JPS6140562B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、パンク孔を閉塞する装置を備えたタ
イヤの改良に関する。

この種の閉塞装置は、タイヤの内側面上に配置
され、粒状物質と配合され、または配合されてい
ない流体物質から成る。また前記流体物質と共に
孔を機械的に閉塞する為の細胞状ゴムを使用する
場合もある。

一方において、この種の閉塞装置は、一時的閉
塞を成すにすぎない。即ち修理業者が介入するま
での限られた時間、有効であるにすぎない。他方
において、この閉塞装置の物質をタイヤ内部に配
置してその寸法を安定させる事が困難である。こ
の物質の流れ傾向が外気温度及びタイヤの加熱と
共に増大するからである。

この故に本発明の目的は、閉塞手段の製造とタ
イヤ内部における配置を容易にする事によつて、
公知の閉塞手段の一時的効果を改正するにある。

本発明の基礎となる原理は、少なくとも１個の
閉塞手段を、この閉塞手段の加硫性手段と結合
し、この閉塞手段の効果は決定的であつて、タイ
ヤ取り外しと修理業者の介入を不要とするにあ
る。

本発明は、少なくとも１個のパンク孔閉塞手段
を含むコーテイングを内壁の少なくとも１部に備
えたタイヤに応用される。

本発明においては、このタイヤ内壁コーテイン
グは少なくとも一層の加硫性閉塞混合物層を含
み、この閉塞混合物質は、エラストマー隔壁によ
つて、前記加硫性混合物を加硫する事のできる少
なくとも一層の混合物質層から離間され、これら
の各層は、低分子量の、好ましくは30000以下の
エラストマーを20〜100重量％含有し、前記閉塞
混合物層は好ましくは前記加硫混合物層の放射方
向外部に配置されて、タイヤ内壁面に隣接される
様にする。

釘がタイヤ壁を貫通した時、この孔から脱出し
ようとするタイヤふくらまし空気の作用で、閉塞
混合物は孔の中に流入する。同時に、加硫混合物
が孔の中に導入されて、閉塞混合物と混合する。
孔の中に含まれている閉塞混合物の加硫作用は、
選定された成分に対応する一定温度で実施され
る。

本発明によれば前記の２合物が接触し始めてか
ら、前記の低分子量エラストマーの網状化が進行
するに従つて、これら混合物の粘度が増大し、孔
は決定的に閉塞されるに至る。

前記の閉塞混合物の中に、また場合によつては
加硫混合物の中に、粉状、粒状またはフアイバー
状装入物を含有させる事によつて閉塞効果を増大
させる事ができる。またこの装入物は混合物のい
ずれか一方の粘度を調整する為にも役立つ。この
粉状または粒状装入物の粒度は250μｍ以下に保
持する事が望ましい。また好ましくは、フアイバ
ー状装入物として、少なくとも0.5mmに等しい長
さと0.05〜0.04mm範囲内の径とを有するフアイバ
ーを使用する事が望ましい。

本発明の実施態様は下記の通りであるが、その
多くを実施例として詳細に説明する。

好ましくは本発明による内部コーテイングは、
タイヤ本体から、加硫されたエラストマー隔壁に
よつて離間される。同じく、本発明のコーテイン
グは加硫されたエラストマー隔壁によつて被覆さ
れ、この隔壁によつて、タイヤふくらまし空気を
含むタイヤキヤビテイから分離される。これらの
隔壁の少なくとも一方はブチルゴムを主成分とす
る事が望ましい。これによつて、各層中へのふく
らまし空気の侵入を防止する事ができる。

加硫性閉塞混合物は不飽和エラストマーを主成
分とする事ができる。この場合、加硫剤と加硫促
進剤とを含有する飽和エラストマーとを主成分と
する加硫混合物から成る層を前記の加硫性閉塞混
合物に接着させる事ができる。しかしまた、前記
加硫性混合物層に対して、二層の加硫混合物層を
接着し、これら加硫混合物層はそれぞれ飽和エラ
ストマーを主成分とするが、その一方は、閉塞層
の不飽和エラストマーの加硫剤を含有し、他方は
加硫促進剤を含有する事ができる。これらの二加
硫層は、加硫されたエラストマーから成る隔壁に
よつて相互分離される。

不飽和エラストマーを主成分とする加硫性閉塞
混合物層は加硫剤を含む事もできる。この場合、
この閉塞混合物に対して、加硫促進剤を含む飽和
エラストマーを主成分とする加硫混合物層を隣接
させる。

本発明による閉塞混合物／加硫混合物から成る
複式コーテイングは、別個のエアチユーブを使用
しまたは使用しないでタイヤの中に使用する事が
できる。

エアチユーブなしタイヤの場合、閉塞混合物と
加硫混合物とを被覆しまた相互に分離するエラス
トマー層として、例えばブチルゴムから成る気密
性エラストマー混合物を使用する事が好ましい。
他方において閉塞混合物及び／または加硫混合物
中の低分子量エラストマーとして、パンク孔の中
で加硫したのちにふくらまし空気に対して気密性
となるエラストマーまたはエラストマー混合物を
含ませる事が望ましい。

本発明による閉塞混合物／加硫混合物複式コー
テイングは、タイヤとは別個にこれを製造し、次
に冷間または熱間においてタイヤ内側面に対して
接着する事ができる。しかし、タイヤカーカスの
製造に先立つてこの複合コーテイングを製造する
事が望ましく、その場合、閉塞混合物層と加硫混
合物層を被覆しまた離間するエラストマー混合物
層は加硫されたもの、あるいは加硫されないもの
を使用する。次に本発明による複合コーテイング
の上にタイヤの残部を製造する。最後にタイヤ全
体を共加硫する。タイヤの加硫に先立つてタイヤ
の内側面上に複式コーテイングを付着させる場合
閉塞混合物の中に、低分子量エラストマーと共
に、タイヤそのものの加硫時間よりはるかに長い
前記低分子量エラストマー加硫時間を必要とする
加硫剤を含ませることが望ましい。これはタイヤ
の加硫中に前記エラストマーの網状化を防止する
為である。また他方において、前記加硫混合物の
中に、タイヤの加硫時間中は前記低分子量エラス
トマーと殆どまたは全く反応する事のない一種ま
たは複数の加硫促進剤、または飽和低分子量エラ
ストマーを含ませる事が望ましい。

例１ 加硫性閉塞混合物 重量％ 高分子量の塩素化ブチル（300000） 20 低分子量ブチル（30000） 61 白亜 16.2 ステアリン酸 1.6 酸化防止剤 1.2 加硫混合物 ポリイソブチレン（分子量約15000） 23.4 ポリイソブチレン（分子量約2000） 5.9 白亜 64.7 酸化亜鉛 1.5 硫黄 1.5 メルカプトベンゾチアゾール 1.2 ペンタメチレン ジチオカルバミン酸 ピペリジン 1.2 醸化防止剤 0.6 例 加硫性閉塞混合物 低分子量ブチル（約30000） 34.4 カーボンブラツク 61.7 ナフテン酸コバルト 0.3 二酸化マンガン 1.4 フエノール樹脂 1.7 酸化防止剤 0.5 加硫混合物 ポリイソブチレン（分子量約15000） 35.3 ポリイソブチン（分子量約2000） 8.9 カーボンブラツク 35.3 パラベンゾキノンジオキシム 19.9 酸化防止剤 0.6 例 加硫性閉塞混合物 ポリイソブチレン（分子量約15000） 24.0 解重合天然ゴム 24.0 カーボンブラツク 48.0 フエノール／ホルムアルデヒド樹脂 3.2 酸化防止剤 0.8 加硫混合物１ ポリイソブチレン（分子量約15000） 33.5 ポリイソブチン（分子量約2000） 14.3 カーボンブラツク 47.7 ジベンジルアミン 1.5 硫黄 1.5 酸化亜鉛 1.5 加硫混合物２ ポリイソブチレン（分子量約15000） 33.3 ポリイソブチレン（分子量約2000） 14.3 カーボンブラツク 47.6 イソプロピルキサンチン酸亜鉛 1.4 モノ硫化テトラメチルチウラム 0.1 フエノール樹脂 3.3 前記の例は、加硫性閉塞混合物層と、この閉
塞混合物を閉塞する事のできる混合物層とを結合
した構造を示す。

以下本発明を図面に示す実施例について詳細に
説明する。

第１図のタイヤ１の頂部はトレツド２の両側に
それぞれ肩部３を備る。これらの肩部はそれぞれ
サイドウオール４（部分的に図示）に接続してい
る。

このタイヤの内側面はエラストマー混合物層５
から成り、このエラストマー層５は、タイヤ１が
別個のエアチユーブを備えない型のものである場
合、気密性である。このエラストマー層５は、一
方の肩部３から他方の肩部３にかけて、本発明に
よるコーテイング６によつて被覆されている。こ
のコーテイングは順次に、前記の特性を有する加
硫性混合物７、エラストマー混合物隔壁、同じく
前記特性を有する加硫混合物層、エラストマー混
合物層とを含んでいる。エラストマー混合物隔壁
８は、タイヤの隔壁５と、加硫混合物層９を被覆
するエラストマー混合物層１０との略中間に配置
されれている。２層７と９を離間するこの中間隔
壁８は、点線１１で示される様に、共加硫可能の
エラストマー混合物から成るこれら２層を相互に
重ね合わせる事によつて生じる。同様に、加硫混
合物７とタイヤ円壁層５との間に、エラストマー
混合物層（図示せれず）を配置する事ができる。

第３図に示す構造においては、加硫性混合物層
７がエラストマー層８によつて第１加硫混合物層
９から分離される。この第１加硫混合物層９は第
２エラストマー隔壁１０によつて第２加硫混合物
層９′から離間される。例えば第１加硫混合物層
９は加硫剤を含み、第２加硫層９′は加硫促進剤
を含む事ができる。（例）。

本発明によるコーテイングはタイヤ内壁層５全
部を被覆する事ができ、或いは内壁層５の一部ま
たは複数部分のみを被覆する事ができるのは明白
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるコーテイングを備えたタ
イヤ頂部の放射方向断面図、第２図は第１図の円
形部の拡大図、また第３図は本発明コーテイング
の他の実施例を示す第２図と同様の拡大図であ
る。 ５，８，１０，１２……加硫エラストマー隔
壁、７……加硫性層、９，９′……加硫層。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも１個のパンク孔閉塞手段を含むコ
   ーテイングを内側面の少なくとも一部に備えたタ
   イヤにおいて、前記コーテイングは、加硫性閉塞
   混合物の少なくとも一層を、エラストマー隔壁に
   よつて、前記加硫性閉塞混合物を加硫する事ので
   きる少なくとも一層の閉塞混合物層から離間して
   成り、前記各層は、低分子量、好ましくは30000
   以下のエラストマーを20乃至100重量％含有する
   事を特徴とするタイヤ。 ２ 加硫性閉塞混合物層は前記加硫混合物層の放
   射方向外側に配置される事を特徴とする特許請求
   の範囲第１項に記載のタイヤ。 ３ 少なくとも閉塞混合物は粉状、粒状またはフ
   アイバー状装入物を含有し、この装入物の含有量
   （重量）は閉塞混合物重量の75％を超えない事を
   特徴とする特許請求の範囲第１項に記載のタイ
   ヤ。 ４ 粉状または粒状装入物の粒度は250ミクロン
   以下である事を特徴とする特許請求の範囲第３項
   に記載のタイヤ。 ５ フアイバー状装入物は、少なくとも0.5mmの
   長さと、0.005乃至0.040mmの径のフアイバーから
   成る事を特徴とする特許請求の範囲第３項に記載
   のタイヤ。 ６ 加硫性混合物は不飽和低分子量エラストマー
   を主成分とし、また加硫混合物は飽和低分子量エ
   ラストマーを主成分とし、同時に加硫剤と加硫促
   進剤とを含有する事を特徴とする特許請求の範囲
   第１項または第２項に記載のタイヤ。 ７ コーテイングは３層から成り、１層を成す加
   硫性混合物は不飽和低分子量エラストマーを主成
   分とし、他の２層を成す加硫混合物は、飽和エラ
   ストマーを主成分とし、これら加硫混合物の一方
   は加硫剤を含み、他方は加硫促進剤を含む事を特
   徴とする特許請求の範囲第１項または第２項に記
   載のタイヤ。 ８ 加硫性混合物は不飽和低分子量エラストマー
   を主成分とし、また加硫剤を含む事、及び加硫混
   合物は飽和低分子量エラストマーを主成分とし、
   加硫促進剤を含む事を特徴とする特許請求の範囲
   第１項または第２項に記載のタイヤ。 ９ コーテイングの少なくとも１つの隔壁はブチ
   ルゴムから成る事を特徴とする特許請求の範囲第
   １項乃至第８項のいずれかに記載のタイヤ。 １０ 加硫性混合物及び／または加硫混合物は、
   パンク孔の中で加硫したのちに気密性となる低分
   子量エラストマーを主成分とする事を特徴とする
   特許請求の範囲第１項または第２項に記載のタイ
   ヤ。 １１ 前記コーテイングはタイヤ内側向上に接着
   される事を特徴とする特許請求の範囲第１項に記
   載のタイヤ。 １２ 閉塞層／加硫層複合コーテイングはタイヤ
   本体と共に共加硫される事を特徴とする特許請求
   の範囲第１項乃至第１０項のいずれかに記載のタ
   イヤ。 １３ 閉塞混合物の中に含まれる加硫剤は、タイ
   ヤそのものの加硫時間より非常に長い低分子量エ
   ラストマー加硫時間を必要とし、また加硫混合物
   中に含まれる１種またたは複数の促進剤はタイヤ
   加硫時間中に低分子量エラストマーと殆どまたは
   全く反応しない事を特徴とする特許請求の範囲第
   ８項に記載のタイヤ。 １４ 低分子量エラストマーはブチルであり、加
   硫剤は硫黄であり、加硫促進剤は、メルカプト−
   ベンゾチアゾールと、ペンタチレンジチオカルバ
   ミン酸ピペリジンとの等部混合物である事を特徴
   とする特許請求の範囲第１３項に記載のタイヤ。