JPS6150527B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は無指向性広帯域ガラスアンテナ、殊に
自動車の後部窓ガラスの縦方向中央部に設けられ
た複数本の加熱用導電線条の上側の窓ガラスに設
けた無指向性広帯域ガラスアンテナに関する。

従来、自動車の後部窓ガラスに設けられた複数
本の加熱用導電線条の上側の該窓ガラスに設けた
広帯域アンテナは該加熱用導電線条に平行な複数
本の中波用アンテナ線条と、一本の超短波用アン
テナとを導電線条によつて接続したものが知られ
ている。

この種の自動車の後部窓ガラスはガラス面の複
数本の加熱用導電線条に通電加熱することによつ
てガラス面の曇りを除去すること、超短波用アン
テナ線条によつて超短波帯域のFM放送を受信
し、また中波用アンテナ線条によつて中波帯域の
AM放送を受信すること、この両方ができるもの
である。

しかしながら、自動車の後部窓ガラスに装備さ
れた従来のアンテナは超短波帯域において、自動
車の前後方向からの到来電波に対して利得が最小
で、自動車の横方向からの到来電波に対して利得
が最大となり、その利得差が甚だ大なる指向特性
を有する。

従つて、電界強度が弱い場所で、超短波帯域の
放送を受信する場合には自動車の方向が電波の進
行方向になると、Ｓ／Ｎ比が悪くなり、特に超短
波帯域におけるFM放送においては“バサバサ”
あるいは“ザツザツ”といつたスキツプノイズが
発生する。

本発明は超短波用アンテナの平均利得を低下さ
せることなく、その指向特性を無指向性に改善す
るためになされたものであつて、本発明は透明な
板ガラスと、該板ガラスに設けた中波用アンテナ
線条と、該板ガラスの他の領域に設けられた、該
中波用アンテナ線条の長さ方向のほぼ中央部に対
応する位置を始点として、該中波用アンテナ線条
に対してほぼ平行に伸び、且つ縁部において折曲
げ、折返された超短波用アンテナ線条と、該超短
波用アンテナ線条の始点、又はその始点に連つた
フイーダ線条と該中波用アンテナ線条に連つたリ
ード線条とに連つたスタツブと、該スタツブの該
リード線条側端部に接続される補助線条とからな
る広帯域ガラスアンテナである。

本発明において、超短波用アンテナの縁部は中
波用アンテナ線条に対して反対側に折曲げられ、
且つ該中波用アンテナ線条と平行になるように折
返されることが好ましい。

また、本発明において、スタツブは中波用アン
テナ線条に平行に設けられることが好ましく、ス
タツブに連なる補助線条もまた中波用アンテナ線
条に平行に設けられることが好ましい。

更にまた本発明において中波用アンテナ線条に
近接し、且つ平行な複数本の加熱用導電線条を板
ガラスに設けることができる。

本発明は超短波用アンテナ線条の縁部における
折返しと補助線条とにより、アンテナの平均利得
を低下させることなく、無指向性に近ずけること
ができ、且つ超短波用アンテナ線条と中波用アン
テナ線条とを接続するスタツブにより、中波帯域
の放送をも良好に受信できる。

また本発明は中波用アンテナ線条に近接し、且
つ平行な複数本の加熱用導電線条を板ガラス上に
設けることにより、ガラス面の曇り除去をするこ
とができると同時に中波用アンテナ線条と加熱用
導電線条とが結合してアンテナの利得を向上する
ことができる。

更にまた本発明はアンテナ線条が加熱用導電線
条に直接接続されないので、アンテナと受信機、
あるいはプリアンプとの間に直流遮断用のコンデ
ンサを挿入する必要がないため、アンテナに誘起
した電流を受信機あるいはプリアンプに減衰する
ことなく伝達できる。

以下本発明の実施例について図面を引用して詳
述する。

第１図において、加熱用導電線条群１０は自動
車の後部窓ガラス１の防曇を要する表面に横方向
に互に平行な加熱用導電線条１１が窓ガラスの両
側部の母線１２，１３に接続するように設けられ
たものである。

加熱用導電線群１０を設けた窓ガラス１の防曇
領域の上側に、加熱用導電線条１１に近接し、且
つ平行な両端の短絡された二条の中波用アンテナ
線条１４と、中波用アンテナ線条１４の長さ方向
のほぼ中央部に対応する位置を始点として、中波
用アンテナ線条１４に対してほぼ平行に伸び、且
つその縁部において上側に折曲げ、平行に折返さ
れたFM放送を受信するのに最適長さの超短波用
アンテナ線条１５と、この超短波用アンテナの始
点から垂直に上方に伸び終端の饋電点１６に連つ
たフイーダ線条１７と、超短波用アンテナ線条１
５の始点と最上部の中波用アンテナ線条１４に連
つたリード線条１８とに接続されるスタツブ１９
と、スタツブ１９のリード線条１８側の端部から
更に延長される補助線条２０とが設けられる。

そして超短波用アンテナ１５の全長とスタツブ
１９の長さを変えれば、超短波帯域の受信電波に
対して利得を変えることができる。また、超短波
用アンテナ１４の折り返し部の長さ、及び補助線
条１７の長さを変えればアンテナの指向特性を変
えることができる。

加熱用導電線条１１、母線１２，１３、中波用
アンテナ線条１４、超短波用アンテナ線条１５、
饋電点１６、フイーダ線条１７、リード線条１
８、スタツブ１９及び補助線条２０は銀の微細な
粒子、低融点ガラス粉末等を有機溶媒でペースト
状にした導電ペーストを窓ガラス１上にスクリー
ン印刷法により同時に印刷し、焼付けによつて得
られる。このような加熱用導電線条群１０をもつ
た広帯域ガラスアンテナは饋電点１６に接続され
る図外の同軸ケーブルを介して受信機のアンテナ
端子に接続される。また母線１２はスイツチ２１
を介してバツテリー２２の正極に連なる導線２３
が接続され、そして母線１３はバツテリー２２の
負極に連なる導線２４が接続される。

以上のような広帯域ガラスアンテナは76MHZ
乃至90MHZの国内FM放送波帯の広い帯域にわた
つてほぼ第４図に示すような無指向特性が得ら
れ、電界強度の弱いところにおける超短波帯域の
FM放送の受信の際にもスキツプノイズを減少す
ることができた。

また前記広帯域ガラスアンテナは超短波用アン
テナ線条１５に中波用アンテナ線条１４がスタツ
ブ１９を介して接続されているため超短波帯域は
無論、中波帯域の利得を向上できた。

更にまた、前記広帯域ガラスアンテナは加熱用
導電線条に直接接続されていないので、饋電点１
９に連なる図外の伝送回路に直流用遮断用コンデ
ンサーを介在させる必要がないため、アンテナに
誘起された高周波電流をプリアンプあるいは受信
機に減衰させることなく伝送できたり、またブス
バー１２，１３とバツテリー２２との間に高周波
電流遮断用のチヨークコイルの挿入が不要であつ
た。

第２図乃至第３図に本発明の他の実施例を示
し、夫々第１図に示した実施例と対応するところ
は第１図に示した番号で示した。

第２図に示した実施例は第１図に示した実施例
とフイーダ線条１７が窓ガラス１の上辺に向つて
伸び、その上辺に沿つて伸びていて、窓ガラス１
の角部に設けられた饋電点１６に連つている点、
及び中波用アンテナ線条１４が三条になつている
点が異なる。

また、第３図に示した実施例は第２図に示した
ものと次の点で異なる。すなわち第３図のものは
超短波用アンテナ線条１５とスタツブ１９及び補
助線条２０とがフイーダ線条１７に対して左右反
対側に設けられ、超短波用アンテナ線条１５が下
側に折曲げられ、その始点がフイーダ線条１７を
介してスタツブ１９に接続されている点と、リー
ド線条１８が三条の中波用アンテナ線条１４を短
絡している点で異なる。

以上は本発明の種々の実施例に述べたものであ
るが本発明は前記実施例に限定されることなく、
特許請求の範囲内において変形できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すものであつて、第
１図は広帯域ガラスアンテナの正面図及び電気回
路図、第２図乃至第３図は夫々変形例を示す広帯
域ガラスアンテナの正面図及び電気回路図を示
し、第４図は第１図に示した広帯域ガラスアンテ
ナの指向特性を示す。 １：窓ガラス、１０：加熱用導電線条群、１
１：加熱用導電線条、１２，１３：母線、１４：
中波用アンテナ線条、１５：超短波用アンテナ線
条、１７：フイーダ線条、１８：リード線条、１
９：スタツブ、２０：補助線条。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 透明な板ガラスと、該板ガラスに設けた中波
   用アンテナ線条と、該板ガラスの他の領域に設け
   られた、該中波用アンテナ線条の長さ方向のほぼ
   中央部に対応する位置を始点として、該中波用ア
   ンテナ線条に対してほぼ平行に伸び、且つ縁部に
   おいて折曲げ、折返された超短波用アンテナ線条
   と、該超短波用アンテナ線条の始点、又はその始
   点に連つたフイーダ線条と該中波用アンテナ線条
   に連つたリード線条とに連つたスタツブと、該ス
   タツブの該リード線条側端部に接続される補助線
   条とからなる広帯域ガラスアンテナ。 ２ 該中波用アンテナ線条に近接し、且つ平行な
   複数本の加熱用導電線条を該板ガラスに設けた特
   許請求の範囲第１項記載の広帯域ガラスアンテ
   ナ。