JPS6145753B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、大型の重量扉に係るものであつ
て、出入口に沿つて扉の開閉方向と、この開閉方
向に対して直角方向の２方向に作動できる大型扉
の開閉装置に関する。

従来、けん引により出入口に沿つて開閉移動す
る扉の開閉装置や、扉を出入口の外周壁に密着さ
せて内部の機密を保持する扉の開閉装置として
は、扉を上部に設けたレール上に懸架し、このレ
ールに案内されながら扉の開閉を行つたり、また
扉の全閉後にこの懸架された扉を出入口の外周壁
に押圧して密着させ機密を保持したりしていた。
しかしながら、出入口の幅が大きくなるに伴い扉
自体も大型化し重量も増大した大型扉にあつて
は、扉をレール上に懸架するには、その懸架部品
やレールなどを大型化して堅固にしなければなら
ないがそれにも限界があつた。

この発明は上述のような諸問題に鑑みてなされ
たもので、扉を２方向に回転する車輪を有する台
車に上載することにより扉を扉の開閉方向とこの
開閉方向に対して直角方向の２方向に移動可能な
大型扉の開閉装置を提供することを目的とする。

そしてその構成は、出入口に平行に敷設した台
車レール上を走行可能な車輪を有する第１車輪部
と、該第１車輪部の上方に位置し且つ出入口の前
後方向に走行可能な車輪を有する第２車輪部を具
備した台車と、出入口の前後方向に外力が加えら
れた時、その下部に設けた案内ローラが前記台車
にガイドされつつ前記第２車輪部の車輪上を出入
口の前後方向に移動可能で、且つ、出入口と平行
方向に外力が加えられた時、前記案内ローラが前
記台車に当接することにより前記第１車輪部の車
輪の回転と共に出入口方向に移動可能な大型扉
と、該大型扉に出入口の前後方向に突出して取付
けられた被ガイド部材と、前記出入口と平行方向
に敷設され、且つ、前記被ガイド部材に係合して
大型扉を案内するガイドレールと、前記大型扉の
全閉時に前記被ガイド部材が位置するガイドレー
ルの部分を出入口側へ突出させて形成された補助
案内ガイドレールと、から構成したところにあ
る。

この発明の一実施例について以下図面の記載に
基づいて説明する。

この発明の実施例の大型扉の開閉装置は、大型
扉１を出入口に沿つて出入口方向へ移動可能にす
る第１車輪部２と、大型扉１をその上に上載する
ことにより第１車輪部２の移動方向に対して直角
方向すなわち出入口の前後方向に大型扉１を移動
可能にする第２車輪部３とを有する台車８、大型
扉１の開閉方向に大型扉１を支持案内する下部及
び上部ガイドレール４，５並びに該２つのガイド
レール４，５の大型扉１の開閉方向に対して直角
方向に大型扉１を案内する下部及び上部補助案内
ガイドレール６，７を主構成要素として構成され
る。

前記台車８は、第４図に示すように、第１車輪
部２と第２車輪部３を主構成とし、第１車輪部２
は台車８の下部に、第２車輪部３は同上部にそれ
ぞれ進行方向が直交する位置に２段に積み重ねて
設けられており、これらは、台車８の下、上枠体
９，１０内にそれぞれ回転自在に設けた多数のロ
ーラ状の車輪１１から構成されている。そして、
第６図等において示すように、出入口に沿つて大
型扉１の開閉方向に形成した開閉装置収納用の凹
部１２に敷設した台車レール１３上には第１車輪
部２が移動自在に載せられており、且つ下枠体９
に設けた第１案内ローラ１４，１４が台車レール
１３の長手方向に設けた中央ガイド１３ａによつ
て案内されるので、台車８は台車レール１３に案
内されて大型扉１の開閉方向へ移動可能となつて
いる。又、大型扉１は第２車輪部３に上載されて
いるので、大型扉１に出入口と平行方向の外力が
加えられた時は、第１車輪部２により台車８は出
入口に沿つて移動可能であると共に、大型扉１に
出入口の前後方向の外力が加えられた時は、大型
扉１の開閉方向に対して直角方向にも単独で移動
可能となつている。この後者の移動時には、第５
図に示すように大型扉１の下部に設けた第２案内
ローラ１５が台車８の上枠体１０にガイドされて
大型扉１が単独に移動するものであるが、前者の
移動時には、該第２案内ローラ１５が台車８の上
枠体１０に当接することによつて移動を阻止され
るので、台車８は大型扉１と共に第１車輪部２に
より開閉方向へ移動する。又、第６図に示すよう
に、第１車輪部２による大型扉１の開閉方向への
移動の際において、大型扉１が第２車輪部３によ
つて開閉方向と直角方向へ移動しないようにする
ため、凹部１２内に台車レール１３と平行に敷設
した下部ガイドレール４に大型扉１の一面側下方
に固定した被ガイド部材である下部ガイドローラ
１６が案内されるようになつている。さらに第７
図に示すように、開閉方向への移動の際に、大型
扉１の上方の揺れを防いで大型扉１の移動を安定
させるため、出入口上方においても大型扉１の開
閉方向に設けた上部ガイドレール５に大型扉１の
上方に固定した被ガイド部材である上部ガイドロ
ーラ１７が案内されるようになつている。これら
下部及び上部ガイドレール４，５には、大型扉１
の全閉時において、第８図に示すように、大型扉
１を大型扉１の開閉方向に対して直角方向に移動
可能なように、下部及び上部ガイドローラ１６，
１７に対応した位置において出入口方向に突出し
た複数対の下部及び上部補助案内ガイドレール
６，７および６′，７′を形成している。又、これ
ら下部及び上部補助案内ガイドレール６，７およ
び６′，７′のそれぞれ対応する１対は、大型扉１
に固定した１対の下部及び上部ガイドローラ１
６，１７に対応して上下の突出位置がずれている
ので、他対の下部及び上部ガイドローラ１６，１
７がここを通過する際にも、これら１対の下部及
び上部補助案内ガイドレール６，７又は６′，
７′に嵌り込まなくスムースに移動できるように
なつている。さらに第２図、第６図および第７図
に示すように、出入口と反対側の凹部１２内に
は、大型扉１を出入口側へ押圧するピストンロツ
ド１８を有する下部押圧用シリンダ１９が設けら
れると共に、出入口の上方には、大型扉１が閉位
置へ移動してきた際に大型扉１の上方に固定した
鉤部２０に挿入係止可能なピストンロツド２１の
先端が大型扉１の開閉方向に対して直角方向に移
動自在にする上部押圧用シリンダ２２が設けられ
ている。又、大型扉１の出入口側面の周囲にはパ
ツキンを受け２３が形成され、一方出入口の外周
壁２４にはパツキン２５が設けられている。さら
に、出入口側の凹部１２内には、大型扉１を出入
口と反対側へ押圧するピストンロツド２６を有す
る解除用シリンダ２７が設けられており、該ピス
トンロツド２６に対応する大型扉１の下方には解
除押圧板２８が設けられている。

次に、大型扉１を開閉方向に移動させる駆動装
置の一実施例を第３図に基づいて説明すると、大
型扉１の両側端部にはワイヤーロープなどからな
る第１連結部材２９及び第２連結部材３０の一端
がそれぞれ固定されている。これら第１及び第２
連結部材２９，３０はそれぞれ基部３１に設けた
第１及び第２滑車３２，３３を介し、さらに大型
扉１に平行でかつ第１滑車３２と第２滑車３３の
中間に設けた扉駆動シリンダ３４のピストンロツ
ド３５の先端に設けた２個の第３滑車３６をそれ
ぞれ巻回して、他端がそれぞれ第１及び第２滑車
３２，３３側の基部３１に固定されているので、
ピストンロツド３５の移動ストロークの２倍の移
動ストーロークでもつて大型扉１がピストンロツ
ド３５の移動方向と同方向に移動して、出入口を
開閉するようになつている。又、第９図に示すよ
うに、大型扉１が開いた時、出入口に沿つて形成
した凹部１２を橋渡しするブリツジ３７が、凹部
１２の出入口の反対側上部に設置したはね上げシ
リンダ３８のピストンロツド３９により、開閉自
在に設けられている。

尚、第１車輪部２及び第２車輪部３を構成する
ローラ状の車輪１１は、大型扉１が重い場合に特
に有効であるが、大型扉１が軽量の場合にはこれ
に代えて他種類の車輪を使用することができるこ
とは勿論である。又、下部及び上部ガイドローラ
１６，１７に代えて回転しないガイドシユー等の
他の下部及び上部被ガイド部材を用いてもよい。

以上の構成からなるこの発明の動作について説
明する。

まず、出入口を大型扉１によつて全閉する場合
には、あらかじめはね上げシリンダ３８のピスト
ンロツド３９を作動させて、ブリツジ３７を出入
口と反対側の凹部１２上方へはね上げて、凹部１
２内を大型扉１が通過可能な状態にしておく。次
に、扉駆動シリンダ３４のピストンロツド３５を
大型扉１の閉方向へ作動させて、大型扉１を第１
連結部材２９により引張る。この時、大型扉１の
下部に固定した第２案内ローラ１５が台車８の上
枠体１０に当接して移動を阻止されるので、前記
のように、大型扉１は台車８と共に閉方向へ移動
する。又、下部及び上部ガイドレール４，５によ
つて、大型扉１に固定した被ガイド部材である下
部及び上部ガイドローラ１６，１７が支持案内さ
れて大型扉１と共に閉方向へ移動するため大型扉
１は安定して移動する。このようにして、扉１が
全閉位置まで移動すると、扉駆動シリンダ３４の
ピストンロツド３５が停止すると共に大型扉１も
停止する。そして、操作指令により下部押圧用シ
リンダ１９のピストンロツド１８の先端が大型扉
１を出入口方向へ押圧すると共に、上部押圧用シ
リンダ２２のピストンロツド２１が鉤部２０を出
入口方向へ引張るので、大型扉１のパツキン受け
２３と出入口の外周壁２４に設けたパッキン２５
が密着して出入口を密封する。この時、大型扉１
の下部に固定した第２案内ローラ１５が台車８の
上枠体１０にガイドされて第２車輪部３上の大型
扉１が単独で出入口方向へ移動する。又、大型扉
１の下方及び上方にそれぞれ固定した下部ガイド
ローラ１６と上部ガイドローラ１７もそれぞれ下
部補助案内ガイドレール６及び上部補助案内ガイ
ドレール７に案内されて出入口方向へ移動する。

次に大型扉１を全開する場合には、下部押圧用
シリンダ１９のピストンロツド１８を縮小させる
と共に、上部押圧用シリンダ２２のピストンロツ
ド２１を伸長させて出入口方向への引張状態を解
除し、解除用シリンダ２７のピストンロツド２６
を伸長させて解除押圧板２８を出入口の反対側方
向へ押圧させることにより、大型扉１を出入口と
反対側方向へ移動させる。この時、下部及び上部
ガイドローラ１６，１７は、下部及び上部補助案
内ガイドレール６，７から下部及び上部ガイドレ
ール４，５に移動する。この動作が終了すると次
には扉駆動シリンダ３４のピストンロツド３５を
大型扉１の開方向へ作動させて、大型扉１を第２
連結部材３０により開方向へ移動する。この時、
大型扉１の下部及び上部ガイドローラ１６，１７
が下部及び上部ガイドレール４，５によつて支持
案内されるため、大型扉１は安定して移動する。
このようにして大型扉１が全開した後、必要があ
ればばね上げシリンダ３８のピストンロツド３９
によりブリツジ３７を凹部１２に橋渡しして、車
両等が通過可能の状態としておく。

以上の説明からも明らかなように、この発明の
大型扉の開閉装置は、出入口に平行に敷設した台
車レール上を大型扉の開閉方向に移動可能な第１
車輪部と、大型扉の開閉方向に対して直角方向に
大型扉を移動させることが可能な第２車輪部を互
いに直交するように２段に積み重ねた台車上に大
型扉を上載したものであるから、レール上に懸架
する従来の扉の開閉装置と較べて、その懸架のた
めの大型でかつ重量に耐え得る装置類が不要とな
り、その結果安価でしかも装置スペースが少くて
よい利点がある。

尚、この発明の大型扉の開閉装置は、大型扉の
パツキン受けと出入口の外周壁のパツキンが密着
することにより建屋内部が密封されるので、気密
扉、断熱扉、防音扉などのシール性が必要な場合
の自動扉に応用することができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の実施例を示し、第１図は大型
扉の開閉装置全体の正面図、第２図は同側面図、
第３図は大型扉の開閉装置の説明図、第４図は第
１車輪部及び第２車輪部から構成される台車の全
体斜視図、第５図は第１図の一部拡大説明図、第
６図，第７図は第２図の一部拡大説明図、第８図
は上，下部ガイドレールの説明図、第９図は第８
図の−線断面図をそれぞれ示す。 １……大型扉、２……第１車輪部、３……第２
車輪部、｛４……下部ガイドレール、５……上部
ガイドレール｝ガイドレール、｛６……下部補助
案内ガイドレール、７……上部補助案内ガイドレ
ール｝補助案内ガイドレール、８……台車、１１
……車輪、１３……台車レール、１５……第２案
内ローラ（案内ローラ）、｛１６……下部ガイドロ
ーラ、１７……上部ガイドローラ｝被ガイド部
材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 出入口に平行に敷設した台車レール上を走行
   可能な車輪を有する第１車輪部と、該第１車輪部
   の上方に位置し且つ出入口の前後方向に走行可能
   な車輪を有する第２車輪部を具備した台車と、 出入口の前後方向に外力が加えられた時、その
   下部に設けた案内ローラが前記台車にガイドされ
   つつ前記第２車輪部の車輪上を出入口の前後方向
   に移動可能で、且つ、出入口と平行方向に外力が
   加えられた時、前記案内ローラが前記台車に当接
   することにより前記第１車輪部の車輪の回転と共
   に出入口方向に移動可能な大型扉と、 該大型扉に出入口の前後方向に突出して取付け
   られた被ガイド部材と、 前記出入口と平行方向に敷設され、且つ、前記
   被ガイド部材に係合して大型扉を案内するガイド
   レールと、 前記大型扉の全閉時に前記被ガイド部材が位置
   するガイドレールの部分を出入口側へ突出させて
   形成された補助案内ガイドレールと、 から構成されることを特徴とする大型扉の開閉
   装置。