JPS6147292B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はガスタービンの調整装置の自由翼端用
密封装置に関する。

従来、ガスタービンの調整装置の自由翼端には
間隙幅に影響するガスタービンの翼及び／又はそ
の他の部分の熱膨張が抑制されないように設計さ
れた間隙密封装置が設けられている。試験によ
り、密封装置の間隙幅がタービンの効率に無視し
得ない影響を及ぼすことがすでに明らかにされて
おり、且つ効率は密封間隙が小さくなるにつれて
高くなることがすでに確認されている。この間隙
幅と効率の間の関係により間隙密封の代りに案内
装置の翼端への接触密封を用いるのが望ましい。
しかし案内装置の翼端への接触密封についての願
望は、接触密封によつては密封すべき間隙の寸法
をガスタービンの翼及び／又はその他の部分の熱
膨張を必要に応じて案内装置の駆動特性が持続的
に影響されるように抑制することはできないこと
からガスタービンの効率を高めるという要求と相
反する。

この問題から、本発明の課題は自由翼端を通る
ガスの流れをほとんど完全に抑制することがで
き、しかも不利な、密封されるべき間隙の寸法を
変化させる熱膨張は何ら生じないようにガスター
ビンの調整装置の自由翼端用密封装置を形成する
ことである。

本発明の課題はステータ部分と自由翼端の間に
密封リングが設けられており、該密封リングは相
互の間が密封されており、且つステータ部分と共
に密封装置を構成する、半径方向に移動可能な複
数のセグメントに分割されており、それらの密封
リングのセグメントは弾力的に自由翼端に押しつ
けられており、それによつて複数の密封リングの
セグメントの外側面が自由翼端に気密に接触せし
められることによつて解決される。

この場合、密封リングのセグメントはステータ
部分上に支持されているばねによつて押しつけら
れても良く、或いは圧縮空気又はガスによつて自
由翼端に押しつけられても良い。ばねを用いると
き、ばねとしては特にリング状の、複数のセグメ
ントに分割された波形ばねからなり、且つばねの
セグメントの相対する端部どうしが重なり合うよ
うに形成されたものを用いることができる。

複数の密封リングのセグメント間の密封を形成
する為に特にセグメントの１対ずつ相対する軸方
向に走る端面の一方に外方へ突出する突出部を設
け、他方に突出部の形状に対応した形状に内方へ
凹陥している切欠部を設け、突出部を切欠部内に
係止させ、その場合、切欠部内の突出部は遊びを
有するようにしても良い。更に前記セグメントの
１対ずつ相対する端面に少なくとも切欠部の深さ
又は突出部の長さに相当する１対のノツチを設
け、相対する両ノツチによつて形成される室内に
薄板片を挿入しても良い。密封リングが拡大され
るときも縮小されるときも密封リングのセグメン
トの端面どうしが接するように、密封リングをセ
グメント化するとき生ずるセグメント間の分離間
隙をとることができる。この計算上確めることが
できる分離間隙幅を実現化する為に、密封リング
のセグメント化を針金エツチングによつて行なう
ことができる。

密封リングのセグメントを翼端に押しつけるこ
とによつて翼の調整の際当然に摩擦が生ずる。翼
端における摩擦抵抗を極力少なく保持する為に、
セグメントの各外側面がそれに相対する翼端に部
分的に接触するように、翼端が密封リングのセグ
メントよりもほんのわずか小さい湾曲をもたせて
も良い。この処置によつてセグメントと翼端が接
する面以外に間隙が形成されるが、この間隙は非
常に僅少であり、この部分のガスの通過は無視し
得る程度に小さい。

また本発明では軸方向に凸起したセグメント４
の外側面はその表面に対して凹んだ翼端２の表面
にその中央の表面領域においてのみ翼端面を密封
するように接触しているので十分に翼端が密封さ
れているにもかゝわらず、当該案内翼を極少の摩
擦状態と調整抵抗状態で回転軸の回りを回転調整
できる。

以下、本発明につき図面を参照しながら詳細に
説明する。

第１図はタービンに取り付けられた本発明に係
る密封装置の縦断面図である。この図においては
対称であることからタービン軸の上にある部分の
みが図示されている。

第２図は第１図示の矢印Ａの方向から見た、90
゜方向を変えて図示した平面図である。この図に
は第１図示の密封装置の、２つの相互に結合され
た密封リングのセグメントの端部が図示されてい
る。

第３図は第１図示の密封装置の一部分を示す第
１図示の―線矢視横断面図である。

第４図は本発明の密封装置の変更態様の縦断面
図である。

そして、第５図は本発明の密封装置の別の変更
態様の縦断面図である。

第１図ないし第３図示の車両用ガスタービンの
調整装置の自由翼端２用の本発明に係る密封装置
１は複数の自由翼端２と内側に位置するステータ
部分３の間に設けられており、そして該ステータ
部分３には密封装置１を受け入れる凹部が形成さ
れている。密封装置１は１つの密封リングを有す
る。その密封リングは複数のセグメント４に分割
されており、そしてそれらのセグメント４は半径
方向に移動可能であり、且つ前記セグメント４と
ステータ部分３の凹部の底との間に設けられてい
る複数のセグメントに分割された波形ばね５によ
つて、密封リングのセグメント４の外側面が翼端
２に接触するように押しつけられており、それに
よつて翼端２と密封リングのセグメント４間に密
封部が形成されている。ガスの流れ方向は矢印９
によつて示されている。密封リングのセグメント
４の下流側の周方向に走る端面は、それに相対す
るステータ部分３の凹部の壁と突き合せられてお
り、それによつて密封リングのセグメント４とス
テータ部分３の間に密封部が形成されている。２
つづつ相対する軸方向に走る密封リングのセグメ
ント４の端面には外方へ突出する樹木の輪郭を有
する突出部６と該突出部６の形状に対応した形状
に形成された切欠部７が設けられている。突出部
６は切欠部７内に係止される。更にその時々の２
つの相対する軸方向に走る密封リングのセグメン
ト４の端面内にはそれぞれそのセグメント４の全
幅にわたつてノツチ８Ａ又は８Ｂが刻設されてい
る。第２図から明らかなように切欠部７を有する
端面内のノツチ８Ａの深さは切欠部７の深さより
も大きく、突出部６を有する端面内のノツチ８Ｂ
の深さは突出部６よりも深く長い。２つごとの相
対するノツチ８Ａ及び８Ｂにより形成される各室
内にほゞ両ノツチ８Ａ及び８Ｂの深さを合わせた
分に相当する幅の薄板片８Ｃが挿入されている。

相対する１対の密封リングのセグメント４の軸
方向に走る端面に樹木の輪郭を有する突出部６と
その形状に対応した形状の切欠部７を設けること
によつて密封部が形成されており、該密封部は軸
方向へのガスの流れを阻止する。ノツチ８Ａ及び
８Ｂ内に挿入された薄板片８Ｃは密封リングのセ
グメント４と共に密封部を形成しており、該密封
部はセグメント４間を半径方向にガスが流れるこ
とを阻止する。

切欠部７内に係止された突出部６は切欠部７と
の間に遊びが存在するように周方向に切欠部７よ
りも幾分小さくなつており、密封リングのセグメ
ント４は半径方向に移動することができる。密封
リングのセグメント４は突出部６が切欠部７の端
部の相当部位に接触する迄外方及び内方へ移動す
ることができる。密封リングのセグメント４を半
径方向に移動し得る長さ又は密封リングの周の拡
張はガスタービンの翼その他の部分の熱膨張によ
つて与えられるので、２つの密封リングのセグメ
ント４間の必要な分離間隙を計算することができ
る。それ故、密封リングをセグメント化するとき
の分離間隙の理論値が保持され、セグメント化は
針金エツチングによつて行なわれる。

密封リングのセグメント４の外側面は軸方向に
湾曲され、且つ翼端２も同様に湾曲部を有する。
しかし、密封リングのセグメント４の外側面の湾
曲部は、密封リングのセグメント４の外側面と翼
端２が密封リングのセグメント４の中央領域にお
いてのみ接触するように翼端２の湾曲部よりもほ
んのわずか大きい。密封リングのセグメント４の
外側面を密封リングのセグメント４の中央領域に
おいてのみ翼端と接触させることによつて、翼端
の摩擦抵抗は、密封リングのセグメント４の全外
側面を翼端２と接触させるときよりも本質的に小
さくなる。

波形ばね５の複数セグメントはばねが圧縮され
るときセグメントの端部どうしが重なりあうよう
に相対する端部どうしを接近させて形成されてい
る。

第４図に本発明の密封装置の変更態様が図示さ
れている。図において、第１図示の密封装置の部
分と同様な部分に対しては第１図において用いた
のと同じ参照番号が付けられている。

この変更態様の本質は、ばねを利用する代り
に、密封リングのセグメントの下側を圧縮空気又
はガスによつて加圧することに存する。圧縮空気
又はガスはステータ部分３に形成された穴を通つ
て圧縮室１１に供給される。圧縮室１１は密封リ
ングのセグメント４又はステータ部分に形成され
た凹部の底及びわきの２つの密封ばね１２によつ
て上下に制限されている。各密封ばね１２は長方
形の横断面を有する隣接した複数の単一リングか
らなるパツキングからなる。各密封ばね１２の内
側端部はステータ部分３の凹部の底に形成された
リングノツチ１３内にかたく挿入されている。各
密封リング１２の外側端部は密封リングのセグメ
ント４の下側に形成されたノツチ１４内に挿入さ
れており、相対するノツチ１４の側壁と密封ばね
１２の端面間にすべり密封部が形成されている。

第５図に本発明の密封装置の更に別の変更態様
が示されている。図において、第１図示の密封装
置の部分と同様な部分に対しては第１図において
用いたのと同じ参照番号が付けられている。

この密封装置の場合、各セグメントに対してば
ねの代りにステータ部分３の凹部内に設けられた
耐熱性材料からなる金属じやばら１５が利用され
ている。金属じやばら１５はばね５に対して、金
属じやばら１５がばね５よりも本質的に高温に安
定に耐えるという利点を有する。じやばらの一端
はその時々の密封リングのセグメント４の下側の
凹部１６にはんだづけされており、且つじやばら
の他端はステータ部分の凹部の底の高台部１７に
冠着され、且つステータ部分３にはんだづけされ
ている。高台部１７の領域にあるステータ部分３
の穴１８を通して金属じやばら１５内に圧縮空気
又はガスを供給することができる。

又、本発明の密封装置は、調整装置の翼端とス
テータ部分３間を、たとえ、翼端がステータ部分
から遠ざかろうと又はそれに接近しようとも、
又、ガスの方向に関連して翼がどの位置にあろう
とも全く同様に調整装置の翼端とステータ部分３
間を流体が通ることができないように形成されて
いる。何故ならば密封リングのセグメント４はば
ねの圧力によつて翼端が常に後方へ送られ、又翼
端２によりばねの圧力に抗して内方へ押圧される
からである。

【図面の簡単な説明】

第１図はタービンに取り付けられた本発明に係
る密封装置の縦断面図、第２図は第１図示の矢印
Ａの方向から見た、90゜方向を変えて図示した平
面図、第３図は第１図示の密封装置の一部分を示
す第１図示の―線矢視横断面図、第４図は本
発明の密封装置の変更態様の縦断面図、第５図は
本発明の密封装置の別の変更態様の縦断面図であ
る。 １……密封装置、２……自由翼端、３……ステ
ータ部分、４……密封リングのセグメント、５…
…波形ばね、６……突出部、７……切欠部、８
Ａ，８Ｂ……ノツチ、９……ガスの流れ方向。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 軸方向に流れるガスタービンの翼の自由翼端
   ２の密封装置においてタービン軸に共軸に配列さ
   れ、周方向に分割されたセグメント４，４よりな
   る密封リングを有し、該密封リングは前記翼の翼
   端と共同作用で翼端部に対向するステータ部分３
   内に半径方向に弾性的で移動可能に設けられ、 ａ 翼は可動案内翼格子として形成されている ｂ 密封リングのセグメント４は高温ガス流９に
   対して相互に密封されている ｃ セグメント４は軸方向と周方向に拡大された
   突出部６によつて隣接するセグメント４間の相
   当する切欠部７に移動可能にくいこむ ｄ 軸方向に凸起したセグメント４の外側面はそ
   の表面に対して凹んだ翼端２の表面にその中央
   の表面領域においてのみ翼端面を密封するよう
   に接触している ことを特徴とするガスタービンの調整装置の自由
   翼端用密封装置。 ２ ステータ部分３上に支持されているばね５に
   よつて前記複数の密封リングのセグメント４が自
   由翼端２に押しつけられていることを特徴とする
   特許請求の範囲第１項記載のガスタービンの調整
   装置の自由翼端用密封装置。 ３ ばね５がリング状の、複数のセグメントに分
   割された波形ばねとして形成されており、且つ、
   ばね５のセグメントの相対する端部どうしが重な
   り合うことを特徴とする特許請求の範囲第２項記
   載のガスタービンの調整装置の自由翼端用密封装
   置。 ４ 前記複数の密封リングのセグメント４が圧縮
   空気又はガスによつて自由翼端２に押しつけられ
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載のガスタービンの調整装置の自由翼端用密封装
   置。 ５ 密封リングのセグメント４間の密封を形成す
   るようにセグメント４の２つずつ相対する軸方向
   に走る端面のうちの一方には外方へ突出部６が設
   けられており且つ他方には突出部の形状に対応し
   た形状に内方へ凹陥している切欠部７が設けられ
   ており、突出部６は切欠部７内に係止され、その
   場合切欠部７内の突出部６は遊びを有し、且つ前
   記セグメント４の端面内にノツチ８Ａ：８Ｂが刻
   設されており、該ノツチの深さは少なくとも切欠
   部７の深さ又は突出部６の長さに相当し、相対す
   る両ノツチ８Ａ及び８Ｂによつて形成される室内
   に薄板片８が挿入されていることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項ないし第４項のいづれかに記
   載のガスタービンの調整装置の自由翼端用密封装
   置。 ６ 密封リングのセグメント化が針金エツチング
   によつて行なわれていることを特徴とする特許請
   求の範囲第５項記載のガスタービンの調整装置の
   自由翼端用密封装置。 ７ 密封リングのセグメント４の外側面が翼端２
   よりも軸方向にほんのわずかに大きな湾曲を有し
   ており、セグメント４の各外側面はそれに相対す
   る翼端２に部分的に接触するように構成されてい
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項ないし
   第６項のいづれかに記載のガスタービンの調整装
   置の自由翼端用密封装置。