JPS6137687Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は建物用埋込具の台座の改良に関する
ものである。

従来、合成樹脂製の台座に金属製のアンカーを
圧入する形態の建物用埋込具が多用されている
が、アンカーを台座に圧入後、圧入時の残留応力
により台座が割れて品質を低下させ、さらにアン
カーが台座から抜け出るという欠点がある。

これを防止するにはアンカーの台座への圧入力
を一定にすべく加工精度をあげる必要があり、ま
た高強度の台座を使用しなければならない等至難
であり、かつ経済的でない。

又、台座自体を弾性体にすることも考えられる
がコンクリート打ちの際に、コンクリートの流動
圧により台座が傾き、アンカーが真直に取付けら
れない欠点を有する。

この考案は上記の従来のものゝ欠点に鑑みなさ
れたもので合成樹脂製台座（以下単に台座と呼
ぶ）の支持筒に弾性部を設けることにより、アン
カー圧入後の割れを防止し、かつ高い加工精度を
必要としない安価な建物用埋込具の台座を提供す
ることを目的とする。

以下にこの考案の構成を図面に基づいて説明す
る。

第１図は、この考案の建物用埋込具の台座の斜
視図、第２図はその使用状態図であり、中央部に
嵌合孔２を、外周に複数の釘孔６，６を穿設した
支持筒３の下端に座部４を有する台座１におい
て、該支持筒３外周の高さ方向に沿つて外向きに
湾曲した弾性部５を突設してある。

以上の如く構成されたこの考案の建物用埋込具
の台座を使用するには支持筒３の、外周の釘孔
６，６に釘Ｎ，Ｎを挿入し、中央部の嵌合孔２に
は胴部Ｂ上端に鍔Ｆを突設し、下端から軸心に沿
つて雌ネジ孔Ｔを螺設した金属製のアンカーＡを
圧入することにより、鍔Ｆにて釘Ｎ，Ｎ頭部を押
圧して釘Ｎ，Ｎ尖端を座部４より突出させて建物
用埋込具を構成するものである。さらに第２図に
示すように、コンクリート型枠ｆの所定位置に打
ちつけて固定し、コンクリート打設、養生並びに
脱型後、アンカーＡの雌ネジ孔Ｔに吊ボルトを螺
合し、天井、配管等を吊架する。

第３図は、この考案の建物用埋込具の台座の第
１実施例を示す平面図である。

これは、支持筒１３の内周の高さ方向に沿つて
ひれ状の弾性部１５……を複数突設したもので、
前記と同様に金属製のアンカーを圧入して使用す
るもので、上記と同様の効果を呈する。

第４図は、この考案の建物用埋込具の台座の第
２実施例を示す平面図である。

これは、支持筒２３の一部を高さ方向に沿つて
弾性を有する材料にて二重成形することによつて
弾性部２５を構成したものであり、前記実施例と
同方法にて使用し、同様の効果を奏する。

第５図はこの考案の建物用埋込具の台座の第３
実施例を示す平面図である。

これは、支持筒３３の内周の高さ方向に沿つて
アンカー胴径よりやゝ小さ目の内径の筒状の弾性
部３５を周設したものである。

これは、台座３１と弾性部３５を二重成形にて
加工することもでき、又、弾性部３５を別体にて
台座３１の嵌合孔３２に嵌合することも可能であ
る。

第６図は、この考案の建物用埋込具の台座の第
４実施例を示す平面図である。

これは、支持筒４３の適所に高さ方向に沿う切
欠き部４７を設けてその付近に弾性部４５……を
構成したものである。

これは第１、第２実施例と同方法にて使用し、
同様の効果を奏する。

第７図は、この考案の建物用埋込具の台座の第
５実施例を示すもので、支持筒５３の外周に穿設
した釘孔５６，５６と、支持筒５３内周間に高さ
方向に設けたスリツト５７……とを連設してその
釘孔５６，５６と支持筒５３外周にて弾性部５
５，５５を構成したもので、前記各実施例と同様
の効果を奏する。

第８図は、別形態の建物用埋込具に適合すべく
構成したこの考案の建物用埋込具の斜視図を示
し、中央部に嵌合孔６２を有する支持筒６３の上
端に鍔部８を突設し、下端に複数の釘孔６６……
を有する座部６４を穿設した台座６１の該支持筒
６３外周の高さ方向に沿つて外向きに湾曲した弾
性部６５を突設したものである。

これは第９図にその使用状態を示すように例え
ばベランダ等の構築に際して、立上り部の内型枠
fiとスラブ型枠fs間に介在して適正位置にて内型
枠fiを支持する等して使用するもので、適当長さ
の支持杆Ｉの上、下端を、支持筒６３の嵌合孔６
２に嵌合して、建物用埋込具を構成した後、下部
の台座６１をスラブ型枠fsに釘止め固定し、次に
ベランダ等の立上り部の内型枠fiの下端に上部台
座６１を釘止して適正位置に内型枠fiを支持する
ことができる。

第１０図は、この考案の建物用埋込具の台座を
さらに別の形態の建物用埋込具に適合すべく構成
した斜視図、第１１図はその中央縦断面図であ
り、中央部に嵌合孔７２を有する支持筒７３の下
端に座部７４を突設し、座部７４の下部に下端に
向かつて内向きに傾斜した複数の係止片１０……
よりなる係止部９を突設したものである。

これは第１２図に示すように、鉄骨鉄筋コンク
リート建築において、デツキプレートＤをスラブ
の捨型枠として使用する場合の、天井、配管等を
吊下する際に使用するもので、胴部B′上端に、鍔
部F′を突設し、下端に胴部B′軸心に沿つた雌ネ
ジ孔T′を有する金属製のアンカーA′の、該胴部
B′を支持筒７３の嵌合孔７２にアンカーA′の胴
部B′下端が、係止片１０……と嵌合孔７２との連
続部に到るまで圧入して埋込具を構成し、デツキ
プレートに穿設された取付孔ｂに係止部９を挿入
し、ハンマー等でアンカー鍔部F′下端面が支持
筒７３上端に当接するまで打撃すれば、係止部９
の各係止片１０……が外側に拡がり、デツキプレ
ートＤに係止でき、コンクリート打設、養生後、
アンカーA′の雌ネジ孔T′に吊ボルトＣを螺合
し、天井、配管等を吊下することができる。

第１３図は、この考案の建物用埋込具の台座
を、さらに別の形態の建物用埋込具に適合すべく
構成した斜視図、第１４図はその使用状態図であ
り、上端より中間部の内周に周設した係止部８４
に至る溝状の弾性部８５を凹設した嵌合孔８２を
中央部に有し、上端には鍔部８８を突設した支持
筒８３と、該支持筒８３の嵌合孔８２に圧入する
前記第１実施例と同様の金属製のアンカー
A″と、前記支持筒８３胴部下端を嵌合する嵌合
部８１ａを上部中央に凹設し、下端中央部に雄ネ
ジ部８１ｂを突設した載頭円錐形の取付片８１よ
りなる。

これは第１４図に示すように、PC版の製造に
おいて、PC版製造用金型Ｇに穿設された取付孔
ｂに取付片８１の雄ネジ部８１ｂを挿入し、金型
Ｇ外側よりナツトＥを螺合して取付けるもので、
PC版にあらかじめ建物用埋込具を埋設すべく適
合したものである。

以上に詳述した如く、本考案の建物用埋込具の
台座によれば、台座の支持筒に弾性部を設けるこ
とにより、アンカーの圧入が容易であり、加工精
度を要求されることなく、加工も容易であり安価
に提供できる。又、アンカーの圧入による残留応
力を吸収することができるので組立後に割れるこ
ともない。

さらに種々の形態の埋込具に適合可能で広範囲
使用に供することがでる等実用上、多大な効果を
奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の建物用埋込具の台座の斜
視図、第２図はその使用状態図、第３図はこの考
案の建物用埋込具の台座の第１実施例を示す平面
図、第４図は、同第２実施例を示す平面図、第５
図は同第３実施例を示す平面図、第６図は同第４
実施例を示す平面図、第７図は同第５実施例を示
す平面図、第８図、第１０図、第１３図は別形態
の建物用埋込具に適合すべく構成した、この考案
の建物用埋込具の台座を示す斜視図、第９図、第
１２図、第１４図は同上の各使用状態図、第１１
図は第１０図の中央縦断面図である。 １……台座、２……嵌合孔、３……支持筒、４
……座部、５……弾性部、Ａ……アンカー、Ｎ…
…釘、ｆ……型枠。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央部に嵌合孔を有する合成樹脂製支持筒の、
   その嵌合孔に金属製アンカーを圧入するようにし
   てなる建物用埋込具の台座において、該合成樹脂
   製支持筒の高さ方向に沿つて弾性部を設けたこと
   を特徴とする建物用埋込具の台座。