JPS6138745Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、プレス金型運搬中等におけるポンチ
の破損を防止するようにしたプレス金型のポンチ
保護装置に関する。

ダイスと協働して被加工材を成型加工するプレ
ス金型のポンチ、特に先端角部は外力に対して容
易に折損を生じやすいものである。従来、例え
ば、プレス金型の運搬移動時ポンチをダイス孔に
嵌合させて運搬移動させたりしているが、運搬移
動時には諸々の振動、衝撃は避け難く実際にはダ
イスを介して間接的に外力が作用してポンチの変
形、破損等を招くといつた欠点を有している。

このような欠点を除去するには、たとえば上金
型と下金型との位置合わせを行うガイドシヤフト
に高さ調整用の中空状円筒ブロツクを外装し、上
金型と下金型との離間寸法を増大させ、ダイスか
らポンチの先端が抜き出るように保持することが
考えられる。しかし、この場合は、上金型をかな
りの高さ位置まで持ち上げてガイドシヤフトの先
端から前記円筒ブロツクの着脱を行わなければな
らず作業が非常に面倒になる。

したがつて、円筒ブロツクの着脱はガイドシヤ
フトに横方向から行えるようにするのがよい。円
筒ブロツクを横方向から着脱できるようにするた
め、円筒ブロツク径方向に延びる挿入用切欠部を
設けて断面略Ｃ字状に形成すると、プレス金型の
運搬時における振動、衝撃により円筒ブロツクが
ガイドシヤフトに対し切欠部に沿つて径方向外方
へ相対移動して位置ずれを起こすおそれがある。

本考案は上記の点にかんがみ、ガイドポストに
左右一対の半環状ブロツクを外装することによ
り、プレス金型運搬時におけるポンチの損傷を防
止し、かつ前記半環状ブロツクの着脱が容易で、
しかも該半環状ブロツクの位置ずれを確実に阻止
できる。プレス金型のポンチ保護装置の提供を目
的とするものである。

すなわち、本考案の具体的構成は、上金型１に
ポンチ３を有し下金型４にダイス５を有するプレ
ス金型において、前記上金型１に、断面円形のガ
イド孔６をもつガイドブロツク７を設けるととも
に、前記下金型４に、前記ガイド孔６に嵌合する
断面円形のガイドポスト８をダイホルダ９を介し
て立設し、該ガイドホルダ９の上面には、内周面
が前記ガイドポスト８の外周面に臨む中空円筒状
の被嵌合部材１０を固定し、該被嵌合部材１０の
上面内側にその内周縁に沿つて延びる還状の嵌合
用凹部１２を形成し、前記被嵌合部材１０の上
に、内周面が前記ガイドポスト８の外周面に臨む
左右一対の半環状ブロツク１４，１４を載置する
とともに、該各半環状ブロツク１４，１４の下面
内側に、前記凹部１２に嵌合する半環状の凸部１
６を設け、前記半環状ブロツク１４，１４の厚さ
を、前記ポンチ３の先端が前記ダイス５より抜け
出る高さ位置に保持できる寸法に設定した、こと
を特徴とするプレス金型のポンチ保護装置であ
る。

上記の構成における使用に際しては、ガイドホ
ルダ９に固定した中空円筒状の被嵌合部材１０に
一対の半環状ブロツク１４，１４を載置し、被嵌
合部材１０上面内側の凹部１２に一対の半環状ブ
ロツク１４，１４の各凸部１６を嵌合させ、この
後、上金型１と下金型４によつてガイドポスト８
の軸方向から被嵌合部材１０上の前記半環状ブロ
ツク１４，１４を挟持拘束する。

すると、上金型１のポンチ３の先端が下金型４
のダイス５内に挿入されないところに位置し、こ
の状態のまま前記両金型１，４が離間保持され
る。したがつて、プレス金型運搬時に大きな振
動、衝撃をうけても、その外力によりポンチ３が
損傷をうけることはない。

本考案では、一対の半環状ブロツク１４，１４
を装着するときは、ガイド孔６に嵌合するガイド
ポスト８の径方向外方両側から被嵌合部材１０に
嵌め入れるだけでよいので、非常に簡便に装着で
きる。逆に、一対の半環状ブロツク１４，１４を
取り外すときは、前記同様に上金型１を少し持上
げてガイドポスト８の径方向外方両側へ簡便に取
り外すことができる。

そして、一対の半環状ブロツク１４，１４の凸
部１６が被嵌合部材１０の凹部１２に嵌まつた状
態では、振動等によりいずれの方向から外力を受
けても、被嵌合部材１０すなわちガイドシヤフト
８に対し前記半環状ブロツク１４，１４がその径
方向に相対変位することがないので、相互に衝合
する前記一対の半環状ブロツク１４，１４がガイ
ドシヤフト８の径方向へ位置ずれを起こすことが
確実に規制される。

本考案の一実施例を図面に基づいて説明する
と、第１図において上金型１にはポンチホルダ２
を介してポンチ３が取り付けられ、下金型４には
ダイス５が設けてある。また、上金型１側には断
面円形のガイド孔６を備えるガイドブロツク７が
取り付けられ、それに対向した下金型４側にはガ
イド孔６に摺動自在に嵌合する断面円形のガイド
ポスト８がダイホルダ９を介して立設されてい
る。ダイホルダ９の上には、内周面がガイドポス
ト８の外周面に臨む中空円筒状の被嵌合部材１０
がボルト１１によつて取外可能に固定されてい
る。この被嵌合部材１０には上面内周側に沿つて
環状の凹部１２が設けられている。第２図乃至第
３図はこれを示すもので、１３は前述のボルト１
１が貫通されるボルト穴であつて、このボルト穴
１３は第４図に示すようにネジ山を有しない単な
る貫通穴としてもよく、またその穴の長さは適宜
長さとしてもよい。

１４，１４は内周面がガイドポスト８の外周面
に臨む半環状ブロツクで、これら両半環状ブロツ
ク１４，１４は互いに第５図に示すように左右対
称の一対であり、各半環状ブロツク１４，１４は
それぞれほぼ半円状（少なくとも半円より小さい
円弧）の嵌合溝１５を有しており、この嵌合溝１
５を利用して半環状ブロツク１４，１４は、ガイ
ドポスト８外周に径方向外方側から簡単に嵌合さ
れるようになつている。また、半環状ブロツク１
４，１４にはその下面内周に沿つてそれぞれ半環
状の凸部１６が設けられており、この凸部１６は
前述した被嵌合部材１０の凹部１２に嵌合自在と
なるように形成されている。この半環状ブロツク
１４，１４の厚さは上金型１と下金型４との間に
半環状ブロツク１４，１４を介挿させた状態（第
１図の状態）において、ポンチ３がダイス５孔に
嵌入しない高さに支持できる厚さとされている。
従つて、プレス金型が振動、衝撃を受けてもポン
チ３がダイス５に突き当たつて変形、破損等を起
こすようなことは全くない。

半環状ブロツク１４，１４の取り付けに際して
は、上金型１を第１図に示す位置より若干上方に
位置させ、ガイドポスト８にこの径方向外方側よ
り半環状ブロツク１４，１４を嵌合させると共
に、若干下方へ変位させて、被嵌合部材１０に嵌
合載置し、ついで上金型１を半環状ブロツク１
４，１４に当接するように位置させればよい。逆
に、取り外す際は説明するまでもなくこれと全く
逆の手順によつて簡単に取り外せる。

なお、被嵌合部材１０と半環状ブロツク１４，
１４特に半環状ブロツク１４，１４の外周面には
該両者部材１０，１４を他の部材と識別表示する
ため、適宜、彩色しておくのが好ましい。

叙上のように本考案によれば、所定厚さの一対
の半環状ブロツク１４，１４を上金型１のガイド
ブロツク７とガイドホルダ９上の被嵌合部材１０
との間に配設することにより、ポンチ３をその先
端がダイス５に嵌入しない高さ位置に保持しうる
ので、金型運搬時におけるポンチ３の損傷を解消
することはもとより、上金型１を若干持ち上げる
だけで一対の半環状ブロツク１４，１４をガイド
ポスト８の径方向両側より簡便に着脱することが
でき、しかも、任意の方向から外力を受けても、
凸部１６と凹部１２との嵌合によつて、一対の半
環状ブロツク１４，１４がガイドポスト８の径方
向へ位置ずれを起こすことを確実に阻止すること
ができる、という従来にない特有の効果がある。

なお、第６図、第７図はそれぞれ本考案に係る
半環状ブロツク１４を変形させた類似の構造であ
るが、これらのものは下面内側に嵌合用凸部を有
しないので、第５図のものに比べて脱着作業が低
下する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部断面側面
図、第２図は第１図に用いた被嵌合部材を示す平
面図、第３図は第２図のＡ−Ａ線に沿つた断面
図、第４図は本考案に係る被嵌合部材の変形例を
示す断面図、第５図は本考案に係る半環状ブロツ
ク二個一対を示す斜視図、第６図、第７図はそれ
ぞれ本考案に係る半環状ブロツクを変形させた類
似のもの１個を示す斜視図である。 １……上金型、３……ポンチ、４……下金型、
５……ダイス、８……ガイドポスト、１０……被
嵌合部材、１４……半環状ブロツク、１５……嵌
合溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上金型１にポンチ３を、下金型４にダイス５を
   有するプレス金型において、 前記上金型１に、断面円形のガイド孔６をもつ
   ガイドブロツク７を設けるとともに、前記下金型
   ４に、前記ガイド孔６に嵌合する断面円形のガイ
   ドポスト８をダイホルダ９を介して立設し、 該ガイドホルダ９の上面には、内周面が前記ガ
   イドポスト８の外周面に臨む中空円筒状の被嵌合
   部材１０を固定し、 該被嵌合部材１０の上面内側に、その内周縁に
   沿つて延びる還状の嵌合用凹部１２を形成し、 前記被嵌合部材１０の上に、内周面が前記ガイ
   ドポスト８の外周面に臨む左右一対の半環状ブロ
   ツク１４，１４を載置するとともに、該各半環状
   ブロツク１４，１４の下面内側に、前記凹部１２
   に嵌合する半環状の凸部１６を設け、 前記半環状ブロツク１４，１４の厚さを、前記
   ポンチ３の先端が前記ダイス５より抜け出る高さ
   位置に保持される厚さ寸法に設定したことを特徴
   とするプレス金型のポンチ保護装置。