JPS6141144Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテープが弛むことなくリール台にブレ
ーキをかけることができるようにしたテープレコ
ーダの制動装置に関する。

テープレコーダにおいて、録音、再生の終了
時、あるいは巻戻し、早送りの操作を解除した
時、リール台に制動を加える必要がある。ところ
で前記リール台に制動を加えるとき、テープが弛
むことがないようにするためには、先ず供給リー
ル台に制動をかけ、その後巻取りリール台に制動
をかけることが必要である。ところでマイクロカ
セツト型テープレコーダの如くリール台が小さい
ものでも大きな制動力を得るようにするため、停
止させるときでも、フライホイールからの駆動力
を巻取りリール台に伝達させる伝達機構を動作状
態にしたままで経の大きいフライホイールの周囲
にブレーキシユーを圧接することによつて得られ
る制動力を前記巻取りリール台に伝え、該巻取り
リール台を急速に停止させることが考えられる。

本考案はそこで上記フライホイールに加えられ
る制動力によつて巻取りリール台を急速に停止さ
せる前に、供給リール台に制動を加え、該供給リ
ール台を停止させることにより、テープが弛むこ
とがないようにしたテープレコーダの制動装置を
提供するもので、以下本考案を図面に従つて説明
をする。

１はモータ（図示せず）によつて走行されるフ
ライホイールで、キヤプスタンとなる回転軸３に
は駆動歯車４が設けられている。５は再生又は録
音用の巻取り駆動系統を構成する第１伝動歯車、
６，７は巻戻し駆動系統を構成する第２、第３伝
動歯車で、前記駆動歯車４、第１伝動歯車５は巻
戻し時以外、停止時においても噛合わされ、第
２、第３伝動歯車６，７は巻戻し時のみ噛合わさ
れる。８，９は巻取りリール台及び供給リール台
で、巻取りリール台８には第１伝動歯車５に噛合
う第１回転歯車１０が取付けられ、又供給リール
台９には第３伝動歯車７に噛合う第２回転歯車１
１が設けられている。１３は停止釦１４を有する
停止操作レバーで、ピン１５，１６が嵌合する長
孔１７，１８及び係合突片１９を有する。２０は
長孔２１に嵌合する前記ピン１６を中心として回
動される第１制動板で、スライドベース２２又は
巻戻し、及び早送り操作レバー（図示せず）にて
回動される回動部材２３に係止される脚片２４、
及びフライホイール１に圧接するブレーキシユー
２５をする。２６は軸２７に軸支された第２制動
板で、停止操作レバー１３の傾斜する腕部２８に
係合する突起２９及び供給リール台９の周囲に圧
着されるブレーキシユー３０とを有する。

次に本考案のテープレコーダの動作について説
明する。

初め停止状態においては、第１図に示す如くス
プリング３１の付勢力によつてブレーキシユー２
５はフライホイール１の周囲に圧接されるが、第
２制動板２６はその突起２９が腕部２８に係合さ
れることによつて動きが阻止され、ブレーキシユ
ー３０は供給リール台９より離れるように構成さ
れている。

今、例えば再生を行うため、再生釦（図示せ
ず）を押圧すると、スライドベース２２が右方向
へ移動し第１制動板２０を押圧する。すると第１
制動板２０は係合突片１９に邪魔されることなく
長孔２１がピン１６を中心として移動しながら回
動されるので、ブレーキシユー２５はフライホイ
ール１より離れる。これと同時に電源スイツチ
（図示せず）がオンされ、モータが回転される。
モータが回転することによつて生じた回転力はベ
ルト２を介してフライホイール１を回転させる。
するとこのとき駆動歯車４に噛合う第１伝動歯車
５、さらに第１回転歯車１０が回転し、巻取りリ
ール台８を回転させる。従つてキヤプスタンとピ
ンチローラとで定速駆動されたテープは巻取りリ
ール台８に巻取られ、再生を行う。

再生が終了し停止させるには停止釦１４を押圧
し、停止操作レバー１３を右方向に摺動させる。
すると第３図に示す如く先ず今まで係合していた
停止操作レバー１３の腕部２８と第２制動板２６
の突起２９とやフリーにされ、前記第２制動板２
６はスプリング３２によつて時計方向に回動さ
れ、ブレーキシユー３０を供給リール台９の周囲
に圧接し、該供給リール台９の回転を停止させ
る。次に今までロツクされていたスライドベース
２２は停止操作レバー１３の操作によつてそのロ
ツクが解除され元の位置に復帰するので、第１制
動板２０はスプリング３１にて時計方向に回動さ
れ、ブレーキシユー２５がフライホイール１の周
囲に圧接し、該フライホイール１を停止させる。
前記フライホイール１が停止すると、駆動歯車
４、第１伝動歯車５及び第１回転歯車１０は噛合
つたままであるので、巻取りリール台８も停止さ
れるが、巻取りリール台８は供給リール台９が停
止してから、多少経過して停止するので、テープ
や弛みなく停止する。

録音を行う場合も前述の場合と全く同様の動作
を行なう。

次に巻戻しを行うため、巻戻し釦を押圧すると
巻戻し操作レバーにて回動部材２３が時計方向に
回動されて、第１制動板２０を反時計方向に回動
させブレーキシユー２５をフライホイール１より
離す。又電源スイツチがオンされ、モータが回転
されフライホイール１を回転させるとともに、今
まで駆動歯車４に噛合つていた第１伝動歯車５が
解除され、それに代つて第２、第３伝動歯車６，
７が噛合されるので、今度は供給リール台９が回
転される。しかも径の小さい第２伝動歯車６を仲
介するので、高速で且つ前述の状態とは逆方向に
回転される。

斯る巻戻し状態から停止させるため停止釦を押
圧すると、前述と同様にして第２制動板２６がス
プリング３２にて時計方向に回動し、ブレーキシ
ユー３０を供給リール台の周面に圧接して停止さ
せる。この停止操作によつて回動部材２３が復帰
するので第１制動板２０は時計方向に回動復帰
し、ブレーキシユー２５がフライホイール１に圧
接する。従つて巻戻し操作レバーが復帰すると、
第２、第３伝動歯車６，７が離れ駆動歯車４と第
１伝動歯車５とが再び噛合い、フライホイール１
よりの回転力が巻取りリール台８に伝達される
が、モータの停止に伴いフライホイール１も直ぐ
に停止されので、テープに無理な力がかかること
がない。

本考案のテープレコーダの制動装置は上述した
如く、停止操作レバーが操作されると、第２制動
板が回動され供給リール台に制動が加えられ、然
る後第１制動板が回動され、フライホイールに加
えられる制動力がそのときにも動作状態にある伝
達機構を経て巻取りリール台に加えられ、巻取り
リール台を急速に停止させるようにしたので、小
さな力で大きな制動力が得られ、しかもテープを
弛ませるということがなく、実用上有益なもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図は全て本考案のテープレコーダの制動装置を
示す平面図で、第１図は停止状態、第２図は動作
状態、第３図は動作状態から停止状態にしたとき
の制動状態を夫々示す。 １……フライホイール、４……駆動歯車、５…
…第１伝動歯車、８……巻取りリール台、９……
供給リール台、２０……第１制動板、２５……ブ
レーキシユー、２６……第２制動板、３０……ブ
レーキシユー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モータにて駆動されるフライホイールと、停止
   されるときにも前記フライホイールと伝動歯車を
   介して連動される回転歯車を有する巻取りリール
   台と、テープを供給する供給リール台と、前記フ
   ライホイールに圧接されるブレーキシユーを有す
   る第１制動板と、供給リール台に圧接されるブレ
   ーキシユーを有する第２制動板とよりなり、停止
   時に前記第２制動板を移動させ供給リール台に対
   して制動を加えた後、第１制動板を移動させフラ
   イホイールに対し制動を加え、巻取りリール台を
   停止させるように構成したテープレコーダの制動
   装置。