JPS6141017Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、湯水混合水栓のストレーナに関する
ものであり、該湯水混合水栓の定常使用中は勿論
のこと、特にその保守点検時期においても、温水
温度の調節機能に決定的影響を及ぼす湯水比制御
部に決して異物が流入することのない措置を溝じ
た湯水混合水栓に関するものである。

サーモスタツト付湯水混合水栓の湯水比制御部
がカートリツジ式に構成され、その内部に感温
部、弁体その他多くの制御関連部材を内蔵したも
のは、構造が複雑かつ精密で、その作動は極度に
鋭敏である。従つて、湯水比制御部に異物が硫入
されるようなことがあると、湯水混合水栓から吐
出される温水の温度調節機能に致命的障害をもた
らす。従来、このようなトラブルの発生を予防す
る措置として、混合水栓本体内部の湯流入口及び
水流入口に近い部分にストレーナ部材を設ける
か、または湯流入口が給湯配管と接続される脚部
内並びに水流入口が給水配管と接続される脚部内
にストレーナ部材を設けるのが通常であつた。従
来は、これら通常のストレーナ部材がもたらす効
果により混合水栓の定常使用中に、湯水比制御部
へ異物が流入するのを防止することは可能であつ
たが、ストレーナ部材に補捉された異物の除去作
業時などのような保守点検時期における異物の流
入防止措置は殆んど溝じられていないのが現状で
あつた。ところが、本考案者の調査によれば、湯
水比制御部に異物が流入する危険度は、定常使用
中よりもむしろ保守点検時期の方が大であるとい
う知見を得た。その理由は、保守点検時期には給
湯配管や給水配管に振動外力が付加されるのや普
通であり、この振動によつて長期の使用中に配管
内壁に付着していた湯あかや水あか等が離脱して
異物となるからである。このようなストレーナ部
材の２次側に異物が流入した場合、特に構造複雑
な混合水栓の場合、例えばサーモスタツト付混合
水栓の場合は流入異物が制御部に引つ掛かり混合
水栓の温度制御機能を低下させたり制御部を傷つ
け温度制御機能を弱める等の不都合を生じる場合
が多かつた。第１図は従来公知のサーモスタツト
付混合水栓の部分正断面図であり混流入口１、水
流入口（図示せず）にはストレーナ付逆止弁２が
螺着されている。第２図は一般的なカードリツジ
式湯水比制御部の構造を説明するものであつて、
サーモスタツト付混合水栓の要部を断面視した側
面図である。同図において、カードリツジケース
３′内には、湯水比制御部が以下のような状態で
装備されている。カードリツジケース３′内に左
右動自在に収められた筒状の湯水混合室４の左端
開口５を通じて感温部６をその中に入れ大径筒部
７の右端を段部８に当接させると共に感温部６の
左端を円板９の凹所１０に嵌入させる。円板９は
吐水温度設定用のハンドル軸１１に形成された孔
１２内のリリーフスプリング１３の大きな弾発力
により常態ではストツパー１４に当接するように
右方向に付勢されている。他方、湯水混合水室４
内は弁体１５を介してリリーフスプリング１３の
弾発力より小さな弾発力のスプリング１６により
左側に付勢されている。カードリツジケース３′
内の制御機構は以上のよな構成よりなり、その作
動は以下の通りである。使用者がハンドル軸１１
を回動して所望の温度調節ハンドル１７に示され
た温度表示を湯水混合水栓の固定点（図示略）に
一致させることによりハンドル軸１１の雄ねじ部
１８がカードリツジケース３′の雌ねじ部１９に
螺合されているためハンドル軸１１は左側または
右側へ移動する。この移動に伴つて感温部６、湯
水混合室４及びこれに当接した環体２０とアーム
２１を介して一体化されている弁体１５はスプリ
ング１６により、またはこの弾発力に抗して全体
的に左側または右側へ移動する。次にバス用ハン
ドル２２（またはシヤワー用ハンドル）を開ける
と水口２３、湯口２４よりカードリツジケース
３′内に流入した湯水は湯水混合室４内の感温部
６近傍を通過し温水流出口２５を介してバス吐水
口２６より吐水される。ここで感温部６近傍を通
過する温水温度が温度調節ハンドル１７にて指示
された温度より高い場合は感温部６が伸張し弁体
１５を右側へ移動させ温水温度を低下させる。反
対に感温部６近傍を通過する温水温度が温度調節
ハンドルにて指示された温度より低い場合は感温
部６が収縮し弁体１５を左側へ移動させ温水温度
を上昇させる。したがつて弁体５は湯口弁座２７
と水口弁座２８との間で移動し湯口２４の開口率
を大きくすると同時に水口２３の開口率を小さく
したり、または全く逆の状態にしたりする。通常
の使用においては、湯水配管に混入してくる異物
はストレーナ部材２にて補捉されカードリツジケ
ース３′内に流入することはないがストレーナ部
材２を清掃するため取り外した際に異物が該スト
レーナ部材２の２次側に混入（流入）しカードリ
ツジケース３′内面と湯水混合室４の間、または
カードリツジケース３′内の内面と弁体１５の間
に挟まり、湯水混合室４、弁体１５の動きを阻害
し、温度調節機能を低下させたり、制御部を傷つ
け温度調節機能を弱める等の不都合を生じたり、
カードリツジケース３′内に収容された制御部の
寿命を低下させることが多かつた。

本考案は上記の欠点を解消したものでその構成
は感温部、弁体等によりなる湯水混合比制御部が
カードリツジケース内に収納されたサーモスタツ
ト付湯水混合水栓において、湯流入口、水流入口
に筒状のストレーナ網部材を装着したカードリツ
ジケースから成ることを特徴とするサーモスタツ
ト付湯水混合水栓である。

第３図は本考案にかかるカードリツジケース式
制御部であり該カードリツジケース式制御部の湯
流入口３０、水流入口３１には円筒状のストレー
ナ網部材３２，３３が装着されている。本考案
は、このようにカードリツジ式にまとめられた湯
水比制御部の湯流入口３０と水流入口３１とにス
トレーナ網部材３２，３３を直接装着したので、
湯水混合室体、感温部、弁体、弁座部材、リリー
フスプリング、バランススプリング及びそれらを
系統的に関連づける各種部材に複雑に組合わされ
て内蔵されているカードリツジケース３内には、
混合水栓の定常使用中は勿論こと、通常のストレ
ーナをその清掃のために暫時取外した状態で使用
したり、水栓自体または配管を補修するために一
旦使用停止し、その後再使用する場合のような保
守点検時期の使用においても、湯水比制御部に異
物が流入するおそれは全くなくなつた。従つて湯
水比制御部は、優れた温度制御機能を長く安定し
た状態に維持することができるようになつた。ま
たストレーナ網部材３２，３３はカードリツジ式
湯水比制御部に装着して一体化されているから、
該湯水比制御部を水栓本体から取外せば、ストレ
ーナ網部材３２，３３もまた同時に取外すことが
できる。それに、ストレーナ網部材３２，３３
は、細い金属線や合成樹脂線等を編組して柔軟に
形成されているから、湯水比制御部への着脱も極
めて容易である。従つて、ストレーナ網部材３
２，３３を清掃したり、これを新しいものと交換
したりする作業も極めて容易である。ところが使
用中は、ストレーナ網部材３２，３３外周には給
湯圧や給水圧が求心方向に作用するから、ストレ
ーナ網部材３２，３３の装着状態が一層強固にな
り、緩んだり抜け落ちたりするようなことは決し
てない。また更に、ストレーナ網部材３２，３３
は安価であり、既設、新設を問わず一般的カード
リツジ式湯水比制御部に簡単に装着し得るもので
あるから、湯水混合水栓全体としても低コストで
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来公知のサーモスタツト付混合水栓
の部分正断面図であり、第２図は一般的なカード
リツジ式湯水比制御部の構造を説明するものであ
つて、サーモスタツト付混合水栓の要部を断面視
した側面図である。第３図は本考案に係るカード
リツジ式制御部の側面図であり、第４図は側断面
図である。 ３，３′……カードリツジケース、６……感温
部、３０……湯流入口、３１……水流入口、３
２，３３……ストレーナ網部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 湯水混合室体、感温部、弁体、弁座部材、リリ
   ーフスプリング及びそれらを系統的に関連づける
   各種部材が複雑に組込まれたカートリツジ式湯水
   比制御部を内蔵した湯水混合水栓において、前記
   湯水比制御部の外郭をなすカードリツジケースの
   湯流入口及び水流入口が設けられた部位に、筒状
   のストレーナ網部材が直接装着されていることを
   特徴とするサーモスタツト付湯水混合水栓。