JP3203739U - 浄水器 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルターが目詰まりしても、必要な量の水を自動的に供給することが可能な浄水器を提供する。【解決手段】浄水器1は、容器2と、容器2の内部へ原水が流入する流入口3と、 容器2の内部に収納され、流入口3から流入した原水を濾過して浄水にするフィルター6と、浄水が流出する流出口4とを備えている。容器2の内部に、フィルター6で濾過された浄水が流出口4へ流れる第1の空間S1と、フィルター6を通らない原水が流出口4へ流れる第2の空間S2とが形成されており、第2の空間S2と流出口4との間に逆止弁9が設けられている。逆止弁9は、常時は閉鎖状態にあって第2の空間S2から流出口4への原水の流れを遮断しており、第1の空間S1を流れる浄水の量が減少して第2の空間S2の水圧が上昇すると、開放状態となって第2の空間S2から流出口4へ原水を流すように作動する。【選択図】図2
Description
本考案は、水道水などの原水をフィルターで濾過して浄水を生成する浄水器に関する。
住宅内のキッチン・浴室・洗面所・トイレなどには、水道管を通して水道水が供給されるが、近年では、図5に示すように、水道管Pの途中に設けられている水道メータMの下流側に浄水器Wを設置して、給水を必要とする全ての設備に浄水を供給できるようにしたシステムが実用化されている。このシステムに用いられる浄水器Wは、元付け型浄水器と呼ばれている。このような元付け型浄水器Wを用いると、塩素や有機物などの有害物質が除去された浄水が全ての設備に供給されるので、キッチンで飲用水が得られることは勿論、浴室や洗面所などにおいても、有害物質を含まない水やお湯を使うことができ、肌や毛髪を傷めるのを防ぐことができる。
しかしながら、浄水器Wに流入する水道水(原水)には、水道管の赤錆など種々の不純物が含まれているので、長期間にわたって浄水器Wを使用すると、浄水器Wに内蔵されたフィルター(図示省略)が目詰まりを起こす。このため、水道水がフィルターを通過しにくくなって、浄水器Wから流出する浄水の水量が減少する。その結果、たとえば浴室や洗面所において、水やお湯が出にくくなるとか、水圧を利用して水を流すタンクレス式のトイレでは、水が流れにくくなるなどの支障が生じる。このような現象は、24時間中いつでも発生する可能性があるが、住人にとって浄水器Wの内部状態は不明であるから、フィルターの目詰まりを予見することは事実上不可能である。
この対策として、図6に示すようなバイパス方式の元付け型浄水器Wがある。この浄水器Wには、原水が流入する原水供給管P1と、浄水が流出する浄水供給管P2との間に、バイパス管Bが設けられている。そして、原水供給管P1とバイパス管Bとの接続部には、バルブV1が設けられており、浄水供給管P2とバイパス管Bとの接続部には、バルブV2が設けられている。
通常の状態では、バルブV1とバルブV2を、図6に示す位置に切り替えておく。この場合、原水供給管P1から供給される原水は、矢印のような経路で浄水器Wの内部に入り、フィルターFで濾過されて浄水となり、矢印のような経路で浄水供給管P2を通って、各設備へ供給される。
一方、浄水器Wに内蔵されたフィルターFの目詰まりにより、浄水供給管P2から供給される浄水の水量が低下したことに気付いた場合は、バルブV1とバルブV2を、図7に示す位置に切り替える。すると、原水供給管P1から供給される原水は、バルブV1によって浄水器Wへの流入が阻止され、矢印のようにバイパス管Bに流れる。そして、この原水は、バイパス管BからバルブV2を介して浄水供給管P2へ入り、浄水供給管P2を矢印のように流れる。このため、浄水供給管P2からは、原水供給管P1を流れる原水がそのまま供給される。これにより、フィルターFが目詰まりした場合でも、応急処置的に、浴室やトイレなどに通常の量の水道水を供給することができる。このようなバイパス管を設けた元付け型浄水器は、たとえば以下の特許文献1に示されている。
図6および図7に示した浄水器Wや、特許文献1に記載されている浄水器においては、供給される水の量が低下したことを察知した上で、浄水器の設置場所まで行って、バルブを手動で操作しなければならない。したがって、手間がかかるだけでなく、緊急時に迅速に対応することが困難であり、特に、高齢者住宅などの場合は問題が多い。
本考案は、上記の問題点に鑑み、フィルターが目詰まりしても、必要な量の水を自動的に供給することが可能な浄水器を提供することを課題としている。
本考案に係る浄水器は、容器と、この容器の内部へ原水が流入する流入口と、 容器の内部に収納され、流入口から流入した原水を濾過して浄水にするフィルターと、浄水が流出する流出口とを備えている。また、容器の内部には、フィルターで濾過された浄水が流出口へ流れる第1の空間と、フィルターを通らない原水が流出口へ流れる第2の空間とが形成されており、第2の空間と流出口との間に逆止弁が設けられている。この逆止弁は、常時は閉鎖状態にあって第2の空間から流出口への原水の流れを遮断しており、第1の空間を流れる浄水の量が減少して第2の空間の水圧が上昇すると、開放状態となって第2の空間から流出口4へ原水を流すように作動する。
フィルターが目詰まりを起こすと、流入口から流入した原水がフィルターを通りにくくなって、第1の空間を流れる浄水の量が減少する。その一方で、フィルターを通らずに第2の空間を流れる原水の量が増加するので、第2の空間の水圧が上昇する。そこで、この水圧が逆止弁に加わることによって、逆止弁は開放状態となり、フィルターを通過しなかった原水は、第2の空間から開放状態の逆止弁を通って、流出口へ至る。その結果、流出口からは原水と浄水とが混合した水が流出する。
本考案によれば、フィルターが目詰まりした場合に、逆止弁の作用によって原水のバイパス流路が自動的に形成されるので、浄水器の設置場所まで行ってバルブを操作しなくても、必要な量の水を自動的に供給することが可能となる。
以下、本考案の実施形態につき、図1〜図4を参照しながら説明する。各図において、同一の部分には同一の符号を付してある。
図1に示すように、本実施形態に係る浄水器1は、容器2と、この容器2の内部に収納されたフィルター6とを備えている。容器2は、円筒形の本体2aと、この本体2aの上部開口の周囲に設けられた上部フランジ2bと、本体2aの下部に設けられた下部フランジ2cと、上部フランジ2bに取り付けられて本体2aの上部開口を塞ぐ蓋2dとから構成される。
容器2の下部には、容器内へ原水(水道水)が流入する流入口3が設けられている。また、容器2の上部には、フィルター6で濾過された浄水が流出する流出口4と、容器2内の空気を抜くための空気抜きバルブ5が設けられている。流入口3には、原水を供給する原水供給管10が接続され、流出口4には、住宅内の各設備に浄水を供給する浄水供給管11が接続される。
フィルター6は、中空の円筒体からなり、その外径は容器2の内径よりも小さい。このため、フィルター6が容器2に収納された状態では、フィルター6の中空部に空間S1(第1の空間)が形成され、フィルター6の外面と容器2の内面との間に空間S2(第2の空間)が形成される。フィルター6としては、たとえば活性炭フィルターが用いられる。
容器2の内部には、フィルター6のほか、空間S1の浄水を流出口4に導く導水管7(第1の導水管)と、この導水管7と連通する導水管8(第2の導水管)と、空間S2と流出口4との間に設けられた逆止弁9とが備わっている。逆止弁9は、水を一方向にのみ通過させ、逆方向には通過させない機能を有している。
図3は、逆止弁9の一例を示している。逆止弁9は、移動可能なプランジャ12と、このプランジャ12を図1の導水管7と反対方向(図3で左方向)に付勢するスプリング18と、プランジャ12およびスプリング18を収容したケース13とを有している。
プランジャ12は、大径の頭部12aと小径の脚部12bとからなる。頭部12aにはOリング16(第1のシール部材)が設けられている。このOリング16は、プランジャ12とケース13との間に介装されている。プランジャ12の脚部12bの外周には、スプリング18が嵌装されている。このスプリング18は、プランジャ12の頭部12aと、ケース13に当接するストッパ部材15との間に配設されている。プランジャ12の脚部12bの先端側は、ケース13から外部へ突出している。
ケース13には、水が流入する開口14が形成されている。また、ケース13の外周には、Oリング17(第2のシール部材)が設けられている。ケース13は、導水管8に嵌め込まれており、Oリング17は、ケース13と導水管8との間に介装されている。
逆止弁9は、常時は図3の状態(閉鎖状態)にある。この状態では、プランジャ12は、スプリング18によって左方向に付勢されている。この付勢力を受けてOリング16は、ケース13の開口14の周縁に圧接しており、プランジャ12とケース13との間をシールしている。したがって、開口14を通して導水管8内へ水が流入することはない。また、ケース13が導水管8に嵌め込まれた状態で、Oリング17が導水管8の内壁に圧接しており、ケース13と導水管8との間をシールしている。したがって、ケース13と導水管8との隙間から導水管8内へ水が流入することもない。
一方、ケース13の開口14を介してプランジャ12に一定以上の水圧が加わると、逆止弁9は図4の状態(開放状態)に切り替わる。この状態では、スプリング18の付勢力よりも、プランジャ12に加わる水圧の方が大きいので、プランジャ12は、スプリング18の付勢力に抗して右方向に移動する。これにより、Oリング16がケース13から離れるので、プランジャ12とケース13との間に水の流路が形成される。このため、ケース13の開口14から導水管8内へ水を流すことが可能になる。
次に、上述した浄水器1の動作について説明する。フィルター6が目詰まりを起こしていない場合は、逆止弁9は図3の閉鎖状態にある。この状態では、浄水器1における水の流れは、図1の矢印で示したようになる。すなわち、原水供給管10から流入口3を介して容器2内へ流入した原水(水道水)は、フィルター6を通過する過程で、不純物や有害物質が除去されて浄水となる。この浄水は、フィルター6の中空部の空間S1から導水管7へ流れ、流出口4を介して浄水供給管11へ供給される。一方、逆止弁9が閉鎖状態となっているため、フィルター6の外面と容器2の内面との間の空間S2から、導水管8および導水管7を通って流出口4へ至る原水の流れは遮断されている。したがって、流出口4からは浄水のみが流出する。
フィルター6が目詰まりを起こした場合は、逆止弁9は図4の開放状態へ切り替わる。詳しくは、図1においてフィルター6が目詰まりすると、流入口3から流入した原水がフィルター6を通りにくくなって、空間S1を流れる浄水の量が減少する。その一方、フィルター6を通らずに空間S2を流れる原水の量が増加するので、空間S2の水圧が上昇する。この水圧は、ケース13の開口14を介してプランジャ12に加わるので、図4のようにプランジャ12が移動して、逆止弁9は開放状態になる。
この状態では、浄水器1における水の流れは、図2の矢印で示したようになる。 すなわち、原水供給管10から流入口3を介して容器2内へ流入した原水(水道水)のうち、フィルター6を通過した原水は、図1の場合と同様に、浄水となって空間S1から導水管7へ流れ、流出口4へ至る。ただし、その水量は図1の場合に比べて少ない。また、フィルター6を通過しなかった原水は、空間S2から開放状態の逆止弁9および導水管8を通って導水管7に流れ込み、流出口4へ至る。その結果、流出口4からは、原水と浄水とが混合した水が流出する。
なお、フィルター6の目詰まりが著しくて、水がフィルター6を通過できないか、あるいは、通過しても水量がわずかで流出口4へ至らない場合は、流出口4からは原水のみが流出する。
このように、本考案の浄水器1によれば、フィルター6が目詰まりを起こした場合に、逆止弁9が開放状態となって、空間S2から流出口4へ至る原水のバイパス流路が自動的に形成される。このため、浴室やトイレなどで水量が低下したり、水が出なくなったりした場合に、従来のように浄水器の設置場所まで行って、バルブを手動で操作しなくても、フィルター6を交換するまでの応急処置として、必要な量の水を自動的に供給することが可能となる。
以上述べた実施形態は、本考案の一例であって、容器2やフィルター6などの形状・構造は、図示したものに限定されず、他の形状・構造であってもよい。また、流入口3や流出口4を設ける位置も、図示したものに限定されない。たとえば、流入口3を容器2の上部に設け、流出口4を容器2の下部に設けてもよい。さらに、逆止弁9の構造も図示したものに限らず、他の構造の逆止弁を採用してもよい。その他、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の実施形態を採用することができる。
1 浄水器
2 容器
3 流入口
4 流出口
6 フィルター
7 導水管(第1の導水管)
8 導水管(第2の導水管)
9 逆止弁
12 プランジャ
13 ケース
16 Oリング(第1のシール部材)
17 Oリング(第2のシール部材)
18 スプリング
S1 空間(第1の空間)
S2 空間(第2の空間)
2 容器
3 流入口
4 流出口
6 フィルター
7 導水管(第1の導水管)
8 導水管(第2の導水管)
9 逆止弁
12 プランジャ
13 ケース
16 Oリング(第1のシール部材)
17 Oリング(第2のシール部材)
18 スプリング
S1 空間(第1の空間)
S2 空間(第2の空間)
Claims (5)
- 容器と、
前記容器の内部へ原水が流入する流入口と、
前記容器の内部に収納され、前記流入口から流入した原水を濾過して浄水にするフィルターと、
前記浄水が流出する流出口と、を備えた浄水器において、
前記容器の内部に、前記フィルターで濾過された浄水が前記流出口へ流れる第1の空間と、前記フィルターを通らない原水が前記流出口へ流れる第2の空間とが形成されており、
前記第2の空間と前記流出口との間に、逆止弁が設けられており、
前記逆止弁は、
常時は閉鎖状態にあって前記第2の空間から前記流出口への原水の流れを遮断しており、前記第1の空間を流れる浄水の量が減少して前記第2の空間の水圧が上昇すると、開放状態となって前記第2の空間から前記流出口へ原水を流すように作動する、ことを特徴とする浄水器。 - 請求項1に記載の浄水器において、
前記フィルターは中空の円筒体からなり、
前記フィルターの中空部に前記第1の空間が形成され、
前記フィルターの外面と前記容器の内面との間に前記第2の空間が形成されている、ことを特徴とする浄水器。 - 請求項2に記載の浄水器において、
前記第1の空間の浄水を前記流出口に導く第1の導水管と、
前記第1の導水管と連通する第2の導水管と、をさらに備え、
前記逆止弁は、前記第2の導水管内に設けられている、ことを特徴とする浄水器。 - 請求項3に記載の浄水器において、
前記逆止弁は、
移動可能なプランジャと、
前記プランジャを前記第1の導水管と反対方向に付勢するスプリングと、
前記プランジャおよび前記スプリングを収容したケースと、を有しており、
前記プランジャと前記ケースとの間に、第1のシール部材が介装されている、ことを特徴とする浄水器。 - 請求項4に記載の浄水器において、
前記ケースが前記第2の導水管に嵌め込まれており、
前記ケースと前記第2の導水管との間に、第2のシール部材が介装されている、ことを特徴とする浄水器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016000473U JP3203739U (ja) | 2016-02-02 | 2016-02-02 | 浄水器 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016000473U JP3203739U (ja) | 2016-02-02 | 2016-02-02 | 浄水器 |
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JP2016000473U Expired - Fee Related JP3203739U (ja) | 2016-02-02 | 2016-02-02 | 浄水器 |
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JP (1) | JP3203739U (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016166672A (ja) * | 2015-03-03 | 2016-09-15 | サンシャインワン株式会社 | 弁体、フィルタ及び給水器具 |
JP2019166496A (ja) * | 2018-03-26 | 2019-10-03 | 株式会社富士計器 | 微細気泡液供給システム |
CN112387136A (zh) * | 2019-08-16 | 2021-02-23 | 株式会社富士计器 | 公寓中的微细气泡液供给系统 |
KR102437411B1 (ko) * | 2022-01-27 | 2022-08-26 | 엄영호 | 수도계량기함용 엘보우형 필터 앵글 |
-
2016
- 2016-02-02 JP JP2016000473U patent/JP3203739U/ja not_active Expired - Fee Related
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