JPS6138097B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は券売機や改収札機等のカードを扱う機
器において、カードの搬出方向を変更し得るよう
にしたカード搬出装置に関するものである。

従来第１図に示すように、矢印Ａに示す方向か
ら搬入したカード９を矢印Ｂ，Ｃに示すいずれか
一方向に選択的に搬出するために、ソレノイド１
４にて駆動される搬出方向切換用のフラツパ２４
を設けたカード搬出装置が開発されている。同図
の装置においては水平ガイド面２５と下傾ガイド
面８とを有する搬出方向切換用のフラツパ２４が
支点２６を中心として揺動自在となつており、ソ
レノイド１４に内挿されたプランジヤ２７の突出
引込動作により両ガイド面２５，８が傾くように
なつている。しかしてカード搬入手段１０により
左方から右方へ搬入されたカード９は上方および
下方の両ベルトコンベア４ｂ，４ａにて引き取ら
れ矢印Ｃに示す方向に搬出される。カード９を矢
印Ｂに示す方向に搬出する場合にはカード９の後
端部１７が下傾ガイド面８の上端部７よりもベル
トコンベア４ａ，４ｂの側に来た時点でソレノイ
ド１４を駆動して下傾ガイド面８の上端部７を上
方にせり上げた後、両ベルトコンベア４ａ，４ｂ
の搬出方向を反転せしめるものである。このよう
にすればカード９を矢印Ｂ，Ｃに示すいずれか一
方向に選択的に搬出することができるものである
が、かかる方式においてはカード搬入手段１０の
前端部にあるプーリ１６とベルトコンベア４ａ，
４ｂの第１プーリ１ａ，１ｂとの間に搬出方向切
換用のフラツパ２４を設ける必要があり、したが
つてプーリ間距離Ｌが必然的に長くなり、カード
長が短い場合にはカード９の搬出を行なうことが
できないという欠点があつた。

本発明は従来例のこのような欠点を解消するた
めに為されたものであり、プーリ間に搬出方向切
換用のフラツパを設けることなくカードの搬出方
向を変更することができるカード搬出装置を提供
することを目的とするものである。

以下本発明の構成を図示実施例について説明す
ると、第２図乃至第６図に示すように第１プーリ
１と第２プーリ２とを平ベルト３にて連結して成
るベルトコンベア４をベルト面５がほぼ水平とな
るように上下方向に互いに段違い平行に配設し、
下方ベルトコンベア４ａの一方の端部にある下方
第１プーリ１ａよりも外側に突出せる上方第１プ
ーリ１ｂが下方第１プーリ１ａと平ベルト３を介
して接触する位置から非接触状態となる位置まで
離間自在とするプーリ離間手段６を設け、両プー
リ１ａ，１ｂの接触時における両プーリ１ａ，１
ｂの共通接線Ｔよりも上方に上端部７を有する下
傾ガイド面８を、下傾するにつれて両ベルトコン
ベア４ａ，４ｂから遠ざかるように配設し、両プ
ーリ１ａ，１ｂの離間時に下方ベルトコンベア４
ａのベルト面５上にカード９を搬入するカード搬
入手段１０を設け、両プーリ１ａ，１ｂの離間を
解除することによりカード９を両ベルトコンベア
４ａ，４ｂにて搬出し得る状態とするプーリ１
ａ，１ｂの離間解除手段１１を設け、両ベルトコ
ンベア４ａ，４ｂにより第２プーリ２の側に搬出
されるカード９の後端部１７が下傾ガイド面８の
上端部７よりもベルトコンベア４ａ，４ｂ側に引
き取られた位置において両ベルトコンベア４ａ，
４ｂを反転せしめる反転制御手段１２を設け、反
転制御手段１２の動作をオンオフすることにより
カード９の搬出方向を変更する搬出方向変更スイ
ツチ１３を設けたものである。上方第１プーリ１
ｂは可動的に取付けられるものであるが、上方第
２プーリ２ｂと平ベルト３を介して連結されてい
るために、両プーリ１ｂ，２ｂ間の距離を一定に
保ち得るように上方第２プーリ２ｂを中心として
半径ｌの円弧状軌跡を描くように回転移動できる
構造となつている。また上方第２プーリ２ｂは下
方ベルトコンベア４ａのベルト面５上に平ベルト
３を介して接触し得る位置に固定的に取付けられ
ているものである。上方第１プーリ１ｂの可動範
囲はカード搬入手段１０によつて搬入されたカー
ド９に全く触れない位置から下方ベルトコンベア
４ａのベルト面５に接触する位置までである。か
かる上方第１プーリ１ｂの可動範囲は実用上数ミ
リ程度でよいためソレノイド１４とばね１５等を
用いて駆動されるものであるが、この技術は公知
のものでよく、その詳細は省略する。

第２図に示すように下方第１プーリ１ａと上方
第１プーリ１ｂとは角度θ_１をもつて斜めに接触
している。両プーリ１ａ，１ｂの接触点とカード
搬入手段１０の前端部にあるプーリ１６とのプー
リ間距離をＬとすると、カード９の長さＦはプー
リ間距離Ｌよりも大きくなければならない。した
がつてカード９の長さＦは次の範囲内にあること
が必要である。

Ｌ＜Ｆ＜Ｌ＋（ｌ−ｄ cos θ_１） ……(1) ここにｄは上方第１プーリ１ｂの半径を示して
おり、ｌは上方ベルトコンベア４ｂの上方第１プ
ーリ１ｂと上方第２プーリ２ｂとの間の距離を示
している。

次に第２図において１９はフオトセンサであ
り、カード９の前端部１８および後端部１７の通
過を検出できるようになつている。しかしてカー
ド搬入手段１０によつて第４図ａに示すようにカ
ード９が左方から右方へ搬入され、その前端部１
８がフオトセンサ１９に達すると、第３図に示す
ようにソレノイド駆動装置２０を介してプーリ離
間用のソレノイド１４ａを励磁し、上方第１プー
リ１ｂを下方第１プーリ１ａから離間するもので
ある。上方第１プーリ１ｂの離間状態においては
カード９は上下両ベルトコンベア４ａ，４ｂ間に
容易に侵入できるから、カード９はその後端部１
７がカード搬入手段１０の前端部にあるプーリ１
６による駆動力を受けなくなるまで移動した後、
一時停止して待機状態となる。この状態において
第３図に示すようにカード搬出スイツチ２１をオ
ンにすると、プーリの離間解除用ソレノイド１４
ｂが励磁され、上方第１プーリ１ｂが下方第１プ
ーリ１ａと接触状態となり、同時にベルトコンベ
ア４ａ，４ｂ駆動用のモータ２２が順転を開始す
る。第４図ｂはこの状態を示すものである。第４
図ｂに示すようにカード９の後端部１７がフオト
センサ１９を通過すると、第３図に示すように反
転制御手段１２を介して限時リレー２３が作動
し、一定時間後に限時完了信号を反転制御手段１
２に返送する。限時リレー２３にはカード９の後
端部１７がフオトセンサ１９を通過したのち、上
記後端部１７が下傾ガイド面８の上端部７を通過
するまでに要する時間を予め設定しておくもので
ある。かかる時間はベルトコンベア４ａ，４ｂに
よるカード９の搬送速度により定まるものであ
る。しかしてカード９の搬出方向変更スイツチ１
３がオン状態であるときには限時リレー２３の限
時完了信号により反転制御手段１２が動作して、
ベルトコンベア４ａ，４ｂ駆動用のモータ２２を
逆転動作せしめるものである。このときカード９
の後端部１７は第４図ｃに示すようにすでに下傾
ガイド面８の上端部７を通過しているので、ベル
トコンベア４ａ，４ｂが逆転動作して両第１プー
リ１ａ，１ｂの共通接線Ｔの方向に搬出されたカ
ード９は第４図ｄに示すように下傾ガイド面８に
沿つて矢印Ｂの方向に搬出されるものである。ま
た搬出方向変更スイツチ１３がオフであるときに
は、反転制御手段１２はかかる反転動作を行なわ
ず、したがつてカード９は矢印Ｃに示す方向にそ
のまま搬出されるものである。

以上のように本発明においては、ベルトコンベ
アを上下方向に互いに段違い平行に配設し、コン
ベアの一方の端部にある両プーリの共通接線より
も上方に上端部を有する下傾ガイド面を、下傾す
るにつれて両ベルトコンベアから遠ざかるように
配設し、カードの後端部が下傾ガイド面の上端部
よりもベルトコンベア側に引き取られた位置にお
いてベルトコンベアを反転し得るように構成した
ので、ベルトコンベアの反転または非反転動作に
よつてカードの搬出方向を容易に変更することが
できるという利点があり、しかもベルトコンベア
にカードを搬入するためのカード搬入手段とベル
トコンベアとの間に従来例に示すようなカード搬
出方向切換用のフラツパを設ける必要がなく、下
傾ガイド面を設けるだけで良いので、搬出し得る
カードの長さが比較的短いような場合にも装置の
設計に無理が生じないという利点がある。また本
発明においてはカードをベルトコンベアに搬入す
る際に上方ベルトコンベアの上方第１プーリが離
間するので、カード搬入手段によりカードを下方
ベルトコンベアのベルト面上に搬入した状態でカ
ード搬出命令が出るまで待機することができ、し
たがつてカード搬出命令が出てから実際にカード
が搬出されるまでに要する時間が短縮できるとい
う利点がある。

なお、上述の実施例では、カード搬送を上下一
対のベルトコンベアで行なつたが、上方のベルト
コンベアは、ベルトを有しないプーリのみとして
も本発明の作用効果を得ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の側面図、第２図は本発明の一
実施例の側面図、第３図は同上のブロツク図、第
４図ａ〜ｄは同上の動作説明図である。 １は第１プーリ、２は第２プーリ、３は平ベル
ト、４はベルトコンベア、５はベルト面、６はプ
ーリ離間手段、７は上端部、８は下傾ガイド面、
９はカード、１０はカード搬入手段、１１は離間
解除手段、１２は反転制御手段、１３は搬出方向
変更スイツチである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 第１プーリと第２プーリとを平ベルトにて連
   結して成るベルトコンベアをベルト面がほぼ水平
   となるように配設し、上記第１プーリの上方に該
   第１プーリよりも外側に突出するように上方第１
   プーリを配設し、ベルトコンベアの一方の端部に
   ある下方第１プーリよりも外側に突出せる上方第
   １プーリが下方第１プーリと接触する位置から非
   接触状態となる位置まで離間自在とするプーリ離
   間手段を設け、両プーリの接触時における両プー
   リの共通接線よりも上方に上端部を有する下傾ガ
   イド面を、下傾するにつれてベルトコンベアから
   遠ざかるように配設し、両プーリの離間時にベル
   トコンベアのベルト面上にカードを搬入するカー
   ド搬入手段を設け、両プーリの離間を解除するこ
   とによりカードをベルトコンベアにて搬出し得る
   状態とするプーリの離間解除手段を設け、ベルト
   コンベアにより第２プーリの側に搬出されるカー
   ドの後端部が下傾ガイド面の上端部よりもベルト
   コンベア側に引き取られた位置においてベルトコ
   ンベアを反転せしめる反転制御手段を設け、反転
   制御手段の動作をオンオフすることによりカード
   の搬出方向を変更する搬出方向変更スイツチを設
   けて成ることを特徴とするカード搬出装置。