JPS6137938Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、灯油等の液体燃料を生燃焼により
自動的に気化燃焼へ移行させるロータリーガス化
バーナの改良に関するものである。

一般に第１図に示すような、燃焼室１を形成す
る外筒２内で回転する気化筒３の開口部周縁４か
ら、送油管５により送られて来た液体燃料を、外
筒２の内周面に設置した燃焼筒６の内壁面に向け
て飛散させ、当該部分で生燃焼（パイロツト燃
焼）させ、次いで生燃焼による気化筒３の加熱作
用で気化筒３へ送油された液体燃料を速やかに気
化ガスとし、この気化ガスをモーターケーシング
７から燃焼空気導入パイプ８を通つて気化筒３内
へ送られて来る強制風と混合させ、この混合気を
送風筒９、外筒底面２ａ及び燃焼筒６により形成
されたガス通路１０により燃焼筒６の内面に設け
た炎口１１に導き、炎口１１で気化燃焼させるよ
うに構成し、上記の液体燃料を生燃焼により自動
的に気化燃焼へ移行させる形式のロータリーガス
化バーナに於いては、生燃焼時の空気量は、気化
筒３の急速加熱のためには、理論空気量の0.3〜
0.4程度が最適である。

ところで、上記した形式のロータリーガス化バ
ーナでは、生燃焼時に必要な空気を、燃焼空気導
入パイプ８と連通した、気化筒３内に強制風を送
るためのエアチヤンバー１２から、気化筒３の端
部に形成した空気通路１３を通して供給するよう
にしている。従つて空気通路１３の入口側が、気
化筒３の上流側となり、その位置の空気の静圧が
高いため、生燃焼による気化筒３の加熱に最適な
理論空気量の0.3〜0.4程度の少量の空気を供給す
るためには、上記空気通路１３の通路幅を極力狭
くする必要があつた。

ところが、この通路幅をあまり狭くすると、製
作時の誤差、及び加熱による気化筒３等の熱膨張
により、回転している気化筒３の開口部周縁４
と、外筒２内に固定したエアチヤンバー１２を構
成するための部材の表面とが接触を起こすといつ
た問題があり、通路幅を２〜３mm以下にすること
ができなかつた。

この考案は上記問題点に鑑み、気化筒の開口部
周縁に形成する空気通路を屈曲通路とし、且つ屈
曲通路の一部に膨張室を設けることにより、通路
幅を広くとつても空気通路から吹出す空気量が少
なくなる様にしたロータリーガス化バーナを提供
するものであり、以下この考案の構成を図面に示
す実施例に従つ説明すると次の通りである。

第２図及び第３図はこの考案に係るロータリー
ガス化バーナを示す断面図であり、図面に於いて
２０は燃焼室２１を形成する燃焼筒、２２は燃焼
筒２０の開口部に固着した底盤、２３は底盤２２
に接合したモーターケーシングである。２４はモ
ーターケーシング２３内に配置したモーター、２
４はモーター２４の回転軸２４ａに取付けた燃焼
フアン、２６はモーターケーシング２３の１端面
と連通する給気用チヤンバーである。２７は燃焼
筒２０の内壁面及び底盤２２から所定間隔を隔て
た状態で燃焼筒２０内に固定したバートナ外筒、
２８はバーナ外筒２７の内方に固定したバーナ内
筒であり、このバーナ外筒２７とバーナ内筒２８
とによりガス通路２９を形成する。３０は上記ガ
ス通路２９の開口部に固定した、スリツト状の炎
口３１を有するバーナヘツド、３２はバーナ内筒
２８と同心状に位置するように、後端がバーナ内
筒２８の周盤２８ａに固定された送風筒であり、
この送風筒３２はガ通路２９と連通している。３
３は送風筒３２の中心を貫通するモーター２４の
回転軸２４ｂにより燃焼筒２０の中央部に回転自
在に配置した、一方が開口し、且つ上述した送風
筒３２と連通している気化筒、３４は気化筒３３
の端面中央部に固定したテーパーコーン状の拡散
体、３５は拡散体３４の表面に灯油等の液体燃料
を供給するための送油管である。３６はバーナ内
筒２８の周盤２８ａに固着した内壁盤であり、こ
の内壁盤３６により気化筒３３の後方にエアチヤ
ンバー３７を形成する。又内壁盤３６には、気化
筒３３の回転軸２４ｂ方向に延びる第１及び第３
の仕切板３８ａ，３８ｃと、断面Ｌ字形とした第
２の仕切板３８ｂとが設けてあり、この仕切板３
８ａ，３８ｂ，３８ｃと後述する第４及び第５の
仕切板４２ａ，４２ｂにより、生燃焼時に空気を
供給するための後述する空気通路４４を形成す
る。３９はエアチヤンバー３７とモーターケーシ
ング２３を連通させるため、両者間に挿通した燃
焼空気導入パイプであり、この燃焼空気導入パイ
プ３９は円周等配位置に複数本（例えば６本）設
けておく。４０は気化筒３の開口部周縁に設けた
フランジ部３３ａに網状部材４１を介して固着し
た仕切筒であり、この仕切筒４０の外周端及び内
周端には気化筒３３の回転軸２４ｂ方向に延びる
前述の第４及び第５の仕切板４２ａ，４２ｂが設
けてある。そして第４の仕切板４２ａを上述した
第１の仕切板３８ａと第２の仕切板３８ｂとの間
に、又第５の仕切板４２ｂを第２の仕切板３８ｂ
との仕切板３８ｃとの間にそれぞれ位置させるこ
とにより、気化筒３３の開口部周縁とエアチヤン
バー３７との間に、環状の膨張室４３を有する屈
曲通路とした空気通路４４を形成する。又、この
空気通路４４の第１及び第４の仕切板３８ａ，４
１ａにより形成される入口４４ａは燃焼空気導入
パイプ３９からエアチヤンバー３７を通つて気化
筒３３内に送られる強制風の風下に向つて開口す
るようにしておき、第３及び第５の仕切板３８
ｃ，４２ｂによつて形成される出口４４ｂは気化
筒３３の回転軸２４ｂ方向に開口するようにして
おく。

４５は生燃焼を開始させるための点火プラグ、
４６はフレームロツド、４７はバーナ外筒２７と
燃焼筒２０並びに底盤２２との間に形成した、ガ
ス通路２９内の混合気が冷却して凝縮するのを防
止するための冷却防止層である。

上記構成に於いて、モーター２４を駆動させモ
ーター２４の回転軸２４ａ，２４ｂに連結した燃
焼フアン２５及び気化筒３３を回転させると、燃
焼フアン２５により給気用チヤンバー２６からモ
ーターケーシング２３内に吸入された空気は、燃
焼空気導入パイプ３９を通つてエアチヤンバー３
７内に送られ、エアチヤンンバー３７から送風筒
３２、気化筒３３の内部を経てガス通路２９内に
送られて炎口３１から燃焼室２１内に吹出すと共
に、空気通路４４から気化筒３３の外周面に吹出
す。この状態で送油管３５から気化筒３３の内部
に位置するテーパーコーン状の拡散体３４上に液
体燃料を供給すると、気化筒３３の回転によつて
生じる遠心力により液体燃料は拡散体３４の表面
から気化筒３３の内周面へと移行し、更に気化筒
３３のフランジ部３３ａに固着した網状部材４１
に移行し、網状部材４１の外周縁から徴粒子状と
なつて気化筒３３の外周に向つて噴霧飛散し、空
気通路４４から吹出した空気と混合する。この状
態で点火プラグ４５に通電すれば着火し、気化筒
３３の外周で生燃焼が起こる。

この時空気通路４４は通路幅を予め大きく設定
しておいても、この通路４４の入口４４ａは燃焼
空気導入パイプ３９から送られて来る強制風の風
下に向つて開口しており、送入空気流速の影響を
受けず、更に当該空気通路４４は多数の仕切板に
より多数回も反対方向に折曲して居り、そしてそ
の途中に膨張室４３を有する屈曲通路の形に構成
されているため常に安定した空気の送入が得られ
て空気通路４４の出口４４ｂからは生燃焼による
気化筒３３の加熱に適した小量の空気しか吹出さ
ない。

このため空気通路４４の通路幅を大きく取るこ
とが可能となり、製作時の誤差や、加熱による気
化筒３３等の熱膨張により回転している気化筒３
３の開口部周縁とバーナ内筒２８の周盤２８ａに
固着した内壁盤３６の表面とが接触するのを防止
できる。

そして、生燃焼により気化筒３３が加熱される
と、気化筒３３内の液体燃料は気化し、この気化
した燃料をエアチヤンバー３７から送られて来る
強制風の混合気が、バーナ外筒２７とバーナ内筒
２８とにより形成されたガス通路２９を通り、ガ
ス通路２９の開口端に設置したバーナーヘツド３
０の炎口３１から気化燃焼する。

以上説明したように、この考案は気化筒３３の
開口部から気化筒３３内に送る強制風の１部を、
気化筒３３の開口部周縁と固定部との間に設けた
空気通路４４から気化筒外周に吹出させ、更に上
記空気通路４４の入口４４ａを強制風の風下側に
向けて開口させ、且つ当該空気通路４４を多数の
仕切板によつて180度に亘る方向変換を多数回行
つた屈曲通路となし、その一部に膨張室４３を設
けたから、生燃焼による気化筒３３の加熱に最適
の空気を供給するために、空気通路４４の通路幅
を微妙に狭くする必要がなくなり、製作時の誤差
や、加熱による気化筒３３等の熱膨張により回転
している気化筒３３の開口部周縁と固定部とが接
触を起すことはないのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はロータリーガス化バーナの従来例を示
す断面図、第２図はこの考案に係るロータリーガ
ス化バーナを示す断面図、第３図はこの考案に係
るロータリーガス化バーナの要部拡大断面図であ
る。 ２０………燃焼筒、２７……バーナ外筒、２９
……ガス通路、３１……炎口、３３……気化筒、
38a……第１の仕切板、３８ｂ……第２の仕切
板、３８ｃ……第３の仕切板、４２ａ……第４の
仕切板、４２ｂ……第５の仕切板、４３……膨張
室、４４……空気通路、４４ａ……入口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バーナ外筒２７の端部に、内周面に炎口３１を
   有するガス通路２９を形成し、燃焼筒２０の中央
   部に、ガス通路２９と連通する一端が開口した気
   化筒３３を回転自在に配設し、気化筒３３の開口
   部周縁から気化筒３３内に供給される液体燃料を
   気化筒３３外周に飛散させると共に、気化筒３３
   の開口部から気化筒３３内に送る強制風の１部
   を、気化筒３３の開口部周縁と固定部との間に設
   た空気通路４４から気化筒３３外周に吹出させ、
   さらに上記空気通路４４の入口４４ａを強制風の
   風下側に向けて開口させ、且つ当該空気通路４４
   内に仕切板３８ａ，３８ｂ，３８ｃ，４２ａ，４
   ２ｂを多数枚介在させて上記空気通路４４を多数
   回反対方向に屈曲させ、その上この空気通路４４
   の途中に膨張室４３を形成した屈曲通路にしたこ
   とを特徴とするロータリーガス化バーナ。