JPS6130124B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は特許請求の範囲第１項の大概念に記載
されている如く、タービン機械の二つの固定子部
分間の衝当個所を密封する装置に関する。

ターボ機械の相互に相対するように配置された
可動固定子部分の間には普通環状間隙があり、機
械の内部に流入する流体の損失、すなわち前記固
定子部分を囲繞する流体（普通はガス体）の望ま
しからざる侵入、たとえばガスタービンの案内羽
根担持部材と流動通路境界との間に冷却空気が非
制御的に流入するのを阻止するためには前記間隙
を密封せねばならぬ。機械の運転中には前記環状
間隙は両方の固定子部分が軸線方向に移動するこ
とによつてある程度広くなりまたは狭くなる。さ
らに前記部分は半径方向に膨張または収縮し、こ
の場合は前記両部分の周囲の拡張および収縮に差
が生じる。なお前記両部分の軸線が相互に移動し
または傾斜し、したがつて前記間隙はその周囲に
沿つたある区域においては拡がり、かつ直径的に
相対する区域においてはせまくなることがある。

最後に前記部分、したがつてその周囲の温度が
場合によつては非常に高くなり、エラストマ密封
材料を使用し得ないようになる。

本発明の目的はできるだけ簡単な密封装置にし
て、環状間隙に前述の如き変化が生じた場合にお
いても効力を失わずかつ温度によつて影響されな
い密封装置を供することである。この目的は本発
明によれば特許請求の範囲第１項に記載された特
徴によつて達成される。

固定子部分およびリングの面取りされて密封面
を比較的精密な刃物によつて旋削し、比較的平滑
な表面を与えることによつて前記機械は十分に密
封することができる。試験用装置においては特に
漏洩を少なくすることができた。一方前記リング
はその細隙が設けられていることによつて半径方
向に拡張または収縮することができる。前記リン
グが鋼によつて形成されているために、所要の耐
熱性が得られ、さらに前記細隙を設けることによ
つて、リング自体が比較的容易にねじれ、それに
よつてリング間隙の不同の変化を考慮に入れるこ
とができる。引張力を受ける部材として働らくコ
イルばねはなお前記リングを密封面と継続的に接
触させる役割りを有している。その理由は運転中
は前記リングが、羽根通路内の燃焼ガスより圧力
の高い冷却空気によつて前記切込みの中に押圧さ
れるからである。

前記細隙の所要の密封はリング周囲の変化を可
能ならしめる錠を使用することによつて有利に行
うことができる。

次に添付図面によつて本発明の実施例を説明す
る。

第１図の左方に示された心出しハウジング１は
ガスタービンの第１案内羽根リム２の上に熱運動
を行い得るように支持され、かつ左方に向つて燃
焼室（図示せず）の冷却ジヤケツト３の中に延び
ている。前記心出しハウジング１のジヤケツトの
周囲には孔６が形成され、この孔を通つて一定量
の冷却空気がケーシング１の中に流入し得るよう
になつている。

所定位置において同心的に整合せしめられ、か
つ心出しハウジング１の端面と平行な端面によつ
て接続された担持ハウジング４が第１図の右方に
向つて延び、該ハウジングはタービンの第１羽根
車７の羽根５の区域において、高温燃焼ガスに対
する流動通路の半径方向密封部材として耐熱セグ
メント８を担持している。担持ハウジング４のさ
らにその下流に位置する部材（図示せず）は後方
タービン段階の案内羽根に対する担持部材として
働らく。

前述の如き態様で相対的に移動し得るハウジン
グ１，４の間には環状間隙９が位置し、この間隙
は密封する必要がある。したがつて本発明によれ
ば相互に向い合つたケーシング１，４はその外周
が面取りされ、環状間隙９の方に傾斜するＶ字形
切込みを形成するようになつている。前記面取り
された面は密封面１０，１１を形成し、この密封
面の上には適当な個所１８（第２図）においてそ
の周囲に、密封部材として割り密封リング１２が
触座し、該リングは対応する面取りされた端面１
３を有している。

たとえば熱およびねじりに関して適当な性質を
有する鋼の如き材料によつて形成された密封リン
グ１２は前記密封面１０，１１の上に、コイルば
ね１５によつて保持され、該ばねはくぼみ１４内
に位置しかつその周囲方向に引張されている。前
述の如くこのばね１５の目的は機械の静止時およ
び始動時に密封リング１２を前記Ｖ字形切込みの
中に保持することである。運転が行われている時
にはこの目的はハウジング１，４の内部とは異な
り、過圧を受ける冷却空気によつて達成される。

前記コイルばね１５の端部は小孔１６（第２
図）を通して閉鎖部材すなわち錠１７に連結さ
れ、この閉鎖部材は細隙１８を外部に対して密封
するようになつている。

ドーム形断面を有する前記錠７（第５図）はそ
の脚の同様に面取りされた端面１９によつてリン
グ１２の端面１３と、密封面１０，１１とに触座
している。

第２図で見て左側において、前記錠１７の溝２
０の中には密封板２１が溶接され、該板はリング
１２の左端近くにおいてこのリングの対応する凹
所２２と係合している。

第２図の右側において、前記密封リング１２の
溝２４の中には密封部材として別の板２３が溶接
されている。第４図に示される如く、この板２３
はリング１２の外周と密接し、錠１７のドーム形
断面の底面がこの板２３の上に触座し、しかもこ
の錠１７およびリング１２がこの側において相対
的移動し得るようにされ、したがつて密封された
リング１２がハウジング１，４の“呼吸”にした
がうようになつている。

言うまでもなく本発明は、たとえば密封リング
１２の材料または該密封リング１２に対する保持
部材のコイルばね１５に関しては前記実施例に制
限されるものではない。他の実施例においては前
記鋼製リング１２の代りに、たとえばエラストマ
の如き縦弾性部材を使用することができ、この時
場合によつてはコイルばね１５を完全に省略する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は第２図の断面−によつて示され
た、タービンの第１案内羽根の区域における心出
しハウジングと、第１回転羽根に対する羽根通路
境界との間の衝当個所を示す部分的断面図；第２
図は第１図の断面−によつて示された、リン
グの隙間にまたがる錠の区域を示す図；第３図乃
至第５図は第２図の断面−乃至−によつ
て示された、リング隙間に対する密封部材の断面
図。 図において１は心出しハウジング、４は担持ハ
ウジング、１０，１１は密封面、１２は密封リン
グ、１３は端面、１５はコイルばね、１８は細隙
である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ タービン機械、特にガスタービンの二つの固
   定子部分間の衝当個所を密封する装置にして、前
   記固定子部分の同軸的に相対して整合した所定位
   置から移動しかつ異なる熱膨張を行い得るように
   なつている装置において、前記固定子部分１，４
   の相互に向い合つた端部の外周に、Ｖ字形をなし
   て相互に延びる密封面１０，１１を備えた切込み
   が形成され、前記切込みの中に、周囲の適当な個
   所１８で切欠されたリング１２にして、それの平
   面から弾性的に曲がることが可能で且つその内径
   部分の端面１３が対応するように面取りされてい
   るリング１２が摺動自在に載置され、さらに前記
   リング１２がその周囲方向に引張される部材１５
   によつて前記密封面１０，１１の上に保持される
   ようになつていることを特徴とする装置。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の装置において、
   前記リング１２の細隙１８が錠１７によつて被覆
   されかつ密封され、前記錠が前記リングの周囲を
   拡げまたは縮め得るようになつている装置。