JPS6145087Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は紡機、特に梳綿機、ギルおよび練条機
等に組合わせ使用されるスライバー切断装置に関
するものである。

練条機等においてスライバーがケンスに巻収さ
れて満管になつた時、この満管ケンスを新しい空
のケンスに自動交換するのであるが、その際スラ
イバーも自動切断しなければならない。そのため
に従来から種々のスライバー切断装置が提案され
ている。第１図および第２図にその一例を示す。
スライバー５はカレンダーローラ６，７をとお
り、さらにコイラーホイール４のチユーブを通つ
てケンス１に巻収される。ケンス１が満管になる
と、スライバー５の紡出は停止され、コイラーホ
イール４の回転も停止され、かつ一対のカレンダ
ーローラ６，７はスライバー５を把持した状態で
停止する。一方、満管ケンス１はケンス移動装置
により矢印１０の方向へ移動せしめられてコイラ
ーホイール４のもとから去らしめられ、同時に空
のケンス２がコイラーホイール４の下にもたらさ
れる。満管ケンス１がコイラーホイール４を装着
した機台の前面Ａより前方へ出ると、スライバー
集団１３の一部が第１図に示す如く膨出する。機
台の前面Ａには第２図に示す如き断面形状のカツ
ターローラ８が設けられていて、膨出したスライ
バー集団１３はこのカツターローラ８に押圧接触
する。カツターローラ８はその周面に多数の溝１
２を有するものであり、満管ケンス１の移動経路
（矢印１０）に対して横断方向に配置された軸９
に自由に回転するように装着されている。また、
カツターローラ８はケンスのほぼ直径にわたる長
さを有するものである。かくしてカツターローラ
８は満管ケンス１が矢印１０の方向に移動するに
つれて矢印１１の方向に回転する。ところで、ス
ライバー集団１３の最上部に位置するスライバー
５はカレンダーローラ６，７にまで繋つていて、
この一対のカレンダーローラ６，７により把持さ
れているので、このカツターローラ８とカレンダ
ーローラ６，７との間でスライバー５は張力を受
けて切断される。

ところで、スライバー５は第３図から第５図に
示す如くほぼ円を描いてケンス１内へ巻収される
ので、ケンス１，２の交換移動時にスライバー集
団１３の最上部に位置するスライバー５はカツタ
ーローラ８に押えられるもロール８の軸方向へも
移動せしめられる。すなわち、ケンス１へのスラ
イバー５の供給を終了させたとき、コイラーホイ
ールのスライバー出口１５が例えば第３図の状態
であつたとして、その後、第４図および第５図の
如くスライバー出口１５に対してケンス１を矢印
１０の方向に移動させると、機台の前面Ａに設け
られたカツターローラ８により前記スライバー５
は押圧されるも図示の如く配置がずれ、しかして
カツターローラ８とカレンダーローラ６，７との
間のスライバー５に充分な張力が働かず、スライ
バー５が切断されないことがある。

本考案はかかる従来のスライバー切断装置の欠
点を除去し、ケンスの交換時におけるスライバー
の切断を確実に行なうようにしたスライバー切断
装置を提供するものである。

本考案の前記目的はカツターローラに接するス
ライバーが軸方向に移動しないようにすることに
より達成される。

以下、本考案を添付の図面を参照して具体的に
説明する。

本考案のスライバー切断装置におけるカツター
ローラ１７は第６図に示す如く、円周方向に等間
隔を置いて配置され、軸方向に延びた複数枚の歯
１８の各頂面にカツターローラの回転方向に沿う
比較的浅い溝１９を多数設けてなるものである。
また、第７図に示す如く歯１８の各頂面に鋸歯状
の凹凸２０を設けてもよいし、あるいは歯１８の
各頂面にローレツト掛けしてもよい。すなわち本
考案の特徴はカツターローラ１７の歯１８の各頂
面を粗面化したことである。この粗面化を達成す
るのに図示の他任意の態様が考えられることは明
白である。

このように、本考案のスライバー切断装置にお
けるカツターローラ１７の各歯１８の頂面が粗面
化されているために、スライバー集団１３の最上
部にあるスライバー５とカツターローラ１７との
係合が良くなり、特にスライバー５がカツターロ
ーラ１７の軸方向へ滑るのを抑えて満管ケンス１
の交換移動時にスライバー５を確実に切断するの
である。

なお、万一スライバーを切断できなかつた時の
事を考慮するならば、満管ケンス１の交換移動方
向に対応した方向（矢印１１）へのカツターロー
ラ１７の回転は許容するが反対方向への回転は阻
止する一方向クラツチ、ラチエツト等の一方向回
転装置を設ければケンス交換完了後にコイラーホ
イール４の再始動でスライバー５が引張られるこ
とによるカツターローラ１７の逆転が阻止される
のでスライバー５は確実に切断できる。

なお、またカツターローラの歯１８の厚みを薄
くし、溝１２を深くしてカツターローラのスライ
バーへの食い込みを良くしてより確実にスライバ
ーを切断するようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のケンス交換装置の側面図、第２
図は第１図に示されたケンス交換装置に設けられ
ている従来のスライバー切断装置を拡大した側面
図、第３図乃至第５図はケンス１が交換移動する
様子を示す平面図、第６図および第７図は本考案
のスライバー切断装置のカツターローラの部分斜
視図である。 図中、同一符号は同一部材を示し、１，２はケ
ンス、４はコイラーホイール、６，７はカレンダ
ーローラ、５はスライバー、１３はスライバー集
団、１７は本考案のカツターローラ、１８はカツ
ターローラの歯、１９，２０は歯１８の粗面化さ
れた頂面を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 円周方向に間隔を置いて配置され、軸方向に
   延びた複数枚の歯を有するカツターローラであ
   つて、スライバーを巻収した満管ケンスの交換
   移動時にその移動経路に対して横断方向に配設
   されて満管ケンスに巻収されたスライバーに押
   圧関係に接触し、満管ケンスの交換移動方向に
   対応した方向に回転されるカツターローラを備
   えたスライバー切断装置において、前記カツタ
   ーローラの前記各歯の頂面を粗面にしたことを
   特徴とするスライバー切断装置。 ２ 前記粗面はカツターローラの回転方向に沿う
   比較的浅い溝を多数形成してなる実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のスライバー切断装置。 ３ 前記粗面はローレツト掛けしてなる実用新案
   登録請求の範囲第１項記載のスライバー切断装
   置。