JP2012111235A - フォーム製ノイズダンパーを有するタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】フォーム製ノイズダンパーを有するタイヤの製造法及び空気入りタイヤ。
【解決手段】内部空洞に面する表面14を有するインナーライナー層16を有するタイヤ10に、発泡性液体を前記表面に適用し、前記発泡性液体を発泡させて、タイヤインナーライナー層10に固定された固体のフォーム製ノイズダンパー18を形成する工程を含む製造法、及びインナーライナー層10の表面に配置された0.01〜0.4の範囲の比重を有するシリコーンゴムフォームを含む前記フォーム製ノイズダンパー18を特徴とする空気入りタイヤ10を提供する。
【選択図】図1
【解決手段】内部空洞に面する表面14を有するインナーライナー層16を有するタイヤ10に、発泡性液体を前記表面に適用し、前記発泡性液体を発泡させて、タイヤインナーライナー層10に固定された固体のフォーム製ノイズダンパー18を形成する工程を含む製造法、及びインナーライナー層10の表面に配置された0.01〜0.4の範囲の比重を有するシリコーンゴムフォームを含む前記フォーム製ノイズダンパー18を特徴とする空気入りタイヤ10を提供する。
【選択図】図1
Description
政府規制及び消費者の嗜好は、乗用車のタイヤから生じる容認可能なノイズレベルの引き下げを強く求め続けている。ロードノイズの一つの発生源は、タイヤの最内面とリムに囲まれた空気室内の共鳴である。タイヤノイズを低減するための一つのタイプの努力は、空気室における空気振動由来の音を減衰させることで、この努力は主に、タイヤカーカスに隣接するタイヤの最内面を変更することに焦点を当てて行われてきた。こうした従前の努力でまだ不十分な点ならびにノイズリダクションに関するさらに厳しい新規制は、空気室内の振動による音の伝搬を低減するためにタイヤに対する更なる改良の必要性を求めている。
本発明はフォーム製ノイズダンパーを有するタイヤの製造法に向けられる。該方法は、インナーライナー(前記インナーライナーはタイヤの内部空洞に面する表面を有する)を有するタイヤを入手する工程;発泡性液体を前記表面に適用する工程;及び前記発泡性液体を発泡させて、タイヤインナーライナーに固定された固体のフォーム製ノイズダンパーを形成する工程を含む。
本発明はさらに、二つの相隔たる伸張不能なビード;接地するトレッド部;前記トレッド部の軸方向外端から半径方向内向きに伸びて各ビードに接合する一対の個別サイドウォール(前記トレッド部の軸方向外端はトレッド幅を定義する);トレッド部及びサイドウォールのための支持カーカス;カーカスの半径方向内向きに配置されたインナーライナー(前記インナーライナーはタイヤの内部空洞に露出された表面を有する);及びインナーライナーの表面に配置されたフォーム製ノイズダンパー(前記フォーム製ノイズダンパーは0.01〜0.4の範囲の比重を有するシリコーンゴムフォームを含む)
を含む空気入りタイヤに向けられる。
を含む空気入りタイヤに向けられる。
本発明は添付の図面からより容易に理解されるであろう。
定義
“カーカス”とは、ベルト構造、トレッド、アンダートレッド、ビード、及びプライを覆うサイドウォールゴム以外のタイヤ構造を意味する。
“カーカス”とは、ベルト構造、トレッド、アンダートレッド、ビード、及びプライを覆うサイドウォールゴム以外のタイヤ構造を意味する。
“インナーライナー”とは、タイヤの内表面を形成し、タイヤ内に膨張用流体(タイヤを膨らませるための流体)を収容するエラストマー又はその他の材料の層(一つ又は複数)を意味する。チューブタイプタイヤの“インナーライナー”は多くの場合“スキージー”と呼ばれ、チューブレスタイヤのインナーライナーと区別される。
“空気入りタイヤ”とは、ビード及びトレッドを有し、ゴム、化学物質、ファブリック及びスチール又はその他の材料で製造された一般的にドーナツ形(通常、開円環)の積層機械装置を意味する。自動車のホイールに装着されると、タイヤは、そのトレッドを通じて牽引力を提供するほか、自動車荷重を支持する流体も収容する。
“トレッド”とは、成形されたゴム部品を意味し、タイヤケーシングに接合されると、タイヤに正常に空気が入った状態で且つ正常の荷重下にある場合、路面と接触するタイヤの部分を含む。すなわちタイヤ跡の部分である。
“赤道面(EP)”とは、タイヤの回転軸に垂直で、そのトレッドの中心を通る平面を意味する。
“硬化”及び“加硫”という用語は、別途記載のない限り、互換語とする。
“硬化”及び“加硫”という用語は、別途記載のない限り、互換語とする。
“グリーン”及び“未硬化” という用語は、別途記載のない限り、互換語とする。
発明の記載
本発明に従って、フォーム製ノイズダンパーを有するタイヤの製造法を提供する。該方法は、インナーライナー(前記インナーライナーはタイヤの内部空洞に面する表面を有する)を有するタイヤを入手する工程;発泡性液体を前記表面に適用する工程;及び前記発泡性液体を発泡させて、タイヤインナーライナーに固定された固体のフォーム製ノイズダンパーを形成する工程を含む。
発明の記載
本発明に従って、フォーム製ノイズダンパーを有するタイヤの製造法を提供する。該方法は、インナーライナー(前記インナーライナーはタイヤの内部空洞に面する表面を有する)を有するタイヤを入手する工程;発泡性液体を前記表面に適用する工程;及び前記発泡性液体を発泡させて、タイヤインナーライナーに固定された固体のフォーム製ノイズダンパーを形成する工程を含む。
さらに、二つの相隔たる伸張不能なビード;接地するトレッド部;前記トレッド部の軸方向外端から半径方向内向きに伸びて各ビードに接合する一対の個別サイドウォール(前記トレッド部の軸方向外端はトレッド幅を定義する);トレッド部及びサイドウォールのための支持カーカス;カーカスの半径方向内向きに配置されたインナーライナー(前記インナーライナーはタイヤの内部空洞に露出された表面を有する);及びインナーライナーの表面に配置されたフォーム製ノイズダンパー(前記フォーム製ノイズダンパーは0.01〜0.4の範囲の比重を有するシリコーンゴムフォームを含む)
を含む空気入りタイヤも提供される。
を含む空気入りタイヤも提供される。
一定量の発泡材料をタイヤ空洞内に配置することにより、空洞内の空気の共鳴を制御することができ、トレッド部の振動も削減される。従って、走行中にタイヤから発生するノイズを削減することができる。特に、200〜300Hzの周波数で測定されるタイヤ空洞共鳴によるノイズの削減が望ましい。
フォーム製ノイズダンパーは、200〜300Hzのタイヤ空洞共鳴によるノイズレベルを削減するのに適切な比重及び寸法を有している。一態様において、該フォームは0.01〜0.4(100〜400kg/m3)の範囲より大きい比重を有する。一態様において、フォーム製ノイズダンパーはタイヤの半径方向に10〜50mmの厚さを有する。一態様において、フォーム製ノイズダンパーはタイヤの軸方向に30〜150mmの幅を有する。一態様において、フォーム製ノイズダンパーはタイヤの円周方向に配置される。
フォーム製ノイズダンパーは、発泡性液体の前駆体材料を所定の位置で発泡させることによって、タイヤインナーライナーの表面に形成及び固定される。所定の位置で発泡させるとは、発泡性液体の前駆体をタイヤインナーライナーの表面に液体として適用(塗布)し、タイヤインナーライナーの表面と接触している間に発泡及び硬化させることを意味する。
そうすることで、当該方法は、予備製造されたフォームを接着剤又はその他の取付け法を用いてインナーライナーに適用するという従来技術の方法を回避する。
合成樹脂フォーム、例えばエーテル系ポリウレタンフォーム、エステル系ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなど;ゴムフォーム、例えばクロロプレンゴムフォーム、エチレン−プロピレンゴムフォーム、ニトリルゴムフォーム、シリコーンゴムフォームなどの、フォームを形成できる前駆体の発泡性液体が適切である。各種反応性モノマー、発泡剤、及び硬化剤を含む当該技術分野で知られているような発泡性液体が適切である。
合成樹脂フォーム、例えばエーテル系ポリウレタンフォーム、エステル系ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォームなど;ゴムフォーム、例えばクロロプレンゴムフォーム、エチレン−プロピレンゴムフォーム、ニトリルゴムフォーム、シリコーンゴムフォームなどの、フォームを形成できる前駆体の発泡性液体が適切である。各種反応性モノマー、発泡剤、及び硬化剤を含む当該技術分野で知られているような発泡性液体が適切である。
一態様において、発泡性液体はシリコーンゴムフォーム前駆体であり、フォーム製ノイズダンパーはシリコーンゴムフォーム製ノイズダンパーである。一態様において、発泡性液体はRTV(室温加硫型、room temperature vulcanizable)シリコーンフォーム前駆体である。一態様において、発泡性液体は二液型(two-part)RTV(RTV−2)シリコーンフォーム前駆体である。適切なシリコーンフォームは、例えば米国特許第4,851,452号及び米国特許第6,022,904号に開示されているような、当該技術分野で公知の方法によって製造できる。適切なシリコーンフォームゴム前駆体は、例えば、Wacker Silicones社からElastocil(登録商標)として市販されている。例えば、Elastocil(登録商標)SC 890 A/Bなど。
フォーム製ノイズダンパーは、タイヤの様々な内側部分に配置できる。例えば、タイヤのトレッドとサイドウォール部の両方にわたってインナーライナーをカバーするようにビードからビードに伸びていてもよいし、又は単にタイヤのインナーライナー表面に選択的及び局所的に配置されてもよい。一態様において、フォーム製ノイズダンパーは、インナーライナー表面上に円周方向に配置され、タイヤの赤道面によって二分されている。
タイヤのフォーム製ノイズダンパーは、膨らませたタイヤのあらゆる実質的内側部分を占拠しないようなゲージのものである。一般的に、その厚さは、多少はタイヤサイズ及びタイヤの使用目的にもよるが、全タイヤ厚の約1〜約80、好ましくは約10〜約50パーセントの範囲であり、その構造的体積は、空気入りタイヤに包含されている空気の体積の約25パーセント未満、好ましくは約10パーセント未満である。従って、典型的な厚さは、通常の乗用車用空気入りタイヤの場合、全タイヤ厚の約10〜約30パーセントの範囲であり、その体積は、空気入りタイヤに包含されている空気の体積の約10パーセント未満である。
タイヤ内のフォーム製ノイズダンパーによって適切なノイズ減衰効果を得るために、フォーム製ノイズダンパーはノイズを減衰するのに適切な範囲の密度又は密度と多孔度を有する。
一態様において、フォーム製ノイズダンパーは約0.01〜約0.4の範囲の比重を有する。別の態様において、フォーム製ノイズダンパーは0.1〜約0.4の範囲の密度を有する。別の態様において、フォーム製ノイズダンパーは約0.15〜約0.25g/cm3の範囲の密度を有する。
発泡性液体はタイヤインナーライナーの表面に、当該技術分野で公知の様々な方法を用いて適用できる。例えば、スプレー、刷毛塗り、ローリング、ワイピング(wiping)などであるが、これらに限定されない。一態様において、発泡性液体は、タイヤインナーライナーの表面にスプレーによって適用される。
発泡性液体は、タイヤインナーライナーの表面にフリーフォーミング体(freely formed body)として、すなわち金型で拘束することなく適用されても、又は発泡性液体は、得られるフォーム製ノイズダンパーに所望の断面積を付与するために着脱式の金型を使用して適用されてもよい。一態様においては、フォーム製ノイズダンパーに長方形の断面積を付与するために金型が利用される。
発泡性液体は、フォーム製ノイズダンパーの破断を避けるために、一つの連続的な周方向の動作で適用されうる。連続動作は、例えば、可動式スプレーヘッドの動きによるスプレー中に、又は回転支持体上でタイヤを回転させることによって達成できる。
フォーム製ノイズダンパーを発泡性液体から適用することの利点は、フォーム製ノイズダンパーに添え継ぎ(splice)が結果的になくなることである。そのような添え継ぎ、又は重ね継ぎは、典型的には、予備発泡固体フォームとしてタイヤに適用されたフォーム製ノイズダンパーに観察される。添え継ぎは、使用中、インナーライナーからのフォームの分離源を提供するので望ましくない。従って、一態様において、固体のフォーム製ノイズダンパーは添え継ぎを含まない。
一態様において、発泡性液体は、グリーン、又は未硬化タイヤのインナーライナーに適用される。そのような適用の一つの利点は、フォーム製ノイズダンパーのタイヤインナーライナーへの良好な接着である。硬化タイヤへの適用の場合、インナーライナー表面の残留シリコーン離型剤(硬化金型からのタイヤの取り外しを容易にするために使用される)の存在が、フォームのインナーライナーへの接着を妨害しかねない。これに対し、発泡性液体のグリーンインナーライナー又はグリーンタイヤへの適用は、離型剤のそのような悪影響を免れる。
発泡性液体がグリーンタイヤに適用されようが硬化タイヤに適用されようが、シリコーンゴムフォームのインナーライナーへの接着を確実にするためには接着剤の使用が必要である。接着剤は、シリコーンゴムフォームの適用前にインナーライナーに適用される。一態様において、接着剤はアクリル系接着剤である。適切なアクリル系接着剤は、3M社から6038接着剤転写テープとして市販されている。
当業者には、加硫ゴムタイヤに使用されるゴム組成物は、天然ゴム及び合成ゴム及びそれらの混合物又はブレンドのような様々な硬化又は加硫ゴムの組成物でありうることは容易に分かる。例えば、それらは、ゴム状スチレン−ブタジエンコポリマー、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、シス−1,4−ポリイソプレン、ポリブタジエン、イソプレン−ブタジエンコポリマー、ブチルゴム、クロロ又はブロモブチルゴムのようなハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー及びポリウレタンエラストマーでありうる。典型的には、各種ポリマーは通常の硬化法及び処方によって硬化又は加硫される。例えば、硫黄を用いる、又はエチレン−プロピレンコポリマーの場合過酸化物を用いる、又はポリウレタンエラストマーの場合第一級ジアミンを用いるなどである。スチレン−ブタジエンゴム、シス−1,4−ポリイソプレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、クロロブチルゴム、及びブロモブチルゴムなどの硫黄硬化又は加硫天然ゴム及び合成ゴム状ポリマーが好適である。
さらに、当業者には、タイヤのノイズダンパー以外のゴム組成物使用成分は、ゴム配合分野で一般的に知られている方法によって配合されるであろうことは分かるであろう。例えば、様々な硫黄加硫可能な成分ゴムを、各種の一般に使用されている添加剤材料、例えば、硬化補助剤、例えば硫黄、活性化剤、遅延剤及び促進剤、加工添加剤、例えばオイル、粘着付与樹脂を含む樹脂、シリカ、及び可塑剤、充填剤、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、抗酸化剤及びオゾン劣化防止剤、しゃく解剤及び補強材料、例えばカーボンブラックと混合する。当業者には分かるように、硫黄加硫可能な材料及び硫黄加硫された材料(ゴム)の使用目的に応じて、上記添加剤は選択され、従来量で一般的に使用される。
ゴムコンパウンドは、様々な従来式ゴム添加剤を含有しうる。カーボンブラックの典型的添加量は、ジエンゴム100重量部あたり約20〜200重量部(phr)、好ましくは50〜100phrを含む。
いくつかの市販カーボンブラックが使用できる。カーボンブラックのリストに含まれるのは、ASTM規格N299、S315、N326、N330、M332、N339、N343、N347、N351、N358、N375、N539、N550及びN582として知られているカーボンブラックである。加工補助剤も存在してよく、例えば芳香族、ナフテン系、及び/又はパラフィン系のプロセス油を含みうる。フェノール系粘着付与剤のような粘着付与樹脂の典型的な量は、1〜3phrの範囲である。シリカは、使用される場合、約5〜約80phrの量で、多くはシリカカップリング剤と共に使用されうる。代表的なシリカは、例えば水和アモルファスシリカであろう。抗酸化剤の典型的な量は約1〜約5phrを含む。代表的抗酸化剤は、例えばジフェニル−p−フェニレンジアミン、重合1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン及びその他、例えばVanderbilt Rubber Handbook(1990),343〜362ページに開示されているものであろう。オゾン劣化防止剤の典型的な量は、約1〜約5phrを含む。代表的オゾン劣化防止剤は、例えばVanderbilt Rubber Handbook(1990),363〜367ページに開示されているものであろう。脂肪酸の典型的な量は、使用される場合、ステアリン酸などでありうるが、約0.5〜約3phrを含む。酸化亜鉛の典型的な量は約2〜約10phrを含む。ワックスの典型的な量は約1〜約5phrを含む。多くの場合微晶質ワックスが使用される。しゃく解剤の典型的な量は約0.1〜約1phrを含む。典型的なしゃく解剤は、例えば、ペンタクロロチオフェノール及びジベンズアミドジフェニルジスルフィドであろう。
加硫は、硫黄加硫剤の存在下で実施される。適切な硫黄加硫剤の例は、元素硫黄(遊離硫黄)又は硫黄供与加硫剤、例えばアミンジスルフィド、ポリマー性ポリスルフィド又は硫黄オレフィン付加物などである。好ましくは、硫黄加硫剤は元素硫黄である。当業者には分かるように、硫黄加硫剤は約0.5〜約5phrの範囲の量、又は場合によっては約8phrまでの量で使用されるが、約3〜約5phrの範囲が好適である。
促進剤は、加硫に要する時間及び/又は温度を制御するため、及び加硫物の性質を改良するために使用される。一態様において、単一促進剤系、すなわち一次促進剤が使用されうる。従来、一次促進剤は、約0.5〜約2.5phrの範囲の量で使用される。別の態様では、活性化及び加硫物の性質を改良するために、一般的に多量(0.5〜2.0phr)で使用される二つ以上の促進剤の組合せ、及び一般的に少量(0.05〜0.50phr)で使用される二次促進剤が使用されうる。これらの促進剤の組合せは、最終的性質の相乗効果をもたらすことが知られており、いずれかの促進剤を単独で使用して製造されたものよりもいくらか良好である。さらに、標準的な加工温度には影響されないが、通常の加硫温度で満足のいく硬化をもたらす遅延作用促進剤を使用することもできる。本発明に使用されうる適切なタイプの促進剤は、アミン、ジスルフィド、グアニジン、チオウレア、チアゾール、チウラム、スルフェンアミド、ジチオカルバメート及びキサンテートである。好ましくは、一次促進剤はスルフェンアミドである。二次促進剤が使用される場合、二次促進剤は、好ましくは、グアニジン、ジチオカルバメート又はチウラム化合物である。
タイヤは、当業者には容易に明らかな様々な方法によって構築、成形(shaped)、成型(molded)及び硬化できる。
次に図面を参照すると、空気入りタイヤは、通常のトレッド部13、サイドウォール11、ビード15及びカーカス12(典型的にはトレッド及びサイドウォール部を裏打ち及び補強するためのプライ(図示せず)を含有する)、そして特にフォーム製ノイズダンパー18になる予定のものを包含する未成形及び未加硫の基本タイヤ10を構築することによって製造できることが示されている。グリーンタイヤ10は、発泡性液体の適用、発泡及び硬化後、フォーム製ノイズダンパー18を所定の位置に有する。次に、グリーンタイヤを金型に入れ、そこで成形、成型及び圧力下で加熱してタイヤを加硫する。
次に図面を参照すると、空気入りタイヤは、通常のトレッド部13、サイドウォール11、ビード15及びカーカス12(典型的にはトレッド及びサイドウォール部を裏打ち及び補強するためのプライ(図示せず)を含有する)、そして特にフォーム製ノイズダンパー18になる予定のものを包含する未成形及び未加硫の基本タイヤ10を構築することによって製造できることが示されている。グリーンタイヤ10は、発泡性液体の適用、発泡及び硬化後、フォーム製ノイズダンパー18を所定の位置に有する。次に、グリーンタイヤを金型に入れ、そこで成形、成型及び圧力下で加熱してタイヤを加硫する。
図に示されているような態様において、タイヤ10は、カーカス12に隣接して配置されたインナーライナー層16及びインナーライナー16の表面14に配置され、最内面19を形成するフォーム製ノイズダンパー18を含む。フォーム製ノイズダンパー18は、赤道面20によって二分され、円周方向及び軸方向にトレッド13の全幅未満にわたって伸びている。
従って、一態様において、フォーム製ノイズダンパーは、タイヤの内側の周りに円周方向に、及び軸方向にビードからビードまで伸びていてもよい。別の態様において、フォーム製ノイズダンパーは、タイヤの内側の周りに円周方向に、及びタイヤの幅の一部だけにわたって伸びていてもよい。一態様において、フォーム製ノイズダンパーは、トレッド幅の50パーセント以下で軸方向に伸びていてもよい。別の態様において、フォーム製ノイズダンパーは、トレッド幅の約10パーセント〜50パーセントの範囲で軸方向に伸びていてもよい。別の態様において、フォーム製ノイズダンパーは、実質的にタイヤの軸中心線を軸方向の中心としうる。別の態様においては、タイヤへの荷重を均等化し、動的バランスを維持するように配置された多数の円周方向の発泡構造を使用することもできる。
本発明を例示する目的のために一定の代表的態様及び詳細を示してきたが、当業者には、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正をその中でなし得ることは明白であろう。
[発明の態様]
1.フォーム製ノイズダンパーを有するタイヤの製造法であって、
インナーライナー(前記インナーライナーはタイヤの内部空洞に面する表面を有する)を有するタイヤを入手する工程;
発泡性液体を前記表面に適用する工程;及び
前記発泡性液体を発泡させて、タイヤインナーライナーに固定された固体のフォーム製ノイズダンパーを形成する工程
を含む方法。
1.フォーム製ノイズダンパーを有するタイヤの製造法であって、
インナーライナー(前記インナーライナーはタイヤの内部空洞に面する表面を有する)を有するタイヤを入手する工程;
発泡性液体を前記表面に適用する工程;及び
前記発泡性液体を発泡させて、タイヤインナーライナーに固定された固体のフォーム製ノイズダンパーを形成する工程
を含む方法。
2.発泡性液体を表面に配置する前に接着剤を表面に適用する工程をさらに含み、前記接着剤は前記発泡性液体と前記表面との間にある、1記載の方法。
3.発泡性液体がシリコーンゴムフォーム前駆体であり、フォーム製ノイズダンパーがシリコーンゴムフォーム製ノイズダンパーである、2記載の方法。
3.発泡性液体がシリコーンゴムフォーム前駆体であり、フォーム製ノイズダンパーがシリコーンゴムフォーム製ノイズダンパーである、2記載の方法。
4.発泡性液体がRTVシリコーンフォーム前駆体である、2記載の方法。
5.発泡性液体が二液型RTV(RTV−2)シリコーンフォーム前駆体である、2記載の方法。
5.発泡性液体が二液型RTV(RTV−2)シリコーンフォーム前駆体である、2記載の方法。
6.フォーム製ノイズダンパーが0.01〜0.4の範囲の比重を有する、2記載の方法。
7.フォーム製ノイズダンパーが0.1〜0.4の範囲の比重を有する、2記載の方法。
7.フォーム製ノイズダンパーが0.1〜0.4の範囲の比重を有する、2記載の方法。
8.フォーム製ノイズダンパーが0.15〜0.25の範囲の比重を有する、2記載の方法。
9.タイヤが未硬化グリーンタイヤであり、インナーライナーがグリーン未硬化インナーライナーである、1記載の方法。
9.タイヤが未硬化グリーンタイヤであり、インナーライナーがグリーン未硬化インナーライナーである、1記載の方法。
10.グリーン未硬化インナーライナーに固定された固体のフォーム製ノイズダンパーを有する未硬化グリーンタイヤを硬化する工程をさらに含む、9記載の方法。
11.発泡性液体を表面に適用する工程が、発泡性液体を連続的な周方向の動作で適用することを含む、1記載の方法。
11.発泡性液体を表面に適用する工程が、発泡性液体を連続的な周方向の動作で適用することを含む、1記載の方法。
12.固体のフォーム製ノイズダンパーが添え継ぎを含まない、10記載の方法。
13.二つの相隔たる伸張不能なビード;接地するトレッド部;前記トレッド部の軸方向外端から半径方向内向きに伸びて各ビードに接合する一対の個別サイドウォール(前記トレッド部の軸方向外端はトレッド幅を定義する);トレッド部及びサイドウォールのための支持カーカス;カーカスの半径方向内向きに配置されたインナーライナー(前記インナーライナーはタイヤの内部空洞に露出された表面を有する);及びインナーライナーの表面に配置されたフォーム製ノイズダンパー(前記フォーム製ノイズダンパーは0.01〜0.4の範囲の比重を有するシリコーンゴムフォームを含む)
を含む空気入りタイヤ。
13.二つの相隔たる伸張不能なビード;接地するトレッド部;前記トレッド部の軸方向外端から半径方向内向きに伸びて各ビードに接合する一対の個別サイドウォール(前記トレッド部の軸方向外端はトレッド幅を定義する);トレッド部及びサイドウォールのための支持カーカス;カーカスの半径方向内向きに配置されたインナーライナー(前記インナーライナーはタイヤの内部空洞に露出された表面を有する);及びインナーライナーの表面に配置されたフォーム製ノイズダンパー(前記フォーム製ノイズダンパーは0.01〜0.4の範囲の比重を有するシリコーンゴムフォームを含む)
を含む空気入りタイヤ。
14.フォーム製ノイズダンパーが0.15〜0.25の範囲の比重を有する、13記載の空気入りタイヤ。
15.フォーム製ノイズダンパーが添え継ぎを含まない、13記載の空気入りタイヤ。
15.フォーム製ノイズダンパーが添え継ぎを含まない、13記載の空気入りタイヤ。
10 基本タイヤ
11 サイドウォール
12 カーカス
13 トレッド部
14 表面
15 ビード
16 インナーライナー層
18 フォーム製ノイズダンパー
19 最内面
20 赤道面
11 サイドウォール
12 カーカス
13 トレッド部
14 表面
15 ビード
16 インナーライナー層
18 フォーム製ノイズダンパー
19 最内面
20 赤道面
Claims (3)
- フォーム製ノイズダンパーを有するタイヤの製造法であって、
インナーライナーを入手する工程、ここで前記インナーライナーはタイヤの内部空洞に面する表面を有する;
発泡性液体を前記表面に適用する工程;及び
前記発泡性液体を発泡させて、タイヤインナーライナーに固定された固体のフォーム製ノイズダンパーを形成する工程、ここで
前記発泡性液体はシリコーンゴムフォーム前駆体であり、前記フォーム製ノイズダンパーはシリコーンゴムフォーム製ノイズダンパーである、
を特徴とする方法。 - 発泡性液体を表面に配置する前に接着剤を前記表面に適用する工程をさらに特徴とし、ここで前記接着剤は前記発泡性液体と前記表面との間にある、請求項1に記載の方法。
- 二つの相隔たる伸張不能なビード;接地するトレッド部;前記トレッド部の軸方向外端から半径方向内向きに伸びて各ビードに接合する一対の個別サイドウォール、ここで前記トレッド部の軸方向外端はトレッド幅を定義する;トレッド部及びサイドウォールのための支持カーカス;カーカスの半径方向内向きに配置されたインナーライナー、ここで前記インナーライナーはタイヤの内部空洞に露出された表面を有する;
を含む空気入りタイヤであって、
インナーライナーの表面に配置されたフォーム製ノイズダンパーであって、0.01〜0.4の範囲の比重を有するシリコーンゴムフォームを含む前記フォーム製ノイズダンパーを特徴とする空気入りタイヤ。
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