JPS6141947Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は主として内燃機関用排気ガスの清浄
器により捕集された捕集物の焼却装置に関するも
のである。

従来、内燃機関用排気ガスの清浄装置、特に筒
状の清浄筒内を多数の小孔（しぼり孔）を穿設し
たしぼり板と、固体粒子付着用の捕集材を内挿し
た捕集室とで仕切つて、ここに高温排ガスを流通
せしめて、ガスのポリトロープ変化等による冷却
や固体粒子の成長及び付着（又は過）作用を利
用して排気ガスの浄化を行う装置がある（例えば
特公昭40−9643号、同41−5483号他）。

そして上記のような原理を利用しながら、ガス
中の固体粒子を予め燃焼させるものや、さらにそ
の燃焼に際して有害なCo等の発生を防止するた
め触媒を用いるもの等が知られている（実公昭51
−28490号、同52−31859号参照）。

しかし、清浄器の前や内部で高速度で流通する
ガス中の煤等の粒子を燃焼させるのは燃焼効率が
低いために効果が少く、また清浄器後端でバツク
フイルターで捕集する（例えば特開昭54−65214
号）場合も、フイルターを通過するガスの中に未
成長の微粒子が含まれているという問題があつ
た。

この考案はこれらの問題点を解消する排気ガス
捕集物の焼却装置を提供せんとするもので、特に
清浄器外に取出された煤を主体とした固体捕集物
を燃焼せしめる燃焼室内に、燃焼のための酸化を
助長し、その燃焼温度の高め且つ蓄熱作用を有す
る触媒を収容したものを提供するものである。

第１図は本考案の装置の概要を示す断面図で、
前述のエンジンＥからの排気管７に接続された排
気ガス清浄装置１の各捕集室２の後方の空間３に
は、粒子に成長した捕集物を取出す取出管４が接
続され、各取出管４は取出本管５に合流し、ブロ
ワ６を介して次の焼却筒８に連通している。ブロ
ワ６の前には燃焼の効果をあげるための新鮮なエ
アを供給するエア供給管９が付設され、バルブ１
０で開閉操作できる構造となつている。

焼却筒８はガス流入側を密閉した筒状をなし、
その内部は燃焼室１１を形成するとともに、そこ
には排ガス処理に一般的に使用される例えばマン
ガン等のように捕集物の酸化を助けて高温燃焼さ
せ且つその熱を蓄熱する作用を有する触媒を含む
粒子状又はウール状内挿材２０が通気が自由な状
態で挿入されている。上記焼却筒８のガス排出側
には点火室１７が付設され、ここには例えば帯状
材を、渦巻状に形成してなるヒーター１２が収容
され、燃焼室１１内の捕集物の点火及び加熱を行
う構造となつている。

焼却筒８の後方端部は燃焼残滓及び排ガスを運
ぶ排出管１３を介して残滓分離器１４に接続さ
れ、該残滓分離器１４は上下方向の筒状をなし、
上部周壁にはフイルター１５を設けてガスを過
して大気中に放出する排気口１６が付設され、こ
こでガスと分離された残滓は分離器１４の底部に
貯溜される。

上記のように構成される装置において、エンジ
ン作動中はブロワ６及びヒーター１２は常時作動
せしめられるが、燃焼室１１内の燃焼温度が一定
以上になると燃焼室１１に付設した温度センサー
（図示しない）によつてこれを感知し、ヒーター
１２の電源をOFFにする構成となつている。

本考案の装置は以上の如く構成される結果、清
浄装置１内より強力に吸引されて燃焼室１１内へ
導入された捕集物はヒーター１２によつて点火、
燃焼せしめられるが、この捕集物及び排ガスの燃
焼に際しては触媒の作用により有害な窒素酸化物
の発生が防止されるとともに、酸化促進によつて
燃焼温度は高まり且つその高温が触媒の蓄熱作用
によつてそのまゝ残されるために次の燃焼効率を
一層高めることになる。

ちなみに燃焼室１１へ入つて来るガスや捕集物
の温度は清浄装置によつて100℃前後に下げられ
ているが、燃焼室１１内の温度は500℃以上にあ
る。そしてこの温度が一定以上になるとセンサー
（図示しない）によりヒーター１２の電源はOFF
となり、燃焼室１１自体の自熱で次の燃焼を行わ
しめる。

第１図中に想像線で示されるように、この考案
においては、常に排ガスによつて高温状態（600
℃〜700℃）にあるエンジンＥに近接した位置の
排気管７のまわりに焼却筒８を外装する構造にし
て設けることもでき、この場合はエンジンの排気
熱自体が、捕集物の燃焼に役立つこととなり、ヒ
ーター１２による使用エネルギーが著しく低減さ
れる。１８は清浄装置１の前の排気管７を冷却し
て該装置１の働きを良好にする冷却装置である。

第２図は清浄装置１の内部構造の他の例を示す
拡大断面図で、捕集室２内に前端が閉塞されて後
端が空間３内に開口し、その周面に多数の小孔が
設けられた多孔管１９が挿入されたものである。
この構造ではブロワ６をONにすると捕集室２内
に付着している固体捕集物が、多孔管１９の各小
孔から吸引されるので、捕集物の取出効果が良く
なるという特徴がある。

以上のように構成される本考案の装置によれ
ば、排気ガス中の固体捕集物が無害化されながら
高い効率で焼却されるので捕集物の保管スペース
も少くてすむほか、捕集後の処理も極めて簡単に
なるという利点がある。特に燃焼室内の内挿材と
して触媒を含ませてあるので酸化（燃焼）が促進
され蓄熱効果も優れている。また残滓分離器に残
される固体はその体積が燃焼前の1/6〜1/10程度
に減少する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の説明用断面図、第２図は
排ガス清浄装置の他の構造例を示す拡大断面図で
ある。 １：清浄装置、２：捕集室、３：空間、４：取
出管、５：取出本管、６：ブロワ、７：排気管、
８：焼却筒、９：エア供給管、１０：バルブ、１
１：燃焼室、１２：ヒーター、１３：排出管、１
４：残滓分離器、１５：フイルター、１６：排気
口、１７：点火室、１８：冷却器、１９：多孔
管、２０：内挿材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 排気ガス清浄装置１内で捕集された固体捕集物
   を取出す取出管４にブロワ６と捕集物を焼却する
   焼却筒８とを設け、該焼却筒８の後方には焼却残
   滓の分離室１４を設けるとともに、上記焼却筒８
   内の上部には捕集物の燃焼を助長し蓄熱作用を有
   する触煤を含む内挿材２０を収容する燃焼室１１
   を形成し、その下部には捕集物への点火及び加熱
   を行うヒーター１２を設けてなる排気ガス捕集物
   の焼却装置。