JPS6136065B2 - - Google Patents

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JPS6136065B2
JPS6136065B2 JP8759380A JP8759380A JPS6136065B2 JP S6136065 B2 JPS6136065 B2 JP S6136065B2 JP 8759380 A JP8759380 A JP 8759380A JP 8759380 A JP8759380 A JP 8759380A JP S6136065 B2 JPS6136065 B2 JP S6136065B2
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JP
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less
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core material
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cold
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JP8759380A
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JPS5713141A (en
Inventor
Yoshio Baba
Teruo Uno
Hideo Yoshida
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPS6136065B2 publication Critical patent/JPS6136065B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は結晶粒の微細で耐食性にすぐれた段付
きの航空機ストリンガーおよびその製造法につい
てである。 本発明におけるストリンガーとは第1図に示す
ように航空機の胴体1の内部に使用される長手方
向の補強材2(ストリンガー)と円周方向の補強
材3(ストリンガーフレーム)のことをいい、そ
の断面形状は第2図に示すaハツト型、bZ型お
よびcJ型等が代表的なものである。 航空機ストリンガー用材料にはAA7075合金が
主として使用されているが、AA7075合金は耐食
性が問題となる場合があるので、AA7075合金を
芯材とし、AA7072合金を皮材とした耐食性良好
なAA7075合金クラツド材も用いられている。 このAA7075クラツド材ストリンガーの従来法
による代表的な製造法はつぎのとおりである。 AA7075合金を約460〜480℃で約16〜24時間の
近質化熱処理し、このAA7075合金を芯材とし、
AA7072合金を皮材として約400℃で厚さ4〜8
mm程度に熱間クラツド圧延し、約410℃×約1時
間の中間焼鈍をしたのち1時間当り約25℃以下の
冷却速度で炉冷し、厚さ2〜4mm程度の板に冷間
圧延したのち、8〜12時間の昇温時間で約420℃
に昇温し、その温度で約2時間加熱軟化したの
ち、1時間当り約25℃の冷却速度で約235℃まで
冷却し、235℃で6時間保持後空冷してAA7075
合金O材板とし、さらに加工度最大90%の段付き
冷間圧延加工(テーパーロール加工)をし又は段
付き冷間圧延加工をすることなく、溶体化処理し
てストリンガ用材料を製造していた。上記中段付
き冷間圧延加工は例えば第3図に示すような形態
にすなわち、長さ方向で圧延加工度を変え、加工
度0の部分A、比較的低加工度の部分B、中間の
加工度の部分C、高加工度の部分Dなどを有する
形態に加工する。 これは強度を要しない部分の肉厚を薄くするこ
とにより航空機全体の重量を軽減するためのもの
である。このようにして製造されたストリンガー
用材料をセクシヨンロール成形により、例えば第
2図aに示すハツト型に成形し、ついでT6テン
パー処理を施すことによりストリンガーとするも
のである。 上記のような工程でストリンガーを製造する場
合にはつぎのような点が問題となる。 すなわち、従来法によりストリンガー素材とし
て製造されたAA7075合金O材クラツド板は芯材
の結晶粒径が150〜250μm程度と粗大であり、こ
の素材を10〜30%程度の低加工度の冷間加工(テ
ーパー圧延)後に溶体化処理を行なう場合には素
材の結晶粒よりさらに芯材の結晶粒が粗大化し、
約20%の加工度の部分が経験上最も粗大化してい
る。勿論このような素材を使用する場合でも50%
以上の冷間加工を行なつた後に溶体化処理を行な
う部分では芯材の結晶粒径50μm程度の微細結晶
粒が得られるが、1本のストリンガー内には冷間
加工度0から最大90%までの種々の加工度の部分
が存在するため、ストリンガーの全長約10m全体
にわたつて結晶粒径を100μm以下にすることは
極めて難しい。 第4図には既存のストリンガー素材を種々の加
工度で冷間加工後に溶体化処理した場合の加工度
(上段)と芯材の結晶粒径(下段)との関係の1
例を示す。加工度の大きいD,F,G等の部分で
は結晶粒径は微細であるが、加工度の小さいA,
B,C,E等の部分では結晶粒径は非常に大き
い。 A,B,C,E等の結晶粒径が100μm以上の
部分については機械的性質、伸び、破壊靭性値等
が低下すると共にセクシヨンロール成形時に肌荒
が生じたり、割れが発生するため、ストリンガー
の製造が極めて難しいだかりでなく、その機能を
低下する。また結晶粒径が100μm以上と粗大な
場合にはケミカルミーリング後の面粗さが粗く疲
労強度が低下する問題がある。 本発明は上記の問題点を解決せんとするもの
で、最大90%までの冷間加工度に溶体化処理を行
なつても芯材の結晶粒径が100μm以下で、耐食
性にも優れた段付きの航空機ストリンガーおよび
その製造法を提供するものである。 すなわち、本発明の第1発明は、Zn5.1〜8.1
%,Mg1.8〜3.4%,Cu1.2〜2.6%,Ti0.20%以
下、さらにCr0.18〜0.35%又はZr0.05〜0.25%の
1種又は2種を含み残りAlと不純物より構成さ
れる組成を有する合金を芯材とし、Zn0.8〜1.3%
を含むAl合金を皮材とする片面又は両面クラツ
ド材で芯材の結晶粒が100μm以下の耐食性にす
ぐれた段付きの航空機ストリンガーである。 本発明の段付きの航空機ストリンガーの芯材合
金成分の限定理由を以下に示す。 Zn……5.1%未満の場合にはT6処理後の素材の強
度が低く、8.1%を越えると鞄性が低下し
たり、応力腐食割れの危険がある。 Mg……1.8%未満の場合にはT6処理後の素材の
強度が低く、3.4%を越えると、軟質材の
冷間加工性が悪く、またT6処理後の素材
の靭性が低下する。 Cu……1.2%未満の場合にはT6処理後の素材の強
度が低く、2.6%を越えると素材の靭性が
低下する。 Ti……0.20%以下の添加は鋳造組織の微細化鋳造
時の鋳塊割れの防止に有効であるが、0.20
%以下をこえると巨大な金属間化合物が晶
出する。 Cr……0.18%未満の場合には応力腐食割れの危険
があり、0.35%を越えると巨大な金属間化
合物が晶出するもので好ましくない。 Zr……0.05〜0.25%の添加は応力腐食割れの防止
とさらに結晶粒の微細化に有効であるが、
0.05未満の場合にはその効果が少なく、
0.25%をこえると巨大な金属間化合物が晶
出するので好ましくない。 なお、不純物元素としてのFe,Si,Mn
は以下のように規制する必要がある。 Fe……Feは結晶粒微細化に効果があるが、0.50
%をこえると合金中の不溶性化合物の量が
増加するための素材の靭性が低下する。 Si……Siは結晶粒の微細化に効果があるが、0.40
%をこえると合金中の不溶性化合物の量が
増加するため素材の靭性が低下する。 Mn……Mnは応力腐食割れの防止に効果がある
が、0.70%をこえると焼入性や靭性が低下
する。皮材の合金としては耐食性に劣る芯
材を保護し耐食性を向上させる目的で、
AA7075合金合せ板(AA Alclad 7075
Sheet and Plate)やAA7178合金合せ板
(AA Alclad 7178 Sheet and Plate)の場
合と同様にAA7072合金を使用する。 本発明材料を使用して航空機ストリンガーを製
造する場合には全長にわたつて芯材の結晶粒径が
100μm以下と微細なため、セクシヨンロール成
形時に割れや肌荒れが全く生じないばかりでな
く、機械的性質、伸び、破壊靭性値、ケミカルミ
ーリング性、耐食性等にすぐれたストリンガーを
得ることが可能である。 本発明の第2発明は、上記第1発明における段
付き航空機ストリンガーの製造法であつて、上記
限定のアルミニウム合金の芯材と皮材を均質化処
理してから熱間クラツド圧延を行ない、その後冷
間圧延により所定の厚みにまで圧延した材料を
320〜500℃の温度に平均11℃/分より大きい昇温
速度で急速に加熱することにより軟化し、最大90
%までの段付きの冷間加工を行ない、溶体化処理
を行なうことを特徴とする方法である。 本第2発明は上記限定のアルミニウム合金を均
質化処理するが、この均質化処理は芯材のアルミ
ニウム合金鋳塊を400〜490℃で2〜48時間十分に
加熱し、Zn,Mg,Cu等の元素を十分に固溶させ
ると共にCrやZrを微細な金属間化合物として析
出させるものである。温度が低いか時間が短いか
して均質化処理が不十分な場合には、アルミニウ
ム合金鋳塊の熱間加工性が悪く、耐応力腐食割れ
性が低下したり、結晶粒が粗大化たりする。ま
た、均質化処理温度が490℃よりも高いと共晶融
解を生じるので好ましくない。 皮材の合金鋳塊についても400〜560℃の温度で
2〜48時間の均質化処理を行ないZn等の添加元
素を十分に固溶させることが望ましい。均質化処
理後に皮材鋳塊は所定の厚みに圧延して皮材とす
る。熱間圧延に先立つて芯材と皮材を脱脂洗滌
し、芯材と皮材を溶接により接合する。熱間クラ
ツド圧延は、350〜470℃の温度で開始することが
望ましい。350℃未満の場合には変形抵抗が大き
いので圧延加工性が悪く、470℃を越えると脆化
するので加工割れが生ずるようになり好ましくな
い。 クラツド率については片面0.05〜10%とするこ
とが望ましい。0.05%未満の場合には皮付圧延が
困難であるばかりでなく、皮材が損傷しやすく耐
食性にも問題がある。 クラツド率が10%を越えた場合には合せ板の熱
処理後の強度が低下するので問題である。熱間圧
延終了後、必要に応じて軟化を行なう。軟化は
300〜460℃の温度に保持後に1時間当り30℃以下
の冷却速度で260℃程度まで冷却する必要があ
る。この軟化工程はつぎの冷間圧延の加工度を高
くとる場合に特に必要である。 冷間圧延における加工度は20%以上が望まし
く、加工度が低い場合にはストリンガー用材料の
芯材結晶粒径が100μm以上に粗大化する。 冷間圧延した材料は320〜500℃の温度に平均11
℃/分より大きい昇温速度で急速に昇温させる急
速加熱による軟化が行なわれるが、この工程は高
品質のストリンガー用材料を得る上で特に重要で
ある。 従来からAA7075合金の軟化の方法は413〜454
℃に加熱し、この温度で2時間保持し、空気中で
冷却し、232℃に再加熱し、この温度に6時間保
持し、これから室温まで冷却することによつて行
なわれている。この方法は、米国防省のMIL−
H6088E軍用規格中5,2,7,2項で推奨する
方法であり、航空機用7075合金の軟化方法はすべ
て上記方法に準拠しており、当業者の常識となつ
ている。本発明における上記軟化工程はかかる当
業者の常識を打破つたものである。 この軟化工程において加熱温度が500℃をこえ
ると材料が溶融したり、異常結晶粒成長が起こり
芯材の再結晶粒が著しく粗大化するので好ましく
ない。 加熱温度が320℃より低い場合には材料が完全
に軟化再結晶しないため、ストリンガーを製造す
る際の段付き冷間圧延加工(テーパーロール加
工)で割れが生ずる問題がある。 結局320〜500℃の温度が加熱軟化する場合にの
み100μm以下の微細な芯材の再結晶粒を有する
段付き航空機ストリンガーの製造が可能となる。 上記温度への昇温速度については、平均11℃/
分より大きい速度での急速加熱を行なうことが必
須で、この場合には加熱途上における芯材中の
Mg/Zn系化合物の析出が少なく、冷間圧延によ
り導入された転位組識は急速加熱による軟化を行
うことにより均一微細なセル組識に変化する。こ
のような組識を有する材料を弱加工度のテーパー
ロール加工(10〜30%)を行なつた後に溶体化処
理を行なう場合には均一微細なセル組織を核とし
て再結晶が進行するため均一微細な芯材の再結晶
粒が得られる。昇温速度が11℃/分より、小さい
場合には所定の軟化温度への加熱中に芯材中で
Mg/Zn系の化合物が不均一析出すると共に転位
組織も完全に消滅するかあるいは粗大な不均一な
サイズのセル組織が残留する。このような材料を
弱加工のテーパーロール加工後に溶体化処理を行
なう場合には前記のような均一微細な再結晶粒は
得られず、芯材の結晶粒は著しく粗大化する。 急速加熱による軟化後の冷却速度については、
冷却速度が1時間当り30℃以下の場合には完全な
O材が得られるので、素材の冷間加工性は良好で
あり、1度に90%のテーパーロール圧延が可能で
ある。 これに対し急速加熱による軟化後の冷却速度が
速い場合には焼きが入り時効硬化するため、通常
の一般O材よりは強度の高い材料が得られるが、
この場合には比較的加工度の低いストリンガー素
材としては適用が可能であるが、高加工度を必要
とするストリンガーへの適用には加工性の点で問
題がある。 本発明の第3発明はその対策のためのもので、
第2発明において軟化の際の冷却速度が1時間当
り30℃以上のときには、200〜500℃に再加熱して
とりわけ再加熱温度が200〜350℃未満の場合には
空冷するか1時間当り30℃以下の速度で冷却し、
再加熱温度が350〜500℃の場合には1時間当り30
℃以下の速度で冷却することを特徴とする方法で
ある。 すなわち、急速加熱後の冷却速度が1時間当り
30℃以上のときは焼きが入り時効硬化するため、
所定の温度に再加熱してO材とする必要がある。
再加熱温度が200℃より低い温度では軟化せず、
500℃を越えると結晶粒が粗大化するおそれがあ
る。そして、再加熱後の冷却速度は再び焼きが入
らないようにするため再加熱温度が比較的低温の
200〜350℃未満の場合には空冷するか冷却速度が
1時間当り30℃以下の冷却速度で冷却し、再加熱
温度が比較的高温の350〜500℃の場合には冷却速
度が1時間当り30℃以下の冷却速度で冷却する。
再加熱温度が200〜350℃未満の場合は温度が低い
ので、冷却は空冷でも焼きが入らない。また再加
熱温度が350〜500℃の場合は、冷却速度は1時間
当り30℃より大きいと焼きが入つて好ましくな
い。このようにすることによつて急速加熱後の冷
却速度が速い場合でも高加工度が可能となる。 また、再加熱温度は得られた素材の引張強さお
よび素材を段付きテーパーロール加工した後溶体
化処理した材料の芯材結晶粒径に影響することが
実験により分つた。この関係の1例を第5図に示
す。 第5図は急速加熱による軟化を行つた材料を各
温度で再加熱したO材の引張強さ及びこのO材を
20%冷間加工後470℃×40分溶体化処理したの
ち、水焼入したW材の芯材の結晶粒径と再加熱温
度との関係を示す。 即ち、急速加熱による軟化後空冷し、室温に放
置した材料は焼きが入つているから引張強さは高
く、再加熱することにより引張強さは再加熱温度
の上昇と共に低くなつている。また再加熱後20%
の冷間加工を施した後に溶体化処理した材料の芯
材の結晶粒径は再加熱温度により異なり、再加熱
温度200〜350℃未満のときの結晶粒径は約25〜35
μmで比較的小さく、再加熱温度350〜440℃未満
のときの結晶粒径は35〜50μmと大きくなり、再
加熱温度440〜500℃のときの結晶粒径は30〜35μ
mと再び小さくなる。
【表】 実施例 1 表1に示した合金No.1およびNo.4を芯材とし合
金No.10を皮材とする合せ板(片面2.5%で両面ク
ラツド)より構成される3mm厚のストリンガー用
材料を下記本発明法と従来法により製造し、その
諸性能を比較した。 本発明法: 芯材の均質化処理(460℃×16hr)→熱間クラ
ツド圧延(400℃で300mmより6mmに圧延)→冷延
(6→3mm)→急速加熱(450℃に昇温速度200
℃/分で加熱した3分保持)→冷却(5℃/分で
冷却)→300℃×1hr加熱軟化→20℃/hrの冷却速
度で200℃まで冷却→冷間加工(加工度0〜90
%、表2に表示)→溶体化処理(470℃×40分、
ソルトバス使用)→水焼入れ。 従来法: 芯材の均質化処理(460℃×16hr)→熱間クラ
ツド圧延(400℃で300→6mmに圧延)→420℃×
1hr加熱後30℃/hrの冷却速度で冷却→冷間圧延
(6→3mm)→軟化(0.5〜1℃/分の平均昇温速
度で420℃に加熱して2hr保持→25℃/hrの冷却速
度で冷却→235℃に6hr保持→空冷)→冷間加工
(加工度0〜90%、表2に表示)→溶体化処理
(470℃で40分保持、ソルトバス使用)→水焼入
れ。 上記の方法で製造した材料(W材という)の諸
性能の結晶粒、溶体化処理前の冷間加工度ととも
に表2に示す。 本発明材は0〜90%の全加工度にわたつてW材
の芯材の結晶粒径が100μm以下と微細なためW
材の曲げ性、T6材の伸び、破壊靭性値、ケミカ
ルミーリング性等が従来材に比べてすぐれてい
る。
【表】 実施例 2 表1に示す合金No.1を470℃に24時間の均質化
処理後No.10合金を皮材として420℃より熱間クラ
ツド圧延を開始し、350mmより6mm厚の板に圧延
した。熱間圧延の終了温度は340℃であつた。つ
いで6mm厚板を3mm厚まで冷間圧延し、これを表
3に示す種々の加熱速度で450℃に加熱し、2分
間保持した後に1時間当り25℃の冷却速度で冷却
し、3mmO材とした。この板を種々の加工度で冷
間加工後にソルトバスを使用して470℃×40分の
溶体化処理後に水焼入した。これらの材料の芯材
の結晶粒度と450℃への昇温速度の関係を表3に
示す。(なお、クラツド率は片面2.4%の両面クラ
ツドである。)
【表】
【表】 * 従来法による昇温時間に相当
表3に示されるように、450℃への平均昇温速
度が11℃/分より大きい場合には冷間加工度後溶
体化処理した材料の芯材の結晶粒は100μm以下
の均一微細粒であるが、平均昇温速度が11℃/分
より小さい場合には結晶粒は著しく粗大化する。
ついで表3中の昇温速度が80℃/分,20℃/分、
14℃/分、11℃/分、0.9%/分のものを代表的
に選んでW材および水焼入後に120℃で24時間時
効したT6材の諸性能を表4に示す。平均昇温速
度が11℃/分より大きい材料はストリンガー用材
料として良好な性能を有している。
【表】
【表】 実施例 3 表1に示すた合金No.2を芯材とし、No.10合金を
皮材として実施例2と全く同じ方法で3mmの冷間
圧延上りクラツド板に圧延した、この板を320〜
550℃間の各温度に、種々の昇温速度で加熱し、
その後1分当り5℃の冷却速度で冷却し、ついで
300℃で1hr加熱し、1時間当り20℃の冷却速度で
冷却し3mmO材とした。なお、クラツド率は片面
2.5%の片面クラツドである。 上記3mmO材を冷間加工後に、ソルトバスを使
用して470℃で40分の溶体化処理後に水焼入した
W材芯材の結晶粒度と加熱温度の関係を表5に示
す。弱加工後に溶体化処理を行なつた場合でも芯
材の結晶粒の微細な材料の得られるのは、冷間圧
延上り板を320〜500℃の温度に急速加熱して軟化
した材料のみであり、加熱温度がこの範囲外の場
合には弱加工後に溶体化処理しても芯材の結晶粒
の微細な材料は得られない。 表5に示した条件で軟化した3mm厚O材のうち
3例につき、最大80%の冷間圧延をし、470℃で
40分の溶体化処理をしてから水焼入れしたW材お
よび焼入後に122℃で25時間時効したT6材につい
ての試験をした。その結果を表6に示すが、各例
ともストリンガー用材料として十分な性能を有し
ていた。
【表】
【表】
【表】 実施例 4 表1に示す合金No.3を芯材とし、No.10合金を皮
材として実施例2と全く同じ方法で3mm厚の冷間
圧延上りクラツド板に圧延した。この板を表7に
示す昇温熱速度で各温度に加熱し、各時間保持し
たのち、1分当り10℃の冷却速度で冷却し、つい
で300℃×1時間の加熱後空冷し3mmO材とし
た。(なお、クラツド率は片面2.5%であり両面ク
ラツドを行なつた。) この3mmO材を最も結晶粒の粗大化傾向の大き
い20%の冷間圧延後にソルトバスを使用して470
℃で40分の溶体化処理後に水焼入したW材の芯材
の結晶粒度と加熱温度と保持時間の関係を表7に
示す。
【表】
【表】 この表7から判るとおり、各保持時間にわたつ
て芯材の結晶粒の微細な材料が得られることは明
らかである。 上記の3mmO材板を0〜90%冷間圧延したのち
に、溶体化処理して水焼入したW材の芯材の結晶
粒は全て100μm以下であり、1.5t(t=板厚)
の曲げ半径で90゜曲げを行なつた場合にも肌荒れ
割れは全く生ぜず、ストリンガー用材料として好
適なものであつた。 実施例5(製造条件の影響) 表1に示した合金No.1の400mm厚鋳塊芯材と
し、No.10合金を皮材として表8に示す製造条件の
下でクラツド圧延し、最終2〜5mm厚のO材板と
した。 表8におけるNo.1〜17の製造条件で製造したO
材板を最も芯材の結晶粒の粗大化傾向の大きい20
%冷間圧延したのちにソルトバスを使用して470
℃で40分の溶体化処理後に水焼入したW材と120
℃で24時間時効したT6材の諸性能の試験結果を
表9に示す。
【表】
【表】
【表】 表9より明らかなように本発明の条件により製
造したストリンガー用材料の芯材の結晶粒径は
100μm以下であり、冷間加工後に焼入した材料
についても芯材の結晶粒径は100μm以下と粗大
化せず、またW材、T6共にストリンガー用材料
として良好な性能を示している。 なお、表9には加工度20%の場合の結果のみ示
したが、0〜80%の冷間加工を行なう場合につい
ても溶体化処理後の結晶粒径は全て100μm以下
であり、W材,T6材共にストリンガー用材料と
して十分な性能を有していた。 実施例6(合金組成の影響) 表1に示した合金No.3〜7の400mmの厚鋳塊を
470℃で25時間均質化処理したのち芯材とし、No.
10合金を皮材として、400℃より熱間クラツド圧
延を開始し、6mm厚の板に圧延した。熱間圧延終
了後温度は300℃であつた。ついで、6mm厚板を
3mm厚まで冷間圧延し、平均昇温速度300℃/分
で460℃に加熱し、2分間その温度に保持したの
ち、1分当り10℃の冷却速度で冷却し、その後
300℃で1時間加熱後空冷し3mmO材とした。 比較のため表1に示した合金No.8並びにNo.9の
ものも同じ方法でNo.10合金を皮材としてクラツド
圧延し最終3mm厚のO材板とした。なお、クラツ
ド率は全て2.6%であり、片面のみクラツドを行
なつた。 これらのO材板のストリンガー素材としての性
能をみるため、各O材板を0〜75%冷間圧延した
のち、470℃で40分溶体化処理し水焼入れしたW
材および焼入後に120℃で24時間時効したT6材に
ついての試験をした。その芯材の結晶粒径を表10
に示す。 各合金共に芯材の結晶粒径は全加工度にわたつ
て100μm以下である。 表11には最も芯材の結晶粒径の粗大化傾向が大
きい20%加工の場合について、冷間加工後にソル
トバスを使用して470℃×40分の溶体化処理後に
焼入した材料の諸性能を示す。
【表】
【表】 合金3〜7を芯材とするクラツド材はストリン
ガー材として良好な性能を有しているが、No.8合
金を芯材とする場合は強度が低く、No.9合金を芯
材とする場合には応力腐食割れの危険があるため
ストリンガー材としての使用には問題がある。
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は航空機胴体内部の一部斜視図、第2図
a,b,cはストリンガーの断面形状の例、第3
図はストリンガー素材の加工状態を示す斜視図、
第4図は加工度と結晶粒径との関係の一例を示す
説明図、第5図は素材の引張強さとW材の結晶粒
径と再加熱温度との関係を示すグラフである。 1……胴体、2……補強材(ストリンガー)、
3……補強材(ストリンガーフレーム)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 Zn5.1〜8.1%,Mg1.8〜3.4%,Cu1.2〜2.6
    %,T10.20%以下、さらにCr0.18〜0.35%又は
    Zr0.05〜0.25%の1種又は2種を含み、残りAlと
    不純物より構成される組成を有する合金を芯材と
    し、Zn0.8〜1.3%を含むAl合金を皮材とする片面
    又は両面クラツド材で、芯材の結晶粒径が100μ
    m以下の耐食性にすぐれた段付きの航空機ストリ
    ンガー。 2 Zn5.1〜8.1%、Mg1.8〜3.4%,Cu1.2〜2.6
    %,Ti0.20%以下、さらにCr0.18〜0.35%又は
    Zr0.05〜0.25%の1種又は2種を含み、残りAlと
    不純物よりなる合金を均質化処理してから芯材と
    し、Zn0.8〜1.3%を含むAl合金を皮材として片面
    又は両面クラツドの熱間クラツド圧延を行ない、
    その後冷間圧延により所定の厚みにまで圧延した
    材料を320〜500℃の温度に平均11℃/分より大き
    い昇温速度で急速に加熱することにより軟化し、
    最大90%までの段付き冷間加工を行ない、溶体化
    処理を行なつて芯材の結晶粒径が100μm以下と
    することを特徴とする耐食性にすぐれた段付きの
    航空機ストリンガーの製造法。 3 Zn5.1〜8.1%,Mg1.8〜3.4%,Cu1.2〜2.6
    %、Ti0.20%以下、さらにCr0.18〜0.35%又は
    Zr0.05〜0.25%の1種又は2種を含み、残りAlと
    不純物よりなる合金を均質化処理してから芯材と
    し、Zn0.8〜1.3%を含むAl合金を皮材として片面
    又は両面の熱間をクラツド圧延を行ない、その後
    冷間圧延により所定の厚みにまで圧延した材料を
    平均11℃/分より大きい昇温速度で320〜500℃の
    温度に急速加熱することにより軟化し、この軟化
    の際の冷却速度が1時間当り30℃以上のときに、
    200〜500℃に再加熱して再加熱温度が200〜350℃
    未満の場合には空冷又は1時間当り30℃以下の速
    度で冷却し、又再加熱温度が350〜500℃の場合に
    は1時間当り30℃以下の速度で冷却し、最大90%
    までの段付き冷間加工を行ない、溶体化処理を行
    なつて芯材の結晶粒径が100μm以下とすること
    を特徴とする耐食性にすぐれた段付きの航空機ス
    トリンガーの製造法。
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