JP2519432Y2 - 密閉形圧縮機 - Google Patents

密閉形圧縮機

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JP2519432Y2
JP2519432Y2 JP1987059537U JP5953787U JP2519432Y2 JP 2519432 Y2 JP2519432 Y2 JP 2519432Y2 JP 1987059537 U JP1987059537 U JP 1987059537U JP 5953787 U JP5953787 U JP 5953787U JP 2519432 Y2 JP2519432 Y2 JP 2519432Y2
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雅彦 佐々木
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Description

【考案の詳細な説明】 [考案の目的] (産業上の利用分野) この考案は、圧縮機部を鋼板より構成されるフレーム
で密閉ケースに支持してなる密閉形圧縮機に関する。
(従来の技術) 密閉形のロータリコンプレッサには、一般に第14図に
示されるように筒形の密閉ケース1内の一端側にロータ
リ式の圧縮機部2(シャフト10およびローラ3が回転自
在に配されたシリンダ4の両側に主軸受5aおよび副軸受
5bを重ねてなるもの)を設け、他端側に電動機部7(固
定子8および回転子9よりなる)を設けた構造が用いら
れている。この圧縮機部2からは、同圧縮機部2の軸受
で回転自在に支持されたシャフト10が密閉ケース1内の
他端側に向かって延びていて、このシャフト10の他端部
に電動機部7の回転子9が連結されていて、電動機部7
で発生した回転力を、片側支持されたシャフト10を通じ
て、圧縮機部2のローラ3に伝達させている。
ところで、従来より、こうしたロータリコンプレッサ
の圧縮機部2の支持構造には、鋳鉄でシリンダ4あるい
は主軸受5aと共にフレーム6を一体加工し、このフレー
ム6を密閉ケース1に固定する構造が用いられている。
ところが、こうしたフレーム構造は重量が大きく、ま
た製造コストの点でも不利となる欠点をもつ。
そこで、近時では鋳鉄のフレーム6から、軽量,低コ
ストの点で有利な鋼板を成形してなるフレーム6へ移行
してきている。一般にこのフレーム構造には、鋼板にプ
レス加工を施して、第15図(a),(b)にも示される
ような略有底筒状に成形したものが用いられている。フ
レーム6は、圧縮機部2から密閉ケース1の内周面に向
かって延びる円板部6b(底壁)と、この円板部6bから立
上がる周側壁6aを有していて、この円板部6bをシリンダ
4(あるいは主軸受5a)にボルト11…などで固定させて
いる。
ところで、こうしたフレーム6はレーザ溶接(あるい
はアークスポット溶接)で、周側壁6aが密閉ケース1の
内周面に取着されるが、これには、コンプレッサーの振
れでフレーム6のフラットな円板部6b(底壁)が変形し
ないよう、従来より隙間嵌めを使って溶接することが行
なわれている。
具体的には、プレス加工で成形されるフレーム6の寸
法精度では、外径真円度で「0.05〜0.1mm」程度の振れ
を生じ、また密閉ケース1においても同様に内径真円度
で「0.05〜0.1mm」程度の振れを生じるとされる。そこ
で、こうした内外径の真円度を考慮した寸法として、密
閉ケース1の内周面とフレーム6の外周面との間の隙間
を「0.2mm」程度に設定し、この隙間を介して密閉ケー
ス1の周側壁とフレーム6の周側壁6aとの間の、例えば
第14図(b)に示される4か所を先の溶接で固定してい
た。
ところが、隙間嵌めを用いてフレーム6を固定する技
術は、隙間を均一に維持するのが難しいために、4か所
の溶接工程中においてフレーム6が密閉ケース2内で傾
いたり,片側へ寄せられたりしやすい欠点をもってい
る。
(考案が解決しようとする問題点) このため、電動機部7の固定子8と回転子9との間の
隙間(エアーギャップ)が不均一になりやすく、大なる
回転子9の振れ回りの振動および大きな電磁音(電磁力
の不均衡を要因として発生する騒音で2nf0Hzと示され
る)を発生させる不都合を生じていた(但し、n=1,2,
3,…、f0は電源周波数)。
この考案はこのような問題点に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、電動機部の固定子と回転
子との間の隙間を均一に設定させることができる密閉形
圧縮機を提供することにある。
[考案の構成] (問題点を解決するための手段と作用) この密閉形圧縮機は、鋼板より構成されるフレーム6
の周側壁6aに軸方向沿いにスリット15を設け剛性が低下
して密閉ケースの径方向へ変位可能となるフレーム6の
周側壁6aで、フレーム6の底壁6bに変形が起きるのを防
いで、フレーム6の周側壁6aを締嵌めで密閉ケース1に
取着できるようにする。
(実施例) 以下、この考案を第1図ないし第6図に示す第1の実
施例にもとづいて説明する。なお、図面において、「従
来の技術」の項で述べたのと同じ部品には同一符号を附
してその説明を省略し、この項では異なる部位について
説明することにする。
すなわち、本実施例は第1図に示すようにフレーム6
の周側壁6aにスリット15を設けて、フレーム6の周側壁
6aを締嵌めで密閉ケース1に取着させる構造としてい
る。
具体的には、圧縮機部2に固定されたフレーム6は、
第1図に示されるように外径を密閉ケース1の内径寸法
に対して、「0〜0.1mm」程度大きくしたものとなって
いる。そして、周側壁6aの取着部と対応する、例えば等
間隔な4か所の地点に、第2図および第3図に示される
ように平行なスリット幅をもつスリット15を、周側壁6a
の上端から、フレーム6の軸心方向沿いに下端部にかけ
て形成している。そして、このスリット15で周側壁6aの
剛性を低下させて、その部分においてコンプレッサの振
れを許容(吸収)できる構造にしている。つまり、この
許容性能により、該フレーム6の円板部6bが振れで変形
されるのを防ぎ、フレーム6の周側壁6aを締嵌めで固定
できるようにしている。そして、その性能を一層高める
べくフレーム6の円板部6bには、第4図に示されるよう
な円弧状の断面をもつフレーム内底側を凸とした凸条16
(補強リブ)が放射状に複数本、設けられ、円板部6bの
剛性を補強している。なお、各スリット15…の長さは締
嵌めによる変形がフレーム6の円板部6bに影響しないよ
う十分な長さに設定されているものである。
しかして、こうしたフレーム6を使って圧縮機部2を
密閉ケース1内に支持させるときは、まず、密閉ケース
1内にフレーム6を圧縮機部2と共に嵌挿する。しかる
後、所要の位置において、ケース外周面から各スリット
部分を含めたフレーム6の周側壁部をレーザ溶接(ある
いはアークスポット溶接)で、密閉ケース1の周側壁に
取着すれば、圧縮機部2がフレーム6を介して密閉ケー
ス1に固定される。なお、Aはレーザ溶接で溶接された
部分を示す。
ここで、こうした締嵌めは、圧縮機部2からの振動,
振れなどでフレーム6の円板部6bを変形させてしまうこ
とが懸念される。
しかし、フレーム6の周側壁6aはスリット15…の形成
によって径方向に対して曲げやすくなっているために、
その部分のみが変形を起こして、円板部6bを変形させる
変位を吸収していくことになる。これにより、フレーム
6の円板部6bが変形するのを防ぐことができる。
かくして、フレーム6が傾いたり,片側に寄ったりす
ることがない、締嵌めによる固定ができる。しかも、円
板部6bに凸条16…が放射状に設けられ、該円板自身の耐
曲げ変形性を高めているので、円板部6bが簡単には変形
することはない。
これ故、電動機部2の固定子8と回転子9との間の隙
間(エアーギャップ)を均一に設定することができ、該
隙間の不均一を原因とした回転子8の振れ回りの振動お
よび電磁音を著しく低減することができる。
しかも、スリット15をケース外周面からレーザ溶接で
密閉ケース1の周側壁に取着する構造は、フレーム6の
円板部6bに固定されている機構、特に回転子9が固定子
8に対し所定の位置を保ったままで、フレーム6の周側
壁6aの剛性がスリット6がない状態の剛性に近付いてい
くので、一層良好に隙間(エアーギャップ)を設定する
ことができるものである。
なお、この考案は上述した第1の実施例に限らず、第
7図に示される第2の実施例,第8図に示される第3の
実施例,第9図に示される第4の実施例、第10図および
第11図に示される第5の実施例,第12図および第13図に
示される第6の実施例のようにしてもよい。
すなわち、第2の実施例はスリット幅を扇状にしたも
のである。
第3の実施例は、スリット15…のエンド部15aを、U
形でなく丸形にしたものである。
第4の実施例は、スリット15…のエンド部15aを、角
形にしたものである。
第5の実施例は、扇状で、かつ幅広の凸条16をフレー
ム6の円板部6bに形成して、円板部6bの曲げ剛性を高め
るようにしたものである。
第6の実施例は、2つの小なる断面をもつ並行な凸条
16を1組として、フレーム6の円板部6bに設けたもので
ある。
なお、上述の各実施例共、第1の実施例と同じ部品に
は同一な符号を附してその説明を省略している。
[考案の効果] 以上説明したようにこの考案によれば、電動機の回転
子が圧縮機部の軸受で片側支持されたシャフトに固定さ
れ、この圧縮機部をフレームに固定するものにおいて、
フレームを構成する周側壁の周方向の複数箇所に、フレ
ームの開口端から底壁に向かって軸心方向に延びるスリ
ットを設けて、周側壁の剛性を低下させ、同フレームの
周側壁を密閉ケースの径方向へ変位可能にして、フレー
ムを密閉ケース内に嵌挿する際、フレームに加わろうと
する変位を、剛性低下で変位可能となったフレームの周
側壁で吸収させるようにした。
これにより、フレームは、締嵌めでありながら、底壁
に変形が伴うようなことがなく所定位置に固定されるの
で、電動機の回転子と固定子との間の隙間は均一に保た
れ、同隙間の不均一を原因とした回転子の振れ回りの振
動、電磁音の発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第6図はこの考案の第1の実施例を示し、
第1図(a),(b)は鋼板で構成されたフレームを示
す平面図および側断面図、第2図はそのスリット部分を
拡大して示す平面図、第3図はスリットの全体を示す正
面図、第4図は第1図A〜A線に沿うスリットの断面
図、第5図は密閉形圧縮機の全体の構成を示す正断面
図、第6図はその第5図B〜B線に沿う平断面図、第7
図はこの考案の第2の実施例の要部を示す平面図、第8
図はこの考案の第3の実施例の要部を示す正面図、第9
図はこの考案の第4の実施例の要部を示す正面図、第10
図(a),(b)はこの考案の第5の実施例の要部を示
す平断面図および正断面図、第11図はその第10図(a)
C〜C線に沿う断面図、第12図(a),(b)はこの考
案の第6の実施例の要部を示す平断面図および正断面
図、第13図はその第12図(a)D〜D線に沿う断面図、
第14図(a)は従来の鋼板製のフレームを用いた密閉形
圧縮機を示す正断面図、第14図(b)はその第14図
(a)E〜E線に沿う平断面図、第15図(a),(b)
はそのフレームを示す平面図および側断面図である。 1……密閉ケース、2……圧縮機部、8……固定子、9
……回転子、15……スリット、16……凸条。

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒形の密閉ケース内の一端側に圧縮機部を
    有し、この圧縮機部には一端部がこの圧縮機部を構成す
    る軸受で回転自在に支持され他端部が前記密閉ケースの
    他端側に向かって延びる片側支持のシャフトを有し、前
    記密閉ケース内の他端側には前記シャフトの他端部に回
    転子を連結するとともにこの回転子の周囲のケース内周
    面に固定子を設けてなる電動機部を有し、かつ前記密閉
    ケースの内周面と前記圧縮機部との間には、鋼板が略有
    底筒状に成形されて、前記圧縮機部に固定されて当該圧
    縮機部の外周側から前記密閉ケースの内周面に向かって
    延びる円板状の底壁および同底壁から密閉ケースの内周
    面に沿って延びる周側壁を形成してなるフレームを有
    し、このフレームの周側壁を密閉ケースの内周面に嵌挿
    して同内周面に溶接することによって、前記圧縮機部お
    よび回転子を前記密閉ケース内に支持させてなる密閉形
    圧縮機において、 前記フレームを構成する周側壁の周方向の複数箇所に、
    剛性を低下させて前記周側壁を変位可能とする、前記フ
    レームの開口端から底壁に向かって軸心方向に延びるス
    リットを設けたことを特徴とする密閉形圧縮機。
  2. 【請求項2】フレームは、底壁に複数本の凸条が放射状
    に形成されていることを特徴とする実用新案登録請求の
    範囲第1項に記載の密閉形圧縮機。
JP1987059537U 1987-04-20 1987-04-20 密閉形圧縮機 Expired - Lifetime JP2519432Y2 (ja)

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