JPS6137055B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は長尺材料を所定長に剪断し、続いて所
望形状に成形する装置に関する。

(ロ) 従来の技術 金属加工においては、長尺材料を剪断して所定
長のブランクをとり、これを成形するという手順
を踏むことが多いが、同一の装置で剪断と成形を
行うことができれば、工程は一段と合理化され
る。かかる趣旨の装置の一例が特公昭48―38744
号公報に示されている。この装置では上下動する
上板に上刃と成形突部が固着されており、上刃の
下降によつて長尺材料の剪断と成形とがほぼ同時
に進行する。これにより、工程の合理化という目
的は達成できるが、ただこの装置の構成には、次
のような問題があつた。すなわち ・成形突部による材料押さえと、上刃による剪断
のタイミングをとるのが難しい。材料押さえが早
いと剪断の前に成形が始まり、ブランクの長さが
不確実になる。成形突部が材料を押さえる前に剪
断してしまうとブランクがはね、成形突部に対す
る位置関係が不確実になる。

・成形突部と上刃とは同じ距離だけ移動する。従
つて深い成形を行う場合には、剪断に必要とする
ストローク以上に上刃を移動させなければならな
い。このため上刃との間で材料を挾む送り材料押
さえブロツクにも必要以上の上下ストロークを確
保しなければならない。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 本発明は、長尺材料からのブランクの切り離し
とその成形を一挙動で行うものにおいて、切り離
しと成形を順序だてて整然と行なえ、切り離し用
部材にはそれ相応のストロークを、成形用部材に
もそれ相応のストロークを与えることができる装
置を提供しようとするものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本発明装置は、長尺材料の先端部分を所定長の
ブランクに剪断する固定刃物及び可動刃物と、ブ
ランクを成形するダイ及びこれに向けばねで附勢
されたポンチと、直線往復動を行う駆動体を備
え、連結体を介して駆動体の移動を可動刃物の動
きに転換し、またポンチと駆動体とを、一方から
突出した係合突起を他方に設けた受容空間に入り
込ませる形で連結する。

(ホ) 作用 当初駆動体はポンチをダイから引き離してい
る。ダイに長尺材料があてがわれた後、駆動体が
移動を開始するが、この移動により下記の工程が
遂行される。

第１工程：駆動体と同方向に移動するポンチ
が、ダイとの間に長尺材料を挾む。

第２工程：長尺材料を挾んだポンチは一旦停
止。係合突起と受容空間の間に相対移動を生じさ
せつつ、駆動体はなおも動き続ける。この時の駆
動体の動きにより連結体が変位して可動刃物を所
定ストローク動かし、長尺材料を剪断させる。

第３工程：係合突起と受容空間の相対移動が終
了し、駆動体からポンチに直接的に圧圧力が加え
られ、ブランクとして切り離された長尺材料の先
端部分がダイとポンチにより成形される。

(ヘ) 実施例 以下本発明の一実施例を図に基いて説明する。
１は装置ベースの一部であり、その上方にブロツ
ク状の固定刃物２が配置されている。３は固定刃
物２に組み合わさつて長尺材料４の先端部分を剪
断する可動刃物であり、ベース１に上下動可能に
支持されている。固定刃物２及び可動刃物３は図
において右から左へ水平に送られて来る長尺材料
４の進路途中に位置する。なお本実施例において
は長尺材料４は線材の形をしていて、可動刃物３
の貫通孔５を通り剪断作業部へ誘導される。剪断
後の材料は、長尺材料４の進行方向に関して固定
刃物２及び可動刃物３よりも下流側に配置された
ダイ６により所定形状に成形される。ダイ６は１
対のダイブロツクを組み合わせてなり、左右のダ
イブロツク６Ｌ，６Ｒの内、右ダイブロツク６Ｒ
は固定刃物２と一体化されている。左ダイブロツ
ク６Ｌには材料の剪断長さを一定にするためのス
トツプ面７が形設されている。８は剪断された材
料を下からダイ６に押し込むポンチで、可動刃物
３と同様、ベース１に上下動可能に支持されてい
る。９はダイ６の上方に配置された成形品移送体
であり、ダイブロツク６Ｌ，６Ｒと同じ間隔で向
かい合わせた保持ブロツク１０Ｌ，１０Ｒを有す
る。ダイブロツク６Ｌ，６Ｒ及び保持ブロツク１
０Ｌ，１０Ｒの内面には材料４の嵌まり込む溝１
１が刻まれている。１２は成形品を保持ブロツク
１０Ｌ，１０Ｒに押し込んだポンチ８が再び引き
抜かれる際、成形品がそれにつれて保持ブロツク
１０Ｌ，１０Ｒから抜け出すのを防止するためダ
イブロツク６Ｌに設けられたストツパである。ス
トツパ１２は、その先端が常時溝１１の中に突き
出すようばね１３で附勢されている。成形品をつ
かんだ移送体９は、送りねじ１４により案内軌条
１５，１５に沿つて水平に動かされるものであ
る。

１６は可動刃物３及びポンチ８を作動させる駆
動体である。駆動体１６はエアシリンダ１７によ
つて長尺材料４の進行方向と直角な直線経路上を
往復動せしめられるものであり、ベルクランク状
の連結体１８を介して可動刃物３を押し上げるた
めのカム面１９と、ポンチ８の側面を切り欠いて
設けた受容空間２０に入り込む係合突起２１を有
する。可動刃物３はばね２２により下向きり附勢
されて連結体１８の一方の腕に押し当てられてお
り、ポンチ８は逆に、ベース１を貫通しばね２３
により上方に附勢された上下ロツド２４で上方へ
押し上げられている。受容空間２０と係合突起２
１は、後述の動作を行なわせるため駆動体１６の
移動方向に関し遊隙を持たせた形になつている。

本装置は次のように動作する。第１図の状態は
長尺材料４をその先端がストツプ面７に達するま
で送りローラ等により送り込んだところである。
駆動体１６は最も下降した位置にあり、係合突起
２１を受容空間２０の下端に係合させ、ダイ６と
ポンチ８の間に材料４が楽に通れるだけの隙間が
生じるよう、ばね２３の弾発力に抗しポンチ８を
引き下げている。また可動刃物３は貫通孔５が固
定刃物２の剪断縁より下のレベルに来るようばね
２２で押み下げられている。

上記状態から駆動体１６を少し上昇させたのが
第２図の状態である。ポンチ８もばね２３に押さ
れて上昇、ダイ６との間で材料４の先端部分を、
その場から動かぬよう弾性的に挾持する。カム面
１９はまだ連結体１８に達せず、可動刃物３は動
かない。

第３図は駆動体１６が更に上昇を続ける過程の
状態である。係合突起２１は受容空間２０の遊隙
内を移動しており、ポンチは材料４を押さえたま
ま動きを停止している。ここでカム面１９が連結
体１８を反時計方向に回動させ、連結体１８は可
動刃物３を押し上げる。これにより材料４の剪断
が行なわれ、ポンチ８に保持された部分は、次に
成形を受けべきブランク４Ａとなる。

第４図は駆動体１６が更に上昇した状態を示
す。係合突起２１は受容空間２０の上端に係合
し、ポンチ８は圧力を加えられてブランク４Ａを
ダイ６に押し込み、逆Ｕ字状の成形品４Ｂを形成
している。ストツパ１２は先端が下向きの斜面に
なつているので、上昇して来る成形品４Ｂにより
押されて溝１１から退避せしめられる。

第５図は成形品４Ｂを保持ブロツク１０Ｌ，１
０Ｒの間に押し込み終わり、第１図の状態に復帰
すべく、駆動体１６がポンチ８を引き戻し始めた
状態を示す。ポンチ８と成形品４Ｂが密着状態に
なつているため、成形品４Ｂも引き戻されようと
するが、これは溝１１の中に復帰して来たストツ
パ１２により阻止される。こうして成形品４Ｂは
移送体９に残り、続く段階でダイ６から離れた位
置に運ばれた後、移送体９より突き外されるもの
である。

(ト) 発明の効果 本発明においては、ポンチをばねの力で長尺材
料にあてがい、そのままの状態を保ちつつ剪断を
行い、剪断完了後ポンチが動き出して成形を行う
から、剪断から成形に至る一連の動作が無理なく
行われ、成形品の形状のばらつきを低く抑えるこ
とができる。また剪断を行う可動刃物は、駆動体
にじかに連結するのでなく、中間に連結体を介在
させ、駆動体の移動から所要ストローク分だけの
動きを引き出すようにしたから、ポンチに深い成
形を行わせるため駆動体が長距離移動することに
なつたとしても可動刃物をそれに追随させなくて
済み、動作及び機構が合理化される。

【図面の簡単な説明】

図は本発明装置の一実施例を示し、第１図乃至
第５図は機構説明図にして夫々異なる作動状態を
示すもの、第６図は部分水平断面図である。 ４……長尺材料、４Ａ……ブランク、４Ｂ……
成形品、２……固定刃物、３……可動刃物、６…
…ダイ、８……ポンチ、２３……ばね、１６……
駆動体、１８……連結体、２１……係合突起、２
０……受容空間。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一定方向に送られる長尺材料の進路途中に、
   この長尺材料の先端部分を所定長さのブランクに
   剪断すべく配置された固定刃物及び可動刃物と、 前記ブランクを成形すべく、前記長尺材料の進
   路方向に関して前記固定刃物及び可動刃物より下
   流側に配置されたダイ及びポンチと、 前記ダイに向けて前記ポンチを附勢するばね
   と、 長尺材料の進行方向と直角の方向に直線往復動
   を行なう駆動体と、 前記駆動体の移動により変位して可動刃物に所
   定ストロークの動きを与える連結体と、 前記ポンチ又は駆動体の一方から突出し、他方
   に設けた受容空間のいずれかの端に、駆動体が往
   復動するに伴ない係合する係合突起とを備え、 駆動体の長尺材料への接近動作に伴ない、 駆動体がポンチをダイから引き離している初期
   状態から始まり、 ポンチが駆動体と同方向に移動して可動刃物と
   の間に長尺材料の先端部分を挾みつけるに至る第
   １工程と、 前記ばねの弾発力によりダイとの間に長尺材料
   を保持し続けるポンチをそのままに、前記係合突
   起と受容空間の間に相対移動が生じ、この時の駆
   動体の動きに伴ない可動刃物が長尺材料を剪断す
   るに至る第２工程と、 係合突起と受容空間の相対移動終了後、駆動体
   からポンチに直接的に圧力が加えられ、 ブランクがポンチとダイの間で形成されるに至
   る第３工程とが順次遂行されることを特徴とする
   長尺材料の剪断及び成形装置。