JPH0684219U - 室外機の水飛び防止板構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 飛散した凝縮水が水飛び防止板に当たるとき
に異音が発生する問題を防止し得る室外機の水飛び防止
板構造を提供する。 【構成】 外箱１に開設された吸気口と排気口との間に
形成される通風路９に冷凍サイクルを構成する凝縮器１
１を設け、この凝縮器１１に向けてファンモータ１２に
より回転する室外ファン１４を配設し、この室外ファン
１４には前記外箱１の下部板４に溜まった凝縮水を飛散
させるスリンガリング１５を取り付け、前記室外ファン
１４の回転方向における外周部にメッシュ状の水飛び防
止板１６を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、空気調和機の室外機に係り、より詳細には、凝縮器を冷却させる凝 縮水が飛散により散逸するのを防止するために設けられる室外機の水飛び防止板 構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般家屋においては、冷房専用の小形クーラーや冷暖房兼用の空気調和機等が 用途に応じて設置されているが、取り付けが簡便な窓用空気調和機として一体型 空気調和機が普及している。この一体型空気調和機は、外箱内に２枚の隔壁を設 けて室内側と室外側とに区分している。また、外箱の前面、背面および側面に開 口を開設し、これらの開口を吸気口、排気口とした室内側通風経路と室外側通風 経路とを形成している。

【０００３】 室内側通風経路には、室内側熱交換器が設けられる一方、室外側通風経路には 、下部側の基板に取り付けられた圧縮器とともに冷凍サイクルを構成する室外側 熱交換器（凝縮器）が設けられている。

【０００４】 また、前記隔壁の一方には、室内側熱交換器に対向する多翼ファンと前記凝縮 器に対向するプロペラファンとを備えたモータが固設されている。そして、プロ ペラファンには、スリンガリングを取り付けており、プロペラファンの回転によ って基板に溜まった凝縮水をかきあげ、凝縮器に向けて飛散させるようになって いる。

【０００５】 さらに、隔壁の他方には、前記プロペラファンの外径よりも大径の開口部が形成 され、この開口部の周縁に水飛び防止板を設けている。この水飛び防止板は、プ ロペラファンの曲率半径に合わせた彎曲状で、鉄板やプラスチック板等を用いて いる。

【０００６】 この水飛び防止板は、プロペラファンの回転方向における外周部に設けられて いるので、スリンガリングによりかきあげられた飛散水の散逸を防止して凝縮器 側に向けることができるものである。

【０００７】 しかして、上記一体型空気調和機は、冷房が開始されるに伴って室外側通風経 路の内壁や凝縮器の表面等に結露が発生し、凝縮水として漸次基板内に落下する 。この基板内の凝縮水が増すと、プロペラファンの回転によって凝縮水がスリン ガリングによりかきあげられ、水飛び防止板に当たって外気の吹きつけ方向であ る凝縮器側に向けて飛散する。このため、凝縮器には粒状となった水がかけられ 、この水が凝縮器を通過するときに熱交換を促進して冷房効果を高めることがで きるものである。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記従来の水飛び防止板は、飛散する凝縮水の散逸を防止する作用 を有しているのであるが、この水飛び防止板は鉄板等からなるため、かきあげら れた粒状の水が当たったときに衝突音や振動音が発生する。このような異音は、 プロペラファンの回転数が増すに伴って大きくなる傾向があり、不快感を与える 騒音となっていた。特に、上記一体型空気調和機のような窓設置型では、室内に おいても騒音が聞こえるという問題が残されていた。

【０００９】 本考案は、上記課題に鑑みてなされたもので、簡単な構成により飛散した凝縮 水が水飛び防止板に当たるときに異音が発生する問題を防止し得る室外機の水飛 び防止板構造を提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記目的を達成するため、外箱に開設された吸気口と排気口との間 に形成される通風路に冷凍サイクルを構成する凝縮器を設け、この凝縮器に向け てファンモータにより回転する室外ファンを配設し、この室外ファンには前記外 箱の下部板に溜まった凝縮水を飛散させるスリンガリングを取り付け、前記室外 ファンの回転方向における外周部にメッシュ状の水飛び防止板を設けてなること を特徴とする。

【００１１】

【作用】

上記構成により、室外機の運転が開始され、室外ファンの回転に伴ってスリン ガリングにより貯水槽内に溜まった凝縮水がかきあげられると、粒状に飛散して 水飛び防止板に当たり、送風とともに凝縮器側に向かう。この際、水飛び防止板 がメッシュ状となっているので、飛散した粒状水が多数の小孔部分に当たったと きに細粒化されるとともに、衝撃も和らげられる。このため、衝突音や振動音と いった異音の発生が大幅に抑制される。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の一実施例について、図を参照しながら説明する。 図１は本考案に係る一体形空気調和機の概要構成を示す断面図、図２は室外機 の水飛び防止板構造を示す斜視図である。

【００１３】 この室外機の水飛び防止板構造は、一般家屋の窓に設置される普及型の一体形 空調機に適用され、外箱１内に構成されている。

【００１４】 この外箱１は、矩形状に形成され、第１の隔壁２によって室内側Ａと室外側Ｂ とを区分している。第１の隔壁２に対向して、室外側Ｂには第２の隔壁３が立設 されている。そして、この両隔壁２，３の間には、外箱１の下部板である皿状の 基板４上に冷凍サイクルを構成する圧縮器（図示省略）を取り付けている。

【００１５】 また、外箱１の前面１ａに吸気口５と排気口６とを開設して室内側通風経路７ を形成するとともに、背面１ｂおよび側面にも図示されない吸気口と排気口８と を開設して室外側通風経路９を形成している。

【００１６】 室内側通風経路７には、前面１ａ側に面して室内側熱交換器１０が配置される 一方、室外側通風経路９には、背面１ｂ側に面して室外側熱交換器（凝縮器）１ １が配置されている。

【００１７】 前記第１の隔壁２には、シャフトが隔壁２に対し垂直となるようにモータ１２ が固設されている。このモータ１２のシャフトの一端には、室内側熱交換器１０ に対向して多翼ファン１３が取り付けられ、吸気口５から室内側熱交換器１０を 通過させる空気を排気口６より吹き出すようになっている。

【００１８】 また、モータ１２のシャフトの他端には、前記凝縮器１１に対向してプロペラ ファン１４が取り付けられ、吸気口からの空気を凝縮器１１に吹きつけ、これを 通過した空気を排気口８より排出させる構成になっている。

【００１９】 プロペラファン１４には、基板４の水平面に対し直角にスリンガリング１５を 取り付けており、プロペラファン１４の回転によって基板４に溜まった凝縮水を かきあげ、粒状に飛散させる。

【００２０】 前記第２の隔壁３には、プロペラファン１４の外径よりも大径の開口部３ａが 設けられている。そして、この開口部３ａの周縁に環状突部３ｂを形成し、略半 周にわたって水飛び防止板１６を連設している。この水飛び防止板１６は、プロ ペラファン１４の曲率半径に合わせた彎曲状で、鉄板やプラスチック板等からな り、全体に小孔を多数形成してメッシュ状にしている。

【００２１】 なお、この水飛び防止板１６は、鉄板を打ち抜いたり、プラスチック板の成形 により網の目状としてもよい。

【００２２】 この水飛び防止板１６は、プロペラファン１４の回転方向における外周部に設 けられているので、前記スリンガリング１５によりかきあげられた飛散水の散逸 を防止して凝縮器１１側に向けることができるものである。

【００２３】 しかして、上記一体形空気調和機は、冷房が開始されると、室外側Ｂにおいて は凝縮器１１による冷媒の凝縮作用によって外気との温度差が大となり、室外側 通風経路９の内壁や凝縮器１１の表面等に結露が発生し、凝縮水として漸次基板 ４内に落下する。

【００２４】 この基板４内の凝縮水が増すと、プロペラファン１４の回転に伴って凝縮水が スリンガリング１５によりかきあげられ、粒状に飛散して水飛び防止板１６に当 たり外気の吹きつけ方向である凝縮器１１側に向かう。

【００２５】 このとき、水飛び防止板１６がメッシュ状となっているので、飛散した大粒の 水が多数の小孔部分に当たったときに細粒化される。また、平板状の水飛び防止 板と異なって衝撃も和らげられることから、衝突音や振動音等の発生が大幅に抑 制され、従来のような異音が生じることはない。 また、凝縮器１１には細粒化した水がかけられるので、この水が凝縮器１１を 通過するときに奥部まで達し、熱交換を促進して冷房効果を向上させることがで きる。

【００２６】 なお、上記実施例においては、一体形空調機に適用する場合について説明した が、小型クーラーやパッケージ型の式空気調和機にも採用し得ることは勿論であ る。

【００２７】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、室外ファンの回転方向における外周部にメッシ ュ状の水飛び防止板を設けたので、外箱の下部板に溜まった凝縮水が室外ファン の回転に伴ってスリンガリングによりかきあげられ、飛散して水飛び防止板に当 たったとき、多数の小孔部分によって細粒化されるとともに衝撃も和らげられる 。よって、凝縮器の熱交換が促進されて冷房効果を高めることができるとともに 、平板状の水飛び防止板のように振動音や共鳴音が発生することはなく、異音の 発生が大幅に抑制されて、室外機の運転中に不快感を与えるといった問題を防止 することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る一体型空気調和機の概
要構成を示す断面図である。

【図２】室外機の水飛び防止板構造を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 外箱 ４ 下部板 ９ 通風路 １１ 凝縮器 １４ 室外ファン １５ スリンガリング １６ 水飛び防止板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外箱に開設された吸気口と排気口との間
   に形成される通風路に冷凍サイクルを構成する凝縮器を
   設け、この凝縮器に向けてファンモータにより回転する
   室外ファンを配設し、この室外ファンには前記外箱の下
   部板に溜まった凝縮水を飛散させるスリンガリングを取
   り付け、前記室外ファンの回転方向における外周部にメ
   ッシュ状の水飛び防止板を設けてなる室外機の水飛び防
   止板構造。