JPS6137987Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コークス乾式消火設備や亜鉛製錬電
気炉の排鉱からの熱回収設備などに用いられる低
温粉粒体の加熱装置に関する。

従来、コークスのような可燃性の高温粉粒体の
顕熱を向流移動層とボイラとの組合せにより回収
するための設備としてコークス乾式消火設備があ
つた。しかしながら、ガスが可燃性で毒性を有す
る組成となる場合に、高温粉粒体の顕熱を他の低
温粉粒体の加熱に直接利用するものはなかつた。

ところで、高温粉粒体の顕熱を他の低温粉粒体
の加熱に利用するものには、オープンループのも
のとクローズドループのものと考えられるが、オ
ープンループとした場合の実施態様としては第１
図に示す構成が考えられる。

第１図において、送風機１の下流側には第１向
流移動層２が配設されており、送風機１により空
気がこの移動層２内に矢印Ａで示すように供給さ
れた高温粉粒体と向流接触して加熱されるように
なつている。なお、ガスを加熱して低温化した粉
粒体は矢印A′で示すように排出される。

前記第１向流移動層２の下流側には燃焼炉３が
配設されており、この燃焼炉３内に矢印で示すよ
うに供給された燃焼空気と燃料から発生した燃焼
生成ガスにより第１向流移動層２で加熱された高
温ガスがより一層加熱されるようになつている。
また、前記燃焼炉３の下流側には第２向流移動層
４が配設されており、この移動層４内に矢印Ｂで
示すように供給された低温粉粒体が前記燃焼炉３
からの高温ガスにより加熱されて高温となつて矢
印B′で示すように排出されるようになつている。

しかしながら、このようなオープンループのも
のにおいては、送風機１の吸入側が必らず大気圧
となるため、シール性が要求される第１向流移動
層４における高温粉粒体の供給部および排出部の
大気との差圧を小さくすることができない。ま
た、新鮮な空気が送風機１により常に第１向流移
動層２内に供給されるため、高温粉粒体が可燃性
である場合には粉粒体の燃焼を防止できない。

本考案は、このような点に鑑み、クローズドル
ープで高温粉粒体の顕熱を他の低温粉粒体の加熱
に直接利用し、省エネルギをはかるようにした低
温粉粒体の加熱装置を提供することを目的として
なされたもので、循環フアンによりガスを循環せ
しめる閉管路に、ガスおよび高温粉粒体を接触さ
せる第１向流移動層と燃焼生成ガスに第１向流移
動層で加熱されたガスを混合する燃焼炉と、この
燃焼炉からの高温ガスおよび低温粉粒体を接触さ
せる第２向流移動層とをこの順に配置するととも
に、前記閉管路に放散弁を備えたガス放出管を接
続したものである。

以下、本考案を図面に示す実施例により説明す
る。

第２図は本考案の第１実施例を示すものであ
り、閉管路１０には循環フアン１１が介装されて
おり、この循環フアン１１の駆動により閉管路１
０内をガスが循環することになる。前記循環フア
ン１１の下流側の閉管路１０には循環ガス量調整
弁１２および第１向流移動層１３がこの順に配置
されており、調整弁１２により流量を調整された
低温ガスが第１向流移動層１３に供給されるよう
になつている。この第１向流移動層１３には、矢
印Ｃで示すように、亜鉛製錬炉の排鉱（保有熱
1000℃）のような高温粉粒体が供給されて低温ガ
スと接触し、低温ガスを加熱するようになつてい
る。なお、低温ガスを加熱して冷却された粉粒体
は矢印C′で示すように排出される。

前記第１向流移動層１３の下流側の閉管路１０
には燃焼炉１４が配置されており、第１向流移動
層１３内で加熱された高温ガスが供給されるよう
になつている。また、この燃焼炉１４には、矢印
で示すように外部から燃料および燃焼空気が供給
されて前記高温ガスと混合され、加熱に必要な高
温ガスを得るようになつている。さらに、この燃
焼炉１４は第１向流移動層１３における負荷変動
を吸収するようになつている。

前記燃焼炉１４の下流側の閉管路１０には第２
向流移動層１５が配置されており、燃焼炉１４か
らの高温ガスが供給されるようになつている。こ
の第２向流移動層１５には、矢印Ｄで示すよう
に、亜鉛製錬原料のような低温粉粒体が供給され
て高温ガスと接触し、低温粉粒体は加熱された上
で矢印Ｄで示すように排出されるようになつてい
る。

前記第２向流移動層１５の下流側の閉管路１０
には除塵装置１６が配置されており、ガス中に含
まれるダストを除去するようになつている。これ
は、この除塵装置１６の下流側に位置する前記循
環フアン１１にダストが送られると、このダスト
によりフアン１１が摩耗するので、フアン１１を
この摩耗から保護するためである。

前記循環フアン１１および循環ガス量調整弁１
２間の閉管路１０には放散弁１７を備えたガス放
出管１８が接続されており、この放散弁１７の開
度を調整することにより燃焼炉１４で発生した燃
焼生成ガスに相当するガス量を大気へ放出すると
ともに、閉管路１０内の圧力レベルを制御するよ
うになつている。

前述した構成によれば、第１向流移動層１３内
に供給された低温ガスが高温粉粒体と接触するこ
とにより加熱されて燃焼炉１４に達し、ここで燃
焼生成ガスを高温にする。その後、高温の燃焼生
成ガスが第２向流移動層１５内に供給されて、こ
こで低温粉粒体と接触してこの低温粉粒体を加熱
する。したがつて、高温粉粒体の顕熱を低温粉粒
体の加熱に直接有効利用することができる。

前述した実施例によれば、閉管路１１内に新鮮
な空気が侵入しないため、可燃性の高温粉粒体に
対してもその燃焼を防止できるし、第１向流移動
層１３および第２向流移動層１５間の燃焼炉１４
が大気圧となるため第１向流移動層１３の高温粉
粒体の供給部および排出部の圧力レベルを比較的
大気圧に近くすることができ、これにより、この
部分のシールが容易となる。さらに、循環フアン
１１を比較的低温部分に配置することができるの
で、高温型の送風機を採用する必要がない。

第３図は前述した実施例の変形例を示すもので
あり、第１向流移動層１３および除塵装置１６間
の閉管路１０を並列な一対の管路１０ａ，１０ｂ
とし、各管路１０ａ，１０ｂにそれぞれ燃焼炉１
４ａ，１４ｂおよび第２向流移動層１５ａ，１５
ｂを配置したものである。なお、１９ａ，１９ｂ
はガス量調整弁である。

このような構成によれば、１箇所の高温粉粒体
の顕熱を２箇所の低温粉粒体の加熱に利用でき
る。なお、３箇所以上の低温粉粒体の加熱も可能
であることは言うまでもない。

以上説明したように、本考案に係る低温粉粒体
の加熱装置は、循環フアンによりガスを循環せし
める閉管路に、ガスおよび高温粉粒体を接触させ
る第１向流移動層と、燃焼生成ガスに第１向流移
動層で加熱されたガスを混合する燃焼炉と、この
燃焼炉からの高温ガスおよび低温粉粒体を接触さ
せる第２向流移動層とをこの順に配置するととも
に、前記閉管路に放散弁を備えたガス放出管を接
続したので、新鮮な空気の侵入がないため、可燃
性の高温粉粒体が燃焼してしまうおそれがなく、
この高温粉粒体の顕熱を低温粉粒体の加熱に直接
利用でき、したがつて、省エネルギに寄与でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はオープンループの低温粉粒体の加熱装
置の１例を示す系統図、第２図および第３図はそ
れぞれ本考案に係る低温粉粒体の加熱装置の実施
例を示す系統図である。 ２，４，１３，１５，１５ａ，１６ｂ……向流
移動層、３，１４……燃焼炉、１０……閉管路、
１１……循環フアン、１８……放出管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 循環フアンによりガスを循環せしめる閉管路
   に、ガスと高温粉粒体を接触させる第１向流移動
   層と、燃焼生成ガスに第１向流移動層で加熱され
   たガスを混合する燃焼炉と、この燃焼炉からの高
   温ガスと低温粉粒体を接触させる第２向流移動層
   とをこの順に配置するとともに、前記閉管路に放
   散弁を備えたガス放出管を接続したことを特徴と
   する低温粉粒体の加熱装置。