JPS6146343Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、空気調和機の蒸発器に生じたドレン
水を室外フアンに設けたスリンガーリングを用い
て凝縮器に散布し、蒸発を促進させると同時に、
凝縮器の放熱交換率を高め、冷房能力を増加させ
ることを可能にする空気調和機の散水装置の改良
に関するもので、ドレン水の蒸発促進を極めて有
効に行ない、同時にドレン水の衝撃音を吸収させ
るようにしたものである。

従来のスリンガーアツプ方式を用いた空気調和
機の室外側の構成は第１図〜第３図に示す如くで
あつた。すなわち、同図において、１は空気調和
機内部を保護するキヤビネツトで、上下左右４面
から成る箱型形状をしている。２は基板で、空気
調和機内部部品はこの基板２に固定されている。
フアンモータ３はシヤフト４を駆動させ、シヤフ
ト４に連結する室外側のフアン５を回転させる。
６は冷凍サイクルを形成するフラツトな室外側の
熱交換器で、フアン５の前面風下側に位置してい
るため、フアン５の回転によつて生ずる前方向の
風を受け、冷却される。７はフアン５の外周に設
けたスリンガーリングで、ドレン水をかき上げる
役割を果たすものであり、フアン５と同一軸を有
する真円状となるように、フアン５と同一成形さ
れている。このスリンガーリング７は基板２に形
成した水溜め部８に溜まるドレン水のかき上げが
容易になるように第３図の如く断面がＬ形状とな
るよう形成されている。また、９は水飛び防止板
で、スリンガーリング７によりかき上げられたド
レン水がキヤビネツト１に設けてあるルーバー１
０から外部へ飛びださないようにエアガイダー１
１に沿つて一部に円弧形状で一体化してある。１
２は天板で、熱交換器６の上面からフアン５の上
面にかけて水平にネジ止めされている。１３は側
板で、熱交換器６の側面からフアン５の側面部に
かけて同様にネジ止めされており、天板１２と側
板１３は同時に、熱交換器６をも固定している。

以上のような構成をもつ従来の空気調和機は、
スリンガーリング７の遠心力によつてドレン水を
かき上げ、同時にフアン５の回転により風圧で熱
交換器６へそのドレン水を飛散させ、熱交換器６
を冷却し、熱交換率を高め、冷房能力を増加させ
ると同時に、熱交換器６の放熱により、そのドレ
ン水の蒸発を促進しているが、実際には、第２図
の矢印ａの如く、スリンガーリング７によつてか
き上げられた多くのドレン水は側板１３や天板１
２へはげしくぶつかり、衝撃音を発生しながら、
側板１３から天板１２へと決まつた軌跡を伝わ
り、天板１２の端ｃで滴下してしまい効果的では
なかつた。

そこで、本考案は、熱交換器の形状を変化さ
せ、上記従来例に示した多くのドレン水がたどる
軌跡上に熱交換器を設置することで、従来の欠点
を解消するものであり、以下に、その一実施例の
構成を第４図〜第７図を参考に説明する。ここ
で、第４図〜第７図において、従来例と同一のも
のについては同一番号を符して説明を省略する。

第４図、第５図において、室外側の熱交換器１
４を室外側のフアン５に対して、上左右の３面か
ら包囲する位置に設置することにより、フアン５
に設けたスリンガーリング７でかき上げられたド
レン水は、その熱交換器１４へ矢印ａの如き経路
で直接ぶつかるようになる。また、同時に、フア
ン５が第６図の矢印ｅの方向から外気を吸い込
み、フアン５の風圧により、矢印ｆ，ｇ，ｈの方
向へ押し出すように設置されるため、ルーバー１
０，１５はキヤビネツト１の上面、側面の３カ所
に施してあり、エアガイダー１６もフアン５の前
方風上側に位置する。

このように、熱交換器の形状を変化させること
により、スリンガーリング７でかき上げられたほ
とんどのドレン水は、直接、熱交換器１４上の経
路ｄをたどることになり、熱交換率が大幅に増加
する。同時に、ドレン水の蒸発促進も極めて効果
的になる。さらに、第７図の矢印ｉのように、ド
レン水がかき上げられ熱交換器１４のフイン１７
にある角度を持つてぶつかると、そのドレン水
は、小粒の霧状になり、より一層、フアン５の風
圧によつて均等に、かつ、広範囲に熱交換器１４
の表面に飛散し、熱交換率が増加し、ドレン水の
蒸発の点でも効果的である。同時に、かき上げら
れたドレン水が上記の如く、小粒となるため、騒
音的にも従来例に見られたドレン水の衝撃音を緩
和できる効果がある。加えて、第１図で示した、
ドレン水の外部吹出し防止のための水飛び防止板
９も不要のものとなる。

以上の実施例の説明から明らかなように、本考
案の空気調和機の散水装置は、空気調和機の室外
送風機として、基板上の水溜め部に溜つたドレン
水をかき上げるスリンガーリングを外周に一体化
した送風機を用い、室外側熱交換器の形状を、前
記送風機の上方および左右側面の三面から包囲す
る形状とし、室外空気を前記送風機の前方から吸
い込み、前記熱交換器を通して再び室外に送り出
すようにしたものであるため、熱交換器フインの
配列方向がスリンガーリングによるドレン水の飛
散方向に対して直交するため、フインに衝突した
ドレン水は霧状になりやすく、その結果、衝突音
も小さくなり、低騒音化が図られる。同時に、フ
インの配列が飛散したドレン水と適当な角度とな
るため、フインの間を通過して直接外へ飛び出す
ことが少なく、落下する水滴の表面張力により、
熱交換器の広範囲にわたつて水路が回転方向に形
成され、より一層熱交換効率、蒸発処理効率が向
上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の散水構造を具備した空気調和機
の要部側面の断面図、第２図は同空気調和機の正
面の断面図、第３図は第１図のａ−ａ線によるス
リンガーリングの断面図、第４図は本考案の一実
施例における散水構造を具備した空気調和機の要
部側面の断面図、第５図は同空気調和機の正面の
断面図、第６図は同空気調和機の室外熱交換器及
び送風機部の斜視図、第７図は第５図のＡ部拡大
正面図である。 ５……フアン、７……スリンガーリング、９…
…水飛び防止板、１０……側面ルーバー、１４…
…熱交換器、１５……上面ルーバー、１６……エ
アガイダー、１７……フイン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天面と両側面に吹出口を有する空気調和機の室
   外送風機として、基板上の水溜め部に溜つたドレ
   ン水をかき上げるスリンガーリングを外周に一体
   化した送風機を用い、室外側熱交換器を、熱交換
   器フインがスリンガーリングの遠心方向と直交す
   る方向に並ぶように配列し、かつ前記吹出口に対
   向するように前記送風機の上方および左右側面の
   三面から包囲する形状とし、室外空気を前記送風
   機の前方から吸い込み、前記熱交換器を通して再
   び室外に送り出す空気調和機の散水装置。