JPS6145782Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 穀稈を集束室に一旦集束し、これをパツカーに
より結束室に移送して結束すると、結束室におけ
る結束放出作動を集束作動と分離することができ
るので、結束を的確に行い得ると共に束放出時に
後続の穀稈がなく、束離れが良い。

また、藁束稈の株元部と穂部とを別々のパツカ
ーで結束室に移送すると、集束稈に長短があつて
もその移送姿勢が乱れない利点があるが、集束室
に掻き込まれる穀稈の姿勢は必ずしも一定ではな
く、このような穀稈中へ同時にかつ同じ前後位置
で侵入させると、集束室に掻込まれた穀稈の株元
部と穂部の移送が略等しくても単一の穀稈を２つ
のパツカーの同じ側（前又は後）へ分離させるこ
とは困難であり、ましてや第６図に示すように株
元側の移送が先行していると株元側を掻込むこと
はできても穂側を掻込むことができず、結束ミス
及び放出トラブルを生ずる。

本考案は前述の欠点を改善することを目的とす
るものであつて、集束室とその後位に設けた結束
室との間に、稈身方向に間隔を隔てた複数のパツ
カーを配設して結束室に集束された穀稈を結束室
に移送して結束するように構成し、株元側パツカ
ーが穂先側パツカーより先行して掻込侵入すると
共に掻込ストロークが長くなるように株元側パツ
カーのクランクアームを、穂先側パツカーのクラ
ンクアームより位相を前位にすると共に長くして
両クランクアームを同一のクランク軸に装着した
ことを特徴とするものである。

以下図面に示す実施例について説明すると、１
はコンバインの機台上に搭載した脱穀装置であつ
て、その排稈口の後方の排塵選別室上には排藁搬
送チエン２が張設されている。

３は上面に切換板４を有するデスク型のカツタ
ーであつて、前記脱穀装置１の後部に装着してあ
る。

５はカツター３上から後方へ向う稈通路６上に
設けた結束機の結束ケースであつて、その前部は
カツター３の両側部に立設した支持枠７，７上の
支持杆８に支持アーム９を介して支承され、後部
はカツター３の後部両側のブラケツト１０，１０
に架設した支軸１１にアーム１２とパイプ１２ａ
とを介して装着されており、該結束ケース５には
前部から順に入力軸を兼ねた第１パツカー軸１３
と、ドア軸１４及び第２パツカー軸１５と、同一
軸線上の結節軸１３及びニードル軸１７とが支承
してあり、前記第１パツカー軸１３、ドア軸１
４、第２パツカー軸１５は結束ケース５の両側に
突出しており、それぞれ左右で対をなすパツカー
１８，１８、ドア１９，１９及び移送パツカー２
０ａ，２０ｂが取付けてあり、前記パツカー１
８，１８の取付幅Ｊはドア１９，１９の取付幅Ｈ
より大となし、またパツカー１８の中間部のロー
ル１８ａはカム１８ｂに摺接して図示の如く回転
する。

２１は第１パツカー軸１３に固定したスプロケ
ツト２２によつて駆動されるチエンであつて、第
２パツカー軸１５、中間軸２３及び結節軸１６に
遊嵌したスプロケツト２４，２５，２６に掛け回
してある。

そして、前記第２パツカー軸１５の一回転クラ
ツチＡはスプロケツト２４の側面に設けたテーパ
ー爪２４ａと、テーパーピン２７ｃを嵌挿すると
共に突起２７ａ及びピン２７ｂを有するクラツチ
板２７と、テーパー穴２８ａ、前記ピン２７ｂが
遊合する切欠部２８ｂ及び受面２８ｃを有するカ
ム板２８とからなり、この一回転クラツチの側部
には受面の大なる板カム２９と小なる板カム３０
とが固定してあり、前記ドア軸１４のアーム３
１，３１は連杆３２の一端を回動自在に枢支し、
定圧バネ３３を保持したロツド３４の一端を遊嵌
して保持しており、軸３５には前記カム板２８の
受面２８ｃに係合する爪３６と中間部にそれぞれ
ロール３７ａ，３７ｂを軸支した揺動アーム３８
ａ，３８ｂを突設し、一方の揺動アーム３８ｂの
先端を前記連杆３２の他端にピンで回動自在に連
結し、そのロール３７ｂを板カム３０に対向さ
せ、他方の揺動アーム３８ａの先端をロツド３４
に連結し、それに付随するロール３７ａは板カム
２９に対向させてある。

従つて、ドア圧が定圧バネ３３で設定された所
定圧になると、爪３６がカム板２８の受面２８ｃ
からはずれ、バネ３９の引張力によりカム板２８
が僅かに回動してテーパーピン２７ｃをテーパー
穴２８ａから押し出すので一回転クラツチＡが入
る。

更に結節軸１６にも前述のものと同一の一回転
クラツチＢが装着してあり、この一回転クラツチ
のカム板２８に係合している爪３６は、前記中間
軸２３に枢支した揺動アーム４０にリンク４０ａ
で連結されており、該揺動アーム４０は前述の一
回転クラツチＡのクラツチ板２７の突起２７ａが
回転してきて当接すると作動し、それにともなつ
てリンク４０ａを介して爪３６がカム板２８から
外れ、結節軸１６の一回転クラツチＢはその分だ
け遅れて起動される。

結節部はビル４１とホルダー４２とからなり、
結節軸１６に固定したゼネバ歯車４３により駆動
され、スイーパー４４はゼネバ歯車４３のピン４
３ａにより扇形カム４５、ボス４５ａ及びアーム
４５ｂを介して回動し、結束した藁束を節抜きし
ながら放出し、後部ドア４６は後部ドア軸４６ａ
により枢支されていて前記カム４５により開閉す
る。

また、株元側の移送パツカー２０ａを駆動する
クランクアーム２０a′は、第１図及び第２図に示
すように穂先側の移送パツカー２０ｂのクランク
アーム２０b′より長く、かつ株元側のクランクア
ーム２０a′は穂側のクランクアーム２０b′よりθ
だけ前位となつており、移送パツカー２０ａ，２
０ｂの基部はそれぞれ別の規制リンク４８ａ，４
８ｂにより制御されている。

４７は結節ガイド、４９は基部を回動軸５０に
取付けたニードルであつて、回動軸５０は分解可
能な連杆５１とクランクアーム５２，５２を介し
て結節軸１６と一体回転する前記ニードル軸１７
に連動連結されている。

５３はカツター３の上面後側から回動軸５０の
上面を経て後方へ突出したガイド板である。

前述の装置において排藁搬送チエン２で搬送さ
れた排藁は結束ケース５の両側部で左右のパツカ
ー１８，１８により第６図に示す如く株元部と穂
先部を後続の藁から分離されながら常時掻き込ま
れ、それが所定量に達するとドア１９，１９が後
退回動して第２ドア軸１５の一回転クラツチＡが
入り、第２パツカー軸１５が回動すると、株元側
の移送パツカー２０ａは第１図及び第５図に示す
ように穂側のそれより先行すると共に前方で集束
室５５内へ侵入して先ず株元部を分割して掻分
け、次いで穂側の移送パツカー２０ｂが上記掻分
けられた間隙に進入して両者により後方の結束室
５４へ掻込む。

その時、移送もれ藁が生じて定圧バネ３３の押
圧力だけではドア１９，１９が復帰作動し難くて
も板カム３０はロール３７ｂを強制的に押すので
ドア１９，１９は連杆３２を介して強制的に復帰
作動し、完全に復帰したところで板カム３０はロ
ール３７ｂから外れ、他の板カム２９はそれに対
向する揺動アーム３８ａのロール３７ａを押して
いるのでドア１９，１９は定圧バネ３３を介して
復元姿勢を保持し、それ以後パツカー１８，１８
で掻き込まれる排藁を受け止める。

そして、前記結束室５４内に集束排藁が送り込
まれると、前述のように結節軸１６の一回転クラ
ツチＢが入り、ニードル４９は紐を巻き掛けると
共にビル４１及びホルダー４２に供給し、それが
結び目と紐切りをすると、スイーパー４４が藁束
を押して節抜きしながら後方へ放出する。

このような掻込結束放出中結束ケースを排藁の
長さ方向の中間部に配設することで排藁はドア１
９，１９、パツカー１８，１８、移送パツカー２
０，２０により株元側も穂先側も略均等に処理さ
れ整然とした集束及び移送を行うことができる。

本考案は前述のように集束室とその後位に設け
た結束室との間に、稈身方向に間隔を隔てた複数
ののパツカーを配設して結束室に集束された穀稈
を結束室に移送して結束するように構成し、株元
側パツカーが穂先側パツカーより先行して掻込侵
入すると共に掻込ストロークが長くなるように株
元側パツカーのクランクアームを、穂先側パツカ
ーのクランクアームより位相を前位にすると共に
長くして両クランクアームを同一のクランク軸に
装着したので、株元側は穂側より強靭でかつ葉が
株元部から穂側に向けて順次分岐している穀稈は
先行しかつ前位まで移行する株元側のパツカーに
より株元側から掻き分けられ、次いで穂側のパツ
カーが掻き分けられた間隙に進入することとな
り、一本の穀稈が一方のパツカーから外れて他方
のパツカーのみにより斜め姿勢で掻き込まれるこ
とがなく、それがニードルの先端に引掛つて結節
部に押し込まれて結節ミスを起したり、ニードル
から外れて紐掛けミスを起すことがなく、また、
束放出時に後続の穀稈を連れ出したり、稈束が吊
り下がつたりすることがなく、整然とした結束放
出を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は側面図、第２図は伝動部の展開断面図、
第３図は一回転クラツチの分解斜視図、第４図は
２つの一回転クラツチの連動機構の側面図、第５
図は移送パツカーの掻込作用を示す平面図、第６
図は同上従来例の平面図である。 ５……結束ケース、１５……第２パツカー軸、
１６……結節軸、２０……移送パツカー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 集束室とその後位に設けた結束室との間に、稈
   身方向に間隔を隔てた複数のパツカーを配設して
   集束室に集束された穀稈を結束室に移送して結束
   するように構成し、株元側パツカーが穂先側パツ
   カーより先行して掻込侵入すると共に掻込ストロ
   ークが長くなるように株元側パツカーのクランク
   アームを、穂先側パツカーのクランクアームより
   位相を前位にすると共に長くして両クランクアー
   ムを同一のクランク軸に装着したことを特徴とす
   る結束機における掻込装置。