JPS6139070B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はすくい角とはさみ角を有する櫛刃部
を先端のみに形成した片刃タイプの往復動電気か
みそりの櫛刃の製造法に関するものである。

従来、この種櫛刃を製造する場合には、薄肉鋼
板から櫛刃用基体を１枚分ずつ型取りし、この被
型取り体をミリングカツタによる切断加工法、砥
石車による研削加工法もしくはプレスによる打ち
抜き加工法によつてその先端にはさみ角とすくい
角を有する櫛刃部を形成している。

このように薄肉鋼板から１枚分ずつの櫛刃用基
体を型取りしているため、量産性が低くく、さら
にこの１枚の被型取り体をそのままにして櫛刃部
加工に供されるから、たとえばミリングカツタや
砥石車を用いる場合、上記被型取り体を多数個並
設する際に互に前傾姿勢に保持させる必要がある
が、多数個のものを一様にかつ正確な前傾角度に
設定保持させにくく、このためはさみ角やすくい
角にばらつきが生じ易い。またプレス加工に依る
場合でも、上記被型取り体をプレス金型の傾斜面
に保持させて、打ち抜かなければならず、堅固な
保持手段を導入しないと、上記打ち抜き時に上記
被型取り体が引つ張られて、櫛刃部の加工位置か
らずり落ちるおそれがある。

したがつて、この発明は櫛刃用板状基体２枚分
に連結した状態で型取りし、この被型取り体をく
の字に折曲して、このくの字状のまま治具に保持
させて各基体の先端に櫛刃部を形成したのち、両
基体の連結部を切り離すことにより、量産性に優
れ、しかも櫛刃部に高精度のはさみ角とすくい角
を付与し得る往復動電気かみそりの櫛刃を提供す
ることを目的とする。

以下、この発明の一実施例を図面にしたがつて
説明する。

まず、第１図に示す薄肉鋼板１０から、第２図
のように２枚の可動刃用板状基体１１，１２を、
各基端辺１１ａ，１２ａ同士を連結部１３で連成
されて状態に型取りしてなる被型取り体１４を用
意する。この被型取り体１４における上記連結部
１３および各基体１１，１２の各先端辺１１ｂ，
１２ｂの部分は第３図のように段差状に折曲加工
する。この先端辺１１ｂ，１２ｂを段差状に加工
したのは、対向櫛刃、つまり固定刃（図示せず）
の櫛刃に対応させるためである。１５，１６は固
定刃に対する摺動時のガイド孔である。この工程
までは、上記型取り時にプレス加工等で同時に形
成することができる。

つぎに、上記被型取り体１４を上記連結部１３
に設定された折曲線ｌから折り込んで第４図に示
すようにくの字状に成形し、所定の焼入処理を施
こした後、このくの字状の被型取り体１４を第５
図にように多数個（１４_１，１４_２………１４
ｎ）並設するとともに、保持用治具１７，１８間
に上記くの字状のまま保持させる。これら保持用
治具１７，１８には、上記基体１１，１２のなす
傾斜角度に合つた角度の傾斜面１７ａ，１７ｂ，
１８ａ，１８ｂを有する。この治具１７，１８間
に上記被型取り体１４を保持させたのち、上記基
体１１の先端辺１１ｂに対して砥石車１９を上記
並設方向（白矢印方向）へ移動させて上記先端辺
１１ｂを研削加工し、第６図のように鋸歯状の櫛
刃部２０を形成する。可動刃用基体１２の先端辺
１２ｂについても、同様に櫛刃部２０を形成す
る。上記砥石車１９を被型取り体１４の並設方向
に移動させて研削加工することにより、各先端辺
１１ｂ，１２ｂと砥石車１９との当たりが鋭角と
なるため、上記各先端辺１１ｂ，１２ｂには第７
図に示すようなはさみ角θｃと第８図に示すよう
なすくい角θｒが同時に形成される。

しかる後、櫛刃部２０，２０が形成された被型
取り体１４の上記折曲線ｌ（第９図）を切り取り
線として、上記両基体１１，１２を第１０図のよ
うに切り離し、各櫛刃部２０，２０に対して、所
定の刃先研摩を行なえば、上記１枚の被型取り体
１４から２枚の可動刃が形成される。

このように、２枚分の可動刃用板状基体１１，
１２を連成してなる被型取り体１４をくの字状に
成形し、この被型取り体１４をくの字状のまま保
持用治具１７，１８に保持させて上記基体１１，
１２の各先端辺１１ｂ，１２ｂに研削加工で櫛刃
部２０を形成するから、上記研削時における上記
被型取り体１４は上記保持用治具１７，１８にお
ける交叉する２面で安定して保持されることにな
り、このため上記櫛刃部２０に付与されるすくい
角θｒと、はさみ角θｃが高精度でばらつきが少
なくなる。

さらに薄肉鋼板１０から２枚分の可動刃用基体
１１，１２を型取りしてなる被型取り体１４に櫛
刃部２０の加工を施こしたのち、上記両基体１
１，１２の連結部１３から上記両基体１１，１２
を切り離すから、可動刃の生産性を増すことがで
きる。

ところで、上記実施例では、櫛刃部２０を砥石
車１９を用いた研削加工に依る例で説明したもの
であるが、プレス加工に依る場合には、第２図に
示すように型取りされた被型取り体１４をそのま
まくの字状に折曲し、第１１図に示すように傾斜
面１７ａ，１７ｂを有する治具１７に保持させれ
ば、プレス金型２１で上記第６図に示すような櫛
刃部２０が形成される。この後で櫛刃部２０の形
成される各基体１１，１２の先端辺１１ｂ，１２
ｂの段差加工を行なえばよい。

この場合は、治具１８に保持された被型取り体
１４の保持状態を一層安定化させることができ
る。またミリングカツタ（図示せず）を用いる場
合でも、このプレス加工法と同様の工程で可動刃
を得ることができる。

なお、上記被型取り体１４を第１２図のように
帯状の薄肉鋼板１００から型取りする場合には、
複数の型取り板１４を一体的に型取りすれば一層
量産性が向上することが勿論である。

また、上記製造法は上記可動刃に限らず、固定
刃に対しても適用できるものである。

この発明は以上詳述したように、櫛刃用板状基
体を２枚分連成して型取りされた被型取り体をく
の字状に折曲し、このくの字状のまま保持具に保
持させて櫛刃部の加工を行なうから、この櫛に付
与されるすくい角とはさみ角の精度が向上するう
え、この櫛刃部の形成後にこの型取り板を２分さ
せるから、１枚の型取りに対して櫛刃の生産性を
倍増させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第１０図はこの発明の製造法の一例を
示す工程図で、第８図は第７図の８−８線断面図
である。第１１図はプレス加工の説明図、第１２
図は型取り工程の説明図である。 １０，１００……薄肉鋼板、１１，１２……櫛
刃用板状基体、１１ａ，１２ａ……基端辺、１１
ｂ，１２ｂ……先端辺、１３……連結部、１４…
…被型取り体、１７，１８……保持用治具、１７
ａ，１７ｂ，１８ａ，１８ｂ……傾斜面、２０…
…櫛刃部、θｃ……はさみ角、θｒ……すくい
角。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 先端辺１１ｂ，１２ｂのみに櫛刃部２０を有
   する往復動電気かみそりの櫛刃の製造法であつ
   て、２枚の櫛刃用板状基体１１，１２を互にその
   基端辺１１ａ，１２ａ同士を連結させた状態で薄
   肉鋼板１０，１００から型取りするとともに、こ
   の被型取り体１４を上記連結部１３からくの字状
   に折曲したのち、上記各基体１１，１２の同一面
   に対応する傾斜面１７ａ，１７ｂ，１８ａ，１８
   ｂをもつた保持用治具１７，１８に上記くの字状
   の被型取り体１４を保持させ、ついで上記各基体
   １１，１２の各先端１１ｂ，１２ｂに櫛刃部２
   ０，２０をそれぞれ形成して各櫛刃部２０にすく
   い角θｒとはさみ角θｃを付与させたのち、上記
   連結部１３を切断して両基体１１，１２を切り離
   してなる往復動電気かみそりの櫛刃の製造法。