JPS6145714Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、水中モータのスラスト軸受装置に
関する。

この種のスラスト軸受装置は、一般に第１図に
示す如く、水中モータ１の下部（符号Ａで示す）
に内蔵され、負荷が例えばポンプ２である場合に
は、水中モータ１及びポンプ２からスラスト荷重
を受ける。３は水中モータ１のモータ軸である。

第２図及び第３図は、上記軸受装置の従来例を
示したもので、図において、４，５及び６は夫々
水中モータ１のケーシング、固定子及び回転子で
ある。７はスリーブ軸受、８はモータ室である。
９はスラスト軸受の支持壁で、その周縁部におい
てケーシング４に支持されており、ケーシング４
と隔壁４ａとによつてモータ室８と連通孔８ａを
介して連通するスラスト軸受室１０を形成してい
る。両室８及び１０には清水が充満されている。
１１はスラスト円板でモータ軸３の下端に固着さ
れている、１２はスラスト受け円板でスラスト円
板１１と対向し、ピボツト１３を介して支持壁９
に支持されている。１４は板状のスラスト傾斜片
で、スラスト円板１１と摺動接触可能にスラスト
受け円板１２の上面に、相互に所定間隙を介して
一つの円周上に固着されている。１１〜１４によ
つてスラスト軸受が構成されている。

この構成において、モータ軸３が回転すると、
スラスト傾斜片１４の相互間の間隙Ｇ、ケーシン
グ４との間に、第３図に点線で示す如く渦流が発
生する。従つて、外部から水中モータ１内に入り
みスラスト軸受室１０に達した異物Ｐは水流に流
されてスラスト円板１１とスラスト傾斜片１４の
摺動面間にかみまれ、この摺動面の損傷及びスラ
スト軸受の負荷容量の低下を招くという欠点があ
つた。

この考案は、上記した従来の欠点を除去する為
になされたもので、スラスト円板の周面に異物し
やへい筒を固着し、スラスト傾斜片からスラスト
受け円板までをおゝうことにより、異物のかみ込
みを無くし負荷容量の低下を防止することができ
る水中モータのスラスト軸受装置を提供すること
を目的とする。

以下、この考案の、一実施例を図について説明
する。

第４図及び第５図において、１５は所定高さを
もつ異物しやへい筒で、スラスト円板１１、スラ
スト受け円板１２の外径より若干大きい内径を有
し、ケーシング４との間に間隙を残してスラスト
円板１１の周面に固着されている。異物しやへい
筒１５の下端は少なくともスラスト受け円板１２
の上面部がかくされる高さまで伸びている。異物
しやへい筒１５とスラスト円板１１は一体に形成
することができる。

この構成において、水中モータ１のモータ軸３
が回転すると、前記従来の場合と同様に、ケーシ
ング４の方向へ向う水流が生じるが、異物しやへ
い筒１５によつて流路がしや断される為、殆んど
第５図に点線で示す如く、間隙Ｇ内を環流する渦
流となる。従つて、異物Ｐを異物しやへい筒１５
内に導く水流は殆んど生ぜず、この効果は、異物
しやへい筒１５を長くすればそれだけ、大きくな
る。

以上のように、この考案によれば、スラスト円
板に、これと対向するスラスト受け円板の上面を
超えて伸びる長さの異物しやへい筒を取り付けた
から、スラスト軸受の摺動面に異物がか込みまれ
るのを実質上完全に防止することができ、スラス
ト軸受の異物かみ込みに基づく負荷容量の低減を
完全に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は水中ポンプ・モータの構成略図、第２
図は従来の水中モータのスラスト軸受装置の半部
縦断々面図、第３図は第２図の−線における
横断々面図、第４図はこの考案の実施例の半部縦
断々面図、第５図は第４図の−線における横
断々面図である。 ３……モータ軸、１１……スラスト円板、１３
……ピボツト、１２……スラスト受け円板、１４
……スラスト傾斜片、１５……異物しやへい筒、
なお、図中、同一符号は同一又は、相当部分を示
す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モータ軸の下端に固着されたスラスト円板、こ
   のスラスト円板と対向し対向面に、上記スラスト
   円板と摺動接触する複数のスラスト傾斜片が所定
   間隔を介して周上に取り付けられたスラスト受け
   円板、及びこのスラスト受け円板を支承するピボ
   ツトを備え、モータ室と連通するスラスト軸受室
   に収められた水中モータの軸受装置において、上
   記スラスト円板の外周面に、上記スラスト受け円
   板の対向面を超える高さ位置まで伸びる異物しや
   へい筒を取り付けたことを特徴とする水中モータ
   のスラスト軸受装置。