JPS6143672Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動二輪車等に設けられるフロントグ
ローブボツクス装置の改良に関するものである。

自動二輪車等において、ヘツドチユーブ廻りに
フロントカバーやレツグシールドを設け、該カバ
ーのヘツドチユーブ後方にボツクス部を設け、ボ
ツクス部にリツドを開閉自在に設け、ボツクス内
を小物入れとして用いるフロントグローブボツク
スが付設される。かかるグローブボツクスは、従
来ではカバーの背面部を前方に凹ませて形成され
ているため合成樹脂成形時の型抜き等を考慮して
凹部の底部がフラツトになり、底はリツドで開閉
される開口下辺迄となつて底をこれ以上深くする
ことができず、容積拡大上改善が望まれること、
リツドを開閉する場合、開口下辺と凹部とが連続
し、収納した小物が飛び出してしまう等改善の余
地がある。

本考案は以上に応へるべくなされたもので、そ
の目的とする処は、フロントカバーをヘツドチユ
ーブを挾んで前カバー、後カバーの接合体で構成
し、後カバーには背面に開放させ、且つ下に開放
する凹部を設け、凹部の下の開放部を塞ぐボトム
ピースを設け、凹部の底をリツドで開閉される開
放部下辺下方迄延出し、収納スペースの拡大、リ
ツド開閉時の収納物の保持を確実にした自動二輪
車等のフロントグローブボツクス装置を提供する
にある。

次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
詳述する。

第１図は本考案が実施される自動二輪車１の一
例としてのスクータを示し、これに代え自動三輪
車、原動機四輪車に本考案は実施することができ
る。

自動二輪車１の車体２を構成するパイプ材等か
らなる側面略Ｌ型のメインフレーム３の前端部に
はヘツドチユーブ４が設けられ、これに前輪５を
支持するフロントフオーク６が枢支され、上方の
ハンドル７で操向され、フレーム３の中間部上は
低床式フロア８が付設され、上方に起立するシー
トポスト９上にはシート１０が配設され、フレー
ム３の後部にはエンジン、伝動ケース等からなる
パワーユニツト１１が枢設延出され、これ１１後
部で後輪１２を支持し、パワーユニツト１１の後
部とフレーム側間には不図示のリヤクツシヨンユ
ニツトが介設されている。

第４図はフロントカバー１３の分解斜視図で、
左右方向の半截のみを示し、フロントカバー１３
は前カバー１４及び後カバー１５からなる。前カ
バー１４は板状でヘツドチユーブ４の前方左右に
延出されるフラツトな板状本体１４ａを備え、本
体１４ａの下部はこれの左右端部が斜め下後方に
延出され、本体１４ａ周には後方に折曲したフラ
ンジ片１４ｂを、又本体１４ａの下辺は上及び側
方にフランジ片１４ｃを設け、左右の延出部１４
ｄはこれらフランジ部が連続して断面凹型をな
し、図は右半のみを示しているが左半も対称形状
で、合成樹脂で全一体的に成形される。後カバー
１５はヘツドチユーブ４の両側に離間して臨む側
壁１５ｂをヘツドチユーブ４の背面に臨む前記本
体１４ａと対向する本体１５ａに備え、本体１５
ａの下部にはフレーム３の前部３ａ背面後方に臨
む膨出部１５ｃを備え、これの両側に既述の延出
部１４ｄと接合する延出部１５ｄを備える。

ヘツドチユーブ４の上から下迄の長さに亘り略
設けられた本体１５ａには背面に開口する凹部１
６を前方に凹出成形し、凹部１６は上壁１６ａ、
左右の壁１６ｂ及び前方に凹出し、ヘツドチユー
ブ後面に臨む奥の前壁１６ｃからなり、凹部１６
の本体１５ａの背面に開口する開口部１７の下縁
１７ａの部分で凹部１６は下向きに開放１６ｄさ
れている。既ち凹部１６は左右の壁１６ｂ、前壁
１６ｃの下端部が下縁１７ａと同一面内、或はこ
れよりも若干上で切り離され、下向に開放されて
いる。以上の後カバーは各部全一体に合成樹脂で
成形される。以上の前後のカバー１４，１５はヘ
ツドチユーブ４を挾んで前後に重ね合せられて結
着され、後カバー１５の膨出部１５ｃ、延出部１
５ｄはフロア８に連続する如く接合される。

以上の開口部１７下縁１７ａ下方には本体１５
ａの下部１５ｅが適宜長さ下方に垂下され、この
下部１５ｅ前方とフレーム前部３ａ後面との間に
側面略三角形の空間が形成され、この部分にボト
ムピース１８を介装する。ボトムピース１８は両
側に斜めの底部１８ａを、両側に起立側壁１８ｂ
を中央部にフレーム前部３ａに倣う凹部１８ｃを
備えて合成樹脂で成形され、これを下部１５ｅと
フレーム前部３ａとの間に介装し、側壁１８ｂ、
底部１８ａに設けたフランジ部１８ｄ等で本体１
５ａ前面に接合し、これにより凹部１６の開放部
１６ｄを下から塞ぎ、凹部１６の底を開口部１７
の下端縁１７ａより下方に深く形成する。以上の
凹部１６の開口部１７は下端をヒンジとするリツ
ド１９を開閉自在に設け、キー２０の施解錠でリ
ツドを開閉し、凹部１６内に小物を出し入れし、
フロントグローブボツクスを構成し、図中２１は
フロントフオーク６に止着されるフロントフエン
ダである。

以上で明らかな如く本考案によれば、フロント
カバー背部にグローブボツクスを設ける場合にお
いて、リツドで開閉しつつこれの下端縁より下方
に凹部の底を設けることができ、従つてボツクス
の高さ方向のスペースが拡大し、トータルとして
ボツクスを限られた設置スペースの中で大きくと
ることができるとともに、収納された小物、収納
する小物はリツド開口下端縁よりも深い底で保持
され、リツド開閉時の小物のボツクスからの飛び
出しを防止することができ、小物の収納保持を確
実になし得る他、凹部成形も下端を開放するため
成形し易く、底部を設けた場合の型抜き等の考慮
を不要とし、成形も容易化する等多大の利点を有
する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は自動二輪車の側面図、第２図はフロントカバー
部の拡大縦断側面図、第３図は第２図３−３線断
面図、第４図は部品の分解半截斜視図である。 尚図面中１３はフロントカバー、１６は凹部、
１７は開口部、１８は底部材、１９はリツドであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前部の操向輪の操向部を支持するヘツドチユー
   ブを囲む如くフロントカバーを設け、該フロント
   カバーの背部にはヘツドチユーブ方向に凹出し、
   下端を開放した背面に開口する凹部を形成し、該
   凹部の開口部をリツドで開閉自在に閉塞するとと
   もに、凹部の下端開放部を開口部下端よりも低位
   にある別設した底部材で閉塞して該開口部下端よ
   りも深い底部を形成したことを特徴とする自動二
   輪車等のフロントグローブボツクス装置。