JPS6136812Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は板金製ポンプのポンプ軸の軸受支持構
造に関する。

従来の板金製の多段ポンプは例えば第１図に示
す通り、ポンプケーシング１が多数個重ねられて
バンド２により一体的に締付け固定されているポ
ンプ部と、このポンプ部の羽根車Ｐを駆動するモ
ータＭを有するモータ部３とからなり、そして、
モータ部３のモータ軸５にカツプリング６を介し
て駆動連結されるポンプ軸７はポンプケーシング
１を貫通しており、その先端部は軸受け８で支承
されている。そして軸受け８は板金製の軸受ケー
シング９により保持されている。かかるポンプは
公知であり、例えば本出願人に係る実開昭55−
12024号公報に開示されている。

従来、この軸受ケーシング９は第２図に示すよ
うにその外周部１０が曲げ加工により円周方向に
折り曲げられており、この折り曲げた外周部１０
を外ケース１２に対してスポツト溶接等により接
合していた。したがつて外周部１０の曲げ加工に
より形成される外周の直径D₀を完全に円弧に沿
つて正しく加工することは困難であり、また、軸
受けを装着する軸受け装着部Ａを形成する内周部
１１の内周面を直径ｄの真円に曲げ加工を行うこ
とも困難である。したがつて、直径D₀と直径ｄ
の芯出しを行うことが困難となり、その結果とし
て、軸受８とモータ軸５を完全にセンタリングす
ることが技術的にやつかいであつた。またそのた
めに外周部１０をケース１２に接合した後に、内
周部１１を切削加工することもできるが、切削加
工により内周部１１の肉厚に偏りが生じ強度が弱
くなるという欠点があつた。

したがつて、本考案の目的は容易に芯出しを行
うことができ、したがつて組み立てを容易に行う
ことができる板金製ポンプのポンプ軸の軸受支持
構造を提供するにある。

本考案によれば、ポンプ部とモータ部とを有
し、モータからの駆動軸を支承するための板金製
のポンプ軸の軸受支持構造において、複数の軸受
ホルダで構成された軸受ケーシングが円筒形のケ
ースに取付けられており、その軸受ホルダは円弧
状の内周部と、その内周部の両側から半径方向外
方に伸びるフランジ部および支持部を有し、その
支持部はケースの半径方向外方に突出する突起部
を有し、隣接する軸受ホルダのフランジ部と支持
部とは互いに固着され、内周部は軸受を取囲むよ
うに円筒状に形成されている。

したがつて、複数の突起部がケースの半径方向
外方に突出しているので、この突起部を移動させ
ることによつて軸受ケーシングをケースの外部か
らセンタリングさせることができ、そしてケース
に固着すればよく、センタリング作業を容易に行
うことができる。

以下に本考案の実施例を第３図乃至第６図を参
照して説明する。なお、前記従来例と対応する部
分は同一符号で示すものとする。

第４図に示す本考案の実施例において、全体を
９ａで示す軸受けケーシングは複数の（図示の実
施例では４つの）軸受ホルダ１３を組合せること
によつて構成されている。この軸受ホルダ１３は
第４図に示されており、板金をプレス加工するこ
とによつて作られるものである。この軸受ホルダ
１３は円弧状に形成された内周部１１とその内周
部１１の両側部から第３図において半径方向外方
に延びる比較的に短いフランジ部１４と比較的に
長い支持部１５から成るものである。そして支持
部１５の半径方向外方の端部には突起部１６が形
成されている。この突起部１６は組立て時に後述
するケース１２の切欠部１７から若干半径方向外
方に突出し、支持部１５の外方端１５ａはケース
１２内方に位置するような寸法に作られている。

そして第３図に示すように複数の軸受ホルダ１
３の内周部１１が実質的に円筒状の軸受け装着部
Ａを形成するように組み合せ、１つの軸受ホルダ
のフランジ部１４を隣接する軸受ホルダの支持部
１５に例えば符号Ｓの所で溶接して組立てるので
ある。

このように組立てた軸受ケーシング９ａをケー
ス１２に装着してポンプ軸７を支承するようにす
る組付け作業について第１図および第６図を参照
して説明する。

ケース１２は板金製であつて、ポンプケーシン
グ１と実質的に同じ外径をする円筒体に形成され
ているが、このケース１２はケース半部１２ａ，
１２ｂより成るものである。それらのケース半部
１２ａ，１２ｂには接合面に向つてそれぞれ切欠
部１７ａ，１７ｂが形成され、この切欠部１７
ａ，１７ｂは、支持部１５の数に対応する数が対
応する位置に設けられており、そして切欠部１７
ａ，１７ｂの軸方向の長さの和が突起部１６の軸
方向の長さに実質的に等しく（若干長めに）形成
されている。

したがつてまず第１図で右側のケース半部１２
ｂを左側のポンプケーシング１に隣接させ、次い
で軸受けケーシグ９ａの内周部１１をポンプ軸７
の端部から挿入して軸受け８を支持する。その際
突起部１６は切欠部１７ｂと係合してその外方に
突出している。次いでケース半部１２ａの切欠部
１７ａを突起部１６と係合させるようにして、ケ
ース半部１２ａ，１２ｂの接合面を合致させれば
よい。芯出し作業すなわちセンタリングを行なう
には突出部１６ａがケース１２から半径方向外方
に突出しているので、その各突出長さを適宜調整
すればよい。

したがつて軸受ホルダ１３は少なくとも３個、
好ましくは４個で軸受ケーシング９ａを構成する
のが好ましい。

センタリングが完成したならば、例えばスポツ
ト溶接等でケース１２と突起部１６とを仮止め
し、次いでケース半部１２ａ，１２ｂの接合面お
よび突起部１６と切欠部１７ａ，１７ｂとを溶接
する。その溶接が完了した所が第６図に示されて
おり、図中S₁はケース半部の接合面の溶接部分
を、またS₂は突起部の溶接部分を示している。

以上の如く、本考案によれば、複数の突起部１
６をケース１２の半径方向外方に突出させたの
で、軸受ケーシング９ａのセンタリングをケース
１２の外方から行なうことができるので、その作
業がきわめて容易である。したがつてこの種の板
金製の軸受ケーシングをケースに芯出しして固着
する場合にその組立て作業を容易に行なうことが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は板金製水中多段ポンプの一部を切欠し
た側面図、第２図は従来の軸受ケーシングの正面
図、第３図は本考案を実施した軸受ケーシングの
正面図、第４図は軸受ケーシングを構成する軸受
ホルダーの斜視図、第５図は軸受ケーシングの取
付けを説明するための側面図、第６図は軸受ケー
シングをケースに取付けた所の斜視図である。 １……ポンプケーシング、２……締付バンド、
８……軸受、１１……内周部、１２……ケース、
１３……軸受ホルダ、１４……フランジ部、１５
……支持部、１６……突起部、１７……切欠部、
Ａ……軸受装着部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ポンプ部とモータ部とを有し、モータからの
   駆動軸を支承するための板金製のポンプ部の軸
   受支持構造において、複数の軸受ホルダで構成
   された軸受ケーシングが円筒形のケースに取付
   けられており、その軸受ホルダは円弧状の内周
   部と、その内周部の両側から半径方向外方に伸
   びるフランジ部および支持部を有し、その支持
   部はケースの半径方向外方に突出する突起部を
   有し、隣接する軸受ホルダのフランジ部と支持
   部とは互いに固着され、内周部は軸受を取囲む
   ように円筒状に形成されていることを特徴とす
   るポンプ軸の軸受支持構造。 (2) ケースが２つのケース半部より成る実用新案
   登録請求の範囲第(1)項記載のポンプ軸の軸受支
   持構造。 (3) 支持部の突出部の軸線方向の長さに対応する
   切欠部がケースに設けられている実用新案登録
   請求の範囲第(1)項記載のポンプ軸の軸受支持構
   造。 (4) 切欠部が各ケース半部に設けられている実用
   新案登録請求の範囲第(2)項記載のポンプ軸の軸
   受支持構造。