JPS6140511B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電気ハンマー等のように空気バネを介
して打撃子を動作させる構造における空転時の打
撃子の動作を阻止する空打防止装置に関するも
の。

従来の場合、空打防止のためシリンダにエア抜
きの穴を設けてはある。しかし空転時は最初の一
発はストライカがシヤフトスリーブを叩く、また
上向き作業の場合にはストライカが自重によつて
下がるため、ストライカが打撃状態に復帰する。
そのため本体の振動が大きく、またストライカに
よつて各部品が叩かれ破損の原因となる。

本発明の目的は上記した従来技術の欠点をエア
ークツシヨンを利用することによりなくし、操作
性と寿命を向上することである。

即ち本発明はシリンダとストライカ間にて空気
ばねが構成されることに着目し、空転時における
最初のストライカ前進のエネルギーを圧縮の空気
ばねで消費し、前進のエネルギーが少なくなつた
所で圧縮された空気を放出することにより各構成
部品への衝撃伝達を防ぐ。また上向き作業の場合
には上記状態からストライカが下がろうとするた
め負圧になり、ストライカの降下防いで、ストラ
イカが打撃状態に復帰するのを防止したものであ
る。

図において１は電動機、２はこの回転子に延在
する第一歯車、３は上記回転子２の回転数の減速
を行なう第二歯車、４はこの歯車に一体に結合さ
れたクランクシヤフト、５はこのクランクシヤフ
トの偏心位置に取付けられた偏心ピンで、６のコ
ンロツドの一端部が枢着されている。７はシリン
ダでシリンダケース８にボールベアリング９と歯
車１０を介したニードルベアリング２４によつて
回転可能に支持されている。１１はスライドシヤ
フトで前記シリンダ７に一体に結合されたスリー
ブ１２とこのスリーブ１２の穴１４、スライドシ
ヤフト１１に設けられた長溝１５に装着されたボ
ール１３により前後動が規制されている。１６は
保持部で、スライドシヤフト１１先端に固着さ
れ、ツール１７を挿入保持する。１８はシリンダ
７内に摺動自在に嵌合された打撃子で、１９はこ
の打撃子１８に設けられた通気溝、２０はシリン
ダ７の内径軸方向に設けられた排気溝、２１はシ
リンダ７内に摺動自在に嵌合されたピストンでコ
ンロツド６の他端部にピストンピン２１１で枢着
されている。２２はシリンダ７に設けられた通気
孔、２３は同様通気孔、２５はシリンダ７と打撃
子１８により構成された空気室、２６はシリンダ
７、スリーブ１２、スライドシヤフト１１、打撃
子１８により構成された空気室である。なお空気
室２６と上記通気孔２３の位置関係は次の通りで
ある。即ち、第１図のように、ツール１７を挿入
して被削物の穴あけを行なつているときは、上記
通気孔２３は空気室２６と向対するような位置に
あつて、空気室２６はシリンダ７外部と通気状態
にある。又第２図のように打撃子１８がスライド
シヤフト１１をたたき出して打撃子１８自体がス
リーブ１２に接近したときは通気孔２３は空気室
２６の外側に位置して空気室２６が密閉される。
さらに第３図のように打撃子１８が前進しスリー
ブ１２直前まで来ると空気室２６の圧縮空気は打
撃子１８の通気溝１９とシリンダ７に設けられて
いる排気溝２０を通つて通気孔２３にて排出され
る。

構成は上記の通りであるから穴あけをする場
合、第１図のようにピストン２１が打撃子１８方
向に移動した場合（以下この動作を前進、反対を
後退とする）空気室２５内の空気は圧縮されて正
圧になり、その圧力により打撃子１８を前進さ
せ、スライドシヤフト１１の後端部を叩く。次い
で偏心ピン５が第１図の状態から約半回転して、
ピストン２１が後退し場合、打撃時の反発力と空
気室２５の負圧により打撃子１８は後退する。以
上の動作時において空気室２６は外気と通じてお
り何ら打撃動作に支障がない。このような打撃動
作を反復継続して行なうことによりツール１７の
先端部に押しあてられたコンクリート等を破砕す
る。破砕直後はツール１７の先端部の抵抗がなく
なり、スライドシヤフト１１は第２図のように打
撃子１８によつて叩き出され、打撃子１８自体も
スリーブ１２に接近してゆく。このとき空気室２
６は外部との通気を断たれ、且つ空気室２６内の
空気は打撃子１８の前進時に圧縮されるので、空
気ばねの働きをして、打撃子１８の打撃力を吸収
し、さらにスリーブ１２に接触する直前で圧縮空
気が排出し、スリーブ１２に接触する。第３図の
状態で上向きで空転させても打撃子１８の通気溝
端部２７とシリンダ７の排気溝端部２８が接触し
た位置で空気室２６は負圧になり、打撃子１８が
後退することがない。

なお、打撃動作を復活させたい場合はツール１
７の先端部を被削物に押しあてることによつて行
なうことが出来る。

シリンダ内径に設けられた排気溝２０は単数、
あるいは多数、あるいは内径全周でも良い。

以上のように本発明によれば、打撃子１８が正
常な打撃位置にない場合にのみ、シリンダ７と打
撃子１８との間に形成された空気室２６が密閉さ
れるように、またスリーブ１２と打撃子１８が接
触直前で空気室２６の空気が排出されるように通
気孔２３、打撃子１８の溝１９、シリンダ７の排
気溝２０を設けたため、従来に比べ効果的な緩衝
作用が得られ、且つ空転時の打撃子１８の保持を
確実に行なわれる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による電気ハンマードリルの空
打防止装置の実施例を示す縦断側面図、第２図は
被削物よりツールを離した直前の装置の状態を示
す部分縦断面図、第３図は運転停止の状態の部分
縦断側面図である。 １…電動機、２…第一歯車、３…第二歯車、４
…クランクシヤフト、５…偏心ピン、６…コンロ
ツド、７…シリンダ、８…シリンダケース、９…
ボールベアリング、１０…歯車、１１…スライド
シヤフト、１２…スリーブ、１３…ボール、１４
…穴、１５…長溝、１６…保持部、１７…ツー
ル、１８…打撃子、１９…通気溝、２０…排気
溝、２１…ピストン、２１１…ピストンピン、２
２，２３…通気孔、２５，２６…空気室、２７…
通気溝端部、２８…排気溝端部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スライドシヤフトが挿入保持されるスリーブ
   と前記スライドシヤフトを打撃する打撃子を収納
   したシリンダ部と前記打撃子を駆動する駆動装置
   とを備えた打撃工具において、前記シリンダ部
   を、前記打撃子が前記スリーブに対し所定の範囲
   に接近した時密閉された空気室を形成して該空気
   室の圧力により前記打撃子を緩衝するよう構成す
   ると共に、前記シリンダ部内壁には、前記打撃子
   が前記スリーブに接触直前で前記打撃子の外周に
   形成された前記シリンダの通気孔と連通する通気
   溝に連通して前記空気室の空気を排出する排気溝
   を形成して構成したことを特徴とする空打ち防止
   装置。