JPS6348846Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、各戸に引込まれた給水管元部のメ
ーターボツクスに取付けられるボール型止水栓の
改良に関し、特にその栓筐の下流側に接続される
伸縮ソケツトにカートリツジ式逆止弁を装着した
ことを技術的特徴とするものである。

従来、一般家庭等の給水管元部に設置されるメ
ーターボツクス内には、逆止機能を兼備するこま
式止水栓が広く利用されてきたが、上記こま式止
水栓による逆止機能は不完全であつたうえ、こま
部分が水の侵食を受けて、その寿命が短いなどの
不都合が見られたところから、近年、その止水栓
にボールバルブ式のものが多用されるようになつ
た。

而して、これらボール止水栓には逆止機能がな
い為、一般に止水栓のメーター側接続管内に逆止
弁を組み込むか、或いは栓筐の下流側に別途立ち
上り管を設け、これに弁球を内蔵して逆止機構と
したものであつたが、これらは何れもその構造
上、機構全体が嵩高となつて設置に広いスペース
を必要とするため、狭隘なメーターボツクス内で
の着脱操作に困難が見られたうえ、特に後者では
水頭損失が極めて大きいなどの不都合が指摘され
ていたものである。

このような実情に鑑み本考案は、ボール型止水
栓の下流側に付設された伸縮ソケツト内に、水頭
損失が極めて小さく、しかも耐久性に優れたカー
トリツジ式逆止弁を組み込むことによつて、叙述
の問題点を大巾に改善し得たものである。

以下、その構成を図に示す実施例に基づいて更
に詳述すると、１は流路を開閉自在なボール弁２
を備えた通常のボール型止水栓本体、又３はその
大径端部３′が上記本体１の下流側１′に摺動可能
に内嵌される伸縮ソケツトであつて、上記大径端
部３′には下述するカートリツジ式逆止弁５を着
脱可能に内装する一方、該ソケツト３の両端には
上記本体１及びメーター（図示せず）との接続用
袋ナツト４，４′を嵌着してなるものである。

次に上記カートリツジ式逆止弁５の構造を第２
図に従つて説明すると、図において６は内周面に
弁座６′を有し、その外方に環状突子６″を形成し
てなる弁座環、又７は前端面に上記環状突子６″
が係入可能な凹溝７′を周設してなる支持環であ
つて、その背面に複数枚の翼板８を介して、外周
に一定の傾斜面９′を有する案内筒９を一体に形
成したものである。

更に１０は、背面に凹陥部１０′を窪設してな
る弁体であつて、その弁管１０″を上記案内筒９
にスライド自在に嵌通した上、上記凹陥部１０′
と案内筒９間には比較的弾性の弱いバネ１１を弾
装し、この状態で上記支持環７の凹溝７′に弁座
環６の環状突子６″を圧嵌することにより、逆止
弁ユニツトを構成したものである。

尚、図中１２は弁座環６の弁座外周に嵌着され
たプレツシヤーシール型のパツキング、又１３，
１４は上記カートリツジ式逆止弁をソケツト内に
固定する為の座金及びスナツプリングを示し、更
に９″は必要に応じて案内筒９の前面に形成され
た凹陥部を示す。

叙上の構成に係る本案の止水栓は、これをメー
ターボツクス内に取付けるに当たり、その止水栓
本体１を予め給水管側に螺装し、その下流側１′
に、上記カートリツジ式逆止弁５を内装してなる
ソケツト３の大径端部３′を挿入するとともに、
その他端をメーター側に接合して各袋ナツト４，
４′を緊定することは、猶従前のものと同様であ
る。

而して、この場合、ソケツト内の上記カートリ
ツジ式逆止弁５は、常態ではその弁体１０が弁座
面６′に圧接された状態を保つから、ハンドル１
５を操作して流路を開通させることにより、給水
管側から流入する水圧がバネ１１の押付圧に抗し
て弁体１０を一気に後退させて、該弁体１０の背
面周壁を案内筒９に当接させるのである。

一方、該逆止弁内部はその各翼板８を除く枢筐
内全域が広い流水空間を構成することと、上記弁
体１０が当接する案内筒９の背面に一定の傾斜面
を形成したこととが相い作用して、多量の供給水
の通過を許容し、しかも下流側での乱流を確実に
防止することが可能となつて、水頭損失を最小限
に止め得るものである。

更に本考案の逆止弁は、この弁座面に対する弁
体の圧接に低弾性バネを利用したことによつて、
その弁体１０が比較的低い水圧によつても一気に
後退して、案内筒に当接し得るようにしたもので
あるから、従来の各種逆止弁に比べて弁の作動が
著しく安定的であり、又開弁時には弁体１０の凹
陥部１０′と案内筒９との間に上記バネ１１が完
全に包囲されるので、そのバネ１１が給水によつ
て洗われることがなく、その結果、該バネ１１に
疲労その他の悪影響を及ぼすこともなく、長期に
亘つて正常なバネ荷重が得られるものである。

更に本案止水栓は、上述したような格別の性能
を有するカートリツジ式逆止弁を伸縮ソケツトに
着脱可能に内装したものであるから、その逆止弁
の故障、修理に際しては、上記逆止弁ユニツトを
交換するだけで、直ちに修復ができるだけでな
く、従来のように別途に逆止弁を付設乃至は内蔵
したものとは異なり、流量計を含む止水栓全体が
規格のメーターボツクス内に無理なく設置でき、
しかもその接続並びに取り外しが極めて容易に行
えるので、上記流量計の定期検査の都度、逆止弁
の点検・交換等も可能であるなどの多くの顕著な
実用的利点が齎らされるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案止水栓の中心部縦断面図、又第２
図はその上半部が閉弁状態を、又下半部が開弁状
態を示めすカートリツジ式逆止弁の中心部縦断面
図、更に第３図はその左半部を省略して示すカー
トリツジ式逆止弁の右側面図である。 尚、図中１……止水栓本体、２……ボール弁、
３……伸縮ソケツト、４，４′……袋ナツト、５
……カートリツジ式逆止弁、６……弁座環、７…
…支持環、８……翼板、９……案内筒、１０……
弁体、１１……バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下流側に伸縮ソケツトを備えてなるボール型止
   水栓において、上記伸縮ソケツトの大径端部に、
   内周面に弁座を有し、その背面に複数の翼板を介
   して案内筒を形成してなる支持環と、背面に凹陥
   部を備え、その弁管を案内筒に摺動自在に嵌挿し
   てなる弁体と、上記弁体の凹陥部と案内筒間に弾
   装される比較的弾性の弱いバネとからなるカート
   リツジ式逆止弁を着脱自在に内装したことを特徴
   とする止水栓。