JPH0219672Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガス過流出時にガスの放出を遮断する
過流出防止安全弁に関し、特にガスコツクのホー
ス接続口内へ簡便に挿着できる過流出防止安全弁
に関する。

従来の過流出防止安全弁としては、ガスコツク
本体内に前記安全弁が組込まれているヒユーズコ
ツクが使用されていた。これ対して過流出防止安
全弁が組込まれていない一般のガスコツクのホー
ス接続口に簡便に挿着できる過流出防止安全弁が
実開昭56−148163号公報の考案に開示されてい
る。この考案は第１図に示すような構造を有して
おり、ホース接続口１内へ弁体２、弁座３、ハウ
ジング４及びコイルばね５より構成される過流出
防止安全弁を挿着しており、弁体２より突出して
いる弁棒６をハウジング４内に形成されている弁
受７に挿入することにより弁体２をホース接続口
１内へ摺動自在に収容している。又弁体２とハウ
ジング４間にはコイルばね５を介装して弁体２に
対してガスの流れ方向とは逆方向の作用力を付勢
させている。この過流出防止安全弁に対してホー
ス接続口１内を過流出状態のガスが流れた場合、
弁体２が前記過流出のガス圧によりコイルばね５
の作用力に抗してガスの流れ方向へ摺動し、弁体
２が弁座３へ圧接してガスの放出を遮断する。又
時間が経過して弁体２の前後の圧力が同圧となる
とコイルばね５の作用力により弁体２が元の状態
へ復帰される。

しかしながら上記の考案によると、ホース接続
口１内へ挿着する過流出防止安全弁のハウジング
４の形状を筒状としていることにより、ガスが流
通するホース接続口１の内部形状は前記接続口１
の内径よりハウジング４の内径がさらに小径とな
つて圧力損失が大きくなる為、大量のガスを流通
させることができず、上記過流出防止安全弁を低
カロリーのガス種には適用できないという問題が
ある。

したがつて本考案の技術的課題は、過流出防止
安全弁のハウジングの内部形状を流通特性が向上
するような形状とし、特にハウジング内の通過断
面積を大きくすることを目的とする。

上記の技術的課題を解決するための本考案の技
術的手段は、弁座および弁受間を柱部で連絡させ
てハウジングを形成し、前記ハウジング内に弁体
を収容すると共に、該弁体に突設した弁棒を前記
弁受の貫通孔に摺動自在に挿通させ、ガスの流れ
方向とは逆方向の作用力を弁体に対して付勢させ
るためのコイルばねを弁棒の端部に固定したばね
受と弁受間に介装し、かつ弁座からガス放出口開
口端までの間を弁座より開口端へと広がる緩やか
なテーパー管としたことである。

上記の技術的手段は次のような作用する。すな
わち、ガスが流れていない状態および通常のガス
器具使用時の使用量のガスが流通している場合に
は、ガス圧により弁体に作用する作用力は弁体に
作用するコイルばねのばね力より小さいために、
弁体は静止したままである。次に過流出防止安全
弁のハウジング内を過流出状態のガスが流れた場
合には、ガス圧により弁体に作用する作用力は弁
体に作用するコイルばねのばね力より大きくな
り、ばね力に抗して弁体がガスの流れ方向へ摺動
して前記弁体が弁座へ圧接し、ガスの放出を遮断
する。又本考案においては過流出防止安全弁のハ
ウジングの形状を筒状とはせずに、弁座と弁受の
連絡部分を柱形状としてるため、前者の筒状と比
較して通過断面積が大きくとれ、圧力損失が小さ
くなつて流通特性が向上する。又本考案のハウジ
ングの形状を弁座からガス放出口開口端までの間
をストレート管又は急開放のテーパー管とはせず
に、弁座より開口端へと広がる緩やかなテーパー
管としているために、開口端部の開放部分の流通
抵抗が減少し、圧力損失が小さくなつて流通特性
が同上する。

又上記の技術的手段により本考案には次のよう
な特有の効果がある。すなわち本考案の過流出防
止安全弁のハウジングの形状により圧力損失が減
少して流通特性が向上したために、低カロリーガ
ス種のガス供給地域およびガス供給圧力の低い地
域においても本過流出防止安全弁が適用できるよ
うになる。又本考案では過流出防止安全弁のハウ
ジングの外径をホース接続口の外径以下としてい
るために、ホース接続口内へ前記接続口の開口部
分より本過流出防止安全弁を挿入することが可能
となり、既設ガスコツクからヒユーズコツクへの
取換工事を行なつたり、あるいは既設ガスコツク
を分解することなしに、既設ガスコツクの過流出
防止化の工事が行なえる。

以下本考案の実施例を第２図以下の図面に基づ
いて説明する。

第２図に示す実施例のものは、弁体２、ハウジ
ング４、コイルばね５から構成されており、ハウ
ジング４は弁座３、弁受７およびその中間部を連
絡している柱部８より形成されており、又弁座３
からガス放出口開口端９までの間は弁座３より開
口端９へと広がる緩やかなテーパー管１０に形成
されている。弁体２には弁棒６が突設されてお
り、前記弁棒６の端部にはばね受け１１が固定さ
れている。

この過流出防止安全弁の組立は、まず弁座３側
と弁受７側とに２分割されたハウジング４の弁受
７の貫通孔に弁体２の弁棒６を摺動自在となるよ
うに挿入する。この弁棒６と弁受７の貫通孔との
係合は弁棒６のガタツキがほとんどなく、かつ弁
棒６の摺動抵抗が小さいことが望ましい。次に弁
受７の端面より突出している弁棒６の外周に沿つ
てコイルばね５を装着し、コイルばね５の一端は
弁受７の端面で、他端は弁棒６の端部に固定した
ばね受１１で受け止める。次に２分割されている
ハウジング４の弁座３側と弁受６側を装着して一
体とさせる。この状態で上記過流出防止安全弁は
ユニツト化されているため、ガスコツクのホース
接続口１内へ容易に挿着可能である。なお上記弁
体２に作用力を付勢させるコイルばね５のばね力
は通常のガス器具使用量のガス流によるガス圧が
弁体２に作用する作用力よりばね力の方が大き
く、かつ過流出状態のガス流によるガス圧が弁体
２に作用する作用力よりばね力の方が小さくなく
てはならない。又各ガス種ごとにガスの比重が異
なるため、流通状態のガス流によるガス圧が弁体
に作用する作用力は各ガス種によつて異なるの
で、コイルばね５のばね力も各ガス種に対応した
種類のものを用意する必要がある。図中の１２は
ホース接続口１の内周面とハウジング４の外周面
のすきまをシールしているパツキンである。第２
図はガスが流れていない状態、又は通常のガス器
具使用時の使用量のガスが流れて弁体２が作動し
ていない状態を示しており、第３図は過流出状態
のガス流によつて弁体２が弁座３に当接した状態
を示している。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の説明図、第２図は本考案の実
施例の断面図、第３図は実施例の弁体が作動した
状態の断面図、第４図は第２図のＡ−Ａ線断面図
である。 ２〜弁体、３〜弁座、４〜ハウジング、５〜コ
イルばね、７〜弁受、８〜柱部、９〜開口端、１
０〜テーパー管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弁座および弁受間を柱部で連絡させてハウジン
   グを形成し、前記ハウジング内に弁体を収容する
   と共に、該弁体に突設した弁棒を前記弁受の貫通
   孔に摺動自在に挿通させ、ガスの流れ方向とは逆
   方向の作用力を弁体に対して付勢させるためのコ
   イルばねを弁棒の端部に固定したばね受と弁受間
   に介装し、かつ弁座からガス放出口開口端までの
   間を弁座より開口端へと広がる緩やかなテーパー
   管としたことを特徴とするホース接続口用過流出
   防止安全弁。