JPS6144185B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は建物の屋上、橋梁、吹抜け廊下、プ
ラツト・フオームなどの構造物に使用されるパラ
ペツト笠木に関する。

従来、建物のパラペツトに取り付けられてきた
パラペツト笠木はチヤンネル型パラペツト笠木本
体と、予め、そのパラペツトに埋め込まれたアン
カ・ボルトに固定されるアンカ・プレートとより
なり、その笠木本体をアンカ・プレートにねじ止
めして、そのパラペツトに取り付けられるか、若
しくは、その笠木本体をアンカ・プレートにスナ
ツプ的に噛合させて、そのパラペツトに取り付け
られるパラペツト笠木が提案されている。

しかし、それらのパラペツト笠木はチヤンネル
型パラペツト笠木本体の一方のフランジをアン
カ・プレートの一端にスナツプ的に噛合し、その
アンカ・プレートの他端に螺合されたボルトをそ
の笠木本体の他方のフランジに圧接してパラペツ
ト笠木をパラペツトに取り付けるので、このパラ
ペツト笠木には、その笠木本体をアンカ・プレー
トに強固に固定することが充分に期待できず、そ
の笠木本体は荷重に対してガタツキ易く、また、
そのボルトの配置構造からして、取り付ける際の
作業性が期待できない。

他方、チヤンネル型パラペツト笠木本体をアン
カ・プレートにスナツプ的に噛合させる笠木にあ
つては、アンカ・プレートをパラペツトのコーナ
部分に近接して配置することが取り付け作業上困
難で、その結果、この種の笠木にあつては、パラ
ペツトのコーナ部分における笠木の固定が充分に
期待できなかつた。

この発明の目的は、構造物のパラペツトの部分
を被うように、横断面チヤンネル状に一体的に形
成されたウエブ、外側フランジ、および内側フラ
ンジと、その外側フランジの縁側の内側面に突出
された噛合リツプと、その内側フランジの縁側の
内側面に突出され、その先端に鈎状引掛け部を有
する引掛リツプとよりなるチヤンネル型パラペツ
ト笠木本体と、アンカ・ボルトによりそのパラペ
ツトに固定され、上記パラペツト笠木本体のウエ
ブを支持する笠木枕を上面に突出したブラケツト
本体とそのブラケツト本体の外側に形成され、そ
の下端を上記噛合リツプに噛合してパラペツト笠
木本体の外側フランジを固定する外側固定脚と、
そのブラケツト本体の内側に形成され、かつ、パ
ラペツト笠木本体の引掛けリツプよりも下方に位
置される横向き突縁を有してパラペツト笠木本体
の内側フランジを支持する内側固定脚とより形成
したチヤンネル型ブラケツトと、その先端側に引
掛けリツプの鈎状引掛け部に係止されるフツクを
形成し、かつその内側固定脚の横向き突縁に嵌め
込まれてナツト締めされるフツク付きボルトと、
その噛合リツプに形成される溝に嵌め込まれてパ
ラペツト笠木本体の外側フランジとパラペツトの
外側面との間の隙間を塞ぐフラツパー・パツキン
グとよりなり、雨水等がパラペツト笠木本体の下
端、とくに外部側からパラペツト内に浸入するこ
とを防止して、その防水性を高め、また、パラペ
ツト笠木本体をブラケツトに組み付ける際、その
笠木本体の外側を引掛け状に掛合し、かつその内
側をフツク付きボルトによつてナツト締めされ、
その取り付け作業を簡便化し、かつそのパラペツ
ト笠木本体の取替を可能にしている。さらに、そ
のブラケツトに対してその笠木本体のガタツキを
阻止し、また、温度変化による笠木本体の長さ方
向伸縮を可能にし、さらに、その笠木本体の歪み
を阻止して、パラペツトのストレツチ部分は勿論
であること、そのパラペツトのコーナ部分におい
ても、その笠木本体をパラペツトにブラケツトを
介して強固に固定可能にするところの構造物に使
用されるパラペツト笠木の提供にある。

以下、この発明に係る構造物に使用されるパラ
ペツト笠木の望ましい具体例について、図面を参
照して説明する。

第１図ないし第３図は、建物の屋上５０に設け
られたパラペツト５１に適用されたこの発明の構
造物に使用されるパラペツト笠木の具体例１０を
示している。

そのパラペツト笠木１０は、パラペツト５１の
上方部分を被うように、そのパラペツト５１に配
置されたチヤンネル型パラペツト笠木本体１１
と、そのパラペツト笠木本体１１をそのパラペツ
ト５１に固定するために、そのパラペツト５１上
に適宜の間隔で配置された複数のチヤンネル型ブ
ラケツト１２と、そのパラペツト５１の内側にお
いて、その笠木本体１１の内側フランジ１８をそ
のブラケツト１２の内側固定脚２４に締め付け固
定する複数のフツク付きボルト１３と、その笠木
本体１１の外側フランジ１７とパラペツト５１の
外側面との間の隙間を塞ぐフラツパー・パツキン
グ１５とより構成されている。

そのパラペツト笠木本体１１は、第１図および
第２図から理解されるように、アルミニウム合金
から横断面チヤンネル状に押出し成形され、パラ
ペツト５１の上方部分を被うようにしたもので、
ウエブ１６、そのウエブ１６の内外側に垂設され
る外側フランジ１７および内側フランジ１８より
構成され、そのウエブ１６および内側フランジ１
８は雨水を屋上５０に流し得るように適宜傾斜が
付けられている。

その外側フランジ１７は、パラペツト笠木本体
１１の長さ方向に伸長された噛合リツプ１９をフ
ランジ縁側の内側面に突出し、長さ方向に伸長さ
れた溝２０をその噛合リツプ１９に形成し、その
溝２０にフラツパー・パツキング１５を嵌め込み
得るようにしている。

他方、内側フランジ１８は、パラペツト笠木本
体１１の長さ方向に伸長され、しかも、先端に上
向きの鈎状引掛け部２１ａを有する横断面略Ｌ字
状の引掛けリツプ２１を、その下端縁側の内側面
に突出して、ブラケツト１２の内側固定脚２４の
横向き突縁３４により上方に位置して、フツク付
きボルト１３のフツク３７を掛止し得るようにし
ている。

ブラケツト１２は、第２図および第３図から理
解されるように、第２図に示す横断面形状の長尺
のブラケツト材にアルミニウム合金から押出し成
形され、第３図に示すように、所定の長さ、すな
わち、所定の幅にそのブラケツト材を切断して、
そのパラペツト笠木１１の内面に配置する構造に
なしたもので、ブラケツト本体２２、外側固定脚
２３、および内側固定脚２４より構成され、さら
に、その外側固定脚２３側のそのブラケツト本体
２２に外側笠木枕２５を、また、その内側固定脚
２４側のそのブラケツト本体２２に内側笠木枕２
６をそれぞれ形成している。従つて、外側固定脚
２３は外側笠木枕２５に、また、内側固定脚２４
は内側笠木枕２６にそれぞれ一体的に形成される
ことになる。

そのブラケツト本体２２はパラペツト５１に埋
め込まれたアンカ・ボルト５２，５３のための長
孔２７，２８を適宜の間隔で形成し、また、下面
にリブ２９，３０を適宜の間隔で突出し、パラペ
ツト５１、すなわち、防水層５６への座りを良く
している。

外側および内側笠木枕２５，２６は、そのパラ
ペツト笠木本体１１のウエブ１６を支えるよう
に、ブラケツト本体１２の上面に突出されてい
る。とくに、その外側および内側笠木枕２５，２
６は、その上面、すなわち、支持面３１，３２を
そのウエブ１６の傾斜に合わせ、その笠木本体１
１の座りを良好にしている。

また、外側笠木枕２５はその笠木本体１１の長
さ方向に沿つて伸長された溝３３をその支持面３
１に形成し、クツシヨン・ストリツプ１４を嵌め
込み得るようにしている。

その外側固定脚２３は、その笠木本体１１がそ
のブラケツト１２に取り付けられたとき、その下
端が噛合リツプ１９に噛合し、その噛合リツプ１
９を押し下げるように、その外側笠木枕２５から
下方に伸長されている。

また、内側固定脚２４は内側笠木枕２６から下
方に伸長され、フツク付きボルト１３のための横
向き突縁３４を下端に突出し、その横向き突縁３
４の端部側に、その一方を開口状とする長孔３５
を形成して、フツク付きボルト１３を取り付け易
くしている。

そのフツク付きボルト１３は、第５図から理解
されるように、ねじ部３６の先端にフツク３７を
一体的に形成し、パラペツト笠木本体１１の内側
フランジ１８をブラケツト１２の内側固定脚２４
に締め付け固定するために、そのフツク３７を内
側フランジ１８の引掛けリツプ２１の鈎状引掛け
部２１ａに掛止して、そのねじ部３６を、内側固
定脚２４の横向き突縁３４に穿設された長孔３５
の開口側から挿通して、その横向き突縁３４の下
面側において、ナツト３８により締め付けられ支
持されている。

また、フラツパー・パツキング１５は、第２図
および第４図から理解されるように、帯状に形成
され、パイプ状取付部４１とその取付部４１に一
体的に形成されたフラツパ４２とより構成され、
そのパイプ取付部４１をパラペツト笠木本体１１
の外側フランジ１７の内側面に突出された噛合リ
ツプ１９の溝２０に嵌め込まれ、そのフラツパ４
２の先端をパラペツト５１の外側面に当接してい
る。とくに、パラペツト５１の外側面とパラペツ
ト笠木本体１１の外側フランジ１７との間の隙間
をシール可能にするため、そのフラツパ４２に自
立性を付与している。

さらに、このパラペツト笠木１０の継ぎ板４５
は第６図および第７図から理解されるように、パ
ラペツト笠木本体１１の内側に密着されるよう、
そのパラペツト笠木本体１１の横断面形状に折り
曲げられ、外側脚４６を噛合リツプ１９に載せ、
また、内側脚４７を引掛けリツプ２１に嵌め込ん
で、笠木本体１１の突き合わせ端間に配置され
る。

さらに、その継ぎ板４５は、笠木の長さ方向に
直交する方向において、複数の雨水分離溝４８を
その上面に適宜の間隔で形成している。

次に、そのように構成されたパラペツト笠木１
０の取り付けについて、述べるに、予めクツシヨ
ン・ストリツプ１４がブラケツト１２の溝３３に
嵌め込まれているので、先ず、適宜の間隔でパラ
ペツト５１に埋め込まれたアンカ・ボルト５２，
５３に長孔２７，２８を嵌め、そのパラペツトを
跨ぐようにして、そのパラペツト５１上にブラケ
ツト１２、すなわち、ブラケツト本体２２を配置
し、ブラケツト１２間の距離を調整し、ナツト５
４，５５をアンカ・ボルト５２，５３に締め付
け、ブラケツト１２をパラペツト５１に固定す
る。

次いで、それらブラケツト１２間にパラペツト
笠木本体１１を渡し、その噛合リツプ１９をブラ
ケツト１２の外側固定脚２３の下端に噛合して、
クツシヨン・ストリツプ１４を圧潰するように、
ウエブ１６を笠木枕２５，２６に押し付ける。

そのように、パラペツト笠木本体１１がブラケ
ツト１２の笠木枕２５，２６に押し付けられる
と、内側フランジ１８の引掛けリツプ２１が内側
固定脚２４の横向き突縁３４の上方に近接した状
態となるので、そのパラペツト笠木本体１１、す
なわち、内側フランジ１８の下方でしかも内側か
ら、その引掛けリツプ２１の鈎状引掛け部２１ａ
にフツク付きボルト１３のフツク３７を掛止し、
そのフツク付きボルト１３を摺動して、そのフツ
ク付きボルト１３のねじ部３６を長孔３５に嵌め
込み、そのねじ部３６にナツト３８を螺入して締
め付ける。

そのようにして、ブラケツト間に強固に固定さ
れたパラペツト笠木本体１１の突き合わせ端間に
は、第１図、第６図および第７図に示すように、
継ぎ板４５が配置され、また、そのパラペツト本
体１１には、フラツパー・パツキング１５が噛合
リツプ１９の溝２０に予め嵌め込まれてあり、そ
のパラペツト笠木本体１１がブラケツト１２間に
取り付けられると、そのフラツパー・パツキング
１５は、そのパラペツト笠木本体１１の外側フラ
ンジ１７とパラペツト５１の外側面５７との間の
隙間を塞いで、そのパラペツト笠木１０の内側へ
の風や雨水などの浸入を阻止する。

上述されたパラペツト笠木本体１１およびブラ
ケツト１２には、アルミニウム合金が使用されて
いるが、それらパラペツト笠木本体１１およびブ
ラケツト１２は鋼板を折曲げ加工することも可能
であり、とくに、そのブラケツト１２は所定の寸
法幅にプレス成形品若しくは鋳造品にすることも
可能であり、また、そのパラペツト笠木本体１１
は合成樹脂から押出し成形することも可能であ
る。

また、クツシヨン・ストリツプ１４およびフラ
ツパー・パツキング１５はゴム、合成樹脂から成
形されている。

如上の発明によれば、パラペツト笠木本体が横
断面チヤンネル型に形成され、また、ブラケツト
が横断面チヤンネル型に形成され、そのブラケツ
トの外側固定脚の下端にパラペツト笠木本体の外
側フランジの噛合リツプを噛合してそのパラペツ
ト笠木の外側フランジを支持し、また、パラペツ
ト笠木の内側フランジに形成された引掛けリツプ
の鈎状引掛け部にフツク付きボルトのフツクを掛
止し、ねじ部をブラケツトの内側固定脚に形成さ
れた横向き突縁に挿通してそのフツク付きボルト
を内側固定脚にナツト締めを行つて、パラペツト
笠木本体をブラケツト間に固定し、また、フラツ
パー・パツキングをパラペツト笠木本体の外側フ
ランジに設けたパラペツト笠木の外側面に当接し
てその隙間を塞ぎ、雨水等がパラペツト笠木本体
から防水層に浸入することが防止されて防水性を
高めることができる。

また、パラペツト笠木本体をブラケツトに組み
付ける際、その笠木本体の外側を引掛け状に掛合
し、かつその内側をフツク付きボルトによつてナ
ツト締めされて、その取付作業を簡便化し、かつ
そのパラペツト笠木本体の取替を可能にしてい
る。

さらに、そのブラケツトに対するそのパラペツ
ト笠木本体のガタツキが阻止され、温度変化によ
る笠木本体の長さ方向の伸縮が拘束されることな
く、自由になり、その笠木本体の歪みが阻止さ
れ、ブラケツトに笠木本体をスナツプ的に噛合さ
せるパラペツト笠木に比して、パラペツトのコー
ナ部分に近接してブラケツトをパラペツトに配置
することが可能になり、そのようにして、パラペ
ツトのストレツチ部分は勿論のこと、そのパラペ
ツトのコーナ部分においても、ガタツキを生じる
ことなく、その笠木本体をパラペツトにブラケツ
トを介して強固に固定することが可能になり、さ
らに、そのフツク付きボルトの締め付けおよび弛
め作業においても、その作業および安全性が向上
される。

【図面の簡単な説明】

第１図は建物の屋上におけるパラペツトに適用
されたこの発明の構造物に使用されるパラペツト
笠木の部分斜視図、第２図は第１図に示すパラペ
ツト笠木の横断面図、第３図は第１図および第２
図に示すパラペツト笠木のブラケツトの平面図、
第４図および第５図は第２図の部分拡大断面図、
第６図は第１図に示すパラペツト笠木の継ぎ部の
横断面図、第７図は第６図の７−７線に沿つて示
した断面図である。 １０……パラペツト笠木、１１……チヤンネル
型パラペツト笠木本体、１２……チヤンネル型ブ
ラケツト、１３……フツク付きボルト、１５……
フラツパー・パツキング、１６……ウエブ、１７
……外側フランジ、１８……内側フランジ、１９
……噛合リツプ、２０……溝、２１……引掛けリ
ツプ、２１ａ……鈎状引掛け部、２２……ブラケ
ツト本体、２３……外側固定脚、２４……内側固
定脚、２５……外側笠木枕、２６……内側笠木
枕、３４……横向き突縁、３６……ねじ部、３７
……フツク、３８……ナツト、５１……パラペツ
ト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 構造物のパラペツトの部分を被うように、横
   断面チヤンネル状に一体的に形成されたウエブ、
   外側フランジ、および内側フランジと、その外側
   フランジの縁側の内側面に突出された噛合リツプ
   と、その内側フランジの縁側の内側面に突出さ
   れ、その先端に鈎状引掛け部を有する引掛リツプ
   とよりなるチヤンネル型パラペツト笠木本体と、 アンカ・ボルトによりそのパラペツトに固定さ
   れ、上記パラペツト笠木本体のウエブを支持する
   笠木枕を上面に突出したブラケツト本体と、その
   ブラケツト本体の外側に形成され、その下端を上
   記噛合リツプに噛合してパラペツト笠木本体の外
   側フランジを固定する外側固定脚と、そのブラケ
   ツト本体の内側に形成され、かつ、パラペツト笠
   木本体の引掛けリツプよりも下方に位置される横
   向き突縁を有してパラペツト笠木本体の内側フラ
   ンジを支持する内側固定脚とより形成したチヤン
   ネル型ブラケツトと、 その先端側に引掛けリツプの鈎状引掛け部に係
   止されるフツクを形成し、かつその内側固定脚の
   横向き突縁に嵌め込まれてナツト締めされるフツ
   ク付きボルトと、 その噛合リツプに形成される溝に嵌め込まれて
   パラペツト笠木本体の外側フランジとパラペツト
   の外側面との間の隙間を塞ぐフラツパー・パツキ
   ング とを含む構造物に使用されるパラペツト笠木。