JPS6136503B2 - - Google Patents
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- JPS6136503B2 JPS6136503B2 JP53063573A JP6357378A JPS6136503B2 JP S6136503 B2 JPS6136503 B2 JP S6136503B2 JP 53063573 A JP53063573 A JP 53063573A JP 6357378 A JP6357378 A JP 6357378A JP S6136503 B2 JPS6136503 B2 JP S6136503B2
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Description
本発明は、ポリメチルメタアクリレート樹脂
(メタアクリル樹脂)廃材からメチルメタアクリ
レートモノマーを高純度で回収する方法に関す
る。 ポリメチルメタアクリレート樹脂(以下、
PMMAと略す)は、各種成形材料、塗膜材料な
どとして有用な樹脂であつて、たとえば、セルキ
ヤスト法と称するキヤステイングによつて板材に
成形されているが、この樹脂は他の熱可塑性樹脂
に比べて分子量が高いためその廃材を成形用にそ
のまま再利用することは困難である。そのため、
成形時に生じる廃材あるいは製品として使用した
後に回収される廃材は、これを熱分解によつてモ
ノマーにまで分解して回収する方法がとられる。
PMMAは240℃以上に加熱すると高収率でメチル
メタアクリレート(以下、MMAと略す)モノマ
ーにまで分解される特異な高分子材料であり、し
かも、このモノマーは比較的高価であることか
ら、これをPMMAより工業的に回収する方法が
種々検討されている。 このPMMAの熱分解には、一般に、設備的に
簡単なバツチ式熱分解法が採用されているが、バ
ツチ式分解法は、レトルトを窒素ガスシール後、
PMMA廃材を450℃で外部加熱を行なう方法であ
るため自動化、省力化が困難であるうえ、分解中
の温度制御が困難なため純度の高いモノマーを回
収することが難しく、また熱分解によつて生成す
る炭化物が被加熱物への熱伝達を妨げ、長期間安
定した運転が困難であるなどの欠点がある。ま
た、これを改良するために、該樹脂の解重合温度
またはそれ以上の温度に保つた溶融金属と樹脂を
不活性雰囲気下に連続的に接触させる方法も提案
されている(特公昭47−41886号参照)。 本発明者らは、さらに改良されたPMMA廃材
の熱分解法を見い出すべく種々研究を重ねるう
ち、外熱式ロータリーキルンを用い、該廃材を特
定の添加剤の共存下に、空気遮断状態で連続的に
熱分解することにより、所望のMMAモノマーが
高純度、高収率でえられ、通常のバツチ式熱分解
法によりえられるモノマーのごとく精製のための
水蒸気蒸留や減圧蒸留などの不経済な処理を必要
とせず、きわめて経済的にMMAモノマーが回収
されることを知り、本発明を完成するに到つた。
なお、本発明で用いられるPMMAとしてはMMA
のホモポリマーおよびコポリマーを含む。 本発明の方法によれば、PMMA廃材を添付の
第1図に示すような外熱式ロータリーキルンを用
い、連続的に熱分解に付す。すなわち、該
PMMA廃材を供給装置1のホツパーに入れ、外
気の侵入と内部からのガス漏洩を防止するように
密閉構造としたホツパー3に送り込む。ホツパー
3内の材料を定量供給装置4によりキルン5に供
給する。このキルン5は一定の傾斜角でセツトさ
れ、また内部の材料がよく撹拌され、かつ下流に
向つて移動するように一定速度で回転運動され
る。さらに、キルン5内に挿入された篭状体6に
より、材料の撹拌、混合を促進し、材料がキルン
内壁面で回転して塊状となるのを防止する。この
篭状体6は、通常、キルンの回転につれて回転運
動しているが、外部よりストツパー(図示せず)
を作動させてその篭状体の運動を停止させるとキ
ルン内壁面のスクレーパーとしても作用し、熱分
解中に生成する炭化物のキルン内壁への付着を防
止しうる。 熱分解で発生したモノマーを含むガスは、キル
ンの前部フード7から導管17を通して冷却塔1
1に導かれ、そこでMMAモノマーを凝縮させ、
モノマー貯蔵槽12に貯蔵する。非凝縮性ガスは
ブロアー13によつて導管16に導かれ、後部フ
ード8からキルン5に循環される。なお、この後
部フード8には熱分解で生成した少量の炭化物を
排出するためのバルブ9を備えている。また余剰
のガスは導管18を通して焼却炉14に導かれて
焼却される。キルン5中で発生したガスは、二次
分解を防ぐためにできるだけ速やかにキルンから
追い出すのが好ましく、そのために、前記循環ガ
スのほかにパージ用の不活性ガスを導管20から
適宜導入する。 キルンは加熱炉10により電熱またはガス燃料
などによつて均等に加熱され、そのキルンの温度
は熱電対19によつて制御される。 上記のごとく、本発明方法により、ロータリー
キルンを主体とした熱分解装置を用いてPMMA
廃材を連続的に熱分解することにより、安定した
熱分解が行なわれ、着色の少ない高純度のMMA
モノマーが高収率にて回収される。 本発明者らの研究によれば、この回収される
MMAモノマーの純度は熱分解キルンの温度と密
接な関連を有し、キルンの温度を下げるとMMA
モノマーの純度が高くなる傾向があるが、熱分解
温度を下げ過ぎるとMMAモノマーより分子量の
大きい高沸点成分が増加したり、熱分解速度が低
下することを知つた。さらに、熱分解温度を下げ
ると熱分解キルン中で加熱によつて軟化した
PMMA破砕片が相互に融着して塊状に成長しや
すく、この塊状のPMMAは塊状化していない
PMMA破砕片に比し、キルン中での加熱速度が
遅く発生するガスの温度が低下する欠点を有す
る。さらに、PMMA塊状物の生成により熱分解
温度が変動し、それに伴なつて回収されるモノマ
ーの組成も変動し、MMAモノマーの純度が低下
する。 本発明の方法によれば、PMMA塊状物の生成
に伴なつて大きく変動するガス温度をキルン中に
セツトした熱電対21により測定し、それによつ
て、キルン中のPMMAの熱分解状況を判断する
ことができ、また副生する炭化物を逐次排出する
ことにより、バツチ式熱分解法に比べて熱分解温
度の制御が容易である。 しかしながら、キルン中でPMMA塊状物が生
成すると熱分解温度の変動が大きくなるため、な
お正確な熱分解温度の制御が行なわれ難く、回収
されるモノマーの純度も低下する。そこで、本発
明者らは、このような欠点を改良するために、さ
らに研究を重ねた結果、純度の高い一定品質の
MMAモノマーを回収するためには、前記キルン
の表面温度を450℃程度として熱分解温度を±10
℃程度の変動幅に抑えることが必要であることを
知り、さらにこの塊状物の生成が、熱により軟化
したPMMAがキルン中を移動する間に接触を繰
り返してその粘着力により塊状化することによる
点に着目し、この熱分解に際してPMMA廃材と
ともにある種の添加剤を混合させることによりか
かる塊状物の生成が著しく抑制されることを見い
出した。 すなわち、本発明によれば、第1図に示される
ように、PMMA廃材をホツパー3に供給する際
に、計量供給機2より、無機質材料または金属粉
末などの添加剤を合せて供給することにより、前
記のごときPMMA塊状物の生成を防止すること
ができ、熱分解温度の制御が容易となり、安定し
た熱分解キルンの操業が可能となる。 上記の方法で用いられる添加剤としては、砂、
アルミナ、炭酸カルシウム、鉄粉、アルミニウム
粉末、銅粉末などの無機質材料または金属粉末な
どがあげられるが、これらのうち、粒径の小さい
ものでかつかさ比重の小さいものが適している。
たとえば、アルミナ、アルミニウム粉末、砂、お
よび鉄粉末の粒径および、かさ比重は次表のごと
くであり、
(メタアクリル樹脂)廃材からメチルメタアクリ
レートモノマーを高純度で回収する方法に関す
る。 ポリメチルメタアクリレート樹脂(以下、
PMMAと略す)は、各種成形材料、塗膜材料な
どとして有用な樹脂であつて、たとえば、セルキ
ヤスト法と称するキヤステイングによつて板材に
成形されているが、この樹脂は他の熱可塑性樹脂
に比べて分子量が高いためその廃材を成形用にそ
のまま再利用することは困難である。そのため、
成形時に生じる廃材あるいは製品として使用した
後に回収される廃材は、これを熱分解によつてモ
ノマーにまで分解して回収する方法がとられる。
PMMAは240℃以上に加熱すると高収率でメチル
メタアクリレート(以下、MMAと略す)モノマ
ーにまで分解される特異な高分子材料であり、し
かも、このモノマーは比較的高価であることか
ら、これをPMMAより工業的に回収する方法が
種々検討されている。 このPMMAの熱分解には、一般に、設備的に
簡単なバツチ式熱分解法が採用されているが、バ
ツチ式分解法は、レトルトを窒素ガスシール後、
PMMA廃材を450℃で外部加熱を行なう方法であ
るため自動化、省力化が困難であるうえ、分解中
の温度制御が困難なため純度の高いモノマーを回
収することが難しく、また熱分解によつて生成す
る炭化物が被加熱物への熱伝達を妨げ、長期間安
定した運転が困難であるなどの欠点がある。ま
た、これを改良するために、該樹脂の解重合温度
またはそれ以上の温度に保つた溶融金属と樹脂を
不活性雰囲気下に連続的に接触させる方法も提案
されている(特公昭47−41886号参照)。 本発明者らは、さらに改良されたPMMA廃材
の熱分解法を見い出すべく種々研究を重ねるう
ち、外熱式ロータリーキルンを用い、該廃材を特
定の添加剤の共存下に、空気遮断状態で連続的に
熱分解することにより、所望のMMAモノマーが
高純度、高収率でえられ、通常のバツチ式熱分解
法によりえられるモノマーのごとく精製のための
水蒸気蒸留や減圧蒸留などの不経済な処理を必要
とせず、きわめて経済的にMMAモノマーが回収
されることを知り、本発明を完成するに到つた。
なお、本発明で用いられるPMMAとしてはMMA
のホモポリマーおよびコポリマーを含む。 本発明の方法によれば、PMMA廃材を添付の
第1図に示すような外熱式ロータリーキルンを用
い、連続的に熱分解に付す。すなわち、該
PMMA廃材を供給装置1のホツパーに入れ、外
気の侵入と内部からのガス漏洩を防止するように
密閉構造としたホツパー3に送り込む。ホツパー
3内の材料を定量供給装置4によりキルン5に供
給する。このキルン5は一定の傾斜角でセツトさ
れ、また内部の材料がよく撹拌され、かつ下流に
向つて移動するように一定速度で回転運動され
る。さらに、キルン5内に挿入された篭状体6に
より、材料の撹拌、混合を促進し、材料がキルン
内壁面で回転して塊状となるのを防止する。この
篭状体6は、通常、キルンの回転につれて回転運
動しているが、外部よりストツパー(図示せず)
を作動させてその篭状体の運動を停止させるとキ
ルン内壁面のスクレーパーとしても作用し、熱分
解中に生成する炭化物のキルン内壁への付着を防
止しうる。 熱分解で発生したモノマーを含むガスは、キル
ンの前部フード7から導管17を通して冷却塔1
1に導かれ、そこでMMAモノマーを凝縮させ、
モノマー貯蔵槽12に貯蔵する。非凝縮性ガスは
ブロアー13によつて導管16に導かれ、後部フ
ード8からキルン5に循環される。なお、この後
部フード8には熱分解で生成した少量の炭化物を
排出するためのバルブ9を備えている。また余剰
のガスは導管18を通して焼却炉14に導かれて
焼却される。キルン5中で発生したガスは、二次
分解を防ぐためにできるだけ速やかにキルンから
追い出すのが好ましく、そのために、前記循環ガ
スのほかにパージ用の不活性ガスを導管20から
適宜導入する。 キルンは加熱炉10により電熱またはガス燃料
などによつて均等に加熱され、そのキルンの温度
は熱電対19によつて制御される。 上記のごとく、本発明方法により、ロータリー
キルンを主体とした熱分解装置を用いてPMMA
廃材を連続的に熱分解することにより、安定した
熱分解が行なわれ、着色の少ない高純度のMMA
モノマーが高収率にて回収される。 本発明者らの研究によれば、この回収される
MMAモノマーの純度は熱分解キルンの温度と密
接な関連を有し、キルンの温度を下げるとMMA
モノマーの純度が高くなる傾向があるが、熱分解
温度を下げ過ぎるとMMAモノマーより分子量の
大きい高沸点成分が増加したり、熱分解速度が低
下することを知つた。さらに、熱分解温度を下げ
ると熱分解キルン中で加熱によつて軟化した
PMMA破砕片が相互に融着して塊状に成長しや
すく、この塊状のPMMAは塊状化していない
PMMA破砕片に比し、キルン中での加熱速度が
遅く発生するガスの温度が低下する欠点を有す
る。さらに、PMMA塊状物の生成により熱分解
温度が変動し、それに伴なつて回収されるモノマ
ーの組成も変動し、MMAモノマーの純度が低下
する。 本発明の方法によれば、PMMA塊状物の生成
に伴なつて大きく変動するガス温度をキルン中に
セツトした熱電対21により測定し、それによつ
て、キルン中のPMMAの熱分解状況を判断する
ことができ、また副生する炭化物を逐次排出する
ことにより、バツチ式熱分解法に比べて熱分解温
度の制御が容易である。 しかしながら、キルン中でPMMA塊状物が生
成すると熱分解温度の変動が大きくなるため、な
お正確な熱分解温度の制御が行なわれ難く、回収
されるモノマーの純度も低下する。そこで、本発
明者らは、このような欠点を改良するために、さ
らに研究を重ねた結果、純度の高い一定品質の
MMAモノマーを回収するためには、前記キルン
の表面温度を450℃程度として熱分解温度を±10
℃程度の変動幅に抑えることが必要であることを
知り、さらにこの塊状物の生成が、熱により軟化
したPMMAがキルン中を移動する間に接触を繰
り返してその粘着力により塊状化することによる
点に着目し、この熱分解に際してPMMA廃材と
ともにある種の添加剤を混合させることによりか
かる塊状物の生成が著しく抑制されることを見い
出した。 すなわち、本発明によれば、第1図に示される
ように、PMMA廃材をホツパー3に供給する際
に、計量供給機2より、無機質材料または金属粉
末などの添加剤を合せて供給することにより、前
記のごときPMMA塊状物の生成を防止すること
ができ、熱分解温度の制御が容易となり、安定し
た熱分解キルンの操業が可能となる。 上記の方法で用いられる添加剤としては、砂、
アルミナ、炭酸カルシウム、鉄粉、アルミニウム
粉末、銅粉末などの無機質材料または金属粉末な
どがあげられるが、これらのうち、粒径の小さい
ものでかつかさ比重の小さいものが適している。
たとえば、アルミナ、アルミニウム粉末、砂、お
よび鉄粉末の粒径および、かさ比重は次表のごと
くであり、
【表】
表中の上方のものほど適している。ただし、砂
は安価である利点を有し、またアルミナ微粉末な
どの無機質材料は比較的少量の添加で大きな
PMMAの粘着防止効果を示すのに対し、金属粉
末は比重が大きいため無機質材料に比べてやや多
量の添加を必要とするが、熱伝導がよいため
PMMAの分解が速い利点を有する。 これらの添加剤は、単独でもまた2種以上併用
して用いてもよく、またその使用量は、
PMMA:添加剤=4:1以上、好ましくは3:
1以上(重量比、以下同じ)の割合でPMMA廃
材に混合する。この添加剤は、熱分解工程のの
ち、後部フード8の下部より回収されるが、
PMMAの分解により生成する炭化物が混入する
ため、焼却、比重選別などの手段によりそれらを
適宜除去したのち、第1図に示すとおり、導管1
5を通して計量供給機21に回送し、循環して使
用することができる。 このように、本発明の方法によれば、キルン中
にPMMA廃材と一定割合の無機質材料または金
属粉末を混合加入して熱分解処理することによ
り、PMMAの熱分解温度の変動幅を著しく縮小
させることができ、従来のバツチ式分解法に比べ
て純度の高いMMAモノマーが回収される。 第2図およびに、それぞれ、本発明方法
(PMMA:アルミナ粉末=1:1の混合)により
回収されたMMAモノマーおよびバツチ式分解法
で回収されたMMAモノマーのガスクロマトグラ
フを示す(図中、が不純物、がMMAを意味
する)。 第2図から明らかなように、本発明方法で回収
されるMMAモノマー(第2図)は、バツチ式
分解法によるMMAモノマー(第2図)に比し
著しく不純物含量が少ない。ことに、回収MMA
モノマー中にMMAに近い沸点を有する不純物が
含まれると単蒸留程度の精製では高純度のMMA
モノマーにまで精製することが難しく、水蒸気蒸
留、減圧蒸留などを行なう必要があるが、本発明
方法による回収モノマーでは、低沸点および高沸
点の不純物が少ないうえ、MMAに近い沸点の不
純物(第2図中AおよびBのピークで示される不
純物)の含有率も著しく低い。したがつて、本発
明方法で回収されるMMAモノマーは単蒸留など
の簡単な精製方法により、そのままPMMA製造
原料として使用されうる。 また、第3図に上記と同じ回収モノマーについ
て、その4%メタノール溶液にて、吸光度を測定
した結果を示す。この図から明らかなように、本
発明方法によるMMAモノマー(第3図)は、
着色が少なく、バツチ式分解法による回収モノマ
ー(第3図)に比べて、320mμ付近の吸光度
は約1/5に低下しており、不純物の含量が少ない
ことを示している。なお、第3図は対照とし
て、純MMAモノマー標準品について同様に吸光
度を測定した結果を示す。 つぎに実施例をあげて本発明方法をさらに具体
的に説明する。 実施例 1 内径100mmφ、加熱部の長さ1200mmの外熱式ロ
ータリーキルンを使用し、約5mm以下に破砕した
PMMA廃材を1時間当り3.6Kgの割合で供給し、
連続的に熱分解した。キルンの回転数は4RPM、
傾斜角は5.5゜とし、キルンには500/hrの窒素
ガスを供給し、生成したガス状のMMAモノマー
を速やかに凝縮器に導くようにした。キルンの表
面温度は450℃となるように調節した。 キルンにPMMAを単独で供給した場合には、
キルン中のガス温度は不安定で変動が激しく、回
収されたMMAモノマーも茶褐色に着色していた
が、PMMAと同じ量のアルミナ粉末を混合して
熱分解を行なつたところ、キルン中のガス温度の
変動も極めて少なくなり、安定したPMMAの連
続的な熱分解ができた。 回収されたPMMAの収率は95%であり、従来
のバツチ式による回収モノマーに比べて第2図に
示すとおり、不純物の含有率は少なく、また第3
図にみられるとおり光の吸収も減少し、ほとんど
着色していないモノマーが回収できた。 実施例 2 上記実施例1の方法において、アルミナ粉末の
かわりに同じ比率の砂を混合して熱分解を行なつ
たところ、同様に安定した熱分解が可能であり、
純度の高いMMAモノマーが回収された。 実施例 3 上記実施例1の方法において、アルミナ粉末の
代りに鉄粉(アトマイズ粉末200メツシユ以下の
細粉末)をPMMAに対し2倍の重量で混合し熱
分解を行なつたところ、同様に安定して純度の高
いMMAモノマーが回収された。
は安価である利点を有し、またアルミナ微粉末な
どの無機質材料は比較的少量の添加で大きな
PMMAの粘着防止効果を示すのに対し、金属粉
末は比重が大きいため無機質材料に比べてやや多
量の添加を必要とするが、熱伝導がよいため
PMMAの分解が速い利点を有する。 これらの添加剤は、単独でもまた2種以上併用
して用いてもよく、またその使用量は、
PMMA:添加剤=4:1以上、好ましくは3:
1以上(重量比、以下同じ)の割合でPMMA廃
材に混合する。この添加剤は、熱分解工程のの
ち、後部フード8の下部より回収されるが、
PMMAの分解により生成する炭化物が混入する
ため、焼却、比重選別などの手段によりそれらを
適宜除去したのち、第1図に示すとおり、導管1
5を通して計量供給機21に回送し、循環して使
用することができる。 このように、本発明の方法によれば、キルン中
にPMMA廃材と一定割合の無機質材料または金
属粉末を混合加入して熱分解処理することによ
り、PMMAの熱分解温度の変動幅を著しく縮小
させることができ、従来のバツチ式分解法に比べ
て純度の高いMMAモノマーが回収される。 第2図およびに、それぞれ、本発明方法
(PMMA:アルミナ粉末=1:1の混合)により
回収されたMMAモノマーおよびバツチ式分解法
で回収されたMMAモノマーのガスクロマトグラ
フを示す(図中、が不純物、がMMAを意味
する)。 第2図から明らかなように、本発明方法で回収
されるMMAモノマー(第2図)は、バツチ式
分解法によるMMAモノマー(第2図)に比し
著しく不純物含量が少ない。ことに、回収MMA
モノマー中にMMAに近い沸点を有する不純物が
含まれると単蒸留程度の精製では高純度のMMA
モノマーにまで精製することが難しく、水蒸気蒸
留、減圧蒸留などを行なう必要があるが、本発明
方法による回収モノマーでは、低沸点および高沸
点の不純物が少ないうえ、MMAに近い沸点の不
純物(第2図中AおよびBのピークで示される不
純物)の含有率も著しく低い。したがつて、本発
明方法で回収されるMMAモノマーは単蒸留など
の簡単な精製方法により、そのままPMMA製造
原料として使用されうる。 また、第3図に上記と同じ回収モノマーについ
て、その4%メタノール溶液にて、吸光度を測定
した結果を示す。この図から明らかなように、本
発明方法によるMMAモノマー(第3図)は、
着色が少なく、バツチ式分解法による回収モノマ
ー(第3図)に比べて、320mμ付近の吸光度
は約1/5に低下しており、不純物の含量が少ない
ことを示している。なお、第3図は対照とし
て、純MMAモノマー標準品について同様に吸光
度を測定した結果を示す。 つぎに実施例をあげて本発明方法をさらに具体
的に説明する。 実施例 1 内径100mmφ、加熱部の長さ1200mmの外熱式ロ
ータリーキルンを使用し、約5mm以下に破砕した
PMMA廃材を1時間当り3.6Kgの割合で供給し、
連続的に熱分解した。キルンの回転数は4RPM、
傾斜角は5.5゜とし、キルンには500/hrの窒素
ガスを供給し、生成したガス状のMMAモノマー
を速やかに凝縮器に導くようにした。キルンの表
面温度は450℃となるように調節した。 キルンにPMMAを単独で供給した場合には、
キルン中のガス温度は不安定で変動が激しく、回
収されたMMAモノマーも茶褐色に着色していた
が、PMMAと同じ量のアルミナ粉末を混合して
熱分解を行なつたところ、キルン中のガス温度の
変動も極めて少なくなり、安定したPMMAの連
続的な熱分解ができた。 回収されたPMMAの収率は95%であり、従来
のバツチ式による回収モノマーに比べて第2図に
示すとおり、不純物の含有率は少なく、また第3
図にみられるとおり光の吸収も減少し、ほとんど
着色していないモノマーが回収できた。 実施例 2 上記実施例1の方法において、アルミナ粉末の
かわりに同じ比率の砂を混合して熱分解を行なつ
たところ、同様に安定した熱分解が可能であり、
純度の高いMMAモノマーが回収された。 実施例 3 上記実施例1の方法において、アルミナ粉末の
代りに鉄粉(アトマイズ粉末200メツシユ以下の
細粉末)をPMMAに対し2倍の重量で混合し熱
分解を行なつたところ、同様に安定して純度の高
いMMAモノマーが回収された。
第1図は本発明の方法に用いられる外熱式ロー
タリーキルン装置の一具体例を示すフローシー
ト、第2図およびは、本発明方法および従来
のバツチ式分解法による回収MMAモノマーのガ
スクロマトグラフ、第3図,は、同上の回収
MMAモノマーの吸光度、第3図は、純MMA
モノマー標準品の吸光度をそれぞれ示す。図面中
の主な符号はつぎのとおりである。 1……供給装置、2……計量供給機、3……ホ
ツパー、4……定量供給装置、5……キルン、6
……篭状体、7……前部フード、8……後部フー
ド、10……加熱炉、11……冷却塔、12……
モノマー貯蔵槽、14……焼却炉。
タリーキルン装置の一具体例を示すフローシー
ト、第2図およびは、本発明方法および従来
のバツチ式分解法による回収MMAモノマーのガ
スクロマトグラフ、第3図,は、同上の回収
MMAモノマーの吸光度、第3図は、純MMA
モノマー標準品の吸光度をそれぞれ示す。図面中
の主な符号はつぎのとおりである。 1……供給装置、2……計量供給機、3……ホ
ツパー、4……定量供給装置、5……キルン、6
……篭状体、7……前部フード、8……後部フー
ド、10……加熱炉、11……冷却塔、12……
モノマー貯蔵槽、14……焼却炉。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ポリメチルメタアクリレート樹脂(メタアク
リル樹脂)廃材を、無機質材料または金属粉末か
ら選ばれる1種または2種以上の添加剤の共存
下、外熱式ロータリーキルンを用いて、該添加剤
が溶融しない温度で連続的に熱分解して高純度の
メチルメタアクリレートモノマーを回収すること
を特徴とする廃メタアクリル樹脂から高純度モノ
マーを回収する方法。 2 該添加剤を、ポリメチルメタアクリレート樹
脂:添加剤=4:1(重量比)以上の割合で混合
する前記第1項の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6357378A JPS54154710A (en) | 1978-05-26 | 1978-05-26 | Recovery of high-purity monomer from waste methacrylic resin |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6357378A JPS54154710A (en) | 1978-05-26 | 1978-05-26 | Recovery of high-purity monomer from waste methacrylic resin |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS54154710A JPS54154710A (en) | 1979-12-06 |
JPS6136503B2 true JPS6136503B2 (ja) | 1986-08-19 |
Family
ID=13233120
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6357378A Granted JPS54154710A (en) | 1978-05-26 | 1978-05-26 | Recovery of high-purity monomer from waste methacrylic resin |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS54154710A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1481957B1 (en) * | 2002-03-01 | 2008-01-16 | Daikin Industries, Ltd. | Process for producing fluoromonomer |
CN111848338B (zh) * | 2020-08-27 | 2023-12-22 | 银川百泓新材料科技有限公司 | 从永固紫离心母液中回收邻二氯苯的方法和装置 |
CN114634413B (zh) * | 2022-04-02 | 2023-05-26 | 北京化工大学 | 一种聚甲基丙烯酸甲酯催化解聚为单体的方法和反应装置 |
-
1978
- 1978-05-26 JP JP6357378A patent/JPS54154710A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS54154710A (en) | 1979-12-06 |
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