JPS6144068B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、オフセツト印刷に使用する湿し水に
添加されるイソプロピルアルコール（IPA）など
の濃度が常に一定になるように制御するための装
置に関するものである。

オフセツト版面には、親油性の画線部と親水性
の非画線部が形成されている。オフセツト印刷
は、画線部にインキを付着させ、非画線部に湿し
水を付着させてインキと水との反発性を利用する
ことにより印刷している。このため、湿し水が少
なすぎると、インキが非画線部にまで付着するの
で、汚れが発生する。逆に湿し水が多すぎるとイ
ンキの乳化を招いて画像の暗色化をきたしたり、
乾燥を遅らせて裏写りをきたすことになる。した
がつて、版面に供給する湿し水は必要最小限に管
理しなければならない。湿し水の主成分は水であ
るが、単に水だけでは、上記目的を達成できない
ので、他の成分として例えばイソプロピルアルコ
ール（IPA）、エツチ液を混入している。こうし
た成分を加えた湿し水は、版の非画線部に均一な
しかも極めて薄い皮膜となつて付着するようにな
る。

このような目的に使用される装置として、従来
は、比重びんと一体のニードルバルブをアルコー
ルバルブとして使用し、比重の変化に応じてその
バルブを直接開閉し、そのまゝアルコールの流出
を規制するようになつていた。そのため、被制御
液による波動影響とか、被制御液を収納した容器
の振動影響などにより比重びんと一体のニードル
バルブが実際の濃度の変化に関係なく開閉して
IPAが余分に補充され、管理精度が落ちる欠点が
あつた。特に濃度が淡い場合程管理精度が低かつ
た。

本発明は、このような従来の欠点を改良するた
めになされたもので、比重びんの位置検出素子を
液面上に浮遊して比重びんとともに上下させて波
動による影響を少なくし、かつ検出信号が所定以
上連続したときのみバルブを開閉し、瞬時的な変
動によつては作動しないようにしたものである。

以下本発明の一実施例を図面に基き説明する。

１は、湿し水タンクで、この湿し水タンク１の
蓋体２には、ポンプ３を駆動するモータ４が設け
られている。このポンプ３から導管５、バルブ６
を介して水舟に連結されるとともに、バルブ８を
介して濃度検出用器体９の比重びん室１０に連結
されている。また水舟７から導管１１、３方弁１
２を介して湿し水タンク１に連結されている。

前記濃度検出用器体９は、前記蓋体２等に固定
的に設けられ、この器体９の内部には、比重びん
室１０が形成され、側面にはオーバーフロー窓１
３が穿設され、流出孔１４を経て湿し水タンク１
に連通している。比重びん室１０内には、比重び
ん１５が浮遊状態に収納され、また、底部と上部
には、泡消しフイルタ１６，１６が、比重ビン１
５の上下動に影響を与えないようにして設けられ
ている。さらに、液面上には、軽量プラスチツク
等からなる支持体１７を浮ばせ、この支持体１７
の中央には比重びん１５が上下動するための縦孔
１８を穿設し、この縦孔１８の両側に臨ませて、
比重びん１５の遮光性先端部の上下動を検出する
比重びん位置検出素子１９が設けられ、この検出
素子１９は、後述する検出器２０に接続されてい
る。

２１は、イソプロピルアルコール（以下IPAと
いう）などの溶質の容器で、この容器２１は、後
述する電磁弁２２を介して導管２３により湿し水
タンク１に連結されている。

なお、同じ比重でも溶質％は温度によつて大き
く変化するので、濃度検出用器体９内は常に一定
の温度にしておくことは勿論である。

つぎに、前記検出器２０は、第２図のような回
路構成となつている。すなわち、Ｓ，Ｔは、交流
電源端子、T₁，T₁₁は15分の作動タイマーとその
接点、T₂，T₂₁，T₂₂は、10秒の測定タイマーと
その接点、T₃，T₃₁は、５秒の波動選別タイマー
とその接点、T₄，T₄₁は、10秒の測定休止タイマ
ーとその接点、T₅，T₅₁は、10秒のアルコール補
充タイマーとその接点、R₁，R₁₁，R₂，R₂₁，
R₂₂，R₃，R₃₁，R₃₂，R₄，R₄₁はそれぞれリレー
とその接点、２２は前記電磁弁、２４はトラン
ス、２５は全波整流器、２６，２７は前記位置検
出素子１９を構成する発光素子と受光素子、２
８，２９，３０はトランジスタである。その他ツ
エナーダイオード、抵抗、コンデンサからなつて
いる。

次に本発明の作用を説明する。

電源を投入し、モータ４を回転してポンプ３を
駆動する。そして湿し水タンク１と水舟７との
間、および湿し水タンク１と比重びん室１０との
間で湿し水を循環させる。

この状態において、15分間の作動タイマーT₁
が働き、接点T₁が閉じ、リレーR₁がオンとなつ
て接点R₁₁が閉じ、測定開始される。同時に10秒
の測定タイマーT₂が作動するとともに、発光素
子２６からの光が受光素子２７に送られ、これら
の素子２６，２７からなる位置検出素子１９が作
動を開始する。ここで、発光素子２６と受光素子
２７との間の光軸より比重びん１５の先端が下つ
ており、位置検出素子１９がオンしているものと
する。オンしているということは、比重が低いと
いうことであるが、このオン時間が５秒経過前に
再び比重びん１５で光軸が遮断されるような場合
は比重の変化とはみなさず、制御リレーR₄はオ
フのままとなる。そのため、10秒経過後、接点
T₂₂が閉じ、10秒測定休止タイマーT₄及びリレー
R₂が作動し、接点２１が開き、この間比重測定
がオフとなる。

次に再び10秒タイマーT₂が作動し測定を開始
し、その間に、５秒以上継続して位置検出素子１
９がオンのとき、接点R₄₁が閉じ、５秒波動選別
タイマーT₃によりその接点T₃₁が閉じ、電磁弁２
２が開き、IPAが補給される。この補給時間は、
10秒アルコール補充タイマーT₅により規制さ
れ、10秒経過すると、接点T₅₁が開き、電磁弁２
２はオフし、IPAの補給を停止する。この10秒間
は、リレーR₃が作動し、接点R₃₁が開き、リレー
R₂がオフとなり、接点R₂₁が開き、比重測定はオ
フとなる。

次に、10秒間の比重測定開始し、５秒以上検出
素子１９がオンのとき再びIPA補給用電磁弁２２
がオンし、同時に10秒アルコール補充タイマー
T₅もオンする。10秒後比重測定開始し、その10
秒の間に検出素子１９のオンが５秒以下になる
と、比重測定オフとなる。以下同様の動作を繰返
す。

なお、前記タイマーの時間は、一例であつて、
これに限られものではない。

本発明は上述のように、比重びん室１０内に、
泡消しフイルタ１６を設けたので、比重びん１５
が波動等によつて異常な上下動するのを防止で
き、また、位置検出素子１９を設けた支持体１７
を溶液上に浮上させたので、比重びん１５と検出
素子１９とが波動により同時に上下して、相対変
位を無視できる範囲にでき、したがつてより一層
正確な制御ができる。溶質であるイソプロピルア
ルコールの補給用電磁弁２２の開く時間を一定に
設定することにより、１回の補給量を調節でき、
過剰な補給が防止できる。比重びん１５による検
出素子１９の作動時間が継続して一定時間経過し
たとき電磁弁２２を開閉制御することにより、瞬
間的な比重の変化では補給せず、したがつて、特
に、低濃度の制御の精度を高めることができるな
どのすぐれた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図は、本発明による装置の一実施例を示すもの
で、第１図は、全体の装置の説明図、第２図は、
検出部の電気回路図である。 １……湿し水タンク、３……ポンプ、４……モ
ータ、７……水舟、９……濃度検出用器体、１０
……比重びん室、１５……比重びん、１６……泡
消しフイルタ、１７……支持体、１９……比重び
ん位置検出素子、２０……検出部、２１……IPA
容器、２２……電磁弁、２６……発光素子、２７
……受光素子、T₁，T₂，T₃，T₄，T₅……タイマ
ー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 溶液の濃度を比重びんにより比重変化として
   検出し、溶質の補給を制御するようにしたものに
   おいて、比重びん室内に、比重びんの異常な上下
   動を規制する泡消しフイルタを設けるとともに、
   溶液面上に、支持体を浮ばせ、この支持体に前記
   比重びんの位置検出素子を設け、この位置検出素
   子を溶質補給用電磁弁に結合し、この電磁弁は、
   上記の位置検出素子による検出信号が所定以上に
   連続したときのみにタイマーで一定時間開いて溶
   質を補給するものであることを特徴とするオフセ
   ツト印刷機用湿し水の濃度制御装置。 ２ 位置検出素子は、発光素子と受光素子とから
   なり、比重びんにより光軸を遮断することにより
   比重びんの位置を検出するようにした特許請求の
   範囲第１項記載のオフセツト印刷機用湿し水の濃
   度制御装置。