JPS6133157Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は建物の屋上、橋梁、吹抜け廊下、プ
ラツト・フオームなどの構造物に使用されるパラ
ペツト笠木の取付構造に関する。

従来、建物のパラペツトに取り付けられてきた
パラペツト笠木はチヤンネル型パラペツト笠木本
体と、予め、そのパラペツトに埋め込まれたアン
カ・ボルトに固定されるアンカ・プレートとより
なり、その笠木本体をアンカ・プレートにねじ止
めして、そのパラペツトに取り付けられるか、若
しくは、その笠木本体をアンカ・プレートにスナ
ツプ的に噛合させて、そのパラペツトに取り付け
られるパラペツト笠木が提案されている。

しかし、それらのパラペツト笠木はチヤンネル
型パラペツト笠木本体の一方のフランジをアン
カ・プレートの一端にスナツプ的に噛合し、その
アンカ・プレートの他端に螺合されたボルトをそ
の笠木本体の他方のフランジに圧接してパラペツ
ト笠木をパラペツトに取り付けるので、このパラ
ペツト笠木には、その笠木本体をアンカ・プレー
トに強固に固定することが充分に期待できず、そ
の笠木本体は荷重に対してガタツキ易く、また、
そのボルトの配置構造からして、取り付ける際の
作業性が期待できない。

他方、チヤンネル型パラペツト笠木本体をアン
カ・プレートにスナツプ的に噛合させる笠木にあ
つては、アンカ・プレートをパラペツトのコーナ
部分に近接して配置することが取付け作業上困難
で、その結果、この種の笠木にあつては、パラペ
ツトのコーナ部分における笠木の固定が充分に期
待できなかつた。

また、ブラケツトはパラペツトに取り付けられ
るもので、それの高さは、パラペツト仕上げの不
均一に伴つて、所定の高さに設置されず、また、
設置後において、その笠木本体に歪みを生じる欠
点を有していた。

この考案の目的は、パラペツト仕上げの不均一
にもかかわらず、パラペツト笠木本体を所定の高
さに設置することを可能にし、また、設置後にお
いて、歪みがその笠木本体に生じることを阻止
し、さらに、荷重がその笠木本体にかかるとき、
その荷重を支えるに充分に広い面積を有し、その
笠木本体の捩れを阻止し、しかも、その笠木本体
の高さ調節作業を簡単、かつ、容易にするところ
にあり、また、温度変化による笠木本体の長さ方
向の伸縮を可能にし、その笠木本体の歪みを阻止
し、パラペツトのストレツチ部分は勿論のこと、
そのパラペツトのコーナ部分においても、その笠
木本体をパラペツトにブラケツトを介して強固に
固定可能にし、また、取付け作業および取替え作
業の作業性および安全性を向上し、ガタツキを生
じることなしにその笠木本体をブラケツトに強固
に固定可能にするところの構造物に使用されるパ
ラペツト笠木の取付構造の提供にある。

以下、この考案に係る構造物に使用されるパラ
ペツト笠木の取付構造の望ましい具体例につい
て、図面を参照して説明する。

第１図ないし第３図は、建物の屋上５０に設け
られたパラペツト５１に適用されたこの考案のパ
ラペツト笠木の取付構造の具体例を示している。

そのパラペツト笠木１０は、パラペツト５１の
上面に適宜の間隔で配置され、アンカ・ボルト５
２，５３により固定される複数の横断面略チヤン
ネル状のブラケツト１２と、そのパラペツト５１
の上方部分を被うように、そのパラペツト５１の
上面に固定されてブラケツト１２に取付け固定さ
れる横断面略チヤンネル状のパラペツト笠木本体
１１と、そのパラペツト５１の内側において、パ
ラペツト笠木本体１１の内側フランジ２０をその
ブラケツト１２の内側固定脚２６に締め付け支持
する複数のフツク・ボルト１３と、そのパラペツ
ト５１の上面にそのブラケツト１２との間に配置
された複数のレベル調節板１４，１５とより構成
されている。

ブラケツト１２は、第１図乃至第３図から理解
されるように、第２図に示す横断面形状の長尺の
ブラケツト材にアルミニウム合金から押出し形成
され、第３図に示すように所定の長さ、すなわ
ち、所定の幅にそのブラケツト材を切断して、そ
のパラペツト５１の上面に、予め埋め込まれたア
ンカ・ボルト５２，５３により固定されるもの
で、その内側及び外側に上方に突出する笠木枕２
７，２８を有するブラケツト本体２４、そのブラ
ケツト本体２４の外側端に垂設される外側固定脚
２５及びそのブラケツト本体２４の内側端に垂設
され、その下端に外向き突縁３４を有する内側固
定脚２６より構成されている。

そのブラケツト本体２４は、パラペツト５１に
埋め込まれたアンカ・ボルト５２，５３のための
長孔２９，３０を適宜の間隔で形成している。

また、そのブラケツト本体２４に突出形成され
る笠木枕２７，２８はその上面、すなわち、支持
面３１，３２をそのウエブ１８の傾斜に合わせ、
その笠木本体１１の座りを良好にしている。

また、外側笠木枕２７は、その笠木本体１１の
長さ方向に沿つて伸長された溝３３をその支持面
３１に形成し、クツシヨン・ストリツプ１６を嵌
め込み得るようにしている。

そのパラペツト笠木本体１１は、第１図及び第
２図から理解されるように、アルミニウム合金か
ら横断面チヤンネル状に押出し成形され、パラペ
ツト５１の上方部分を被うようにしたもので、上
記ブラケツト本体２４の笠木枕２７，２８に支持
されるウエブ１８、そのウエブ１８の内外側端に
形成される外側フランジ１９および内側フランジ
２０より構成され、そのウエブ１８および内側フ
ランジ２０は雨水を屋上５０側に流し得るように
適宜傾斜を付けられている。

その外側フランジ１９は、パラペツト笠木本体
１１の長さ方向に伸長された噛合リツプ２１を下
端寄りの内側壁に突出し、その長さ方向に伸長さ
れた溝２２を噛合リツプ２１に形成し、その溝２
２にフラツパー・パツキング１７を嵌め込み得る
ようにしている。

その外側フランジ１９は、パラペツト笠木本体
１１がそのブラケツト１２に取り付けられたと
き、そのブラケツト１２の外側固定脚２５の下端
を噛合リツプ２１に噛合して支持されている。

他方、内側フランジ２０は、パラペツト笠木本
体１１の長さ方向に伸長され、しかも、先端に上
向きの鈎状引掛け部２３ａを有する横断面Ｌ字状
に形成された引掛リツプ２３を、上記内側固定脚
２６の外向き突縁３４より上方において、その内
側壁に突出し、フツク・ボルト１３のフツク３７
を引掛けて掛止されている。

そのフツク・ボルト１３は、ねじ部３６の先端
にフツク３７を一体的に形成し、パラペツト笠木
本体１１の内側フランジ２０をブラケツト１２の
内側固定脚２６に支持するために、その内側固定
脚２６の下端に突出された横向き突縁３４の端部
側に形成された一方を開口状とする長孔３５を挿
通して、その内側フランジ２０の引掛けリツプ２
３の鈎状引掛け部２３ａに引掛け、内側固定脚２
６の下面側からねじ部３６にナツト３８を螺入し
て引掛けリツプ２３を締め付け固定されるように
構成され、しかも、その笠木本体１１の長さ方向
の調節を自由にしている。とくに、そのフツク３
７は、板状鈎に折り曲げられ、ねじ部３６へのナ
ツト３８の締め付けを容易に、すなわち、回り止
にしている。

レベル調節板１４，１５は、その笠木本体１１
にかかる荷重を支えるに充分な、広い面積を備え
るように構成され、とくに、その板幅をブラケツ
ト１２の幅に合わせられている。また、そのレベ
ル調節板１４，１５は、第２図から理解されるよ
うに、傾斜合わせ面３９，４０を備えた金属板か
らなり、その傾斜合わせ面３９，４０は所定のピ
ツチで横断面鋸歯形の突条の多数を傾斜面に連続
的に刻んでレベル調節目盛り面にしている。従つ
て、そのレベル調節目盛り面３９，４０は互いに
重ね合わせられたとき、その重ね合わせられなか
つた、すなわち、ずらされた突条の数によつて、
レベル調節が簡単に読み取られ、そのようにし
て、レベル調節作業を極めて容易にするのに加え
て、すべり止め面の機能をしている。すなわち、
そのレベル調節目盛り面３９，４０は互いに重ね
合わせられたとき、上方のレベル調節板１５が下
方のレベル調節板１４の斜面に沿つてすべり落ち
ることを阻止し、その上方のレベル調節板１５は
その下方のレベル調節板１４上の重ね合わせられ
た位置に保持されるようにしている。また、その
傾斜合わせ面３９，４０における突条は、その横
断面形状を種々変形できるものであつて、例え
ば、段状に形成することも可能である。そのよう
に、レベル調節板１４，１５は互いに重ね合わせ
る位置によつて、重ね合わせ高さを容易に変える
ことができ、パラペツト５１に対するパラペツト
笠木本体１１のレベル調節を極めて容易にしてい
る。

その外側笠木枕２７の溝３３に嵌め込まれたク
ツシヨン・ストリツプ１６は、第２図から理解さ
れるように、中空部４１を備えた横断面グロメツ
ト状に形成され上面４２を円弧状突出面になし
て、パラペツト笠木本体１１のウエブ１８との密
着性を向上している。

また同様に、第２図から理解されるように、噛
合リツプ２１の溝２２に嵌め込まれたフラツパ
ー・パツキング１７は、帯状に形成され、しか
も、パイプ状取付け部４３とその取付け部４３に
一体的に形成されたフラツパ４４とより構成さ
れ、とくに、パラペツト５１の外側面とパラペツ
ト笠木本体１１の外側フランジ１９との間の隙間
をシール可能にするために、そのフラツパ４４に
自立性を付与している。

次に、そのように構成されたパラペツト笠木１
０の取付けについて述べるに、予め、クツシヨ
ン・ストリツプ１６がブラケツト１２の溝３３に
嵌め込まれているので、先ず、適宜の間隔でパラ
ペツト５１に埋め込まれたアンカ・ボルト５２，
５３間のパラペツト５１上に、すなわち、防水層
５６上にレベル調節板１４，１５を載せ、パラペ
ツト５１の基準取付け高さに合わせるように、互
いにずらせてレベル調節板１４，１５の重ね合わ
せ位置を決定する。

次いで、そのブラケツト１２をそのパラペツト
５１を跨ぐようにして、そのレベル調節板１５の
上面にブラケツト本体２４をその長孔２９，３０
にアンカ・ボルト５２，５３を挿通して配置し、
ブラケツト１２間の距離を調節し、ナツト５４，
５５を締め付けてブラケツト１２をパラペツト５
１に固定する。

次に、それらブラケツト１２間にパラペツト笠
木本体１１を渡し、その内側壁の噛合リツプ２１
に外側固定脚２５を噛合してブラケツト本体２４
に設けたクツシヨン・ストリツプ１６を圧潰する
ように、ウエブ１８を笠木枕２７，２８に押し付
ける。

そのように、パラペツト笠木本体１１がブラケ
ツト１２の笠木枕２７，２８に押し付けられる
と、引掛けリツプ２３が外向き突縁３４の上方に
近接した状態になるので、そのパラペツト笠木本
体１１の内側フランジ２０の下方で、しかも内面
から、その引掛けリツプ２３の鈎状引掛け部２３
ａにフツク・ボルト１３のフツク３７を掛止し、
そのフツク・ボルト１３を摺動して、そのフツ
ク・ボルト１３のねじ部３６を横向き突縁３４の
長孔３５から嵌め込み、そのねじ部３６にナツト
３８を螺入して締め付ける。そのようにして、パ
ラペツト笠木本体１１はブラケツト１２間に密着
して強固に固定される。

第４図は、この考案のパラペツト笠木の取付構
造の変形された具体例６０を示し、そのパラペツ
ト笠木６０は、第１図ないし第３図に示すパラペ
ツト笠木１０において、レベル調節板１４，１５
を変形したもので、そのパラペツト笠木１０の構
成要素に相当する構成要素について、同符号を付
し、それらの説明を省いている。しかも、そのパ
ラペツト笠木６０はパラペツト笠木本体１１、フ
ツク・ボルト１３、クツシヨン・ストリツプ１
６、フラツパー・パツキング１７などを省いて示
されている。

そのパラペツト笠木６０のレベル調節板６１，
６２，６３，６４は予め、所定の厚に形成された
多数の板状ライナおよびシムから選択して使用さ
れるもので、この場合、シムはライナよりも薄く
製作されている。勿論、それらライナおよびシム
はパラペツト笠木本体１１にかかる荷重を支える
に充分な広い面積を備えるもので、その幅はブラ
ケツト１２の幅に合わせられている。

そのようにして、レベル調節板６１，６２，６
３，６４は、パラペツト５１に対するパラペツト
笠木本体１１のレベル調節を極めて容易にしてい
る。換言するならば、そのレベル調節板６１，６
２，６３，６４はパラペツト５１の基準取付け高
さに合わせ易くしている。

上述されたパラペツト笠木本体１１およびブラ
ケツト１２には、アルミニウム合金が使用されて
いるが、それらパラペツト笠木本体１１およびブ
ラケツト１２は鋼板を折曲げ加工することも可能
であり、殊に、そのブラケツト１２は所定の寸法
幅にプレス成形品若しくは鋳造品にすることも可
能であり、また、そのパラペツト笠木本体１１は
合成樹脂から押出し成形することも可能である。

また、クツシヨン・ストリツプ１６およびフラ
ツパー・パツキング１７はゴム、合成樹脂から成
形されている。

如上の考案によれば、複数のレベル調節板がパ
ラペツトとブラケツトとの間に配置され、また、
パラペツト笠木本体が横断面チヤンネル型に形成
され、予め、パラペツトに固定されたブラケツト
の笠木枕を押圧するようにして、そのブラケツト
の外側固定脚に外側フランジの噛合リツプを噛合
し、さらに、ブラケツトの内側固定脚に形成され
た横断面Ｌ字状の引掛けリツプの鈎状引掛け部に
フツク・ボルトのフツクを掛止するようにして、
そのフツク・ボルトを内側フランジにナツト締め
してパラペツト笠木本体をブラケツト間に固定す
るので、パラペツト高さの不均一にかかわらず、
パラペツト高さが調節され、そのパラペツト笠木
本体を所定の高さに設置することが簡単、かつ、
容易に可能になり、また、設置後において、その
笠木本体に生じる歪みが阻止され、さらに、荷重
がその笠木本体にかかるとき、複数のレベル調節
板がその荷重を充分に支え、その笠木本体の捩れ
が阻止され、さらには、温度変化による笠木本体
の長さ方向の伸縮が拘束されることなく、自由に
なり、その温度変化による笠木本体の歪みが阻止
され、ブラケツトに笠木本体をスナツプ的に噛合
させるパラペツト笠木に比して、パラペツトのコ
ーナ部分に近接してブラケツトをパラペツトに配
置することが可能になり、そのようにして、パラ
ペツトのストレツチ部分は勿論のこと、そのパラ
ペツトのコーナ部分においても、ガタツキを生じ
ることなく、その笠木本体をパラペツトにブラケ
ツトを介して強固に固定することが可能になり、
さらに、取付け作業および取替え作業の作業性お
よび安全性が向上される。

【図面の簡単な説明】

第１図は建物の屋上に設けられるパラペツトに
適用されたこの考案のパラペツト笠木の取付構造
を示す部分斜視図、第２図は第１図に示すパラペ
ツト笠木の横断面図、第３図は第１図および第２
図に示すパラペツト笠木のブラケツトの平面図、
第４図は第２図に相当するこの考案の変形された
パラペツト笠木の横断面図である。 １０，６０……パラペツト笠木、１１……パラ
ペツト笠木本体、１２……ブラケツト、１３……
フツク・ボルト、１４，１５，６１，６２，６
３，６４……レベル調節板、１８……ウエブ、１
９……外側フランジ、２０……内側フランジ、２
１……噛合リツプ、２３……引掛けリツプ、２３
ａ……鈎状引掛け部、２４……ブラケツト本体、
２５……外側固定脚、２６……内側固定脚、２
７，２８……笠木枕、３４……外向き突縁、３６
……ねじ部、３７……フツク、３８……ナツト、
５１……パラペツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 笠木枕を上面に有するブラケツト本体、そのブ
   ラケツト本体の外側端に垂設される外側固定脚お
   よびそのブラケツト本体の内側端に垂設されてそ
   の下端に外向き突縁を有する内側固定脚とにより
   横断面略チヤンネル状に形成され、アンカ・ボル
   トによつてパラペツトに固定されるブラケツト
   と、 上記ブラケツト本体の笠木枕に支持されるウエ
   ブとそのウエブの内外側端に垂設される外側フラ
   ンジおよび内側フランジとにより横断面チヤンネ
   ル状に一体的に形成され、その外側フランジの内
   側壁に内向き突設されて、上記ブラケツトの外側
   固定脚の下端を噛合する噛合リツプとその内側フ
   ランジの内側壁に上記内側固定脚の外向き突縁よ
   り上方において突出され、その先端に鈎状引掛け
   部を形成する引掛けリツプを有してブラケツトの
   上面に配置されるパラペツト笠木本体と、 上記ブラケツトの内側固定脚に形成された外向
   き突縁を挿通してその上方に位置される内側フラ
   ンジの引掛けリツプの鈎状引掛け部に掛合される
   フツクを上端に有し、ナツトにより締め付けパラ
   ペツト笠木本体の内側フランジをブラケツトの内
   側固定脚に支持するフツク・ボルトと、 そのブラケツトをレベル調節可能にそのパラペ
   ツトの上面とそのブラケツトとの間に配置される
   複数のレベル調節板 とを含むパラペツト笠木の取付構造。