JPS6145958Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は連続鋳造された鋳片を二次冷却帯以降
の工程に於いて極めて効果的に断熱する装置に関
し、詳しくは連続鋳造設備（以下連鋳設備と云
う）の鋳片ガイドロール群に連設された移送ロー
ル群に配設された断熱装置に関するものである。

周知の如く連鋳設備で製造される鋳片を直接あ
るいは若干の加熱によつて熱間圧延する（以下直
接熱間圧延と云う）試みが近年盛んに行なわれて
いる。前記直接熱間圧延を効果的に行なわしめる
には連鋳設備の終端部における鋳片温度をできる
だけ高温に、しかもその巾方向に略均一な温度分
布で保持することが極めて肝要である。

本考案は前記機能、即ち連鋳設備の終端部にお
ける鋳片温度をできるだけ高く、かつその巾方向
に略均一な温度分布で保持することを可能ならし
める断熱装置の提供を、その主たる目的とするも
のである。

以下、本考案の具体的構成を実施例を示す図面
に基づき説明する。

第１図は連鋳設備の一例を示したもので、水冷
鋳型１に注入された溶鋼は表面から凝固しガイド
ロール２群によつて支持されながらピンチロール
５群で引抜かれ、該ガイドロール２群およびピン
チロール５群で構成される鋳片ガイドロール群に
連接された移送ロール群２１に送出される。かゝ
る鋳片４は二次冷却帯３において注水冷却され、
次いで徐冷帯６で空冷され、かつ所定長さに切断
されてスラブとなる。

以下に説明する本考案の断熱装置は前記徐冷帯
６における前記移送ロール群２１の制限した部分
又は全長に亘り任意に設置することができる。第
２図および第３図は前記移送ロール群２１に配設
された断熱装置の実施例を示したもので、７は移
送ロール７を示している。８はロールを支承して
いるフレームでこれにライナー９を設けてある。
２２は鋳片下面より微小間隔ｔを有して横設され
た下面断熱カバーであり、その内面には断熱材１
１が張り付けられている。該下面断熱カバー２２
は例えば前記フレーム８あるいはライナー９に取
付けられた支持金物１０によつて支持され、横設
されている。又、下面断熱カバー２２の幅は相隣
わる移送ロール７間間隙より若干狭いものであ
り、その長さは移送ロール７の胴部の長さに相当
している。而して、下面断熱カバー２２は鋳片下
面に接近し、相隣わる移送ロール間間隙を閉塞す
るよう構成されている。２３は鋳片上面より微小
離隔距離t′で固設された上部断熱カバーである。
該上部断熱カバー２３は支持金物１８の内面に断
熱材１９を内張りし、鋳片移送方向に沿つて適宜
な長さの一体物に構成されている。即ち、上部に
はロールが存在しないので上部断熱カバー２３は
鋳片４の上面側に接近し、例えば前記フレーム８
あるいはライナー９に取付けられた支持金物１
０′を介して固設されている。１２は側面支持金
物でこの支持金物１２は前記上下の断熱カバー２
２，２３間に位置しており、その前面には断熱材
１３が張り付けられ側面断熱カバー２４を構成し
ている。即ち、該側面断熱カバー２４は上下の断
熱カバー２２，２３間に嵌装され、例えば第３図
に示す如くスクリユーロツド１４により支持され
ていて、スクリユーロツド１４はモーター１５の
回転をウオーム歯車１６、ウオームホイル１７に
伝達することにより鋳片巾方向前後に進退するよ
うになつている。

而して、鋳片４の厚みは通常殆んど変ることは
ないが、鋳造毎に鋳片の巾の変更はかなりある。
従つて、鋳片の巾の変更に応じて鋳片の両側面断
熱カバー２４を鋳片の巾方向に移動きせることに
より温度降下のはげしい鋳片の側面に接近して両
側面断熱カバー２４を位置せしめることが可能と
なり、鋳片の上下面に接近して設けた上下面断熱
カバー２２，２３と共同して鋳片の熱放散を効果
的に防止するものである。

尚、本考案において、支持駆動装置とは前記側
面断熱カバー２４を進退可能に保持するスクリユ
ーロツド１４および側面断熱カバー２４を進退せ
しめるモーター１５等を総称して云うものであ
る。この様な構造の本考案の断熱装置によれば、
上下面および両側面の断熱カバーが鋳片の各表面
に接近して設けられるので、鋳片の空冷による熱
放散が有効に抑制できると共に、鋳片の保有する
熱エネルギーにより復熱されて移送ロール群２１
を移送中の鋳片４の温度低下を大巾に減少でき、
連鋳設備終端部における鋳片温度を極めて高温に
保持できるうえに鋳片の巾方向、長さ方向並びに
厚さ方向の温度分布の均一化も計られ、実質的に
加熱しないで熱間圧延可能な高温度を有するスラ
ブあるいは若干の加熱により熱間圧延が可能とな
るスラブが得られるものであり、連鋳鋳片の直接
熱間圧延の実現に大きく寄与できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は連続鋳造設備の説明図、第２図〜第３
図は本考案の実施例を示し第２図は移送ロール群
に配設された断面装置の側面図、第３図は第２図
のＡ−Ａ線矢視正面図である。 １は冷却鋳型、２はガイドロール、３は二次冷
却帯、４は鋳片、５はピンチロール、６は徐冷
帯、７は移送ロール、８はフレーム、９はライナ
ー、１０は支持金物、１１は断熱材、１２は側面
支持金物、１３は断熱材、１４はスクリユーロツ
ド、１５はモーター、１６はウオーム歯車、１７
はウオームホイル、１８は一対物支持金物、１９
は断熱材、２１は移送ロール群、２２は下面断熱
カバー、２３は上面断熱カバー、２４は側面断熱
カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 連続鋳造設備の鋳片ガイドロール群に連設され
   た移送ロール群に、鋳片下面より微小間隔を有し
   て横設され相隣わるロール間間隙を閉塞する下面
   断熱カバーと、鋳片移送方向に沿つて、かつ鋳片
   上面より微小離隔距離で固設された上部断熱カバ
   ーと、前記上下断熱カバー間に嵌装され進退自在
   な両側面断熱カバーと、前記側面断熱カバーを支
   持し、かつ鋳片巾方向に進退せしめる支持駆動装
   置とより構成されてなる断熱装置を配設し、移送
   ロール群移送中の鋳片温度を高温に保持すること
   を特徴とする、連続鋳造設備の断熱装置。