JPS6139261Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は逆セルタイプの製氷機に関し、特に、
断水等により貯氷タンク内に製氷用水が所定水位
まで供給されない場合に製氷完了検知時にそれ以
後の運転を停止する断水検知回路を備えた製氷機
に関するものである。

従来の自動販売機に組み込まれている逆セルタ
イプの自動製氷機においては、断水等により貯氷
タンク内に製氷用水が所定水位まで供給されない
と、セル内に角氷が十分に成長しないかあるいは
最悪の場合にはセル内に角氷が全く形成されない
まま製氷完了検知装置が作動して除氷運転を行な
い、こうして製氷除氷運転を繰り返すと製氷機構
や他の機器を破損するといつた問題が生じた。ま
た冷却器に近接させて過冷却検知サーモを設け、
該サーモの付勢によつて断水を検知し製氷運転を
停止する構成のものがあるが、過冷却検知サーモ
等の特別の検知部材を必要とし部品点数が多く構
造が複雑となるとともに過冷却検知サーモの調整
も必要であつた。

本考案は上述の欠点を解消するためになされた
ものであつて、貯水タンク内の水位が所定水位に
達していない場合に、１サイクルの製氷完了検知
時にそれ以後の運転を確実に停止する断水検知回
路を備えた製氷機を提供することを主な目的とし
ている。

本考案の目的は、特別の断水検知部材を必要と
しない構造簡単な断水検知回路を備えた製氷機を
提供することにある。

本考案のさらに他の目的は、貯水タンク内の水
位が所定水位に達していないと１サイクルの製氷
完了検知時に販売動作も停止する断水検知回路を
備えた製氷機を提供することにある。

上述の目的を考慮して本考案の製氷機は、逆セ
ルタイプの製氷機であり、製氷機構の駆動を制御
し水皿の開閉により開閉動作を行なう切換スイツ
チと、貯水タンク内の所定水位を検知する水位ス
イツチと、切換スイツチ及び水位スイツチの間に
直列接続された断水検知解除リレーと、断水検知
解除リレーの常閉接点により制御される断水検知
リレーと、断水検知リレーの常閉接点により制御
される停電対策リレーと、停電対策リレーの常閉
接点により制御される貯氷タイマと、電源の一端
子に一端が接続され他端が切換スイツチに直列接
続された貯氷タイマの常閉接点とを有する断水検
知回路を備えていることを特徴とする。

また本考案の製氷機は、停電対策リレーの常開
接点に販売制御回路を直列接続したことをも特徴
とする。

次に本考案の一実施例として断水検知回路を備
えた自動販売機を図面に従つて説明する。

第１図は本考案の自動販売機に組み込まれる自
動製氷機の１つの配置図を示している。貯水タン
ク１内の製氷用水は循環ポンプPM（第２図参
照）を介してタンク上部に設けられた送水管２内
に圧送される。送水管２内の上部は水皿３となつ
ていて、該水皿にはこれの上に位置する複数のセ
ル（製氷小室）４に対応して複数の噴水孔５が設
けられている。従つて、送水管２内に圧送された
製氷用水は噴水孔５を介してセル４内に噴水供給
される。ここでセル４の背面には冷凍装置の一部
である蒸発器６が配設されており、製氷運転時に
はセル４を冷却し除氷運転時にはセル４を暖める
ようになつている。従つて製氷運転時にはセル４
内の製氷用水は蒸発器６の冷却により氷結し、未
氷結の製氷用水は貯水タンク１内に戻され循環ポ
ンプPMにより再度送水管２からセル４に噴水供
給されるようになつている。

こうして複数のセル４内の氷が充分成長する
と、製氷完了検知装置（第２図における製氷タイ
マTM₃又は製氷サーモTh₂）により製氷完了検知
が行なわれ除氷運転に移行し正逆回転可能なアク
チユエータモータAMを付勢してこれの回動軸７
を正方向（第１図では反時計方向）に回転する。
ここで、モータAMにはアーメ８が取付けられ、
該アーム８の上端にはばね９の一端が取付けら
れ、ばねの他端は貯水タンク１の上部に取付けら
れている。またアーム８の上端には切換スイツチ
S₅が近接して設けられ、アームの正逆方向の回転
によりスイツチS₅を開閉動作するようになつてい
る。

従つて、アクチユエータモータAMの回動軸７
が反時計方向に回動すると、貯水タンク１及び水
皿が支持部１０の回りに時計方向に回動しばね９
の張力とつり合う位置で静止する。そして蒸発器
６内にホツトガスが流されセル４内の角氷が落下
して水皿３に当接した後、貯氷庫１１に貯留され
る。そして除氷完了サーモTh₃により除氷完了検
知が行なわれると、アクチユエータモータAMの
回動軸７が時計方向に回転して水皿を閉じる際切
換スイツチS₅を押圧し、その接点を閉路し再び製
氷運転を行なうようになつている。

第２図は本考案の自動販売機の貯水検知回路を
示ししたものである。S₅はアーム８により開閉制
御される切換スイツチであり、アーム８が回動軸
７を中心に正方向（反時計方向）に回動するとき
には切換スイツチS₅の接点ｂ−ｃ間が導通してお
り、一方アーム８が回動軸７を中心に逆方向に回
動するときにはスイツチS₅の接点ａ−ｃ間が導通
している。このアクチユエータモータAMは常温
以上になると閉路する除氷完了サーモTh₃が除氷
完了検知により閉路すると、その回動軸７を時計
方向に回動するようになつており、一方、反時計
方向の回動は、遅延時間T₃の時間遅延を行なう
製氷タイマTM₃のタイムアツプによる又は製氷
サーモTh₂による製氷完了検知に伴ない、キープ
リレーKX₁がリセツトされてその常閉接点が閉路
してアクチユエータモータAMを付勢することに
より行なわれる。このキープリレーKX₁は製氷制
御リレーでありリセツトコイルＲとセツトコイル
Ｓにより接点を互いに開閉制御するようになつて
おり、セツトコイルＳが導通するとキープリレー
KX₁の常開接点KX₁₁を閉路し（常閉接点KX₁₂は
開路し）、一方リセツトコイルＲが導通するとリ
レーKX₁の常開接点を開路（常閉接点は閉路）す
るようになつている。

並列接続された製氷タイマTM₃及び製氷完了
サーモTh₂は製氷完了検知装置を構成し並列接続
されたキープリレーKX₁及び断水検知リレーXB
に直列接続されている。切換スイツチS₅の接点ｂ
とポンプモータPMの間にはキープリレーKX₁の
常開接点KX₁₁が接続されており、一方切換スイ
ツチS₅の接点ｂとアクチユエータモータAMの間
にはキープリレーの常閉接点KX₁₂が接続されて
いる。また前記断水検知リレーXBは断水検知解
除リレーXCの常閉接点XC₂に直列接続され、こ
の常閉接点XC₂の他端は電源の他端子に接続され
ている。この断水検知解除リレーXCの一端はこ
れの（自己保持用）常開接点XC₁及び貯水タンク
１内の水位を検知する水位スイツチS₆の接点ｄに
接続され、他端は切換スイツチS₅の接点ｂに接続
されている。水位スイツチS₆の接点ｅは給水弁
WVの一端に接続され給水弁WVの他端は切換ス
イツチS₅の接点ｃに接続されている。この水位ス
イツチS₆は貯水タンク１内の水位が所定水位に達
しているときには接点ｄ−ｆ間を接続し、所定水
位に達していないときには接点ｅ−ｆ間を接続し
ている。

前記断水検知リレーXBの常閉接点XB₂は停電
対策リレーXAに直列接続されており該リレーXA
の付勢を制御するようになつている。このリレー
XAはプツシユボタンPB₂の閉路により付勢され
てその常開接点XA₁を閉路しリレーXAの付勢を
自己保持する。この停電対策リレーの常閉接点
XA₂は貯氷庫１１内の貯氷検知を行なう貯氷検知
スイツチS₄と並列接続しており、これらは遅延時
間T₂の時間遅延を行なう貯氷タイマTM₂に直列
接続されている。貯氷タイマTM₂の常閉接点の
一端は電源の一端子に他端は切換スイツチS₅の接
点ｃと、給水弁WVと、一端が圧縮機CMに接続
された表示ランプＬの他端とに直列接続されてい
る。尚、圧縮機CM、ポンプモータPMは製氷機
構を構成している。

次に本考案の断水検知回路を備えた自動販売機
の動作について説明する。

正常な製氷運転開始の際には、水皿３は各セル
４の下部開口を閉塞しており、キープリレーKX₁
の常開接点KX₁₁は閉路し切換スイツチS₅の接点
ｂ−ｃ間が導通している。また製氷完了検知装置
である製氷タイマTM₃及び製氷完了サーモTh₂は
共に開路し、貯氷タイマTM₂の常閉接点は閉路
し、貯水タンク１内には給水弁WVを介して製氷
用水が供給されている。従つて、圧縮機CMが駆
動し、切換スイツチS₅の接点ｂ−ｃとキープリレ
ーの常開接点の閉路とを通じて、製氷用水をセル
４に循環供給するポンプモータPMも同時に駆動
する。

こうして製氷運転が行なわれ、セル４内に氷が
十分成長して製氷タイマTM₃の遅延時間T₃がタ
イムアツプしてその接点ｇ−ｈを閉路するか又は
製氷サーモTh₂の接点が閉路する（製氷完了検知
が行なわれる）と、キープリレーKX₁のリセツト
コイルＲが導通する。このとき水位スイツチS₆の
接点はｅ−ｆからｄ−ｆに切換わつているので断
水検知解除リレーXCは導通しその常閉接点XC₂
は開路している（この時常開接点XC₁は閉路リレ
ーXCの付勢を自己保持している）。またリセツト
コイルＲの導通によりキープリレーの常開接点は
開路して常閉接点は閉路する。これによりアクチ
ユエータモータAMの回動軸７が反時計方向に回
動し、アーム８を回動して水皿３及び貯水タンク
１を支持部１０の回りに時計方向に回動させ、第
１図の点線で示されいるように、貯水タンク１と
ばね９の張力とが釣り合つた位置でタンクが静止
する。

このアーム８の所定回動により水皿が開くと共
に前記アーム８と切換スイツチS₅との接触により
切換スイツチの接点はｂ−ｃからａ−ｃに切換わ
り、除氷運転が開始される。即ち、切換スイツチ
の接点ａ−ｃ間の導通により接点ａに直列接続さ
れたキープリレーKX₁のセツトコイルＳが導通
し、該リレーの常開接点を閉路し常閉接点を開路
する。これによりホツトガス弁HVが導通しその
弁を開き蒸発器６にホツトガスが供給されセル４
を暖める。これによりセル４内の角氷は該セルか
ら離脱落下して水皿３に当接案内されて貯氷庫１
１内に貯留される。

こうして除氷が完了すると、除氷完了サーモ
Th₃がこれを検知してその接点を閉路してアクチ
ユエータモータAMの回動軸が時計方向に回動
し、水皿３及び貯水タンク１を元の位置に復帰さ
せる。このとき、アーム８の回動により切換スイ
ツチS₅を動作してその接点ｂ−ｃを導通される。
こうして製氷除氷運転の１サイクルが完了する。
この動作内容は第３図のブロツク図に簡単に示さ
れている。

次に断水等により貯水タンク内に製氷用水が所
定水位まで供給されない場合について説明する。

この場合には、水皿３が上昇して製氷運転に移
行したときに、貯水タンク１内の製氷用水が所定
水位に達していないため水位スイツチS₆の接点は
ｅ−ｆ側に接続されたままである。従つて断水検
知解除リレーXCへの通電は行われず、リレーXC
の常閉接点XC₂は閉路している。このため製氷完
了サーモTh₂の温度検知により製氷完了検知が行
なわれると、断水検知リレーXBが導通して断水
を検知しその常閉接点XB₂を開路する。ここで停
電対策リレーXAは正常運転時にはこれの常開接
点XA₁の開路により自己保持付勢されている。従
つて常閉接点XB₂が開路すると停電対策リレー
XAが消勢されてその常閉接点XA₂が閉路する。
このため貯氷タイマTM₂が付勢され遅延時間T₂
の時間遅延を開始し、そうして時間T₂の後にそ
の常閉接点を閉路し、圧縮機CM、アクチユエー
タモータAM、ポンプモータPMを含む製氷機構
の運転を停止する。

次に外気温が低下したときには、製氷運転中に
製氷完了サーモTh₂の接点が閉路するがキープリ
レーKX₁のリセツトコイルＲへの付勢が行なわれ
て除氷運転に切り換わるため、製氷除氷運転が停
止したりすることがない。

製氷完了サーモが外気温の影響を受けて製氷運
転を停止するような条件下では、貯水タンク内又
は給水経路内の水の凍結の恐れがあるが、本考案
の構成においては前述のように製氷除氷運転をく
り返すので凍結することがない。

また貯水タンク内の製氷用水が所定水位に達し
ておらず且つ外気温度が低下したときには、断水
検知リレーXCの消勢によりその常閉接点XC₂は
閉路しており且つ製氷完了サーモTh₂の接点が閉
路するので断水検知リレーXBを付勢して前述の
ように製氷機構の運転を停止する。

この場合、貯水タンク内には水がほとんど残つ
ていないので凍結による破損の恐れはない。

そして再び製氷機構の運転を再開したときには
手動ボタンPB₂を押圧してその接点を閉路すれば
よい。

また第２図上部において一点鎖線で示されてい
るように、停電対策リレーXAの常開接点XA₃を
販売制御回路SCに直列接続すれば販売動作も制
御できる。即ち、この場合には、常閉接点XB₂の
閉路により閉路していた常開接点XA₃は前記常閉
接点XB₂の開路により販売制御回路SCの導通を
停止しその販売動作を停止できる。

こうして断水等により貯水タンク内の水位が所
定水位より低下したときには、製氷運転及び販売
動作を停止できる。

以上のように本考案の自動販売機は、切換スイ
ツチ、水位スイツチ、断水検知解除リレー、断水
検知リレー、停電対策リレー、そして貯氷タイマ
を有しており、貯水タンク内の水位が所定水位以
下に低下したときに、水位スイツチを介して断水
検知解除リレーを消勢しその常閉接点を閉路し、
製氷完了検知時に断水検知リレーを付勢してその
常閉接点を開路し、停電対策リレーの通電を停止
してその常閉接点を閉路し、そうして貯氷タイマ
を付勢して所定時間後にその常閉接点を開路して
製氷機構の運転を停止する断水検知回路を備えて
いるので、断水等が起こつて貯水タンク内の水位
が所定水位に達していない場合に製氷完了検知時
に、それ以後の運転を確実に停止できる。

また断水検知を製氷機に一般に取りつけられて
いる水位スイツチと製氷完了検知装置によつて行
なつているので断水検知用の特別の検知部材を必
要とせず構造が簡単である。

さらに停電対策リレーの常開接点に販売制御回
路を直列接続すれば、貯水タンク内の水位が所定
水位に達していない場合に製氷完了検知時に販売
動作も停止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の自動販売機に組み込まれる自
動製氷機の１つの配置図、第２図は本考案の自動
販売機の断水検知回路図、第３図は第２図の断水
検知回路のブロツク図である。 １……貯水タンク、３……水皿、４……セル、
７……回動軸、８……アーム、９……ばね、AM
……アクチユエータモータ、CM……圧縮機、
PM……ポンプモータ、S₅……切換スイツチ、S₆
……水位スイツチ、XC……断水検知解除リレ
ー、XB……断水検知リレー、TM₃……製氷タイ
マ、Th₂……製氷完了サーモ、KX₁……キープリ
レー、XA……停電対策リレー、TM₂……貯氷タ
イマ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 逆セルタイプの製氷機において、製氷機構の
   駆動を制御し水皿の開閉により開閉動作を行な
   う切換スイツチと、貯水タンク内の所定水位を
   検知する水位スイツチと、切換スイツチ及び水
   位スイツチの間に直列接続された断水検知解除
   リレーと、断水検知解除リレーの常閉接点によ
   り制御される断水検知リレーと、断水検知リレ
   ーの常閉接点により制御される停電対策リレー
   と、停電対策リレーの常閉接点により制御され
   る貯氷タイマと、電源の一端子に一端が接続さ
   れ他端が切換スイツチに直列接続された貯氷タ
   イマの常閉接点とを有する断水検知回路を備え
   た製氷機。 ２ 停電対策リレーの常開接点に販売制御回路を
   直列接続した実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の断水検知回路を備えた製氷機。