JPH0531872Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は複数の藁束を大束に結束する結束機に
関する。

(ロ) 従来技術 従来、ハーベスタで脱穀した藁束（小束）を数
束集束して大束に結束する結束機において、結節
ガイドの放出側に補助ガイドを延設することは、
特開昭59−232023号公報により既に知られてい
る。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 藁束を数束集束して結束する結束機は集束部の
スペースを広くする必要があり、これをニードル
側の案内板と結節ガイドとの間隔を大きくするこ
とにより解決せんとすると、パツカー及びニード
ル並びに伝動ケースが異常に大型化するので、結
節ガイドの放出側に補助ガイドを延設させて集束
部を拡大し、集束部に所定量の藁束が集束されパ
ツカーにより藁束を介してドアに設定押圧力が加
わると一回転クラツチが入り、ニードルが紐を掛
けるようにしていた。

ところが前記既知の結束機の補助ガイドは、棒
状をなしていてごく狭い幅で集束された各束を押
えていたので、特にボリユームの大なる株元側が
上方及び外側方に膨出し、パツカーで掻込み押圧
する毎に藁束（小束）が抜け易い株元側方向にず
れてしまい、集束された藁束量に見合つた適正な
押圧力をドアに与えることができず結束束（大
束）の大きさが不揃いとなつたり、藁束と共に結
束紐も位置がずれ、それにより結束ミスが発生し
たり、束の締りが悪くなつて束を運搬する時に荷
崩れすると共に野積みする時に小束が抜け出し
た。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は、複数の藁束を集束して結束する結束
機において、集束部８の上部に設けた結束ガイド
１１の放出側に、集束枠を形成する補助ガイド２
５を延設し、該補助ガイド２５の終端部下方にド
ア１５を配置することにより上記集束部８を結束
束の放出方向に拡大すると共に、上記補助ガイド
２５を藁束の長さ方向と直交する方向からみてド
ア１５の直上とラツプし、しかもドア１５よりも
株元側へ突出する広幅な板状体で構成することに
より、前述の問題点を解決した。

(ホ) 作用 供給された藁束はパツカーにより拡大された集
束部に順次集束され、パツカーが初期に掻込んだ
藁束は集束部の放出側寄りにあるドアの前面に押
し込まれ、それらの上面は結節ガイドの放出側に
延設した補助ガイドにより押えられ、それが所定
量になると従来のものと同様に一回転クラツチが
入り、ニードルが強い紐を掛け、大束が結束され
る。

その際、集束部のドア寄りに集束された藁束
は、藁束の長さ方向と直交する方向からみてドア
の直上とラツプすると共にドアよりも株元側へ突
出する広幅な補助ガイドによりドアの上方は勿論
のことそれより株元側をも一定の高さに押えられ
ることとなり、ボリユームの大なる株元側の膨出
が抑制される。従つて、集束部に集束された藁束
は株元方向にずれることが少なく、しかも上記し
たようにドアの直上部において藁束は上方から補
助ガイドにより確実に押えられるから、パツカー
による押圧力を正確にドアに伝えることができ、
集束部に所定量の藁束が集束された時に常に適正
な設定押圧力がドア１５に作用しドアの感知作動
が確実に行われる。また、上記のように藁束がず
れることが少なく、かつ補助ガイドにより藁束の
ドア直上部分即ち紐掛け位置の近傍を押えるから
結束紐の近傍では集束束の上方へ膨出が極力抑え
られ、従つて、結束紐の位置が変動することがな
い。

(ヘ) 実施例 本考案の一実施例を図面について説明すると、
１はハーベスタの機台２に搭載した脱穀機であつ
て、フイードチエン３の終端側には結束機５をガ
イドレール４ａにローラー４ｂ…で乗架させた支
柱６…及び上部の連杆７等により装着してあり、
該結束機５は従来のものと同様、集束部８の下部
にパツカー９とニードル１０を配設し、上部には
結節ガイド１１で囲まれたビル１２ａとホルダー
１２ｂとからなる結節部及び束を放出する放出ア
ーム１３を設けてあり、前記集束部８の外側部に
はドア１５を取付金１６により進退可能に装着
し、脱穀機１の出力軸１７はベルト１８及びテン
シヨンプーリ等を介して結束機５の入力軸２０を
駆動する。

また、前記結節ガイド１１から脱穀機１側へ突
出した腕２１及び脱穀機１の排稈口の上部には前
記集束部８の上部寄りに亘る弾性ガイド板２２，
２３の基部を取付けてある。

そして、前記結節ガイド１１の放出側には始端
が該結節ガイド１１の下面に重合していて集束枠
を構成する補助ガイド２５をステー２６とボルト
２７，２７にて螺着してあり、該補助ガイド２５
は平面視で外側方が拡開したテーパー状をなして
おり、側面視では第４図に示すようにドア１５の
幅の略中間位置及びニードル１０の侵入軌跡と略
一致する部位から結節ガイド１１及びドア１５の
側面より株元側へ突出し、放出アーム１３の作動
軌跡に接近する部位に亘る広幅の板状体で形成し
てある。

また、前記ドア１５の取付金１６はクラツチ軸
２８と一体なアーム３０にボルト３１で螺着して
あり、このボルト３１を抜き取つて取付金１６を
クラツチ軸２８側へ移動し、上記ボルト３１をア
ーム３０の長孔３２及び取付金１６の孔に挿通し
て螺着することにより束の大きさを調節すること
ができる。即ち、ドア１５を第３図の実線で示す
ように補助ガイド２５の終端部下方位置に配置す
ると集束部８即ち集束空間は結束束の放出方向に
最大限拡大され最も大束を結束できる状態とな
る。

前述の装置において、バインダ等で刈取結束し
た穀稈の束を脱穀機１に供給すると、その株元部
をフイードチエン３と挟扼レールが挟持搬送する
ので脱穀処理され、排稈口から排出された藁束は
弾性ガイド板２２，２３に案内されながらパツカ
ー９により集束部８に掻込まれ、所定量の藁束が
集束されてパツカー９の作動により設定押圧力が
ドア１５に伝わるとドア１５が感知作動し、一回
転クラツチが入つてニードル軸と結節軸が回動し
て、ニードル１０は結束紐を藁束群に巻き掛けて
前記結節ガイド１１の開口部１１ａから結節部分
に侵入してホルダー１２ｂに保持させ、ビル１２
ａ及びホルダー１２ｂが作動して結節する。次い
で戻り作動していた放出アーム１３が節抜きしな
がら束放出を行ない、ドア１５はクラツチ軸２８
を中心として下降回動し、放出後受け姿勢に復帰
する。

上記において、特に大束を結束する場合はドア
１５を補助ガイド２５の終端部下方位置に配置し
集束部８を結束束の放出方向に拡大した状態で行
い、藁束はパツカー９により拡大された集束部８
に順次集束されるが、その際、集束部８のドア１
５寄りに集束された藁束は、ドア１５の直上とラ
ツプすると共にドア１５よりも株元側へ突出する
広幅な補助ガイド２５により、ドア１５の上方は
勿論のことそれより株元側も一定の高さに押えら
れることとなり、特にボリユームの大なる株元側
の膨出が抑制さるからパツカー９で藁束を掻込み
押圧しても藁束が株元方向にずれることが少な
い。

従つて、上記のように集束部８に集束された藁
束は株元方向にずれることなく、しかも前述のよ
うにドア１５の直上部で上方から補助ガイド２５
により確実に押えられるから、パツカー９による
押圧力を正確にドア１５に伝えることができ、集
束部８に所定量の藁束が集束された時に常に適正
な設定押圧力がドア１５に作用しドア１５の感知
作動が確実に行われ、結束束（大束）の大きさが
不揃いとなることを防止できる。また上記のよう
に藁束がずれることが少なく、しかも藁束は補助
ガイド２５によりドア１５の直上部即ち紐掛け位
置の近傍を押えられるから結束紐の近傍での集束
束の上方への膨出が極力抑えられ、従つて結束紐
の位置がずれることがなく、結束ミスを防止する
ことができると共に、ニードル１０が作動して紐
掛けした時、大束紐が長くなることがなく束の締
りを良くすることができる。

(ト) 考案の効果 本考案は、複数の藁束を集束して結束する結束
機５において、集束部８の上部に設けた結束ガイ
ド１１の放出側に、集束枠を形成する補助ガイド
２５を延設し、該補助ガイド２５の終端部下方に
ドア１５を配置することにより集束部８を結束束
の放出方向に拡大形成すると共に、上記補助ガイ
ド２５を藁束の長さ方向と直交する方向からみて
ドア１５の直上とラツプし、しかもドア１５より
も株元側へ突出する広幅な板状体で構成したの
で、集束部８を後方に拡大した大束を結束できる
ものでありながら、パツカー９がドア１５の受面
に向けて掻込んで集束された束群の上面はドア１
５の直上から株元側部位まで補助ガイド２５によ
り確実に押えられるから、藁束の膨出が抑制され
株元方向に藁束がずれることが少なく、この藁束
がずれないことと束群が補助ガイド２５によりド
ア１５の直上部を押えられることが相まつて、集
束部８に所定量の藁束が集束された時にパツカー
９による設定押圧力が常に正確にドア１５に作用
しドア１５の感知作動が確実に行われ、結束束の
大きさが不揃いとなることを防止できる。

しかも、結束紐の移動を阻止し得て結束ミスが
発生するのを防止することができると共に、複数
の束を良く締つた一つの束に結束することがで
き、小束が抜け出すことがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図は結束機を装着したハベスタの側面図、第
２図は同上正面図、第３図は結束機の正面図、第
４図は結束部の側面図、第５図は補助ガイドの平
面図である。 ８……集束部、９……パツカー、１０……ニー
ドル、１１……結節ガイド、１３……放出アー
ム、１５……ドア、２５……補助ガイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の藁束を集束して結束する結束機５におい
   て、集束部８の上部に設けた結束ガイド１１の放
   出側に、集束枠を形成する補助ガイド２５を延設
   し、該補助ガイド２５の終端部下方にドア１５を
   配置することにより上記集束部８を結束束の放出
   方向に拡大すると共に、上記補助ガイド２５を藁
   束の長さ方向と直交する方向からみてドア１５の
   直上とラツプし、しかもドア１５よりも株元側へ
   突出する広幅な板状体で構成したことを特徴とす
   る結束機。