JPS6142681B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、放射性廃棄物を保管しておくための
格納庫として利用し得る格納設備に関するもので
ある。

一定経路上を移動する親台車と、この親台車上
の案内レールと複数列並設された各子台車案内レ
ールとの間で乗り移り可能な搬送用子台車とを備
えた格納設備においては、故障等によつて子台車
案内レール上で立往生した前記子台車を親台車上
に引き込むための救助台車が使用される。この救
助台車は一般にバツテリー駆動のものであるが、
この救助台車が子台車案内レール上へ乗り移つた
後に駆動系の故障等で立往生した場合には、作業
者がその現場へ行く以外に救助方法がなかつた。
前記のような放射性廃棄物保管格納庫において
は、作業者が事故現場に立ち入る事は多大の危険
を伴う。

本発明は、上記のような不都合を生ぜしめる事
なく救助台車を確実に機能させ得るような子台車
救助装置を備えた格納設備を提供するものであ
る。

以下添付の例示図に基づいて本発明の一実施例
を説明する。第１図において１は放射線遮蔽壁で
囲まれた格納室であり、放射性廃棄物を充填した
ドラム缶２を支持するドラム缶支持台兼用の左右
一対から成る子台車案内レール３が多数並設され
ている。４は格納室１の一端において子台車案内
レール３に対して直角に配設された親台車走行経
路であり、開口部５を経て格納室１に隣接する荷
捌き場６内にのびている。７は親台車であり、左
右一対の案内レール８に支持されて移動する。第
２図に示すようにこの荷捌き場６には、子台車９
及び救助台車１０をそれらに搭載のバツテリーに
充電し且つ待機させるための左右一対の引き込み
用案内レール１１と、前記ドラム缶２を上方から
把持して他の断層との間で昇降搬送するバーチカ
ル搬送装置１２と、このバーチカル搬送装置１２
との間でドラム缶２を受け渡しするための左右一
対のドラム缶支持台兼用子台車案内レール１３を
備えた横行台車１４とが設けられている。１５は
横行台車１４を案内する左右一対の案内レール、
１６は横行台車１４を往復移動させるシリンダー
ユニツト、１７はバーチカル搬送装置１２の昇降
台車、１８はその昇降台車を案内するポスト、１
９は昇降台車１７に設けられたドラム缶把持手段
である。

親台車７は、第２図乃至第５図に示すように走
行駆動手段２０によつて駆動される駆動車輪２１
を備え、該走行駆動手段２０は、天井レール２２
に吊下げられているケーブル支持トロリー２３に
よつて支持された給電及び制御用ケーブル２４に
より地上側から給電され且つ制御される。２５は
親台車上に設けられた左右一対の子台車支持案内
レールであり、親台車７の移動により、格納室１
内の子台車案内レール３及び荷捌き場６内の引き
込み用案内レール１１と横行台車１４上の子台車
案内レール１３に対し、択一的に接続可能なもの
である。尚、子台車を案内する全ての案内レール
３，１１，１３及び２５には、その中央下側位置
において子台車の振止めガイドレール３ａ，１１
ａ，１３ａ及び２５ａが並設されている。２６は
親台車７上の子台車押出手段であり、子台車振止
めガイドレール２５ａを挾んでこのガイドレール
２５ａにそつて往復移動する一対のアンチバツク
プツシヤー２７を有する。このプツシヤー２７は
案内レール２８に支持された台車２９上に軸支さ
れ、該台車２９はモーター３０により正逆任意の
方向に回動せしめられる駆動チエン３１に連結さ
れている。尚、このプツシヤー２７は、第４図に
示す待機位置にあるときには固定部材により起立
台勢力に抗して頭下げ状態となるよう構成されて
いる。３２は格納室１内での子台車作業監視用テ
レビカメラであつて、親台車７の上部に付設され
ている。

子台車９は、第６図乃至第８図に示すように搭
載バツテリー３３から給電され且つ遠隔制御され
るモーター３４によつて駆動される駆動車輪３５
と振止めローラー３６とを備え、駆動車輪３５は
案内レール３，１１，１３及び２５に嵌合し、振
止めローラー３６は振止めガイドレール３ａ，１
１ａ，１３ａ及び２５ａを両側から挾む。３７は
子台車９に設けられた昇降荷台であり、左右一対
の案内レール３等の中間位置でこの案内レール３
等の上面より高い位置と低い位置との間で昇降す
るものであつて、昇降ガイドレール３８に案内さ
れ且つ前記バツテリー３３から給電されるモータ
ー３９により昇降駆動される昇降部材４０の下端
に連設されている。４１は昇降部材４０から連設
されたドラム缶振止めガイドであり、４２は子台
車９の後端に設けた救助台車自動連結具である。

救助台車１０は、第９図に示すように搭載バツ
テリー４３から給電されるモーター６２によつて
前進方向にのみ駆動される駆動車輪４４と振止め
ローラー４５、及び子台車後端の自動連結具４２
に係合する連結具４６を備えており、駆動車輪４
４は案内レール３，１１及び２５に嵌合し、振止
めローラー４５は振止めガイドレール３ａ，１１
ａ及び２５ａを両側から挾む。この救助台車１０
の後進移動は、牽引索４７によつて行なわれる。
牽引索４７は着脱自在連結金具４８を介して救助
台車１０の後端に結合され、第２図に示すように
親台車７上の案内レール２５の後端位置近傍に軸
支した案内輪４９と親台車走行経路４の一端に軸
支した案内輪５０とを経由して荷捌き場６に設け
た手動ウインチ５１に連繋されている。

第１図乃至第３図に示すように親台車走行経路
４には、床面上において無端チエン５２が掛張さ
れ、このチエン５２の駆動輪５３と荷捌き場６に
設けた手動駆動手段５４とがチエン５５及び軸５
６を介して連動連結されている。第４図及び第５
図に示すように前記チエン５２は、親台車走行経
路４にそつて走行可能に案内レール５７に支持さ
れた親台車プツシヤー５８に連結され、このプツ
シヤー５８を駆動するものである。該プツシヤー
５８は、親台車７に設けた前後方向一定範囲揺動
自在な被動レバー５９を後押しして親台車７を荷
捌き場６側へ移動させるものであり、被動レバー
５９はプツシヤー５８に押圧されて制御位置まで
揺動する事により走行駆動手段２０に介装したク
ラツチを切り、駆動車輪２１を逆転可能にするも
のである（走行駆動手段２０中のモーターはブレ
ーキ付きモーターである）。

次に使用方法及び作用について説明する。第２
図に示すように引き込み用案内レール１１に引き
込んだ状態で搭載バツテリーを充電した子台車９
は、親台車７を案内レール１１に案内レール２５
が接続する位置に移動させた状態でこの親台車７
上の案内レール１１へ乗り移らせる。次に親台車
７を第２図実線で示すホームポジシヨン、即ち案
内レール２５と横行台車１４上の案内レール１３
とが接続し得る位置に移動させる。一方、バーチ
カル搬送装置１２で横行台車１４よりも高い位置
までドラム缶２を吊り上げたならば、そのドラム
缶２の下側位置まで横行台車１４を移動させ（第
２図実線の状態）、次に昇降台車１７を下降させ
てドラム缶２を横行台車１４上の案内レール１３
上へ移載させ、そしてドラム缶把持手段１９を開
放して昇降台車１７を邪魔にならない高さまで上
昇させる。次に横行台車１４を第２図仮想線で示
すように、待機中の親台車７上の案内レール２５
と横行台車１４上の案内レール１３とが接続する
位置まで移動させる。このあと親台車７上の子台
車９を、その昇降荷台３７が案内レール２５，１
３の上面よりも低い下降限位置まで下降させてあ
る状態で前進移動させ、ドラム缶２の下側所定位
置まで昇降荷台３７が進入した状態を、第６図に
示すドラム缶検出片６０等により検出して子台車
９を停止させる。次に昇降荷台３７を上昇限位置
まで上昇させて案内レール１３上のドラム缶２を
昇降荷台３７で持ち上げ、そのままの状態で子台
車９を後進させて再び親台車７上の案内レール２
５へ乗り移らせる。

このあと親台車７を走行経路４にそつて走行さ
せ、格納室１内の任意の位置にある子台車案内レ
ール３に案内レール２５が接続する位置で停止さ
せる。次に子台車９を前進させて案内レール３に
乗り移らせ、第６図に示すようにその案内レール
３上で支持されているドラム缶列の最後尾のドラ
ム缶２ａをドラム缶検出片６１で検出する等して
所定位置で子台車９を停止させる。そして昇降荷
台３７を下降限位置まで下降させる事により、昇
降荷台３７上のドラム缶２を案内レール３上へ移
載させる事ができる。

以上のような搬入作業中において、今仮に子台
車９が第４図に示すように格納室１内の案内レー
ル３上で故障により立往生したとすれば、親台車
７を荷捌き場６まで戻し、その案内レール２５が
引き込み用案内レール１１に接続する位置で停止
させる。次に牽引索４７を案内輪５０，４９に掛
け渡した後、連結金具４８により救助台車１０の
後端に連結する。そして手動ウインチ５１をハン
ドル５１ａで操作して牽引索４７を巻き取り、引
き込み用案内レール１１上の救助台車１０を親台
車７上の案内レール２５へ牽引索４７により引き
込んで乗り移らせる。この作業は、救助台車１０
を手で直接後押しして行なつても良い。この場合
は、牽引索４７と救助台車１０との連結作業を救
助台車１０が親台車７に乗り移つた後に行なつて
も良い。

次に手動ウインチ５１を牽引索引き出し自由の
状態とした後、親台車７を元の搬入作業場所まで
移動させ、このあと救助台車１０を前進させて子
台車案内レール３へ乗り移らせ、さらに前進させ
て立往生している子台車９の自動連結具４２に連
結具４６６を第９図仮想線で示すように自動的に
連結させ、救助台車１０を停止させる。このあと
手動ウインチ５１にて牽引索４７を巻き取り、こ
の牽引索４７で救助台車１０と子台車９とを親台
車７の案内レール２５上へ第４図に示すように引
き込む。引き込み完了後、牽引索４７の巻き取り
作業を継続し乍ら親台車７を荷捌き場６まで戻
し、子台車９の修理作業を行なう。

又、前記搬入作業中において、子台車９が親台
車上案内レール２５から格納室内案内レール３上
へ乗り移る途中で故障し立往生した場合には、第
１０図中仮想線で示すように駆動チエン３１を回
動させて台車２９を前進させ、アンチバツクプツ
シヤー２７により子台車９を案内レール３に完全
に乗り移るまで後押しする。このあと駆動チエン
３１を逆転させてプツシヤー２７を元の待機位置
まで戻した後、先に述べた救助台車１０による子
台車引き取り作業を行なえば良い。

親台車７が格納室１内の走行経路途中で故障に
より立往生した場合には、手動駆動手段５４をハ
ンドル５４ａにより回転させて無端チエン５２を
回動させ、以つて親台車プツシヤー５８を走行経
路４の終端から荷捌き場６に向けて前進移動させ
る。この結果該プツシヤー５８は、第５図に示す
ように立往生している親台車７の被動レバー５９
を付勢力に抗して押圧揺動させてクラツチを切
り、駆動車輪２１を逆転可能とした後、その被動
レバー５９を介して親台車７を荷捌き場６へ押圧
移動させる事になる。

本発明は以上のように実施し得るものであり、
かかる本発明の構成によれば、格納室内の子台車
案内レール上で故障により立往生した子台車を親
台車上に引き取るための救助台車の後進移動を、
ウインチで遠隔操作させる牽引索でその救助台車
を引張つて行なわせるようにしたので、救助台車
の前進後進の何れもをバツテリー駆動で行なうよ
うにした従来の構成に比べて、駆動系の故障で救
助台車が子台車案内レール上で立往生するような
事態が生じる恐れは全く解消し、常に確実な救助
作業を行なわせ得る。しかも救助台車には、無負
荷で子台車までで前進させ得るだけの小馬力の前
進駆動手段を設けるだけで良いので、子台車を牽
引して後進するための機能をも必要とする従来の
駆動手段に比べてコンパクト且つ安価に構成し得
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は格納設備全体の概略横断平面図、第２
図は荷捌き場の詳細を示す平面図、第３図は荷捌
き場における親台車を示す正面図、第４図は親台
車とこれより子台車案内レール上へ乗り移つた子
台車とを示す側面図、第５図は子台車を搭載した
親台車とこの親台車救助手段とを示す正面図、第
６図は子台車の詳細を示す側面図、第７図は子台
車とその案内レールを示す正面図、第８図は子台
車の平面図、第９図は救助台車の側面図、第１０
図は親台車からの子台車押出手段の作用を説明す
る側面図である。 １……格納室、２……放射性廃棄物充填ドラム
缶、３，１３……ドラム缶支持台兼用の子台車案
内レール、６……荷捌き場、７……親台車、９…
…子台車、１０……救助台車、１１……充電及び
待機のための引き込み用案内レール、１２……バ
ーチカル搬送装置、１４……横行台車、２５……
子台車支持案内レール、２６……子台車押出手
段、２７……アンチバツクプツシヤー、３３，４
３……バツテリー、３７……昇降荷台、４２……
救助台車自動連結具、４６……連結具、４７……
牽引索、４８……着脱自在連結金具、４９，５０
……牽引索案内輪、５１……手動ウインチ、５２
……無端チエン、５４……手動駆動手段、５８…
…親台車プツシヤー、５９……被動レバー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一定経路上を移動する親台車と、この親台車
   上の案内レールと複数列並設された各子台車案内
   レールとの間で乗り移り可能な搬送用子台車とを
   備えた格納設備において、前記子台車の後端に連
   結して該子台車を子台車案内レール上から親台車
   上の案内レール上へ引き込むための救助台車を設
   け、この救助台車には親台車上から子台車案内レ
   ール上への前進移動を行なわせる駆動手段を設
   け、親台車移動経路一端近傍に設けたウインチに
   よつて操作される牽引索を、親台車上案内レール
   の後端部に設けた案内輪を経由して前記救助台車
   に連結せしめ、前記救助台車の後進移動を前記ウ
   インチと牽引車とにより行なわせるようにした搬
   送用子台車救助装置付き格納設備。