JPS6150231B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は冷凍系を具備する製氷部材にて製造さ
れた氷の脱氷運転を冷凍系のホツトガスを循環し
て行なう製氷機に関し、特に脱氷運転を前記製氷
部材若しくはサクシヨン側配管のホツトガスによ
る加熱後の上昇温度を検出して終了する製氷機の
改良に関する。

従来、この種の製氷機に於いては所謂ベローズ
式サーモスタツト或るいはバイメタルサーモスタ
ツト等の感温素子によつて製氷部材若しくはサク
シヨン側配管の所定の上昇温度を感知して脱氷運
転の終了を検出するものであつた。

而して前記感温素子の設定温度は製氷部材から
確実に氷が落下したときの前記上昇温度に設定し
なければならない。ところで設定温度を決定する
場合、注意しなければいけない点として周囲温度
との兼ね合いが問題となるため一般的にサーモス
タツトの設定温度は周囲温度の最も高温条件にお
ける氷落下時の製氷部材若しくはサクシヨン配管
温度に決定する必要がある。もしこの設定温度を
低く決定すると氷が製氷部材から落下しないにも
かかわらずサーモスタツトの設定温度に到達して
脱氷運転を終了してしまうからである。一方、高
温条件において設定温度を決定していることから
周囲温度が低い場合氷が落下したにもかかわらず
製氷部材若しくはサクシヨン配管の温度がなかな
かサーモスタツトの設定温度に到達しないため氷
落下時から設定温度に到達するまでの時間はロス
タイムとなり、これは周囲温度が低ければ低いほ
ど長くなり、製氷能力の低下につながる欠点とな
つていた。

そこで本発明は、周囲温度と氷落下時のサクシ
ヨン配管との関係が第３図に示す様に変化するこ
とに着目し、広範囲の周囲温度条件下においても
氷が落下したときの製氷部材若しくはサクシヨン
側配管の温度または該温度より若干高い温度で脱
氷運転を終了し従来の如くロスタイムをなくす事
を目的として提供される脱氷終了検出装置であ
る。

以下に本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。１は断熱壁にて形成せる製氷機本体で、内部
に冷凍系の蒸発パイプ２を接続した製氷部材３が
傾斜設置され、その下方には給水弁４を介して水
源に接続される給水管５から給水される製氷用水
を貯水する貯留タンク６及び該タンク６内に循環
ポンプ７を装設して流水循環式製氷系統が構成設
置され、且つ製氷部材３の低端縁前方には貯氷室
８の上方に位置し脱氷後の板氷を受けて所定の大
きさの氷塊に切断する板氷切断用ヒーター装置９
を配置している。また機械室１０には電動圧縮機
１１、凝縮器１２、そして凝縮器１２の空冷用フ
アン１３が配設されている。

次に本発明の電気回路について説明する。１４
は抵抗１５及びサクシヨン側配管１６の温度〔製
氷部材３が具備せる蒸発パイプ２の温度であつて
もよい〕を検出する第１の負特性サーミスタ１７
より成る第１の検出部１８と、抵抗１９及び周囲
温度若しくはこれに追随する部分の温度、例えば
凝縮器１３の出口の温度を検出する第２の負特性
サーミスタ２０より成る第２の検出部２１によつ
て構成したブリツジ回路である。２２は第１の検
出部１８からの出力と第２の検出部２１からの出
力を夫々入力とし、これを比較して出力を発生す
るコンパレーターで、比較レベルが所定値に達し
たとき出力として脱氷終了信号を発生する。２３
は脱氷終了信号で導通するトランジスタ、２４は
トランジスタ２３の導通によつて励磁する第１リ
レーである。２４ａは第１リレー２４の常閉接
点、２５は第２リレーで、蒸発温度の所定の低温
で製氷運転を終了する製氷サーモスタツト２６を
介して接続される。２５Ｂは第２リレー２５の自
己保持接点で、第２リレー２５の常閉接点２５ａ
には、前記循環ポンプ７及びフアン１３を接続
し、常開接点２５ｂにはホツトガスバルブ２７及
び前記給水弁４を接続する。１１は前記電動圧縮
機、９はトランス２８の二次側に接続された前記
板氷断用ヒーター装置である。なお以上の回路に
おいて、第３図の実験データーをもとにすると第
２のサーミスタ２０が周囲温度の最も高温条件、
即ち40℃に相当する凝縮器１２の出口温度を検出
している状態に於いて、第１のサーミスタ１７が
サクシヨン側配管１６の14℃を検出したときの比
較レベルでコンパレーター２２から出力がでる様
に基準値を設定しておく。

次に本発明の動作を製氷開始時点より説明す
る。製氷サーモスタツト２６が開路しているため
第２リレー２５は励磁されず該リレー２５の常閉
接点２５ａを介して循環ポンプ７及びフアン１３
が動作する。また電動圧縮機１１が動作して製氷
運転を開始する。而して製氷部材３上に板氷が氷
結していき、製氷サーモスタツト２６が蒸発温度
の所定の低温を検出すると該サーモスタツト２６
はその接点を閉路して第２リレー２５を励磁せし
める。すると該リレー２５の接点は常閉接点２５
ａから常開接点２５ｂに切り換わるため循環ポン
プ７及びフアン１３を停止して製氷運転を終了す
ると共にホツトガスバルブ２７及び給水弁４を動
作せしめ凝縮器１２をバイパスして蒸発パイプ
２、更にサクシヨン側配管１６に冷凍系のホツト
ガスを流して製氷部材３に氷結した板氷の脱氷運
転を開始する。またこのとき次サイクルの製氷運
転に必要な水を貯水タンク６に給水する。なお脱
氷運転の開始によつて製氷サーモスタツト２６の
接点は開路するが第２リレー２５は自己保持接点
２５Ｂを介して実己保持するため脱氷運転は中断
しない。而して脱氷運転の開始によつて上昇する
サクシヨン側配管１６の温度を第１のサーミスタ
１７が検出しており、第２のサーミスタ２０が周
囲温度の40℃に相当する凝縮器１２の出口温度を
検出しているとすると第１のサーミスタ１７はサ
クシヨン側配管１６の14℃を検出したときコンパ
レーター２２から脱氷終了信号を発生してトラン
ジスタ２３を導通せしめる。すると第１リレー２
４が励磁してその常閉接点２４ａを開路するため
第２リレー２５は非励磁となつて自己保持接点２
５Ｂを開路する。また常開接点２５ｂから常閉接
点２５ａに切り換わりホツトガスバルブ２７及び
給水弁４を不動作にして脱氷運転を終了すると共
に再び循環ポンプ７及びフアン１３が動作して次
の製氷部材を開始する。なお脱氷運転を終了した
板氷は板氷切断用ヒーター装置９上に落下して次
の製氷運転が行なわれている間に切断されて貯氷
室８に貯氷されていく。

ところで今、第２のサーミスタ２０が前記周囲
温度の40℃に相当する凝縮器１２の出口温度より
低温を検出した場合、第２のサーミスタ２０の端
子電圧は上昇するため第２の検出部２１からの出
力電圧は上昇する。したがつて第１の検出部１８
からの出力電圧が高い状態、即ち第１のサーミス
タ１７が検出する上昇温度としては前記14℃のサ
クシヨン配管１６の温度より低温を検出した状態
でコンパレーター２２から脱氷終了信号を発生す
る様になる。而して第３図の実験データーに基づ
き第１のサーミスタ１７及び第２のサーミスタ２
０の特性を決定しておく事により第２のサーミス
タ２０が周囲温度の30℃に相当する凝縮器１２の
出口温度を検出している状態では第１のサーミス
タ１７がサクシヨン側配管１６の上昇温度12℃を
検出した時点で脱氷終了信号を発生し、第２のサ
ーミスタ２０が周囲温度の20℃に相当する凝縮器
１２の出口温度を検出している状態では第１のサ
ーミスタ１７がサクシヨン側配管１６の上昇温度
略９℃を検出した時点で脱氷終了信号を発生する
といつた具合に周囲温度が変化しても必らず製氷
部材３から氷が落下したときのサクシヨン側配管
１６の温度で脱氷運転終了信号を出すことができ
る。なお板氷が落下したときのサクシヨン側配管
１６の温度より若干高い温度で脱氷終了信号を出
す様にすれば一層、脱氷終了信号の信頼度が向上
する。

なお本発明は一タイプの割氷機による実験デー
ターに基づいて特性を決定された第１のサーミス
タ１７及び第２のサーミスタ２０等の回路にそつ
て動作を説明したが各種の製氷機によつて周囲温
度とサクシヨン配管温度との関係が異なるため各
種の製氷機に応じて回路を設計すれば本発明は広
範囲に実施できる。

また本発明の実施例に於いては半導体感温素子
として負特性サーミスタを使用しているが、この
他ダイオードやトラジスタ等を感温素子として使
用することもできる。更に感温素子の配置を変え
ることによつて正特性サーミスタを使用すること
もできる。

本発明は以上の如く抵抗及び製氷部材若しくは
サクシヨン側配管の温度を検出する第１の半導体
感温素子より成る第１の検出部と、抵抗及び周囲
温度若しくはこれに追随する部分の温度を検出す
る第２の半導体感温素子より成る第２の検出部に
よつて構成したブリツジ回路と、前記第１の検出
部からの出力と前記第２の検出部からの出力を比
較しこれが所定値に達したときの出力として脱氷
終了信号を発生する制御装置を設け、該装置は前
記第２の感温素子が検出する周囲温度若しくはこ
れに追随する部分の温度のいかなる条件下におい
ても前記第１の感温素子が前記製氷部材から氷が
落下したときの前記製氷部材若しくは前記サクシ
ヨン側配管の温度または該温度より若干高い温度
を検出したときに出力を発生して脱氷運転を終了
する様に構成したため従来の如くロスタイムを全
く生じる事がなく製氷能力も向上する優れた利点
を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施した製氷機の要部構成
図、第２図は本発明の電気回路図、第３図は製氷
機における周囲温度と氷落下時のサクシヨン配管
温度との関係を示す特性図である。 ３……製氷部材、１４……ブリツジ回路、１５
……抵抗、１６……サクシヨン側配管温度、１７
……第１の半導体感温素子、１８……第１の検出
部、１９……抵抗、２０……第２の半導体感温素
子、２１……第２の検出部、２２……制御装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 冷凍系を具備する製氷部材にて製造された氷
   の脱氷運転を冷凍系のホツトガスを循環して行な
   う製氷機に於いて、抵抗及び前記製氷部材若しく
   はサクシヨン側配管の温度を検出する第１の半導
   体感温素子より成る第１の検出部と、抵抗及び周
   囲温度若しくはこれに追随する部分の温度を検出
   する第２の半導体感温素子より成る第２の検出部
   によつて構成したブリツジ回路と、前記第１の検
   出部からの出力と前記第２の検出部からの出力を
   比較しこれが所定値に達したとき出力として脱氷
   終了信号を発生する制御装置を設け、該装置は前
   記第２の感温素子が検出する周囲温度若しくはこ
   れに追随する部分の温度の広範囲条件下におい
   て、前記第１の感温素子が前記製氷部材から氷が
   落下したときの前記製氷部材若しくは前記サクシ
   ヨン側配管の温度または該温度より若干高い温度
   を検出したときに出力を発生して前記脱氷運転を
   終了する様にした事を特徴とする製氷機の脱氷終
   了検出装置。