剤２で積層接着し、規格に定め
られた厚さに形成した後、ゴム、フエルト又は樹
脂シート等を表層３として、合成ゴム接着剤４と
接着することにより製造している。この基布は次
に植針を施して針布としてカーデイングマシーン
のシリンダーやドツフアー等に巻きつけて繊維を
均一に開繊し引揃えるのに使用する。このように、針布は回転するカードドラムに巻
き付けられて繊維を解きほぐす作用を行うので、
相当な強度と植えつけられた針の強固な保持力が
要求される。そのため基布は特に厚さが均一で抗
張力に優れ、張力時の伸びもできるだけ少なくし
てシリンダー等の回転円筒体にしつかりと巻き締
められなければならず、しかも運転中に植針した
針にかかる負荷に耐えるように十分な針の把持乃
至保持力と、針の変形からの回復を助ける弾性力
が必要である。このような特性を満足させるため
に、通常は抗張力が大きく、且つ伸びの小さい麻
布、綿布等の織布に、天然ゴム又は合成ゴムをガ
ソリン、ベンゼン等の有機溶剤に溶解したゴム糊
を数回繰返し塗布して、織布内へゴム糊を浸透さ
せ一定厚さのゴム糊層を形成して基布の弾力性を
保持することと、植針された針の把持力の向上を
図るよう配慮されている。また表層部に於ては、
植針された針にかかる応力を緩衝させる目的で、
ゴムシート層、ゴム発泡層、樹脂シート層、樹脂
発泡層、フエルト層が設けられ、柔軟性、弾力
性、緩衝性を付与するよう構成されている。この
ように従来の針布用基布では種々の要求物性を満
足させるために、高価な半毛フエルトを用いたり
数多くのゴム糊のコーテイング及び綿布や麻布な
どの天然織布を多用してラミネート工程を経るた
めに非常に高価なものとなるとともに天然繊維を
使用しているので、安定した品質のものを供給す
ることがむつかしく、強度に影響を及ぼす等の欠
点を有している。本発明は、特に紡毛、特紡等のカーデイングマ
シーンや起毛機に使用する針布の表層及び基層に
交絡繊維マツト即ちニードルパンチフエルトを用
い、基層に使用するニードルパンチフエルト又は
圧縮フエルトの少なくとも片面に交絡繊維製織布
の１乃至複数枚を積層接着した補強基材層を形成
することによつて上記の種々要求される諸特性を
満足すると共に比較的低コストの針布用基布を提
供するものである。次に、本発明の構成は図面に基づいて説明す
る。第２図は本発明の一実施例を示す断面図であ
り、表層５は化学繊維を用いた交絡繊維マツトを
示し、上記繊維マツトはポリエステル、ポリプロ
ピレンの他、ポリアミド、アクリル、炭素繊維等
の合成繊維やアクリル系、ポリアミド系、ポリエ
ステル系、ポリオレフイン系、エラストマ系等の
コンジユゲート繊維、ガラス繊維、金属繊維等の
無機繊維、レーヨン、キユプラアセテート等の再
生、半合成繊維等の化学繊維を夫々単独に或いは
複数種類組合せ使用するか、或いは天然繊維とし
て羊毛繊維を単独に又は他の化学繊維と組合せ使
用し、カード機により開繊し形成した繊維マツト
を、ニードルパンチ機によりニードルパンチ加工
を施して織布間相互を交絡せしめた後、合成ゴム
又は合成樹脂エマルジヨンに含浸し、加熱・圧縮
して形成した見掛け密度0.15乃至0.35g／cm³のニ
ードルパンチフエルトを用いる。上記表層は植針
された針にかかる負荷に耐える十分な針の保持力
と針の変形からの回復を助ける弾力性、緩衝性が
要求されるため、弾力性、嵩性にすぐれたポリエ
ステル、アクリル、ポリアミド、ポリプロピレン
等の合成繊維で形成したニードルパンチフエルト
がこの目的に適つている。また基層６は上記表層
と同様にして形成した交絡繊維マツト７と補強材
として用いる合成繊維製織布８を１乃至複数枚該
交絡繊維マツト７の平面又は両面に天然又は合成
ゴム或いは合成樹脂等の接着剤９で順次一体に積
層接着して形成する。上記基層の交絡繊維マツト
７は上記表層の交絡繊維マツト形成に示される各
種の繊維を、夫々単独に或いは複数種類組合せて
使用し、同様に形成して使用されるが、特にポリ
エステル、アクリル、ポリプロピレン、ポリアミ
ド等の合成繊維を使用した見掛け密度0.20乃至
0.60g／cm³の合成ゴム又は樹脂含浸ニードルパン
チフエルト或いは、羊毛繊維を主体とするニード
ルパンチフエルト又は圧縮フエルトが使用され
る。また上記交絡繊維マツト７と一体に積層接着
する補強材となる合成繊維製織布８は芳香族ポリ
アミド、ポリエステル、ポリプロピレン、炭素繊
維等の合成繊維よりなる紡績糸又はフイラメント
糸を少なくとも縦糸に用いて織成した合成繊維織
布を用い上記交絡繊維マツトの少なくとも一面に
積層接着して基層６を構成することにより植針し
たＵ字状の針を強固に把持し、針抜けせず、針が
過酷な応力を受けても針折れ、針倒れせず、容易
に復元する弾力性と、カードドラムに巻き付けた
時の巻付張力によつて応力緩和やクリープ等の現
象に起因すると考えられる変形による伸びが生じ
ず、基布浮きの防止等を考慮して所望の厚みと強
度を有して形成される。上記基層６と表層５間は天然ゴム、合成ゴム又
は合成樹脂接着剤１０の塗布層により一体に接着
し針布用基布を構成する。尚、上記接着剤１０としては天然ゴムの他、シ
リコンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、フ
エノリツク、ポリウレタン、アクリル等の合成ゴ
ム、合成樹脂等が用いられる。また、上記針布用基布のカードドラムと接触す
る交絡繊維マツト或いは合成繊維織布の表面に
は、ゴム又は樹脂等のコーテイングを行うことに
より、カードドラムとの接触圧力を高め、針の保
持を一層強固にすることもできる。更に、基層の補強材として用いる芳香族ポリア
ミド、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリ
ル、炭素繊維等の合成繊維織布８は基層と表層
間、基層の両面、又は基布の最下面に位置せしめ
て基布を構成することにより引張強度の高い伸び
率の少ない針布用基布が形成される。以下、本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。実施例１ポリエステル繊維12d×51mm：30％ポリエス
テル繊維6d×51mm：70％の配合比よりなる均一
に開繊された繊維マツトを、ニードルパンチマシ
ーンを用いて、上下方向より各々300パンチ／cm³
の打込み密度にて、ニードルパンチ加工を施し、
繊維を相互に交絡させた目付750g／m²、厚さ4.5
mmのニードルパンチフエルトを得た。引き続きこ
のニードルパンチフエルトに、NBRラテツクス
を主成分とする樹脂含浸液に含浸させ、乾燥、架
橋、プレス工程を経て、目付900g／m²、厚さ4.0
mm、見掛密度0.225g／cm³のニードルマツトを形成
し表層とした。次に、基層としてポリエステル繊維3d×76mm
100％よりなる均一に開繊積層された繊維マツト
を、ニードルパンチマシーンを用いて、上下方向
より各々400パンチ／cm²の打込み密度にてニード
ルパンチ加工を施し、繊維を相互に交絡せしめた
目付600g／m²、厚さ4.0mmのニードルパンチフエ
ルトを形成した。引続きこのニードルパンチフエ
ルトに、SRBラテツクスを主成分とする樹脂含浸
液を含浸させ、乾燥、架橋、プレス工程を経て、
目付960g／m²、厚さ2.5mm、見掛密度0.38g／cm³の
ニードルマツトを形成し、上記ニードルマツトの
片面に芳香族ポリアミドフイラメント糸（ケプラ
ーフイラメント糸：デユポン社製）よりなる織布
（縦糸1140デニール17本／in、横糸1140デニール
17本／inの平織）を天然ゴム糊で一体に積層接着
して基層を形成し、次に上記基層の芳香族ポリア
ミド織布の表面にクロロプレンゴム接着剤を塗布
し、上記表層のニードルマツトを積層接着して、
総厚さ7.5mmの針布用基布を得た。上記本発明の針布用基布Ａと従来の羊毛フエル
トと綿布７枚を天然ゴム、合成ゴム接着剤で接着
して得られる針布用基布Ｂの破断強度及び160Kg
定荷重時伸び率を測定し、比較した結果を第１表
に示す。

【表】表から明らかなるように本発明の針布用基布は
160Kg定荷重時の伸び率も従来に比べ約1/2に減少
し、破断強力も約50％向上した。また巻付荷重に
よつても変形伸びが生じず、カードドラム巻付後
の接触圧力の変化も少なく基布浮きの発生も解消
された。実施例２ポリエステル繊維12d×51mm：30％、ポリエス
テル繊維6d×51mm：70％の配合比よりなる均一
に開繊された繊維マツトをニードルパンチマシー
ンを用いて上下方向より各300パンチ／cm³の打ち
込み密度にてニードルパンチ加工を施し、繊維を
相互に交絡させた目付750g／m²、厚さ4.5mmのニ
ードルパンチフエルトを得た。引続きこのニード
ルパンチフエルトにNBRラテツクスを主成分と
する樹脂含浸液に含浸させ、乾燥、架橋、プレス
工程を経て、目付720g／m²、厚さ3.3mm、見掛密
度0.22g／cm³のニードルマツトを形成し表層とし
た。次に、ポリエステル繊維3d×76mm：100％より
なる均一に開繊積層した繊維マツトを、ニードル
パンチマシーンを用いて、上下方向より各々400
パンチ／cm²の打込み密度でニードルパンチ加工を
施し、繊維相互が互に交絡した目付600g／m²、
厚さ3.8mmのニードルパンチフエルトを形成し
た。引続き上記ニードルパンチフエルトにSRBラ
テツクスを主成分とする樹脂含浸液を含浸し、乾
燥、架橋、プレス工程を経て、目付800g／m²、
厚さ2.5mm、見掛け密度0.40g／cm³のニードルマツ
トを形成し、上記ニードルマツトの片面に芳香族
ポリアミドフイラメント糸（ケプラー：デユポン
製）よりなる織布（縦糸195デニール34本／25
mm、横糸195デニール34本／25mm平織）を、他面
にポリエステル繊維フイラメント糸よりなる織布
（縦糸20番双子61本／25mm、横糸16番単子64本／
25mm）をゴム糊で夫々積層接着して基層となし、
上記基層の芳香族ポリアミド織布面と表層とをク
ロロプレンゴム接着剤又はゴム糊で接着して総厚
6.0mmの針布用基布を形成した。上記本発明の針布用基布Ｃと、従来の羊毛フエ
ルト１枚（厚み３mm）、綿布５枚、ゴムシート１
枚を天然ゴム、合成ゴム接着で夫々貼合わせて得
られる針布用基布Ｄの破断強度及び160Kg定荷重
時伸び率を測定した結果を第２表に示した。

【表】第２表から明らかなる如く本発明の針布用基布
Ｃは従来基布Ｄの基材層の綿布、ゴムシートを省
略化したにも拘わらず定荷重伸び率も少なく、破
断強度のすぐれたものが得られた。かかる針布用
基布は紡毛、特紡のフアンシー針布、起毛用針布
として好適で生産コストを低減し、品質を向上せ
しめるなどの特徴を有するものである。本発明は上記の如く、針布用基布の基層に交絡
繊維マツト即ちニードルパンチフエルト又は圧縮
フエルトを使用し、合成繊維製織布で補強した高
密度弾性層、表層に合成ゴム又は樹脂を均一に含
浸したニードルパンチフエルトからなる弾性層を
有するため腰のある硬さと弾力性を有し、特に伸
び率も少ないため、針の把持力も良好で針抜けせ
ず、針にカーデイングアクシヨンがかかつた時の
弾性回復に優れる。また基層に芳香族ポリアミ
ド、炭素繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維製
織布を補強材として用いる時は、カードドラム巻
付時に巻付張力によつて応力緩和やクリープ等の
現象に起因する変形による伸びが生じず、また、
高速回転で長期間使用しても基布浮きが発生しな
いので針布の耐久性を大巾に向上する。更に、従来の如く基層を使望の厚みに形成する
ために織布、麻布等の高価な天然繊維織布の使用
枚数並びにその織布間を接着する接着剤の使用量
も大巾に低減させることができるから、省力化が
達成でき、製品コストを大巾に下げ、経済的効果
は大なるものがある等の秀れた効果を有する発明
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の針布用基布の断面図、第２図は
本発明の１実施例を示す針布用基布の断面図であ
る。１……織布、２……天然ゴム接着剤、３，５…
…表層、４……合成ゴム接着剤、６……基層、７
……交絡繊維マツト、８……合成繊維製織布、
９，１０……接着剤。

Claims

【特許請求の範囲】１化学繊維、天然繊維を夫々単独に或いは複数
種類混合使用してなる繊維が相互に絡み合つた見
掛密度0.20乃至0.60g／cm³で合成ゴム又は合成樹
脂含浸して形成した交絡繊維マツトの少なくとも
片面に、合成繊維製織布を１乃至複数枚接着剤を
貼合わせて基層を形成し、上記基層の片面に化学
繊維、天然繊維を夫々単独に或いは複数種類混合
使用して繊維が相互に絡み合つた見掛密度0.15乃
至0.35g／cm³の合成ゴム又は合成繊維含浸交絡繊
維マツトを表層として接着剤で一体に積層接着し
てなることを特徴とする針布用基布。２合成繊維織布が芳香族ポリアミド繊維糸、ポ
リエステル繊維糸、ポリプロピレン繊維糸、また
は炭素繊維糸を少なくとも縦糸として織成してな
る織布を用いることを特徴とする特許請求の範囲
第１項記載の針布用基布。３表層及び基層を構成する合成ゴム又は合成樹
脂含浸交絡繊維マツトがポリエステル繊維、ポリ
プロピレン繊維、ポリアミド繊維又はアクリル繊
維で形成してなることを特徴とする特許請求の範
囲第１項記載の針布用基布。