JPS6143420Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、縫製用栽断生地片等のワークを所定
位置に順次自動積層させるための新しい装置の提
供に関する。

既知のように各種衣料品の縫製に当つては、必
要な各パーツに裁断された生地片を、受持作業者
もしくは自動ミシン側に分配供給して、夫々の縫
製が開始される。このさい縫製ミシンにおける高
速化に対応するため、栽断生地片を予じめ大量に
まとめて準備して置く必要があり、このため栽断
生地片を順次積層する自動化装置も各種型式のも
のが夫々開発されている。

本考案はこの種の自動積層装置として、特に同
一形態で移送されてくる栽断生地片（ワーク）
を、、表裏逆にかつ２枚を１組として、順次積層
できるようにして事後の取扱いの便を企図したも
のであり、従つてその特徴とする処は、ワークを
吊り下げ状に挾持移送する供給コンベアと、該コ
ンベアの下方に直交状に配置されかつワークを担
持して移送または積層するための受取コンベア
と、両コンベアの中間に介設されかつ供給コンベ
ア上のワークを受取コンベア上に左右振り分け状
に移送するための揺動自在な振り分けフラツプと
から成る点にある。

以下図示の実施例について本考案を詳述する
と、第１図以下第４図に示した実施例において、
機枠１上に図示省略してあるが適宜の支持架溝を
介してワークの供給コンベア２が設けられる。同
コンベア２は第１，４図に示すように、一対の循
環回走自在なエンドレスベルト３，３からなると
共に、両ベルト３，３の相接合するキヤリア面が
ワーク４の一側を挾持し、かつワーク４の他の部
分が吊下されるように、そのキヤリア面が垂直で
且つ互いに平行とされたものであり、５，５は
夫々のベルト３，２における回動ローラを示して
いる。この供給コンベア２の下方には機枠１上に
コンベア２と直交状にワーク４の受取コンベア６
が回動ローラ７，７を介して循環回走自在に設け
られ、一方の回動ローラ７側には駆動手段として
のモータ８及びプーリ、ベルト等による伝動装置
９が付設される。受取コンベア６のキヤリア面に
おける長さ方向の略中央位置の上方と前記した供
給コンベア２のキヤリア面の下方との中間には、
機枠１に正逆回動自在に軸架した揺動軸１０に支
持された振り分けフラツプ１１が、受取コンベア
６の長さ方向の左右両側に回動自在に配置され
る。同フラツプ１１は供給コンベア２における一
対のエンドレスベルト３，３によつて挾持されて
いるワーク４を、同ベルト３，３から剥ぎ取つて
これを受取コンベア６上に移送するためのもので
あり、このため同フラツプ１１のプレート面には
透孔１２を穿設すると共に、一方向に立毛された
毛羽１３等の、ワーク４の生地面に係合して、吊
下しているワーク４を供給コンベア２のベルト
３，３より剥ぎ取り状に離脱させる係止面を設け
るのであり、ベルト３，３における挾持力よりも
強い剥ぎ取り力をフラツプ１１に具備させるので
あり、毛羽１３以外の係止構造でも同効である。
前記受取コンベア６の移送端と対応して機枠１外
にワーク４のスタツクボツクス１４が、例えばス
クリユ軸１５、同軸１５に昇降自在に支持される
昇降装置１６等を介して昇降自在に設置されると
共に、コンベア６の移送端側の両側には反転フラ
ツプ１７が、コンベア６の両側において起伏自在
に設けられる。この反転フラツプ１７はコンベア
６の移送端に到達したワーク４をスタツクボツク
ス１４内に収容するためのものであつて、図例で
は機枠１を利用して正逆回動自在に軸架した揺動
軸１８に支持されたブラケツト１９よりコンベア
６の両側に沿つて可回動に突設した一対の回動軸
２０，２０に一対の反転フラツプ１７，１７が起
伏自在に設けられるのであり、同フラツプ１７，
１７の各一面にも、先に振り分けフラツプ１１で
述べたと同様の毛羽１３等の生地係止面が設けら
れる。更にこの反転フラツプ１７，１７設置側と
反対側の供給コンベア６の左右両側には固定のガ
ードプレート２１，２１が設けられると共に、同
ガードプレート２１，２１の反転フラツプ１７，
１７に対向する前端には、コンベア６の左右両側
に反転フラツプ１７，１７が垂直状態に垂下伏倒
している時、毛羽１３を有する一面をカバーする
反転フラツプカバー２２，２２が、支点軸２３、
駆動シリンダ２４等の駆動手段を介して起伏回動
自在に付設されるのであり、これらの位置関係は
第１，４図に示す通りである。第２図は前記した
振り分けフラツプ１１の作動状態を示し、第３図
は本考案において対象とするワーク４の１例を示
したものであり、同ワーク４はその一側にラツパ
生地縫着縁４を持つもので、本考案では同一形状
の同ワーク４を、後述するようにイ，ロで示した
２枚のワーク４ａ，４ｂを１ペアとして、同図ハ
に示すように表裏反転状態で重合し、これを１ペ
ア宛順次積層収容するものである。

第１図乃至第４図に亘つて例示した本考案装置
によれば、第３図に例示したワーク４を、以下の
ようにしてワーク４ａ，４ｂを１ペアとして、順
次自動的に積層することができる。即ち第５図
により第５図はその作動状態を示したものであ
つて、第２図に示すようにワーク４がそのラツパ
生地縫着縁４′側の一側を供給コンベア２におけ
る一対のエンドレスベルト３，３のキヤリア面間
に挾持されて移動し、第４図のように振り分けフ
ラツプ１１が若干傾斜状に起立した状態の位置ま
で来れば、これを光電管等の検知部材２５によつ
て検出すると共に、振り分けフラツプ１１は第５
図図に示すように揺動軸１０の回動を介し、同
図向つて右側位置よりワーク４ａの一面にその毛
羽１３による係止を介し、同ワーク４ａをベルト
３，３より剥ぎ取り状に離脱させ、かつこれを受
取コンベア６の同図向つて左側のキヤリア面（ス
タツクボツクス１４と反対側）上に、第２図示の
ように移動担持させることになる。こうしてワー
ク４ａを受取コンベア６の一側（第５図図向つ
て左側）に移乗させた振り分けフラツプ１１は第
５図のように起立して、供給コンベア２のエン
ドレスベルト３，３を越えない手前で停止し、こ
の間供給コンベア６は同図のように向つて右側に
回走して、ワーク４ａは反転フラツプ１７，１７
位置まで送られ、ここで同じく検知部材による位
置検出と共にコンベア６は停止する。これと共に
供給コンベア２のエンドレスベルト３，３によつ
て送られてくる次のワーク４ｂが、起立した振り
分けフラツプ１１の位置にくると共に、振り分け
フラツプ１１は揺動軸１０の逆転を介し、今度は
第５図から第５図に亘つて示すように、この
ワーク４ｂを前図とは逆に図向つて左側から右側
に剥ぎ取り移送し、先に停止しているワーク４ａ
上に、ワーク４ａとは表裏反転した状態で移乗さ
せることになる。即ち第３図イ，ロで示した２枚
のワーク４ａ，４ｂが、同図ハに示すように表裏
反転して重合された１ペアの状態となるのであ
る。こうして２枚目のワーク４ｂを先行のワーク
４ａ上に移送した振り分けフラツプ１１は第５図
図で示すように再び起立して停止し、次のワー
ク４ａに備えると共に、ワーク４ａ，４ｂの順に
重合した受取コンベア６においては、その移送端
の両側に配置した一対の反転フラツプ１７，１７
が垂直の伏倒状態から回動軸２０，２０の回動に
よつて水平姿勢に起ち上がつてワーク４ａ，４ｂ
を支持し、かつ揺動軸１８の旋回によつて第５図
図に示すように１ペアのワーク４ａ，４ｂを反
転してワーク４ａが上位となつた姿勢のもとにス
タツクボツクス１４内に収容するのであり、以下
第５図図より第５図図に亘る一連の運動を反
復することによつて、供給コンベア２を介して連
続的に送られてくる同一形状のワーク４を、４
ａ，４ｂの２枚毎に１ペアとして、逐次スタツク
ボツクス１４内に積層収納することとなる。この
さいボツクス１４はその積層に応じて逐次下降
し、常に反転フラツプ１７，１７によるワーク４
ａ，４ｂの受取位置を同高に保つのである。尚、
本考案においてはかかる１ペア毎のワーク４ａ，
４ｂの積層収容は図例の反転フラツプ１７スタツ
クボツクス１４のみによることなく、自由に設定
できるものである。上記作業において、受取コン
ベア６の左右両側（長手方向に亘る両側辺）外に
ワーク４の両側端がはみ出す場合があるが、この
さい先に述べたガードプレート２１，２１がこの
はみ出した部分を安全に受け止めるのであり、両
プレート２１，２１外に余端が突出してもこれは
プレート２１，２１外面に沿つて垂下するので、
ワーク４の円滑な移送に支障を生じない。また反
転フラツプカバー２２，２２も、反転フラツプ１
７，１７が垂直に伏倒している時は、起立してそ
の毛羽１３を有する一面をカバーしてワーク４の
円滑な移動と無用な係止を防ぐのである。従つて
フラツプ１７，１７を起立させてワーク４ａ，４
ｂを搬出する時には、このカバー２２，２２は予
じめ伏倒させることになる。またガードプレート
２１，２１は固定でなく、コンベア６の両側にお
いて進退自在とし、ワーク４の長さに応じてワー
ク両側端を安全に支承垂下させるようにしてもよ
い。

以上の第１図乃至第５図に亘つて示した実施例
では、受取コンベア６上のワーク４をスタツクボ
ツクス１４内に収容するものを示したが、これは
第６，７図に示した実施例のように、受取コンベ
ア６そのものを積層収容場所として用いることも
可能である。即ち第６図に示すように受取コンベ
ア６を適当な支持架溝と昇降装置２６によつて、
振り分けフラツプ１１に対して水平昇降自在と
し、かつコンベア６を正逆循環回走自在のものと
するのであり、これによつて第７図図に示すよ
うに、供給コンベア２及び振り分けフラツプ１１
を介し、ワーク４ａを停止しているコンベア６の
同図向つて左側のキヤリア面上に移乗させ、しか
る後、コンベア６を矢印のように右方向へ回動さ
せて、第７図図に示すようにワーク４ａを図向
つて右方に定位置停止させて後、このワーク４ａ
上に前記フラツプ１１の逆方向回動によつて次の
ワーク４ｂを反転重合させ、次いでワーク４ａ，
４ｂの順に積層されたコンベア６を矢印のように
左方向へ回動させ、ワーク４ａ，４ｂを図向つて
左側に移動させた後、振り分けフラツプ１１の逆
回動によつて、次のワーク４ａを、積層されたワ
ーク４ａ，４ｂの上に新しく積層させる動作を反
復させることによつて、第６図示のように受取コ
ンベア６の一側上に順次２枚１ペアのワーク４を
積層収納できるのである。このさい受取コンベア
６は検知部材２７による位置検出を介してワーク
４の受取積層毎に逐次下降させ、振り分けフラツ
プ１１によるワーク４の放出位置が一定であるよ
うにすればよい。これによれば先に述べた反転フ
ラツプ１７スタツクボツクス１４等は用いなくて
も済むことになる。このさいモータ伝動装置９側
においては正逆回動自在であると共にコンベア６
の昇降にかかわらず、その正逆連動回転が可能で
あるようにする。

本考案装置によれば、ワーク４の一側を挾持し
て吊下状に移送するワーク供給コンベア２と、ワ
ーク４を一方向または両方向に移送する受取コン
ベア６と、両コンベア２，６の中間に介在してコ
ンベア２側のワーク４を、コンベア６上に左右振
り分け状に移送する振り分けフラツプ１１の組合
せにより、供給コンベア２によつて連続的に供給
されてくる多数のワーク４を、２枚１ペアのよう
に規則的に重合しつつ、これを順次積層できる点
においてきわめて有利である。即ち各種衣料品等
の栽断パーツにおいては、例えばブリーフにおけ
る前立襠片のように左右同形の２枚生地を重ねて
縫製するような作業が多いのであり、本考案によ
ればこれを２枚１ペアとして表裏の２枚組にまと
めて積層できるので、１ロツトとして所定枚数組
を積層して縫製工程に回す場合、常に２枚１ペア
であるため、取扱い手順が容易であり、その場に
おいて２枚の生地片の向きを変えて重ねる等の手
間がなくなるのである。又そうでなく共、図例の
ように一部縫製その他でワーク４の一側に分厚い
部分がある時、これを同側として次々に積層して
ゆけば、安定な積層は得られないが、本考案のよ
うに例えばワーク４の一側にラツパ生地縫着縁
４′のように分厚い部分がある時、１枚毎にその
向きが変つてゆくので、安定した積層姿勢が得ら
れ、事後の取扱いがきわめて利便であり、更に揺
動軸１０に支持された振り分けフラツプ１１は、
その正逆回動を簡単に正回転のみ、逆回転のみに
制御することも可能であり、これによつてワーク
４のコンベア２，６間におけるワーク４の受け渡
し作業もより広汎に変化させることもでき、いわ
ばマルチプルなワーク積層用として利用できるの
であり、従来の積層装置に比し優れたものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の全体斜面図、第２図は
同振り分けフラツプの詳細斜面図、第３図は同ワ
ーク１例の説明図、第４図は同実施例の側面図、
第５図は同実施例の作動説明図、第６図は本考案
別実施例の要部側面図、第７図は同実施例の作動
説明図である。 ２……ワーク供給コンベア、３，３……エンド
レスベルト、６……ワーク受取コンベア、１０…
…揺動軸、１１……振り分けフラツプ、４……ワ
ーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワークを吊り下げ状に挟持移送する供給コンベ
   アと、該コンベアの下方に直交状に配置されかつ
   ワークを担持して移送または積層するための受取
   コンベアと、両コンベアの中間に介設されかつ供
   給コンベア上のワークを受取コンベア上に左右振
   り分け状に移送するための揺動自在な振り分けフ
   ラツプとから成ることを特徴とするワーク積層装
   置。