JPS6135631Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、組立建物の屋根板固定具の構造に
係るもので、母屋縁に係合した固定具へ屋根板上
から螺子を螺挿し締め付け固定する屋根板固定装
置の組立て作業で、固定具を長い母屋の端部から
挿入して係合する手数を省いて母屋中間の任意箇
所において側方から素早く固定具を押圧嵌合さす
ことができ、しかも係合された固定具が横方向に
ぐらつかず母屋縁に密着して安定よく係着できる
ような固定具となすためのものである。

一般に建築現場における組立作業に際しては、
作業の迅速化を計るために、部材の組合せを簡易
にしなければならず、それがために屋根板固定具
の母屋への係合手法も簡単迅速で且つ確実でなけ
ればならない。それ故に、固定具の係合が母屋の
中間任意箇所において側方から素早く押しこめる
ようにするためには、固定具の母屋縁への係合溝
の溝幅に少し余分の幅をとらねばならず、そうす
ると母屋縁へ係合後において係合溝に余裕ができ
固定具がぐらついて外れ易くなる惧れが生じる。

そこで、本考案では、母屋へ係合した固定具の
ぐらつきをなくするために係合部へ外嵌して固定
具を安定さす部材を案出した。

以下、本考案の実施例を添付図面に従つて説明
すると、第１図は本考案における屋根板固定装置
の概要を示した正面図であり、第２図以降にその
要部の詳細を図示したもので、１は母屋、２は屋
根板、３は固定具、４は弾性押圧部材、５は螺
子、６は屋根押えである。

前記母屋１は溝形材をうつぶせに横架し、その
上面に屋根板２を載置してあり、溝の底壁１ａ両
側端からそれぞれ垂下する母屋縁１ｂを有する。
固定具３は中央部に上方開口の螺子挿入溝３ａを
凹設し、該溝の両側壁３ｂ，３ｂ上端からそれぞ
れ反対方向に水平片３ｃ，３ｃを曲設すると共
に、一側壁３ｂを溝底壁３ｄから下方へ延長して
母屋縁１ｂの長さに一致させ、続いて溝３ａと反
対側に鈎部３ｅを形成しこの鈎部上に係合溝３ｆ
を母屋縁の厚さより広幅に開設して母屋への係合
部を構成している。そして前記固定具の鈎部外面
に沿つて弾性押圧部材４を外嵌するものであり、
その押圧部材４は断面溝形状の一側片４ａの上端
から曲折し固定具の係合溝３ｆの上端開口に突出
する突起部４ｂを形成したものであつて、この弾
性押圧部材は弾性に富む合成樹脂材で成形するの
が適当であるが、他の実施例として第５図に示し
たものは弾性薄鋼材で形成したものである。尚、
第２図，第３図中の７は螺子へ挿着する座金、８
はパツキングである。

本考案における各部材構成は上述の様であり、
これらの部材により屋根板を固定する手法と各部
材間の作用とを説明すると次の様である。

先ず母屋に固定具を係合する手法は、第４図イ
とロに図解している様に、固定具をイ図の様に母
屋の一側縁外側に斜状に配して母屋下端を固定具
の係合溝３ｆの入口へ臨ました上、之を強く押し
つけると押圧部材４の弾性によりその上端突起部
４ｂが横に開いて母屋縁下端が固定具の係合溝３
ｆ内に挿入されると共に、固定具の一方水平片３
ｃ先端部が母屋底壁１ａ上面に臨むので更に続い
て矢印方向に固定具を押し捻じるとロ図の状態を
経て固定具が母屋に嵌合係着される。すると押圧
部材の突起部が弾撥力により復元して係合溝３ｆ
の上端開口に突出して開口上を塞ぐと共に、その
先端で母屋縁を固定具側壁に向つて押圧するの
で、第２図に示す様に固定具側壁３ｂが母屋縁１
ｂの外面に密着し、水平片３ｃが母屋底壁１ａ上
面に密着して両者が係合する。この様に固定具と
母屋との係合を適所において実施した上で母屋板
を載置し、第２図に示す様に屋根板上から屋根押
え６を添えて螺子５を固定具の挿入溝３ａに向つ
て捻じこんでゆけば螺子の雄ねじ部が溝側壁に喰
いこみ両者が噛合して螺着でき屋根板が母屋に向
つて締めつけられ固定される。

本考案における屋根板固定具は前述のような作
用により母屋に係着されて屋根板を固定できるも
のであり、母屋縁への係合溝の横幅を母屋縁の厚
さより広く形成して母屋縁側部より斜め状にして
係合することができ、その係合後において押圧部
材により母屋縁を押圧して固定具と密着させ、係
合溝の横幅の余分を塞ぎ固定具のぐらつきをなく
するので固定具が安定し、挿入溝へ屋根上から螺
子をねじこむまでの間に固定具が母屋から外れる
惧れがない。従つて、固定具を母屋端部から挿入
して係合する必要がなく、母屋中間部において随
意適所へ側方より容易に係合ができ、固定具が母
屋に密着するのでその後螺子を固定具の挿入溝へ
挿入し締付ける作業を容易にし、屋根板葺設作業
の能率を向上させる効果があり、尚母屋の端面が
他部材により閉塞されていても固定具の係合が容
易である。尚又、屋根板葺設後において風圧を受
けても係合部がゆるがず、永続的な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る屋根板固定装置の正面
図、第２図は屋根板固定要部の縦断面図、第３図
は屋根板固定部材の分解斜視図、第４図は固定具
を母屋に係合する手法を示す説明図、第５図は弾
性押圧部材の他の実施例を示す断面図である。 １……母屋、１ｂ……母屋縁、２……屋根板、
３……固定具、３ａ……螺子挿入溝、３ｅ……鈎
部、３ｆ……係合溝、４……弾性押圧部材、４ｂ
……突起部、５……螺子、６……屋根押え、７…
…座金、８……パツキング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定具３の下端一側方に設けた上向き係合溝３
   ｆを母屋１の一側方で下向き母屋縁１ｂに係合さ
   せ、同固定具中央部に凹設した上向き溝部３ａへ
   屋根板上から螺子５を螺挿するようにした屋根板
   固定具において、前記固定具３の係合溝３ｆの外
   面を包囲するよう外嵌した断面溝形状の弾性押圧
   部材４の上端内向き突起部４ｂを、前記係合溝３
   ｆの上端から溝開口上に突出させその突端で母屋
   縁１ｂ内面を押圧させて係合する屋根板固定具。