JP2011136667A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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典克 中田
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Abstract

【課題】タイヤ質量の増大や生産性の悪化を防止しつつ、ロードノイズを低減しうる。
【解決手段】一対のビード部4にそれぞれ埋設されたビードコア5、5間をのびるカーカス6を具えた空気入りタイヤ1である。タイヤ内腔面Sの少なくとも一部には、タイヤ内腔iに向けて突出する複数かつひげ状の突起物11が一体成形される。しかも、突起物11は、内部に多数の気泡を有する多孔質材であり、かつソリッドゴムに比して比重が小さい発泡ゴム11Gからなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、タイヤ質量の増大や生産性の悪化を防止しつつ、ロードノイズを低減しうる空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
タイヤ騒音の一つとして、約50〜400Hzの周波数を持つロードノイズがある。これは、タイヤ内腔内で生じる気柱共鳴(空洞共鳴)が主な原因である。そこで、例えば、下記特許文献1では、タイヤ内腔面にスポンジ材からなる制音具を装着することによって、ロードノイズを低減しうる空気入りタイヤが提案されている。
特開2007−161069号公報
しかしながら、上記のような空気入りタイヤを製造するには、加硫工程後に、タイヤ内腔面を研磨する工程と、この研磨された領域に制音具を貼り付ける工程とが必要であり、生産性が悪化するという問題があった。
一方、上述のような工程を省くために、加硫工程において、タイヤの内腔面を成形する中子の外表面に形成された複数のベントホールから、インナーライナーを部分的に吸引し、ひげ状のスピューを形成することも考えられている。
しかしながら、このような方法では、ブチルゴム等のインナーライナーを、スピューによって吸い出される分だけ予め厚く形成する必要があるため、タイヤの質量が増大するという問題もあった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、タイヤ内腔面の少なくとも一部に、タイヤ内腔に向けて突出する複数かつひげ状の突起物を一体成形するとともに、該突起物を発泡ゴムで形成することを基本として、タイヤ質量の増大や生産性の悪化を防止しつつ、ロードノイズを低減しうる空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、一対のビード部にそれぞれ埋設されたビードコア間をのびるカーカスを具えた空気入りタイヤであって、タイヤ内腔面の少なくとも一部に、タイヤ内腔に向けて突出する複数かつひげ状の突起物が一体成形されるとともに、該突起物が発泡ゴムからなることを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、前記突起物は、タイヤ内腔面のトレッド領域に設けられる請求項1記載の空気入りタイヤである。
また、請求項3記載の発明は、前記突起物を形成する発泡ゴムの発泡率が5〜20倍である請求項1又は2記載の空気入りタイヤである。
また、請求項4記載の発明は、前記突起物は、スピューである請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また、請求項5記載の発明は、前記突起物は、最大径が0.8〜3.0mm、突出高さが5〜25mm、及び配設密度が5〜10本/cm2である請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
また、請求項6記載の発明は、前記カーカスの内側に、前記一対のビード部間に跨って連続してのびかつ空気非透過性のゴム材からなるインナーライナーが配されるとともに、このインナーライナーの内側の少なくとも一部の領域に、前記突起物を有する発泡ゴムの層を有する請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
空気入りタイヤの製造方法であって、表面に複数の小孔からなるベントホールが形成された中子の外表面に、前記ベントホールを覆って発泡剤が添加された未発泡ゴムを貼り付けて中子・未発泡ゴム組立体を形成する工程と、この中子・未発泡ゴム組立体の外側に空気不透過性のゴム材からなるインナーライナーを有する生カバーを成型して中子・生カバー組立体を成形する工程と、前記中子・生カバー組立体を加硫する工程とを含むことを特徴とする。
請求項1に記載の空気入りタイヤは、タイヤ内腔面の少なくとも一部に、タイヤ内腔に向けて突出する複数かつひげ状の突起物が一体成形されるとともに、該突起物は発泡ゴムからなる。このようなひげ状の突起物は、タイヤ内腔内の空気を効果的に攪乱する。これにより、本発明の空気入りタイヤは、走行中の気柱共鳴が抑制され、ロードノイズが低減する。
さらに、突起物は、内部に気泡を有する多孔材である発泡ゴムからなるので、ソリッドゴムに比して、空気の振動エネルギーを効果的に熱エネルギーに変換して消費させ、タイヤ内腔での空洞共鳴エネルギーを小さくし、ひいては、ロードノイズを大幅に低減しうる。しかも、発泡ゴムは、ソリッドゴムに比して比重が小さいため、タイヤ質量の増大を抑制し得る。
また、請求項6に記載の空気入りタイヤの製造方法では、表面に複数の小孔からなるベントホールが形成された中子の外表面に、ベントホールを覆って発泡剤が添加された未発泡ゴムを貼り付けて中子・未発泡ゴム組立体を形成する工程と、この中子・未発泡ゴム組立体の外側に空気不透過性のゴム材からなるインナーライナーを有する生カバーを成型して中子・生カバー組立体を成形する工程と、中子・生カバー組立体を加硫する工程とを含む。
このようなタイヤの製造方法では、加硫工程で、ひげ状の突起物を形成できるため、加硫工程後にタイヤ内腔面を研磨する工程や、スポンジ材からなる制音具をタイヤ内腔面に貼り付ける工程を別途必要としないため、生産性を悪化させることもない。
本実施形態の空気入りタイヤを示す断面図である。 突起物を拡大して示す斜視図である。 タイヤ赤道面と平行に沿った断面図であり、(a)はタイヤ周方向に等間隔に配される突起物、(b)はタイヤ周方向に断続的に配される突起物を示す。 他の実施形態の突起物を拡大して示す斜視図である。 空気入りタイヤの製造方法を説明する断面図である。 比較例の空気入りタイヤを示す断面図である。 比較例の空気入りタイヤを示す断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1に示されるように、本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)1は、トレッド部2と、その両端からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォール部3の内方に設けられたビード部4とを有するトロイド状をなし、この例では正規状態の乗用車用のラジアルタイヤが例示される。
前記正規状態とは、タイヤ1を正規リムにリム組みし、かつ、正規内圧を充填した無負荷の状態とする。特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等はこの正規状態での値とする。
前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば "標準リム" 、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim" とする。また、「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧" 、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とする。
また、タイヤ1は、一対のビード部4にそれぞれ埋設されたビードコア5間をのびるカーカス6と、該カーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されたベルト層7と、該カーカス6の内側に配されたインナーライナー9とが設けられている。
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して例えば80〜90度の角度で配列したラジアル構造の1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aにより構成されている。カーカスコードとしては、例えば、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、又はアラミドなどの有機繊維コードや必要によりスチールコードが採用される。
また、前記カーカスプライ6Aは、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aからのびて前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを有する。カーカスプライ6Aの本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびかつ硬質ゴムからなるビードエーペックスゴム8が配され、ビード部4が適宜補強される。
前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ赤道Cに対して例えば10〜40度の小角度で傾けて配列した少なくとも2枚、本実施形態ではタイヤ半径方向に内、外2枚のベルトプライ7A、7Bを、ベルトコードが互いに交差する向きに重ね合わせて構成される。ベルトコードとしては、スチールコードが採用されるが、アラミド又はレーヨン等の高弾性の有機繊維コードも必要に応じて用いることができる。
前記インナーライナー9は、例えば、一対のビード部4、4間に跨って連続してのびる。また、インナーライナー9は、厚さが0.5〜2.0mmの空気非透過性のゴム材からなり、タイヤ内腔内に充填される空気を気密に保持する。また、空気不透過性ゴムとしては、例えば、ゴム成分100質量部中に、ブチルゴム(又はその誘導体)を60質量部以上、好ましくは80質量部以上、さらに好ましくは100質量部配合させたブチル系ゴムが好適に使用できる。
本実施形態のタイヤ1には、タイヤ内腔面Sの少なくとも一部に、タイヤ内腔iに向けて突出する複数かつひげ状の突起物11が一体成形される。
前記突起物11は、内部に多数の気泡を有する多孔質材である発泡ゴム11Gからなる。このような突起物11は、タイヤ内腔iを流れる気柱の流れを効果的に攪乱する。これにより、突起物11は、走行中の気柱共鳴を抑制して、ロードノイズを低減し得る。また、突起物11は、多孔質材である発泡ゴム11Gからなるため、ソリッドゴムに比して、空気の振動エネルギーを効果的に熱エネルギーに変換して消費させる。このような突起物11は、タイヤ内腔iでの空洞共鳴エネルギーを小さくし、ひいては、ロードノイズを大幅に低減しうる。しかも、発泡ゴム11Gは、ソリッドゴムに比して比重が小さいため、タイヤ質量の増大を抑制し得る。
前記発泡ゴム11Gは、基材ゴムに発泡剤が添加された未発泡ゴムが、加硫時の加熱により発泡して製造される。基材ゴムとしては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、シリコーンゴム又はアクリロニトリルゴムが好ましい。また、発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N´−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、又は4,4´−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)が好ましい。発泡ゴム11Gの気泡は、独立気泡又は連続気泡のいずれでも良いが、適度な弾性を有し、かつ空気の振動エネルギーを効果的に熱エネルギーに変換しうる独立気泡が望ましい。
前記発泡ゴム11Gの発泡率については、適宜設定できるが、小さすぎると、気泡が十分に形成されず、低比重化や、ロードノイズ抑制効果が十分に発揮できないおそれがあり、逆に、大きすぎても、加硫時に過度に発泡し、突起物11の成形性が悪化するおそれがある。このような観点より、発泡ゴム11Gの発泡率は、好ましくは5倍以上、さらに好ましくは8倍以上が望ましく、また、好ましくは20倍以下、さらに好ましくは15倍以下が望ましい。ここで、発泡率とは、(ρ0/ρ1 −1)により得られる。但し、ρ0は、発泡ゴム11Gのゴム固相部の密度(g/cm3 )、ρ1 は、発泡ゴムの密度(g/cm3 )である。
前記突起物11は、トレッド領域Tに設けられるのが好ましい。これにより、タイヤ内腔iの空気を効果的に攪乱しうる。ここで、トレッド領域Tとは、ベルト層7の端部7t、7tからタイヤ内腔面Sに向かってのびる法線Y、Yが、タイヤ内腔面Sと交わる交点14、14間の領域とする。
また、前記突起物11の配設領域が小さすぎると、タイヤ内腔iの空気を十分に攪乱できないおそれがある。このような観点より、突起物11の配設領域のタイヤ軸方向の幅W1は、トレッド領域Tのタイヤ軸方向の幅W2の、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上が望ましい。逆に突起物11の配設領域が大きすぎると、突起物11同士が衝突しやすくなり、該突起物11の耐久性が低下するおそれがあるとともに、タイヤの放熱性が低下するおそれがある。このような観点より、突起物11の幅W1は、トレッド領域Tの幅W2の、好ましくは120%以下、より好ましくは100%以下が望ましい。
本実施形態の突起物11は、図1及び図2に示されるように、前記トレッド領域T内かつインナーライナー9の内側に配された発泡ゴムの層からなるシート状の基部12からタイヤ内腔iに突出しており、好ましくは、その最大径L1が基部12から遠ざかるにつれて小さくなる略錐状に形成されている。このような突起物11は、タイヤ内腔面S側で高い剛性を有するため、走行時の遠心力による座屈等の折損を抑制しうる。
前記突起物11の最大径L1については、適宜設定できるが、小さすぎると、タイヤ内腔iの空気を十分に攪乱できないおそれがある。逆に、突起物11の最大径L1が大きすぎると、タイヤ質量の増大を招く恐れがある。このような観点より、突起物11の最大径L1は、好ましくは0.8mm以上、より好ましくは1.0mm以上、さらに好ましくは1.2mm以上が望ましく、また、好ましくは3.0mm以下、より好ましくは2.5mm以下、さらに好ましくは2.0mm以下が望ましい。
また、同様の観点により、突起物11の突出高さH1は、好ましくは5mm以上、より好ましくは8mm以上、さらに好ましくは10mm以上が望ましく、また、好ましくは25mm以下、より好ましくは20mm以下、さらに好ましくは16mm以下が望ましい。
さらに、突起物11の配設密度は、十分なロードノイズ低減効果を得るために、好ましくは5本/cm2以上、さらに好ましくは6本/cm以上が望ましく、また、好ましくは10本/cm2以下、さらに好ましくは9本/cm以下が望ましい。
前記、突起物11のタイヤ軸方向の間隔は、それぞれ同一に設定されているが、異ならせてもよい。また、突起物11の配設領域は、図3(a)に示されるように、タイヤ周方向に連続して配されるほか、図3(b)に示されるように、突起物11の配設領域をタイヤ周方向に断続的に設けることもできる。
図4には、他の実施形態の突起物11が示される。
この実施形態では、隣り合う突起物11、11間を連結する連結部13が設けられている。この連結部13は、突起物11の最大径L1よりも厚さが小さい薄板状である。連結部13も、発泡ゴムから形成される。本実施形態の連結部13は、隣り合う突起物11を格子状にのびて連結している。このような連結部13は、突起物11の動きを拘束するとともに、突起物11の剛性を高めるため、タイヤ内腔iの空気を効果的に攪乱しうるとともに、座屈等による破壊が抑制される。
また、前記連結部13は、その最大厚さL2が基部12から遠ざかるにつれて小さくなる断面略台形状に形成されるのが好ましい。これにより、連結部13は、タイヤ内腔面S側で高い剛性を有し、走行時の遠心力による座屈等の破壊を抑制しうる。
また、前記連結部13の高さH2については、適宜設定できるが、小さすぎると、突起物11を十分に拘束できないおそれがある。逆に、大きすぎると、タイヤ重量の増大を招く恐れがある。このような観点より、連結部13の高さH2は、突起物11の突出高さH1の、好ましくは20%以上、さらに好ましくは25%以上が望ましく、また、好ましくは75%以下、さらに好ましくは50%以下が望ましい。
また、同様の観点より、連結部13の最大厚さL2は、突起物11の最大径L1の、好ましくは20%以上、さらに好ましくは40%以上が望ましく、また、好ましくは80%以下、さらに好ましくは60%以下が望ましい。
本実施形態では、連結部13が、突起物11を格子状に連結しているものを示したが、これに限定されるものではなく、例えば、六角形状(ハニカム構造)に連結してもよい。このような連結構造は、連結部13の量を減らしつつ、突起物11の剛性を維持できるので、タイヤ質量の増大が抑制される点で望ましい。
次に、上述のような突起物11を有する空気入りタイヤの製造方法の一例について説明する。
この実施形態の製造方法では、図5に示されるように、生カバー成形用の中子16を用いて、中子16の外表面21に発泡剤が添加された未発泡ゴム28を貼り付けて中子・未発泡ゴム組立体を形成する工程を含む。
前記中子16は、タイヤ内腔面S(図1に示す)を成形しうる環状のアウターリング19とを含むいわゆる組立中子として構成される。アウターリング19は、例えば、その中央に配されるコアピース19Aと、該コアピース19Aを覆うようにその両側に配された左右一対の分割ピース19B、19Bとから構成される。
また、前記分割ピース19Bは、タイヤ内腔面Sを成形しうる外表面21と、この外表面21のビード部4側の各端部に連なりかつタイヤ軸方向の外側にフランジ状に張り出した一対のビード底成形面22とを含んで形成される。外表面21には、中子16の内方へのび、かつ小孔からなる複数のベントホール24が形成される。
前記ベントホール24は、前記突起物11の形状を略反転させた円筒状をなし、各分割ピース19B、19Bにタイヤ周方向に沿って貫通する孔部25に接続される。また、孔部25は、アウターリング19を貫通して外部に連通する貫通孔26に接続される。
前記外表面21には、ベントホール24を覆って未発泡ゴム28が貼り付けられ、中子・未発泡ゴム組立体が形成される。
次に、前記中子・未発泡ゴム組立体の外側に、生カバー1Aを成形して中子・生カバー組立体33を成形する工程が行なわれる。この工程では、中子16の外表面21に、リムとの接触部分に配されるクリンチ底部ゴム4G1と、未発泡ゴム28の半径方向外側かつ中子16の外表面21に配されるインナーライナーゴム9Gと、該インナーライナーゴム9Gの外側に配されるカーカスプライ6Aとが順次配される。
そして、環状のビードコア5をカーカスプライ6Aに嵌め込むとともに、ビードエーペックスゴム8を貼り付けて該カーカスプライ6Aをビードコア5の周りで巻上げる。次に、クリンチサイドゴム4G2、サイドウォールゴム3G、ベルト層7及びトレッドゴム2Gがそれらの外側に貼り付けされる。これにより、中子16の外側には、生カバー1Aが成形され、中子・生カバー組立体33が成形される。
次に、前記中子・生カバー組立体33を加硫する工程が行なわれる。中子・生カバー組立体33は、内部に空洞部を有する加硫金型Mに投入され、該加硫金型Mが加熱される。これにより、生カバー1Aの各ゴム部は、可塑化して、加硫金型Mの成形面36及び中子16の外表面21に沿って加硫成形される。
前記生カバー1Aと、中子16の外表面21との間の空気が、ベントホール24から孔部25及び貫通孔26を経て、外部へ排出される。未発泡ゴム28は、加硫金型の発熱によって発泡するとともに、ベントホール24に流入し、硬化してひげ状のスピュー27が形成される。このスピュー27により、タイヤ内腔面Sに発泡ゴム11Gからなる突起物11が形成される。
上記工程が終了すると、加硫金型Mから中子16とともにタイヤ1が取り出され、その後、中子16を分解することにより、加硫済みのタイヤ1が得られる。
このようなタイヤの製造方法では、加硫する工程において、ひげ状の突起物11を形成できるため、加硫工程後にタイヤ内腔面Sを研磨する工程や、スポンジ材からなる制音具(図示省略)をタイヤ内腔面Sに貼り付ける工程を必要とせず、生産性を悪化させることもない。
また、ベントホール24には、加硫時に発泡しかつゴム流動性に優れる発泡ゴムのみが吸い上げられる貼り付けられる。このため、突起物11が精度良く成形される。また、発泡ゴムは、自ら発泡してその体積を増すことで、ベントホール24内へ容易に浸入することにより、インナーライナーゴム9Gや、カーカスプライ6A等のタイヤ部材を中子16側へ引っ張ることなく容易に流動する。従って、加硫成形後に、ゴム接着性の悪いインナーライナーゴム9Gの剥離や、カーカスプライ6Aの変形等の不具合が抑制され、タイヤのユニフォミティの悪化を抑制しうる。
さらに、本実施形態の突起物11は、ベントホール24に向かって先細になる略円錐状に形成されるため、ベントホール24からスムーズに抜き出すことができ、破断等の成形不良が生じることもない。
前記未発泡ゴム28は、例えば、断面略矩形状のゴムストリップを螺旋状に巻き重ねる、いわゆるストリップワインド方式により形成されるのが好ましい。これにより、未発泡ゴム28が、中子16の外表面21に、確実かつ能率的に貼り付けられる。なお、未発泡ゴム28は、このようなストリップワインド方式によって貼り付けられるものに限られるものではなく、例えば、シート状に予め形成されたものを、外表面21上に貼り付けるものでもよい。
また、ベントホール24は、例えば、貫通孔26から真空ポンプ(図示省略)を介して吸引されるのが好ましい。これにより、ベントホール24は、空気やガスを効果的に排出させるとともに、前記スピュー27をより確実に形成しうる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
表1の仕様とした空気入りタイヤが製造され、それらの性能がテストされた。また、比較のために、図6に示されるスポンジ材の制音具がタイヤ内腔面に貼り付けられた空気入りタイヤや、図7に示される突起物のない発泡ゴムがタイヤ内腔面に形成された空気入りタイヤについても同様にテストされた。
比較例1は、タイヤ内腔面を加圧するブラダーを用いて加硫した後に、タイヤ内腔面を研磨して、制音具を貼り付けた。また、比較例2は、発泡剤が添加された未発泡ゴムとベントホールのない中子の外表面に貼り付けた後に、加硫成形した。共通仕様は次のとおりである。
タイヤサイズ:195/65R15
リムサイズ:15×5.5
基材ゴム:日東電工(株)製のEPDM
発泡剤:永和化成工業(株)製のビニホール
ブチルゴム:エクソン化学(株)のクロロブチル
テストの方法は次の通りである。
<タイヤ質量>
タイヤ1本当たりの質量を測定し、比較例1を100とする指数で表示した。数値が大きいほど軽量である。
<ロードノイズ性能>
各供試タイヤを、上記リムにリム組みし、内圧210kPaを充填して、排気量2000ccの国産FF自動車の全輪に装着し、ロードノイズ計測路(アスファルト粗面路)を時速60km/hで走行したときの、運転席窓側耳位置における車内音を測定し、挟帯域240Hz付近の気柱共鳴音のピーク値の音圧レベルを測定した。評価は、比較例1を100とする指数で表示した。数値が小さいほど良好である。
<生産性>
タイヤ1本を製造するのに要した製造コストが従来例を100とする指数で表示した。数値が小さいほど製造コストが小さく、生産性が良好である。
<突起物の成形性>
加硫金型から中子とともにタイヤが取り出された際、損傷した突起物の個数を調べた。評価は、比較例3を100とする指数で表示した。数値が小さいほど良好である。
テスト結果などを表1に示す。
Figure 2011136667
Figure 2011136667
テストの結果、実施例の空気入りタイヤは、タイヤ質量の増大や生産性の悪化を防止しつつ、ロードノイズを低減しうることが確認できた。
1 空気入りタイヤ
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
11 突起物
11G 発泡剤

Claims (7)

  1. 一対のビード部にそれぞれ埋設されたビードコア間をのびるカーカスを具えた空気入りタイヤであって、
    タイヤ内腔面の少なくとも一部に、タイヤ内腔に向けて突出する複数かつひげ状の突起物が一体成形されるとともに、
    該突起物が発泡ゴムからなることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記突起物は、タイヤ内腔面のトレッド領域に設けられる請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記突起物を形成する発泡ゴムの発泡率が5〜20倍である請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記突起物は、スピューである請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記突起物は、最大径が0.8〜3.0mm、突出高さが5〜25mm、及び配設密度が5〜10本/cm2である請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記カーカスの内側に、前記一対のビード部間に跨って連続してのびかつ空気非透過性のゴム材からなるインナーライナーが配されるとともに、
    このインナーライナーの内側の少なくとも一部の領域に、前記突起物を有する発泡ゴムの層を有する請求項1乃至5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 空気入りタイヤの製造方法であって、
    表面に複数の小孔からなるベントホールが形成された中子の外表面に、前記ベントホールを覆って発泡剤が添加された未発泡ゴムを貼り付けて中子・未発泡ゴム組立体を形成する工程と、
    この中子・未発泡ゴム組立体の外側に空気不透過性のゴム材からなるインナーライナーを有する生カバーを成型して中子・生カバー組立体を成形する工程と、
    前記中子・生カバー組立体を加硫する工程とを含むことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012218470A (ja) * 2011-04-04 2012-11-12 Toyo Tire & Rubber Co Ltd 空気入りタイヤ
JP2015136863A (ja) * 2014-01-22 2015-07-30 住友ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
CN111344160A (zh) * 2017-11-13 2020-06-26 株式会社普利司通 轮胎
KR20220163052A (ko) * 2021-06-02 2022-12-09 넥센타이어 주식회사 흡음재를 구비한 공기입타이어

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